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公開番号2024095438
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212723
出願日2022-12-28
発明の名称ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法
出願人株式会社レゾナック
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C01G 25/00 20060101AFI20240703BHJP(無機化学)
要約【課題】分散媒に分散し解砕処理した場合でも粘度が低く扱いやすい微細なペロブスカイト構造を有するジルコン酸化合物粉末等を提供する。
【解決手段】BET比表面積が50m2/g以上200m2/g以下であり、1.5~50.5nmの細孔容積が0.01ml/g~0.27ml/gであり、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末等。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
BET比表面積が50m

/g以上200m

/g以下であり、1.5~50.5nmの細孔容積が0.01ml/g~0.27ml/gであり、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
パルスNMRで測定したスピン-スピン緩和時間T2が50ms以上190ms以下である、請求項1に記載のジルコン酸化合物粉末。
【請求項3】
BET比表面積が50m

/g以上200m

/g以下であり、パルスNMRで測定したスピン-スピン緩和時間T2が50ms以上190ms以下であり、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末。
【請求項4】
1.5~50.5nmの細孔容積が0.01ml/g~0.27ml/gである、請求項3に記載のジルコン酸化合物粉末。
【請求項5】
ペロブスカイト構造のAサイトにカルシウム原子、ストロンチウム原子、及びバリウム原子からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のジルコン酸化合物粉末。
【請求項6】
ジルコニウム原子含有水系スラリーを調製する工程(1A)と、
前記ジルコニウム原子含有水系スラリー、並びに、ストロンチウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群から選択される1種以上を含む添加原料と、有機酸を添加して、原料混合物を得る工程(2A)と、
前記原料混合物を湿式粉砕して、粉砕スラリーを得る工程(3)と、
前記粉砕スラリーを焼成して、焼成化合物を得る工程(5)と、
前記焼成化合物を湿式粉砕した後、乾燥させて、ジルコン酸化合物粉末を得る工程(6)とを有する、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項7】
有機酸を含むジルコニウム原子含有水系スラリーを調製する工程(1B)と、
前記ジルコニウム原子含有水系スラリー、並びに、ストロンチウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群から選択される1種以上を含む添加原料を添加して原料混合物を得る工程(2B)と、
前記原料混合物を湿式粉砕して、粉砕スラリーを得る工程(3)と、
前記粉砕スラリーを焼成して、焼成化合物を得る工程(5)と、
前記焼成化合物を湿式粉砕した後、乾燥させて、ジルコン酸化合物粉末を得る工程(6)とを有する、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項8】
前記原料混合物は分散剤をさらに含む、請求項6または7に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項9】
前記粉砕スラリーを乾燥して乾燥粉末を得る工程(4)と、
前記乾燥粉末を焼成して前記焼成化合物を得る工程(5)を有する請求項6または7に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【請求項10】
前記有機酸が分子量300以下である、請求項6または7に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコン酸化合物粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ペロブスカイト構造を持つジルコン酸化合物粉末は、積層セラミックスコンデンサの材料として用いられており、この用途においては、微細であるほど積層膜を薄膜とすることが出来るため、積層セラミックスコンデンサを高容量化することが出来、また同容量の積層セラミックスコンデンサを作る場合は小型化出来るなどのメリットが生まれる。
【0003】
前記ジルコン酸化合物粉末は、これを用いて製造されるセラミックス等が、上述したメリットを享受するために微細である必要があり求められている。
このような微細なジルコン酸化合物粉末の製法としては、例えば、特許文献1に示されているように微細な酸化ジルコニウムと微細な炭酸カルシウムを混合し、焼成する方法が一般的であり、この特許の実施例ではBET比表面積は、25m

/gのジルコン酸カルシウムが得られている。特許文献1には、微細な酸化ジルコニウムと微細な炭酸カルシウムを噴霧乾燥した後、焼成する方法で10~100nmのジルコン酸カルシウムを得る方法も記載されている。
【0004】
特許文献2にはBET比表面積が100.0m

