TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024092165
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-08
出願番号2022207910
出願日2022-12-26
発明の名称水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置
出願人木村化工機株式会社
代理人個人,個人
主分類C01D 1/04 20060101AFI20240701BHJP(無機化学)
要約【課題】省エネルギー性に優れ、CO2排出量の少ない蒸発濃縮装置を提供する。
【解決手段】複数段(2段)の蒸発濃縮部1、2と、各蒸発濃縮部で発生した水蒸気を断熱圧縮して各蒸発濃縮部の加熱源とする圧縮機11、12と、最終濃縮液から熱を回収する熱回収熱交換器4と、供給液が最初に供給される段の蒸発濃縮部1の加熱源となる水蒸気を発生させる蒸気発生部3と、熱回収熱交換器にて回収した熱を、電力により温度レベルを上げて蒸気発生部に加熱源として供給するヒートポンプ5と、蒸気発生部からの水蒸気を、初段側の蒸発濃縮部が備える圧縮機11に供給するための初段側供給路6と、前の段の蒸発濃縮部1で凝縮しなかった水蒸気を、次の段の圧縮機12に供給するための後段側供給路7とを備え、複数段の蒸発濃縮部が備える各圧縮機における、断熱圧縮後の水蒸気温度が、断熱圧縮前の水蒸気温度よりも、20℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
NaOH濃度が26~32wt%の水酸化ナトリウム水溶液である供給液を蒸発濃縮して、NaOH濃度が48~50wt%の水酸化ナトリウム水溶液である濃縮液を得るための蒸発濃縮装置であって、
(a)前記供給液を蒸発させて段階的に濃縮する複数段の蒸発濃縮部と、
(b)前記複数段の蒸発濃縮部のそれぞれが備える圧縮機であって、前記複数段の蒸発濃縮部のそれぞれで発生した水蒸気を断熱圧縮することで昇温した圧縮水蒸気を当該蒸発濃縮部の加熱源として供給するように構成された圧縮機と、
(c)前記複数段の蒸発濃縮部のうち、水酸化ナトリウムの濃度が最も高くなる最終段の蒸発濃縮部で濃縮された濃縮液が有する熱を回収する熱回収熱交換器と、
(d)前記複数段の蒸発濃縮部のうち、前記供給液が最初に供給される段の蒸発濃縮部の加熱源となる水蒸気を発生させる蒸気発生部と、
(e)前記熱回収熱交換器にて前記濃縮液から回収した熱を、電力により温度レベルを上げて、前記蒸気発生部に加熱源として供給するように構成されたヒートポンプと、
(f)前記蒸気発生部から供給される水蒸気を、前記供給液が最初に供給される段の蒸発濃縮部が備える圧縮機に供給するための初段側供給路と、
(g)前記複数段の蒸発濃縮部のうちの前の段の蒸発濃縮部に加熱源として供給された水蒸気のうち、当該前の段の蒸発濃縮部の加熱に使用されなかった水蒸気を、次の段の蒸発濃縮部が備える圧縮機である後段側圧縮機に供給するための後段側供給路と、
を備え、
(h)前記複数段の蒸発濃縮部が備える各圧縮機における、断熱圧縮後の水蒸気温度が、断熱圧縮前の水蒸気温度よりも、20℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成されていること
を特徴とする蒸発濃縮装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記供給液が最初に供給される蒸発濃縮部で加熱源として用いられ、凝縮したドレンが前記蒸気発生部に戻され、前記蒸気発生部で発生した水蒸気が前記供給液が最初に供給される蒸発濃縮部に加熱源として供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸発濃縮装置。
【請求項3】
前記複数段の蒸発濃縮部として、2段以上4段以下の蒸発濃縮部を備えていることを特徴とする請求項1記載の蒸発濃縮装置。
【請求項4】
前記複数段の蒸発濃縮部として、前記供給液が最初に供給される段の蒸発濃縮部である第1蒸発濃縮部と、蒸発濃縮後の水酸化ナトリウムの濃度が最も高くなる最終段の蒸発濃縮部である第2蒸発濃縮部の2つの蒸発濃縮部を備えているとともに、
前記圧縮機として、前記蒸気発生部から供給される水蒸気と、前記第1蒸発濃縮部で発生した水蒸気とを断熱圧縮して、前記第1蒸発濃縮部に加熱源として供給する第1圧縮機と、前記第1蒸発濃縮部に加熱源として供給された水蒸気のうち、前記第1蒸発濃縮部で加熱に使用されなかった水蒸気と、前記第2蒸発濃縮部で発生した水蒸気とを断熱圧縮して、前記第2蒸発濃縮部に供給する第2圧縮機の2つの圧縮機を備えていること
