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公開番号2024096796
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-17
出願番号2024061168,2020543643
出願日2024-04-05,2019-02-15
発明の名称ケイ素-炭素ナノ材料、その製造方法、及びその使用
出願人ザ リサーチ ファウンデイション フォー ザ ステイト ユニバーシティー オブ ニューヨーク
代理人弁理士法人みのり特許事務所
主分類C01B 33/02 20060101AFI20240709BHJP(無機化学)
要約【課題】ケイ素-炭素ナノ複合材料を製造する方法を提供する。また、前記方法を使用して製造されるケイ素-炭素ナノ複合材料、ならびに前記複合材料を含む電極材料及びイオン伝導性バッテリーを提供する。
【解決手段】ケイ素-炭素ナノ複合材料を製造する方法であって、5~500nmの酸化ケイ素厚みを有する、酸化ケイ素で被覆されたケイ素ナノ粒子(酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子)を準備すること;酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターを形成すること;炭素材料で被覆された、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターであって、0.3~20nmの炭素材料厚みを有するものを形成すること;及び酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子の炭素材料被覆クラスターから、酸化ケイ素をすべて又は実質的にすべて除去して、ケイ素-炭素ナノ複合材料を形成することを含む方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ素-炭素ナノ複合材料を製造する方法であって、
5~500nmの酸化ケイ素厚みを有する、酸化ケイ素で被覆されたケイ素ナノ粒子(酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子)を準備すること;
酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターを形成すること;
炭素材料で被覆された、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターであって、0.3~20nmの炭素材料厚みを有するものを形成すること;及び
酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子の炭素材料被覆クラスターから、酸化ケイ素をすべて又は実質的にすべて除去して、ケイ素-炭素ナノ複合材料を形成すること
を含む方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
ケイ素-炭素ナノ複合材料を単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ケイ素-炭素ナノ複合材料を洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ケイ素-炭素ナノ複合材料を乾燥することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ケイ素-炭素ナノ複合材料をリチウム化することをさらに含み、前記リチウム化が電極作製の前又は後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子が、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターを形成する間に焼結される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
炭素材料で被覆された酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子を焼結することをさらに含み、焼結プロセスが、任意で水素を含む雰囲気中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ケイ素-炭素ナノ複合材料のケイ素ナノ粒子が、結晶質、多結晶、非晶質、又はそれらの組み合わせである、及び/又は、5~150nmの最長寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ケイ素ナノ粒子が、球状、疑似球状、不規則形状、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
形成工程が、ダイセット及び液圧プレスを使用して、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子に圧力をかけて、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子の圧縮クラスターを形成すること、及び、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子の圧縮クラスターを粉砕して、酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子のクラスターを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2018年2月15日に出願された、米国仮出願第62/631,039号に基づく優先権を主張し、その開示は参照により本明細書中に組み込まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、ケイ素-炭素ナノ材料(シリコン-カーボンナノ材料)に関する。より具体的には、本開示は、エレクトロニクス技術で使用するためのケイ素-炭素ナノ材料に関する。
