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公開番号2024092969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-08
出願番号2023204292
出願日2023-12-01
発明の名称環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体及びその調製方法
出願人個人
代理人個人,個人
主分類C01G 49/08 20060101AFI20240701BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体及びその調製方法を提供する。
【解決手段】極小細孔磁性コロイド本体の調製方法は、Fe3O4ナノ粒子の合成、Fe3O4@NH2ナノ粒子の合成、PVBC鎖の合成、PVBC-Fe3O4@NH2複合ナノ粒子の調製、環境応答性の複合ナノ粒子の調製、極小細孔を有する環境応答性コロイド本体の調製などのステップを含み、各ステップを具体的に設定することにより、得られた環境応答性の超小孔磁性コロイド本体は、サイズや形態を有し、磁気応答性、pH応答性、温度応答性などの複数の機能を有し、制御可能な媒体伝送などの分野でより完全に適用され得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法であって、前記調製方法は、
Fe



ナノ粒子の合成のステップ(1)であって、
95~105体積部の有機油水溶液と95~105体積部の無水塩化第二鉄水溶液をゆっくり混合し、次に、十分に撹拌して赤茶色の沈殿物を生成し、10~15分間撹拌し、次に、固液混合物を濾過し、ふるい上を収集して洗浄し、次に、洗浄後に得られた固形物を乾燥させてワックス状物質を得て、乾燥させたワックス状物質を53~68体積部の有機溶媒内に加え、次に、5~8体積部の一価不飽和脂肪酸を該溶液に加え、均一に撹拌した後、溶液を水熱反応釜内に入れ、160~190℃の温度条件下で3~6時間反応させ、その後、反応生成物を取り出し、有機溶媒で洗浄し、次に、磁石で磁気分離して6~12nmのFe



ナノ粒子を得て、得られたFe



ナノ粒子を非極性溶媒に分散させ、Fe



ナノ粒子分散液を得るステップ(1)と、
Fe



@NH

ナノ粒子の合成のステップ(2)であって、
ステップ(1)で得られたFe



ナノ粒子分散液内に0.3~0.8%(v/v)のアミノシランカップリング剤及び0.005~0.02%(v/v)の有機酸を加え、次に、室温下で撹拌し、22~26時間反応させた後、磁石で固液分離し、固形物を洗浄し、凍結乾燥し、Fe



@NH

ナノ粒子を得るステップ(2)と、
PVBC鎖の合成のステップ(3)であって、
3~6体積部の超脱水カチオン重合溶媒内に0.01~0.05体積部の開始剤を加え、マグネチックスターラで撹拌し、1~5分間撹拌した後、1~5体積部の4-クロロメチルスチレンVBCモノマーを加え、撹拌を継続し、25~35分間反応させ、鎖サイズがステップ(2)で得られたFe



@NH

粒子の直径と等しい活性PVBCポリマー鎖溶液を合成するステップ(3)と、
PVBC-Fe



@NH

複合ナノ粒子の調製のステップ(4)であって、
ステップ(2)で調製したFe



@NH

ナノ粒子を超脱水カチオン重合溶媒に分散させ、Fe



@NH

ナノ粒子と超脱水カチオン重合溶媒との比は15~25mg:8~12mLであり、次に、混合液を超音波処理し、超音波処理しながら、ステップ(3)で調製した活性PVBC高分子鎖溶液を混合液にゆっくり加え、体系の色が淡いピンク色に変化する量の活性PVBCポリマー鎖溶液を加え、次に、0.8~1.5時間超音波処理し続け、磁石で固液分離し、固形物を塩化メチレンで洗浄してPVBC-Fe



