TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024095439
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212724
出願日2022-12-28
発明の名称チタン酸カルシウム粉末
出願人株式会社レゾナック
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C01G 23/00 20060101AFI20240703BHJP(無機化学)
要約【課題】高誘電率かつ低誘電正接となるチタン酸カルシウム粉末を提供する。
【解決手段】X線光電子分光分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRsが0.93以下である、チタン酸カルシウム粉末。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
X線光電子分光分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRsが0.93以下である、チタン酸カルシウム粉末。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記Rsと、蛍光X線分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRbとの比[Rs/Rb]が1.00以下である、請求項1に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項3】
X線光電子分光分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRsと、蛍光X線分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRbとの比[Rs/Rb]が1.00以下であるチタン酸カルシウム粉末。
【請求項4】
前記Rsが0.93以下である、請求項3に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項5】
前記Rbが0.93以上1.01以下である、請求項2~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項6】
粉体の球形化度が0.90以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項7】
圧力50MPaで加圧した際の圧粉密度が2.45g/cm

以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項8】
重装嵩密度が2.04g/cm

以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項9】
粉体が直方晶構造を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
【請求項10】
粉体の平均粒子径D50が3.0~15.0μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載のチタン酸カルシウム粉末。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸カルシウム粉末に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される各種小型無線機器の小型化及び軽量化のニーズが高まっており、アンテナの小型化が求められている。解決策として誘電体アンテナの適用が検討されており、誘電体アンテナの比誘電率が高くなるほど、伝搬する信号の波長が短くなり、アンテナの小型化がはかれる。誘電体アンテナに添加する誘電体材料として、高誘電率かつ低誘電正接のチタン酸カルシウムの適用が検討されている。とりわけ、伝送損失低減の観点から、低誘電正接の材料が望まれている。
【0003】
所望の誘電特性を得るためには、複合材料に誘電体材料を高充填する必要がある。しかし、高い誘電特性を達成するために必要な70~80体積%といった高充填領域においては、例えば樹脂複合材料であれば、粘度が著しく増加してしまいハンドリングが困難となる。
この課題に対して、添加する誘電体材料の粒度分布を適切に制御する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、特許文献1では、一次粒子の粒径が1.0μm以下の小粒子5~50容量%と一次粒子の粒径が1.0μm超過の大粒子50~95容量%とを含有するセラミックス粉末を用いることにより高充填化を図っている。
また、樹脂複合材にフィラーを高充填化する手法としては、フィラーの形状を球状化することも広く一般的に提案されている。特に、高い誘電特性を示すABO

型のペロブスカイト構造の球状酸化物粉末についても開示がある(例えば、特許文献2)。さらには、チタン酸ストロンチウムあるいはチタン酸カルシウムにおいて、化学結合表面処理剤を適切加工することで誘電正接を抑制することについても開示がある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2010/027074号
特開2005-112665号公報
特開2022-156362号公報
【非特許文献】
【0005】
Materials Research Express vol 7. Number 1, January 2020, 015920, Electronic and optical behaviour of lanthanum doped CaTio3 perovskite
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術では、小粒径の粒子が一定量必要となってくるため、必然的に添加する誘電体材料の表面積が大きくなる。例えば、樹脂複合材料であれば、複合化に必要な樹脂量が多くなるため高充填化が困難となる。
特許文献2に開示されている技術では、結晶性の高い球状酸化物粒子が得られることは示されているが、具体的に誘電体材料としての性能についての開示はない。また、結晶性の高い球状酸化物粒子を作製するための熱処理温度の範囲についての開示がある。しかし、より結晶性が良好であると示唆される高温処理品では、熱処理後にネックグロースが進行しているため解砕処理が必要であるとされている。ネックグロースが進行している時点で球状の形状が維持されていないことが示唆されると共に、解砕処理によって球状の形状を維持することは実質的に困難である。さらに、特許文献2では、得られるチタン酸カルシウムの結晶構造は立方晶構造と開示されているが、チタン酸カルシウムの一般的な構造である直方晶構造とは異なる。非特許文献1には、直方晶構造の方が立方晶構造よりも高周波誘電機能が高いことが開示されている。
特許文献3に開示されている技術では、化学結合表面処理剤が必須であり、フィラー自体の誘電正接の低減には至っていない。
【0007】
そこで本発明は、高誘電率かつ低誘電正接となるチタン酸カルシウム粉末を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、チタン酸カルシウム粉末の最表面組成を特定の状態に制御することにより、上記課題を解決できることを見出したことに基づくものである。
すなわち本発明は、下記に関する。
【0009】
[1] X線光電子分光分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRsが0.93以下である、チタン酸カルシウム粉末。
[2] 上記Rsと、蛍光X線分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRbとの比[Rs/Rb]が1.00以下である、上記[1]に記載のチタン酸カルシウム粉末。
[3] X線光電子分光分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRsと、蛍光X線分析により測定されるCaとTiとのモル比[Ca/Ti]を表すRbとの比[Rs/Rb]が1.00以下であるチタン酸カルシウム粉末。
[4] 上記Rsが0.93以下である、上記[3]に記載のチタン酸カルシウム粉末。
[5] 上記Rbが0.93以上1.01以下である、上記[2]~[4]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[6] 粉体の球形化度が0.90以上である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[7] 圧力50MPaで加圧した際の圧粉密度が2.45g/cm

