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公開番号2024095437
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212722
出願日2022-12-28
発明の名称ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
出願人株式会社レゾナック
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C01G 25/00 20060101AFI20240703BHJP(無機化学)
要約【課題】分散性と焼結性の高い微細なジルコン酸化合物粉末等を提供する。
【解決手段】BET比表面積が66m2/g以上であり、炭素濃度が0.5質量%以上3.0質量%未満であり、Aサイトにバリウム、ストロンチウム、カルシウムからなる群から選択される原子を少なくとも1種含み、Bサイトにジルコニウムを含むペロブスカイト構造を備えたジルコン酸化合物粉末等。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
BET比表面積が66m
2
/g以上であり、炭素濃度が0.5質量%以上3.0質量%未満であり、Aサイトにバリウム、ストロンチウム、カルシウムからなる群から選択される原子を少なくとも1種含み、Bサイトにジルコニウムを含むペロブスカイト構造を備えたジルコン酸化合物粉末。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
単相率が95%以上である、請求項1に記載のジルコン酸化合物粉末。
【請求項3】
平均一次粒子径が3.0~300.0nmである、請求項1または2に記載のジルコン酸化合物粉末。
【請求項4】
請求項1または2に記載のジルコン酸化合物粉末を焼成して得られた焼結体。
【請求項5】
バリウム、ストロンチウム、カルシウムから選ばれる少なくとも一種の原子とジルコニウムとの複合酸化物であるジルコン酸化合物と、比誘電率20~40の有機溶媒を10質量%以上含む比誘電率20~40の液状媒体とを、混合した状態で粉砕してジルコン酸化合物粉末を得る工程(2)
を含む、Aサイトにバリウム、ストロンチウム、カルシウムからなる群から選択される原子を少なくとも1種含み、Bサイトにジルコニウムを含むペロブスカイト構造を備えたジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項6】
前記工程(2)の前に、バリウムを含む化合物、ストロンチウムを含む化合物、カルシウムを含む化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、ジルコニウムを含む化合物とを焼成してジルコン酸化合物を製造する工程(1)を有する請求項5に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項7】
前記有機溶媒がアルコールである請求項5または6に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項8】
前記焼成が600℃以上の焼成を含む請求項6に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微細でかつ分散性と焼結性に優れたジルコン酸化合物粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ペロブスカイト構造を持つジルコン酸化合物粉末は、積層セラミックスコンデンサの材料として用いられており、この用途においては、微細であるほど積層膜を薄膜とすることが出来るため、積層セラミックスコンデンサを高容量化することが出来、また同容量の積層セラミックスコンデンサを作る場合は小型化出来るなどのメリットが生まれる。
【0003】
前記ジルコン酸化合物粉末は、これを用いて製造されるセラミックス等が、上述したメリットを享受するために微細である必要があり求められている。
このような微細なジルコン酸化合物粉末の製法としては、例えば、特許文献1に示されているように微細な酸化ジルコニウムと微細な炭酸カルシウムを混合し、焼成する方法が一般的であり、この特許の実施例ではBET比表面積は、25m
2
/gのジルコン酸カルシウムが得られている。
【0004】
また特許文献2にはカルシア安定化ジルコニア粉末及びこれを含むスラリーが、微細なジルコン酸カルシウムを作製するためのより好適な材料であることが示されている。また非特許文献1には特許で使用したパルスNMRによる測定によりボールミルで粉砕の進み具合を評価する手法について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-200297
特願2018-210686
粉砕工程の可視化と制御に関する基礎的検討 株式会社マキノ 研究報告 http://www.makino-co.co.jp/pdf/report06.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の製法においては、微細なジルコン酸カルシウムを得るために、700℃~900℃程度の焼成が一般的に行われている、しかしながら、このような焼成処理を行うことで凝集が進むことに加え、ナノレベルの微細性を持つことで物理的にも凝集し易くなり、微細なジルコン酸カルシウム粉末を作製しても、凝集しており分散性が悪いという問題があった。
【0007】
また、ジルコン酸カルシウムの公知の製造方法として、酸化ジルコニウム粉末と炭酸カルシウム粉末の混合物を焼成する合成方法がある。また、当該合成方法において、前記酸化ジルコニウム粉末に代えて、水酸化ジルコニウムや安定化ジルコニアの粉末やスラリーを用いることにより、より低い焼成温度でジルコン酸カルシウムを得ることができる。このように焼成温度を低くできることにより、ジルコン酸カルシウム粒子の成長や融着を抑制することもでき、より微細なジルコン酸カルシウム粉末が得られるという利点も有している。
【0008】
しかしながら微細なジルコン酸カルシウム粉は微細である程凝集が強くなり、十分な分散がし難くなるという問題があった。特にジルコン酸カルシウム粉を用いて誘電材料を製造する場合、塗布工程では薄く伸ばす必要があり、分散出来なかった粗大粒子が大きな問題となり実用化の障害となっている。したがって、微細でかつ分散性と焼結性の高いジルコン酸化合物粉末が望まれている。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、分散性と焼結性の高い微細なジルコン酸化合物粉末を提供し、並びにそのようなジルコン酸化合物を粉砕性良くかつ高純度で得られる製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の[1]~[8]を提供するものである。
[1]BET比表面積が66m
2
/g以上であり、炭素濃度が0.5質量%以上3.0質量%未満であり、Aサイトにバリウム、ストロンチウム、カルシウムからなる群から選択される原子を少なくとも1種含み、Bサイトにジルコニウムを含むペロブスカイト構造を備えたジルコン酸化合物粉末。
[2]単相率が95%以上である、上記[1]に記載のジルコン酸化合物粉末。
[3]平均一次粒子径が3.0~300.0nmである、上記[1]または[2]に記載のジルコン酸化合物粉末。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載のジルコン酸化合物粉末を焼成して得られた焼結体。
[5]バリウム、ストロンチウム、カルシウムから選ばれる少なくとも一種の原子とジルコニウムとの複合酸化物であるジルコン酸化合物と、比誘電率20~40の有機溶媒を10質量%以上含む比誘電率20~40の液状媒体とを、混合した状態で粉砕してジルコン酸化合物粉末を得る工程(2)
を含む、Aサイトにバリウム、ストロンチウム、カルシウムからなる群から選択される原子を少なくとも1種含み、Bサイトにジルコニウムを含むペロブスカイト構造を備えたジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[6]前記工程(2)の前に、バリウムを含む化合物、ストロンチウムを含む化合物、カルシウムを含む化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、ジルコニウムを含む化合物とを焼成してジルコン酸化合物を製造する工程(1)を有する上記[5]に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[7]前記有機溶媒がアルコールである上記[5]または[6]に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[8]前記焼成が600℃以上の焼成を含む上記[6]に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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