@NH

粒子を得るステップ(4)と、
環境応答性の複合ナノ粒子の調製のステップ(5)であって、
密閉容器内で、ステップ(4)で調製した2~4重量部のPVBC-Fe



@NH

粒子を0.5~1.5重量部のトリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン、0.5~1.5重量部の超脱水イソプロピルアルコール、ジエチルアミノエチルメタクリレートモノマーと混合し、ジエチルアミノエチルメタクリレートモノマーの添加量と超脱水イソプロピルアルコールの添加量との比は、(9~11)μL:(0.8~1.2)mgであり、次に、容器を液体窒素に入れて凍結させ、同時に不活性ガスを混合物内に入れ、5~8分間後、真空引き処理に切り替え、5~8分間真空引きした後に解凍処理し、凍結-真空-解凍操作を2~6回繰り返し、凍結及び不活性ガス保護条件下で0.6~1.2重量部の臭化第一銅を加え、次に、再度凍結・真空・解凍操作を行った後、密閉容器を密封し、次に、密閉容器全体を55~65℃の恒温振とう器に入れて10~13時間振とう反応させ、磁石で固液分離し、次に、固形物を洗浄し、pH応答性の複合ナノ粒子を得て、
又は、
密閉容器内で、ステップ(4)で調製した1.5~2.5重量部のPVBC-Fe



@NH

粒子を1.5~2.5重量部のトリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン、N,N-ジメチルホルムアミド、195~205重量部のN-イソプロピルアクリルアミドモノマーと混合し、N,N-ジメチルホルムアミドの添加量とN-イソプロピルアクリルアミドの添加量との比は、(0.5~1.5)mL:(95~105)mgであり、次に、容器を液体窒素に入れて凍結させ、同時に不活性ガスを混合物内に入れ、5~8分間後、真空引き処理に切り替え、5~8分間真空引き処理した後に解凍処理し、凍結・真空・解凍操作を2~6回繰り返し、凍結及び不活性ガス保護条件下で0.6~1.2重量部の臭化第一銅を加え、次に、再度凍結・真空・解凍操作を行った後、密閉容器を密封し、次に、密閉容器全体を55~75℃の恒温振とう器に入れて10~13時間振とう反応させ、処理後、磁石で固液分離し、次に、固形物を洗浄し、温度応答性の複合ナノ粒子を得るステップ(5)と、
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
ステップ(1)における前記有機油水溶液はオレイン酸ナトリウム水溶液、前記有機溶媒はエタノール、一価不飽和脂肪酸はオレイン酸、前記非極性溶媒はトルエン、前記水熱反応釜はポリテトラフルオロエチレン水熱反応釜、前記Fe



ナノ粒子分散液は、5~8mgのFe



ナノ粒子を28~33mLの非極性溶媒内に分散させた分散液であることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項3】
ステップ(1)における有機油水溶液のモル濃度は0.1~0.3M、無水塩化第二鉄水溶液のモル濃度は0.1~0.3Mであり、ステップ(1)では、ふるい上を収集して、脱イオン水で洗浄し、前記乾燥は真空オーブンで行われ、乾燥温度は30~40℃、乾燥時間は18~24時間であることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項4】
ステップ(2)では、前記アミノシランカップリング剤は3-アミノプロピルトリエトキシシラン、前記有機酸は酢酸であることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項5】
ステップ(3)では、合成した活性PVBCポリマー鎖溶液におけるPVBCポリマー鎖の分子量は30~40kDaであることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項6】
前記超脱水カチオン重合溶媒は超脱水ジクロロメタン、ステップ(6)におけるアルカリ溶液はpH=8~10の水酸化ナトリウム水溶液又はアンモニア水、ステップ(3)における前記開始剤は三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体であることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項7】
ステップ(3)では、ステップ(2)で得られたFe