/g超200.0m

/g以下である微細なジルコン酸カルシウム系粉末とその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-200297号公報
特開2021-075413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ジルコン酸化合物粉末を原料に誘電体材料を製造する場合、他の材料と混合の上、主にボールミルやビーズミルを用いて湿式にて解砕混合が行われる。しかしながらジルコン酸化合物粉末が微細になるほど混合液の粘度が高くなり、解砕効率が悪化するという課題があった。また、ジルコン酸化合物粉末をセラミックコンデンサ製造用の電極原料として用い、ジルコン酸化合物粉末と溶媒と分散剤とバインダーなどを含むスラリーを得る場合に、ジルコン酸化合物粉末が微細であるほどスラリーの粘度が高くなりハンドリング性や成形性が悪化するという課題があった。さらに、ジルコン酸化合物粉末が微細になるほど分散性が悪く凝集しやすいという課題もあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、分散媒に分散し解砕処理した場合でも粘度が低く扱いやすい微細なペロブスカイト構造を有するジルコン酸化合物粉末を提供し、あるいは分散媒中での分散性がよい微細なペロブスカイト構造を有するジルコン酸化合物を提供し、そのようなジルコン酸化合物粉末の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の[1]~[11]を提供するものである。
[1]BET比表面積が50m

/g以上200m

/g以下であり、1.5~50.5nmの細孔容積が0.01ml/g~0.27ml/gであり、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末。
[2]パルスNMRで測定したスピン-スピン緩和時間T2が50ms以上190ms以下である、上記[1]に記載のジルコン酸化合物粉末。
[3]BET比表面積が50m

/g以上200m

/g以下であり、パルスNMRで測定したスピン-スピン緩和時間T2が50ms以上190ms以下であり、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末。
[4]1.5~50.5nmの細孔容積が0.01ml/g~0.27ml/gである、上記[3]に記載のジルコン酸化合物粉末。
[5]ペロブスカイト構造のAサイトにカルシウム原子、ストロンチウム原子、及びバリウム原子からなる群から選択される1種以上を含む、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載のジルコン酸化合物粉末。
[6]ジルコニウム原子含有水系スラリーを調製する工程(1A)と、
前記ジルコニウム原子含有水系スラリー、並びに、ストロンチウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群から選択される1種以上を含む添加原料と、有機酸を添加して、原料混合物を得る工程(2A)と、
前記原料混合物を湿式粉砕して、粉砕スラリーを得る工程(3)と、
前記粉砕スラリーを焼成して、焼成化合物を得る工程(5)と、
前記焼成化合物を湿式粉砕した後、乾燥させて、ジルコン酸化合物粉末を得る工程(6)とを有する、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[7]有機酸を含むジルコニウム原子含有水系スラリーを調製する工程(1B)と、
前記ジルコニウム原子含有水系スラリー、並びに、ストロンチウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群から選択される1種以上を含む添加原料を添加して原料混合物を得る工程(2B)と、
前記原料混合物を湿式粉砕して、粉砕スラリーを得る工程(3)と、
前記粉砕スラリーを焼成して、焼成化合物を得る工程(5)と、
前記焼成化合物を湿式粉砕した後、乾燥させて、ジルコン酸化合物粉末を得る工程(6)とを有する、ペロブスカイト構造のBサイトにおいてジルコニウム原子を50at%超含む、ジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[8]前記原料混合物は分散剤をさらに含む、上記[6]又は[7]に記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[9]前記粉砕スラリーを乾燥して乾燥粉末を得る工程(4)と、
前記乾燥粉末を焼成して前記焼成化合物を得る工程(5)を有する上記[6]~[8]のいずれかに記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[10]前記有機酸が分子量300以下である、上記[6]又は[9]のいずれかに記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
[11]前記有機酸が分子量300以下のヒドロキシカルボン酸である、上記[6]~[10]のいずれかに記載のジルコン酸化合物粉末の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分散媒に分散し解砕処理した場合でも粘度が低く扱いやすい微細なペロブスカイト構造を有するジルコン酸化合物を得ること、あるいは分散媒中での分散性がよい微細なペロブスカイト構造を有するジルコン酸化合物を得ること、そのようなジルコン酸化合物の製造方法を得ることができる。当該ジルコン酸化合物はセラミックコンデンサ用電極製造用の材料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、「A~B」とは、「A以上かつB以下」を意味する。
【0010】
[ジルコン酸化合物]
本発明の一実施形態において、「ジルコン酸化合物」は、バリウム、ストロンチウム、カルシウムから選ばれる少なくとも一種の原子とジルコニウムとの複合酸化物である。
(【0011】以降は省略されています)

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