を特徴とする請求項1記載の蒸発濃縮装置。
【請求項5】
前記第1蒸発濃縮部で加熱源として用いられ、凝縮したドレンが前記蒸気発生部に戻され、前記蒸気発生部で発生した水蒸気が前記第1蒸発濃縮部に加熱源として供給されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の蒸発濃縮装置。
【請求項6】
前記蒸気発生部と前記第1蒸発濃縮部が大気圧より低い圧力で操作され、前記第2蒸発濃縮部が大気圧より高い圧力で操作されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の蒸発濃縮装置。
【請求項7】
前記第1圧縮機の吸込み圧力が大気圧より低い圧力であり、前記第2圧縮機の吸込み圧力が大気圧より高い圧力であることを特徴とする請求項6記載の蒸発濃縮装置。
【請求項8】
前記供給液と、前記第2蒸発濃縮部で濃縮された第2濃縮液との熱交換を行う第1予熱器と、
前記供給液と、前記第1圧縮機から加熱源として前記第1蒸発濃縮部に供給された水蒸気が凝縮したドレンと前記第2圧縮機から加熱源として前記第2蒸発濃縮部に供給された水蒸気が凝縮したドレンの混合体との熱交換を行う第2予熱器と、
前記第1蒸発濃縮部において蒸発濃縮された濃縮液である第1濃縮液と、前記第2蒸発濃縮部で濃縮された第2濃縮液との熱交換を行う第3予熱器と、
前記第1濃縮液と、前記第2圧縮機から加熱源として前記第2蒸発濃縮部に供給された水蒸気が凝縮したドレンとの熱交換を行う第4予熱器と、
を備え、
前記第1予熱器および前記第2予熱器で予熱された前記供給液が前記第1蒸発濃縮部に供給され、
前記第3予熱器および前記第4予熱器で予熱された前記第1濃縮液が前記第2蒸発濃縮部に供給されるように構成されていること
を特徴とする請求項4~7のいずれかに記載の蒸発濃縮装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置に関し、詳しくは、水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置の省エネルギー性を向上させるための技術に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
水酸化ナトリウムは、食塩(NaCl)を電解し、水酸化ナトリウム濃度が約30wt%の水溶液を得た後、水酸化ナトリウム濃度が48wt%程度になるまで蒸発濃縮して製品として出荷されている。
【0003】
そして、水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置として、特許文献1には、水酸化ナトリウム水溶液を加熱して水を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器において加熱濃縮された濃縮液と蒸発水蒸気(ベーパ)を分離させる気液分離器とを備えた苛性ソーダ水溶液蒸発濃縮設備において、プレート型熱交換器を蒸発器に用いることを特徴とする水酸化ナトリウム水溶液の多重効用蒸発濃縮設備が開示されている。
【0004】
そして、この蒸発濃縮装置によれば、蒸発器に用いられているプレート型熱交換器の伝熱面での熱効率が高いため、蒸発濃縮設備を小型化することができ、水酸化ナトリウム水溶液を効率的に蒸発濃縮することができるとされている。
【0005】
また、特許文献2には、第1効用蒸発濃縮部から最終効用蒸発濃縮部までの複数の蒸発濃縮部を備えた多重効用式蒸発濃縮部と、予備蒸発濃縮部と、蒸発水蒸気を循環冷却水と熱交換させて凝縮させる最終効用蒸発濃縮部用コンデンサと、予備蒸発濃縮部における蒸発水蒸気を循環冷却水と熱交換させて凝縮させる予備蒸発濃縮部用コンデンサと、最終効用蒸発濃縮部用コンデンサで用いられ、蒸発水蒸気の凝縮熱により昇温した循環冷却水から回収した熱を、電力により温度レベルを上げて予備蒸発濃縮部に高温水として供給するように構成された第1のヒートポンプと、予備蒸発濃縮部用コンデンサで用いられ、蒸発水蒸気の凝縮熱により昇温した循環冷却水から回収した熱を、電力により温度レベルを上げて、第1効用蒸発濃縮部で用いられた加熱用水蒸気のドレンの加熱に用いてドレンを蒸発させ、ドレンの蒸発水蒸気を圧縮して第1効用蒸発濃縮部に供給するように構成された第2のヒートポンプとを備えた水酸化ナトリウムの蒸発濃縮装置が開示されている。
【0006】