@NH

粒子の直径と等しい鎖サイズを有する活性PVBCポリマー鎖溶液が合成され、前記直径は、活性PVBCポリマー鎖溶液の鎖長とFe



@NH

粒子の直径との比の0.8~1.5:1に相当することを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項8】
ステップ(5)における不活性ガスは窒素、密閉容器はポリマー管であり、pH応答性の複合ナノ粒子はイソプロピルアルコールで洗浄され、温度応答性の複合ナノ粒子はDMFで洗浄されることを特徴とする、請求項1に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法。
【請求項9】
環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の調製方法によって得られ、前記環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体は、隣接する複合ナノ粒子が六方最密充填形態で積み重ねられて極小細孔を生成し、最小細孔直径の理論上の面積は、0.04×d

nm

であり、dは複合ナノ粒子の直径であることを特徴とする、環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体。
【請求項10】
触媒、濃縮、指向性輸送、及び制御放出を統合した媒体伝送での環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の応用であって、前記環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体は、請求項1~8で調製された極小細孔の磁性コロイド本体、又は請求項9に記載の環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体であることを特徴とする、応用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コロイド材料の技術分野に関し、具体的には、環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
コロイド本体とは、コロイド粒子を構造要素として構成されたマイクロカプセルを指す。コロイド本体の調製は、一般に、エマルション液滴の表面でコロイド粒子が自己集合することによって完了する。この種類の特殊な中空材料は、多孔質のシェルと機能的な構造要素を有するため、生物医学、細胞移植、機能性食品、石油産業などで幅広い応用が期待されている。
【0003】
既存技術では、コロイドの合成は、主にソフトテンプレート法又はハードテンプレート法を使用し、ハードテンプレート法は、コア/シェル構造に機能性材料粒子を導入することができ、しかし、テンプレートを除去する必要があり、各種の機能性材料粒子の表面を一重のコロイド粒子で構成されたシェルで覆うことが困難であるなどの問題がある。なお、現在、異なる機能を有するコロイド本体を調製する場合、対応する機能を有するコロイド粒子要素を使用してコロイドのシェルを構築する傾向があり、対応する機能性材料をコロイド本体の空洞に導入する試みはほとんど行われていない。
【0004】
極小細孔と多機能性を兼ね備えたコロイド本体をどのように見つけ出すか、また媒体伝送への応用については、依然として詳細な研究が必要である。
【0005】
中国特許出願第CN102351459A号は、コンクリートの高pH環境で刺激挙動に応答して、シェル層が緻密から疎に変化する徐放性減水剤マイクロカプセルの調製方法を開示する。しかし、極小細孔磁性コロイド本体ではないため、媒体での伝送に適用できない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体及びその調製方法を提供する。
【0007】
具体的には、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0008】
環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体の調製方法であって、以下のステップとを含む。
【0009】
(1)Fe



ナノ粒子の合成
95~105体積部の有機油水溶液と95~105体積部の無水塩化第二鉄水溶液をゆっくり混合し、次に、十分に撹拌して赤茶色の沈殿物を生成し、10~15分間撹拌し、次に、固液混合物を濾過し、ふるい上を収集して洗浄し、次に、洗浄後に得られた固形物を乾燥させてワックス状物質を得て、乾燥させたワックス状物質を53~68体積部の有機溶媒内に加え、次に、5~8体積部の一価不飽和脂肪酸を該溶液に加え、均一に撹拌した後、溶液を水熱反応釜内に入れ、160~190℃の温度条件下で3~6時間反応させ、その後、反応生成物を取り出し、有機溶媒で洗浄し、次に、磁石で磁気分離して6~12nmのFe



ナノ粒子を得て、得られたFe



ナノ粒子を非極性溶媒に分散させ、Fe



ナノ粒子分散液を得る。
【0010】
(2)Fe



@NH

ナノ粒子の合成
ステップ(1)で得られたFe



ナノ粒子分散液内に0.3~0.8%(v/v)のアミノシランカップリング剤及び0.005~0.02%(v/v)の有機酸を加え、次に、室温下で撹拌し、22~26時間反応させた後、磁石で固液分離し、固形物を洗浄し、凍結乾燥し、Fe



@NH

ナノ粒子を得る。
(【0011】以降は省略されています)

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