【背景技術】
【0003】
過去20年にわたって、軍隊及び一般市民用の通信装置、電動車両(電気自動車)、携帯用電子機器、及びグリッドスケール並びにミクロ-グリッドスケールエネルギー貯蔵などの用途をサポートするために、高エネルギー密度を有する再充電可能なエネルギー貯蔵技術を開発し、改良するための多くの研究が行われてきた。可能性のあるエネルギー貯蔵技術の中で、リチウムイオン電池(LIB:lithium-ion battery)は、それらが比較的高い重量及び体積エネルギー密度、向上した安全性、低い製造コストを達成したため、支配的な地位を得てきた。LIBのエネルギー密度のさらなる増加には、大容量の電極材料の採用が必要となる。
【0004】
ケイ素は、環境に優しい元素であり、その高い理論容量(4200mAh/g)、高い存在量(地殻の28質量%)、及び成熟した製造技術のため、潜在的なアノード材料として広く研究されてきた。ケイ素と比べて、従来のグラファイトアノードは、著しく低い理論容量(~375mAh/g)を有する。しかしながら、LIBへのケイ素の組み込みは、容易ではなかった。ケイ素は、サイクリングの際に非常に大きな体積変化(最大で400%)を受け、これは、機械的ストレス、亀裂、及び電解質との副反応を伴い、粉砕と不安定な固体電解質界面(SEI=solid electrolyte interface)層の連続形成につながる。この巨大な体積変化により、SEIは、各充放電サイクルの間に破壊され、再形成され、連続的に肥厚したSEIフィルムを生じ(これは、電解質を消費し、リチウムイオンを使い果たす)、容量を低下させ、最終的には電池の故障につながる。アノードにおけるケイ素の巨大な体積変化から生じる課題を克服するため、研究者たちは、ミクロ構造及びナノ構造のケイ素ベースのアノード材料を開発した。LIBのためのアノード材料としてのケイ素ナノワイヤの研究は、ケイ素が実際にLIB用途において有望な将来を有することを示した。ケイ素ナノワイヤのプレ-リチオ化(pre-lithiation)、中空グラファイト状チューブ内のケイ素ナノワイヤ(~70%のケイ素含量)、及び二層ケイ素ナノチューブ(~60%のケイ素含量)におけるSEI層制御に重点を置いたさらなる研究は、バッテリー性能の改善を実証した。別の研究では、グラフェンシートが、それらの間にケイ素ナノ粒子(SiNP)を分散させるために使用され(~73%のケイ素含量)、容量の向上をもたらした。そのような改変は、ケイ素ベースのアノードの性能を向上させ、比容量(specific capacity)を増加させるものの、それらは、SEI形成のための高表面積、低いタップ密度、及び高い粒子間電気抵抗などの新しい課題(低いクーロン効率とサイクル安定性、又は乏しいレート性能につながる)をもたらした。さらに、これらの研究で探索された合成プロセスのほとんどが、規模拡大に適していない。
【0005】
高エネルギー密度のバッテリーに対する需要は、非常に大きく且つ増え続けている。LIBの市場は、2024年に770億ドルを超えると予測される。それゆえ、市場は、バッテリー性能を増加させるための新しい材料を模索している。LIBのアノード材料として、ケイ素の使用を試みることは新規なことではない。しかしながら、向上した性能と大規模製造の実現可能性との商業的に採算の取れる組み合わせは、見つからないままである。企業及び研究所は、10年にわたって、ケイ素ベースのLIBを研究してきたが、大きな市場活用(例えば、携帯電話及び電動車両など)にはどこも成功していない。このように、高キャパシティを達成する高いケイ素含量を有するだけでなく、主流用途にとってコスト効率が良い、所望の性能を発揮できるケイ素系アノード材料に対する、現在も満たされていない要望が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ケイ素-炭素ナノ複合材料(シリコン-カーボン・ナノコンポジット材料)を製造する方法を提供する。本開示は、本開示の方法によって製造できるケイ素-炭素ナノ複合材料、及び本開示のケイ素-炭素ナノ複合材料を含む電極材料及びイオン伝導性バッテリーも提供する。
【0007】
本開示のケイ素-炭素ナノ材料及び方法は、従来技術のケイ素材料に関する問題に関連する。本開示のケイ素-炭素ナノ材料及び方法は、高ケイ素含量のアノード材料の性能と、容量保持及び大規模製造の実現可能性とを両立することができる。
【0008】
一側面では、本開示は、ケイ素-炭素ナノ材料を製造する方法を提供する。様々な例において、本開示の方法が本明細書に記載される。例示的な例として、炭素-被覆酸化ケイ素-被覆ケイ素ナノ粒子を、ケイ素@酸化物@炭素と称する。前記方法は、「ワンポット(one pot)」法であってもよい。
【0009】
一側面では、本開示は、ケイ素-炭素ナノ材料を提供する。様々な例において、ケイ素-炭素ナノ材料は、本開示の方法によって製造される。様々な例において、本開示のケイ素-炭素ナノ材料が、本明細書中に記載される。
【0010】
一側面では、本開示はアノード材料を提供する。前記アノード材料は、1又は複数の本開示のケイ素-炭素ナノ材料を含む。様々な例において、本開示のアノード材料が、本明細書中に記載される。
(【0011】以降は省略されています)

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