以上である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[8] 重装嵩密度が2.04g/cm

以上である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[9] 粉体が直方晶構造を有する、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[10] 粉体の平均粒子径D50が3.0~15.0μmである、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
[11] JIS C 2565(1992)に準拠して測定される、1GHzにおける誘電正接が0.0009以下である、上記[1]~[10]のいずれか1つに記載のチタン酸カルシウム粉末。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高誘電率かつ低誘電正接となるチタン酸カルシウム粉末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

JFEスチール株式会社
黒鉛の精製方法
1日前
個人
金属イオン生成方法
1か月前
株式会社クラレ
活性炭成形体の製造方法
2日前
国立大学法人京都大学
過酸化水素の製造方法
16日前
アンヴァール株式会社
炭素固定装置
5日前
住友化学株式会社
アルミナ粉末および樹脂組成物
24日前
株式会社燃焼合成
窒化物の製造方法
25日前
東ソー株式会社
有機変性粘土及びそれを含むエチレン系重合触媒
4日前
株式会社神戸製鋼所
二酸化炭素固定化方法
9日前
株式会社レゾナック
チタン酸カルシウム粉末
24日前
木村化工機株式会社
水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置
26日前
株式会社スチームテックホールディングス
水素ガス製造方法及び装置
11日前
住友ベークライト株式会社
ハードカーボン、樹脂組成物および電子装置
4日前
アンヴァール株式会社
炭素固定装置の気体導入機構
5日前
アンヴァール株式会社
炭素固定・水素生成システム
5日前
浅田化学工業株式会社
針状アルミナ粒子集合体およびその製造方法
9日前
日揮触媒化成株式会社
粒子、及び該粒子の製造方法
26日前
株式会社燃焼合成
窒化物あるいは酸窒化物の製造方法
10日前
クニミネ工業株式会社
粘土ケーキの製造方法
10日前
個人
環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体及びその調製方法
26日前
日本特殊陶業株式会社
粉末複合材料、および粉末複合材料の製造方法
8日前
三菱ケミカル株式会社
金属酸化物、酸素透過膜及び酸素分離装置
25日前
日本軽金属株式会社
窒化アルミニウム粉末の製造方法
1日前
株式会社レゾナック
ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
24日前
株式会社レゾナック
ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
24日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
固体電解質材料およびそれを用いた電池
9日前
国立大学法人東京工業大学
4元系酸カルコゲン化物および電子素子
29日前
レアメタルリサイクル環境合同会社
無水塩化ニッケル粉末の製造方法
15日前
株式会社半導体エネルギー研究所
複合酸化物の作製方法
8日前
日揮触媒化成株式会社
結晶性ベーマイトスラリーおよびその製造方法
25日前
日揮触媒化成株式会社
フォージャサイト型ゼオライト、およびその製造方法
15日前
日揮触媒化成株式会社
フォージャサイト型ゼオライト、およびその製造方法
15日前
日本化学工業株式会社
リチウムコバルト系複合酸化物粒子及びその製造方法
2日前
大阪ガスケミカル株式会社
分子篩炭素及びその製造方法、並びにガス分離装置
26日前
国立大学法人東海国立大学機構
負熱膨張材料微粒子群、複合材料、部品、及び負熱膨張材料微粒子群の製造方法
8日前
タキロンシーアイ株式会社
表面改質酸化チタン、表面改質酸化チタンの製造方法、分散液、組成物、化粧料
26日前
続きを見る