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公開番号2024092494
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-08
出願番号2022208463
出願日2022-12-26
発明の名称粒子、及び該粒子の製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01B 33/26 20060101AFI20240701BHJP(無機化学)
要約【課題】被膜に使用した時に着色がなく、十分な硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)、高い分散性、及び、高い抗菌性能や抗ウイルス性能を有する粒子、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この粒子は、銀、銅、金、パラジウム、白金、亜鉛、モリブデン、バナジウム、鉛、錫、及びビスマスから選ばれる少なくとも1種の金属元素が担持されている複合酸化物粒子である。この粒子は、動的光散乱法で測定された平均粒子径(R1)と、比表面積から等価球換算することで求められた粒子径(R2)との比(R1/R2)が1.4~22である。この粒子を含む塗布液によれば、十分な硬度と強度、透明性とを有し、着色が抑制され、かつ、高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する被膜が得られる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
銀、銅、金、パラジウム、白金、亜鉛、モリブデン、バナジウム、鉛、錫、及びビスマスから選ばれる少なくとも1種の金属元素が担持された複合酸化物粒子であって、
動的光散乱法で測定された平均粒子径(R

)と、比表面積から等価球換算することで求められた粒子径(R

)との比(R

/R

)が1.4~22であることを特徴とする粒子。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記金属元素を1.5~5質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記金属元素以外の成分が、珪素及びアルミニウムを含む複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項4】
29
Si-NMR解析によるケミカルシフトが-73.0~-120.0ppmに現れるQ

~Q

構造を表す各々のピークの面積の合計に対する、ケミカルシフトが-82.0~-100.0ppmに現れるQ

構造を表すピークの面積、及び、ケミカルシフトが-100.0~-120.0ppmに現れるQ

構造を表すピークの面積の合計の割合が94~97%であることを特徴とする請求項1記載の粒子。
【請求項5】
27
Al-NMR解析によるケミカルシフトが80.0~30.0ppmに現れる4配位構造を表すピークの面積(I

)と、ケミカルシフトが30.0~-30.0ppmに現れる6配位構造を表すピークの面積(I

)との比(I

/I

)が実質的に100/0であることを特徴とする請求項1記載の粒子。
【請求項6】
粒子表面に凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項7】
前記平均粒子径(R

)が10~200nmであることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項8】
アルカリ金属含有量が、酸化物基準で1.0質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項9】
固形分濃度1.5質量%の水分散液における光透過率が、80.0%以上であることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項10】
珪酸ナトリウム水溶液をイオン交換して得られる珪酸液と、酸性のアルミニウム水溶液とを含む酸性の混合液を作製する第一工程と、
種粒子を含むアルカリ性母液に、前記混合液を添加して、珪素及びアルミニウムを含む複合酸化物を含む粒子を作製する第二工程と、
前記複合酸化物を含む粒子に、銀、銅、金、パラジウム、白金、亜鉛、モリブデン、バナジウム、鉛、錫、及びビスマスから選ばれる少なくとも1種の金属元素を担持する第三工程を有することを特徴とする粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属元素が担持された粒子に関する。また、該粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ガラス、プラスチック等で形成されたシートやレンズ等の基材表面の反射を防止するために、その表面に反射防止膜が形成されている。ところで、透明性や反射防止能が要求される部材には、例えば、スマートフォン、ATM、券売機等のタッチパネルを有する表示装置がある。これらの表面には、大腸菌や黄色ブドウ球菌等の菌類や、種々のウイルスに汚染されていることが問題となっており、衛生的見地から抗菌性や抗ウイルス性が要求される。
【0003】
被膜への抗菌性及び抗ウイルス性付与については、従来から被膜表面に抗菌剤や抗ウイルス剤を塗工することが知られている。例えば、有機系の抗菌剤や抗ウイルス剤であれば、塗工自体は比較的容易であるが、溶剤によって被膜が侵されるおそれや、被膜への定着性や耐擦傷性における抗菌性能の持続性に問題がある。一方、無機系の抗菌剤や抗ウイルス剤であれば、被膜内に存在すれば抗菌剤や抗ウイルス性能の持続性は期待できるものの、これを含む被膜を別に作製する必要がある。例えば、反射防止層と、抗菌層や抗ウイルス層とを別々に作製した場合、最表面でない層の効果が不十分となるおそれや、生産性が低下して生産コストが高騰するおそれがある。これに対して、一つの被膜中に、低屈折率成分、抗菌及び抗ウイルス成分を配合させる場合、反射防止性能や抗菌性能、及び抗ウイルス性能が不十分になったり、被膜の透明性や強度が不十分となったりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-001557号公報
国際公開2013/073555号
特開2021-031450号公報
特開2007-090336号公報
特開平7-033616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抗菌性能を有する粒子が配合された被膜付基材において、その粒子サイズがマイクロメートル程度に大きいと、所望する抗菌性能を得るためには粒子の配合量を多くせねばならず、該粒子を含む塗布液の分散安定性が低下するおそれがある。また、被膜付基材の硬度や強度、透明性及び光沢性が損なわれるおそれがある(例えば、特許文献1~3)。一方、抗菌性能を有する粒子のサイズが、例えばナノメートルオーダーの様にマイクロメートルオーダーよりも小さい粒子の方が、分散性が高く、単位量あたりの個数も多くなるので、被膜付基材の粒子の配合量が少量でも十分な抗菌性能が発揮されやすい。ただし、その抗菌性能発現の場が酸化分解反応であると、分散媒や基材等も分解してしまうおそれがある(例えば、特許文献4)。また、抗菌性を示す金属元素であるAgがAg

Oとして粒子中に混在していると、Ag

Oが他の組成物と反応して着色を呈したり、粒子が不均一であるために溶媒分散時に凝集したりするおそれがある(例えば、特許文献5)。更には、安定性の低い粒子が混在していると、分散液の濃縮安定性が低く高濃度にできない問題があり、塗布液への持ち込み分散媒が多くなる問題や、低濃度の塗布液使用による被膜付基材の製造における生産性低下や、膜中の粒子分散性低下等の問題がある。
【0006】
そのため、被膜に使用した時に着色がなく、十分な硬度(鉛筆硬度)と強度(耐擦傷性)、高い分散性、及び、高い抗菌性能や抗ウイルス性能を有する粒子が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、以下のような粒子を見出した。
【0008】
この粒子は、銀、銅、金、パラジウム、白金、亜鉛、モリブデン、バナジウム、鉛、錫、及びビスマスから選ばれる少なくとも1種の金属元素が担持されている複合酸化物粒子である。この粒子は、動的光散乱法で測定された平均粒子径(R

)と、比表面積から等価球換算することで求められた粒子径(R

)との比(R

/R

)が1.4~22である。
【0009】
この粒子は、pHが酸性からアルカリ性の領域でも十分な硬度と強度、及び高い分散性を有し、かつ高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する。このような粒子を含む塗布液によれば、十分な硬度と強度、透明性とを有し、酸性領域では着色が抑制され、かつ、高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する被膜が得られる。
【0010】
この粒子を得るために、以下のような製造方法を見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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