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公開番号2024096141
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-12
出願番号2024063638,2022571638
出願日2024-04-10,2021-12-23
発明の名称温度感受性プローブ
出願人株式会社ダイセル,国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C01B 32/26 20170101AFI20240705BHJP(無機化学)
要約【課題】微小空間の温度を安定して正確に測定する。
【解決手段】平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドを含む水分散液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドを含む水分散液。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
平均粒子径が1~10 nmである、請求項1に記載の水分散液。
【請求項3】
温度が22~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項4】
温度が25.5~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項5】
温度が29.5~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項6】
温度が33.5~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項7】
温度が35~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項8】
温度が37~40℃である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項9】
水分散液のpHが細胞内で可能性のあるpH範囲内である、請求項1に記載の水分散液。
【請求項10】
水分散液のイオン強度が細胞内で可能性のあるイオン強度範囲内である、請求項1に記載の水分散液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温度感受性プローブに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
細胞内において、代謝によってエネルギーを取り出す過程で生じる多くの化学反応は、温度に大きく依存しているなど、細胞内の化学反応は、細胞内外の温度によって制御されている。例えば、ある種のがん細胞における異常な熱発生が報告されている。この現象を利用すると代謝活性の高いがん細胞と、そうでない正常細胞の識別を温度測定により行うことができる。
【0003】
また、細胞の温度測定は、微生物を利用した発酵においても重要である。
非特許文献1は、SiV(silicon-vacancy)センターを有する200nmサイズの蛍光ナノダイヤモンド粒子を用いて温度測定を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
APPLIED PHYSICS LETTERS, 112, 203102 (2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで、分子などの発光波長の温度依存性などを用いて微小な領域での温度計測研究はあったが、分子は一般に不安定で、発光が明滅するなどの問題があった。ダイヤモンド中のNV中心を用いた温度計測は検討されていたが、スピンを操作するためマイクロ波が必要であった。
本発明の目的は、微小空間の温度を安定して正確に測定できる温度感受性プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の温度感受性プローブを提供するものである。
〔1〕平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドを含む温度感受性プローブ。
〔2〕MがSiである、〔1〕に記載の温度感受性プローブ。
〔3〕粒子径の標準相対偏差(RSD)が25~40%である、〔1〕又は〔2〕に記載の温度感受性プローブ。
〔4〕第14族元素ドープナノダイヤモンドの形状が球状である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の温度感受性プローブ。
〔5〕MVセンターの濃度が1×10
14
/cm
3
以上である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の温度感受性プローブ。
〔6〕微小空間の温度を測定するための、平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドの使用。
〔7〕微小空間が細胞又は細胞内小器官である、〔6〕に記載の使用。
〔8〕平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドを水中で細胞と混合することにより該温度感受性プローブを細胞内に導入すること、前記第14族元素ドープナノダイヤモンドを導入した細胞に励起光を照射してMVセンターのZPLの蛍光強度を測定すること、測定された前記蛍光強度から細胞の温度を測定すること、
を含む細胞内の温度を測定する方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、細胞内小器官に代表されるような限られた微小空間内の温度を測定することができる。これは、MVセンターのZPL(Zero Phonon Line)のピーク位置が温度によってシフトすることを利用している。MVセンターは安定に存在し、発光強度が強いという利点がある。
本発明の温度感受性プローブは、細胞内に均一に分散または特定の場所に配置又は結合させることによって、細胞内において温度応答領域を細かく設定することが可能であり、細胞内蛍光性温度センサーとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
SiVセンターを有するケイ素ドープナノダイヤモンドの蛍光スペクトル(ZPL=738nm)
SiVセンターを有するケイ素ドープナノダイヤモンドに励起光(532nm)を照射したときの共焦点顕微鏡蛍光画像
SiVセンターを有するケイ素ドープナノダイヤモンドの蛍光スペクトル、励起光波長:532nm、励起光パワー: 100μW、ND Filter: OD 1.0
SiV蛍光NDの温度応答性測定データ
温度測定用共焦点顕微鏡装置(ホットプレートとレンズヒーター付き)
GeVセンターを有するゲルマニウムドープナノダイヤモンドの蛍光スペクトル、励起光波長:532nm、励起光パワー: 100μW、ND Filter: OD 1.0
GeV蛍光NDの温度応答性測定データ
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の温度感受性プローブは、平均粒子径が1~100 nmのMVセンター(MはSi、Ge、Sn及びPbからなる群から選ばれる14族元素を示す。Vは空孔(vacancy)を示す。)を有する第14族元素ドープナノダイヤモンドを含む。
第14族元素ドープナノダイヤモンドはナノ粒子であり、その平均粒子径の上限は、好ましくは100 nm、より好ましくは70 nm、さらに好ましくは50 nm、特に好ましくは30 nm、特により好ましくは20nm、最も好ましくは10nmであり、平均粒子径の下限は、好ましくは1 nm、より好ましくは1.5 nm、さらに好ましくは2 nm、特に好ましくは3 nmである。第14族元素ドープナノダイヤモンドの平均粒子径が小さい方が、細胞内のタンパク質などの生体分子の動きや構造変化に干渉しないので好ましい。
【0010】
第14族元素ドープナノダイヤモンドの粒子径の標準相対偏差(RSD)は、好ましくは25~40%である、平均粒子径と標準相対偏差(RSD)は、X線小角散乱法(SAXS)により測定することができる。相対標準偏差(%)は、以下の式により求めることができる。
JPEG
2024096141000001.jpg
7
169
(【0011】以降は省略されています)

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