そして、特許文献2の蒸発濃縮装置によれば、上述のように第1のヒートポンプと第2のヒートポンプとを用いて、2段階で熱を回収するシステムを構成しているので、従来の蒸発濃縮設備に比べて効率よく水酸化ナトリウム水溶液を濃縮することが可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-181139号公報
特開2019-89678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の蒸発濃縮装置の場合、蒸発器に用いられているプレート型熱交換器の伝熱面での熱効率を向上させることにより、装置の小型化を図っているにすぎず、得られる省エネルギー効果にも限界があり、さらなる省エネルギー化の要請に十分に応えることができないのが実情である。
【0009】
また、特許文献2の蒸発濃縮装置の場合、最終効用蒸発濃縮部用コンデンサで用いられて昇温した循環冷却水や、予備蒸発濃縮部用コンデンサで用いられて蒸発水蒸気の凝縮熱により昇温した循環冷却水が有する熱(顕熱)を回収するために、第1および第2のヒートポンプを用いて省エネルギーを図っており、大きな省エネルギー効果を得ることを可能にしているが、さらなる省エネルギー効果の改善や、構成の自由度の向上などが求められているのが実情である。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであるが、ここで、上述した点と一部重なる部分もあるが、本発明が解決しようとしている課題について詳しく説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

JFEスチール株式会社
黒鉛の精製方法
1日前
株式会社クラレ
活性炭成形体の製造方法
2日前
国立大学法人京都大学
過酸化水素の製造方法
16日前
株式会社燃焼合成
窒化物の製造方法
25日前
アンヴァール株式会社
炭素固定装置
5日前
住友化学株式会社
アルミナ粉末および樹脂組成物
24日前
東ソー株式会社
有機変性粘土及びそれを含むエチレン系重合触媒
4日前
株式会社神戸製鋼所
二酸化炭素固定化方法
9日前
木村化工機株式会社
水酸化ナトリウム水溶液の蒸発濃縮装置
26日前
株式会社レゾナック
チタン酸カルシウム粉末
24日前
株式会社スチームテックホールディングス
水素ガス製造方法及び装置
11日前
アンヴァール株式会社
炭素固定・水素生成システム
5日前
アンヴァール株式会社
炭素固定装置の気体導入機構
5日前
住友ベークライト株式会社
ハードカーボン、樹脂組成物および電子装置
4日前
クニミネ工業株式会社
粘土ケーキの製造方法
10日前
株式会社燃焼合成
窒化物あるいは酸窒化物の製造方法
10日前
浅田化学工業株式会社
針状アルミナ粒子集合体およびその製造方法
9日前
日揮触媒化成株式会社
粒子、及び該粒子の製造方法
26日前
日本特殊陶業株式会社
粉末複合材料、および粉末複合材料の製造方法
8日前
個人
環境応答性を有する極小細孔磁性コロイド本体及びその調製方法
26日前
三菱ケミカル株式会社
金属酸化物、酸素透過膜及び酸素分離装置
25日前
日本軽金属株式会社
窒化アルミニウム粉末の製造方法
1日前
株式会社レゾナック
ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
24日前
株式会社レゾナック
ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
24日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
固体電解質材料およびそれを用いた電池
9日前
国立大学法人東京工業大学
4元系酸カルコゲン化物および電子素子
29日前
レアメタルリサイクル環境合同会社
無水塩化ニッケル粉末の製造方法
15日前
株式会社半導体エネルギー研究所
複合酸化物の作製方法
8日前
日揮触媒化成株式会社
結晶性ベーマイトスラリーおよびその製造方法
25日前
日本化学工業株式会社
リチウムコバルト系複合酸化物粒子及びその製造方法
2日前
日揮触媒化成株式会社
フォージャサイト型ゼオライト、およびその製造方法
15日前
日揮触媒化成株式会社
フォージャサイト型ゼオライト、およびその製造方法
15日前
大阪ガスケミカル株式会社
分子篩炭素及びその製造方法、並びにガス分離装置
26日前
国立大学法人東海国立大学機構
負熱膨張材料微粒子群、複合材料、部品、及び負熱膨張材料微粒子群の製造方法
8日前
タキロンシーアイ株式会社
表面改質酸化チタン、表面改質酸化チタンの製造方法、分散液、組成物、化粧料
26日前
個人
本発明は水から水素分子(H2)を常温常圧の環境下にて生成する方法及びこの方法を実施するための水素生成装置
8日前
続きを見る