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公開番号2024095722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2024058988,2022211319
出願日2024-04-01,2022-12-28
発明の名称カーボンナノチューブ及びその精製方法、カーボンナノチューブ分散液、バインダー組成物、電極用組成物、並びに二次電池
出願人artience株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/17 20170101AFI20240703BHJP(無機化学)
要約【課題】より安全性を高めつつ、良好な導電性を有する電極膜を形成可能なカーボンナノチューブ及びその精製方法、当該カーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ分散液、バインダー組成物、電極用組成物、並びに二次電池を提供する。
【解決手段】下記(1)~(3)を満たすカーボンナノチューブ。
(1)200℃から1000℃まで10℃/分で昇温した際の示差熱分析において、600℃以上800℃以下に発熱ピークを有する。
(2)ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際にG/D比が、0.5以上3.0以下である。
(3)コバルト、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、マンガン及びモリブデンの総含有量が5000ppm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)~(3)を満たすカーボンナノチューブ。
(1)200℃から1000℃まで10℃/分で昇温した際の示差熱分析において、600℃以上800℃以下に発熱ピークを有する。
(2)ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm
-1
の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm
-1
の範囲内での最大ピーク強度をDとした際にG/D比が、0.5以上3.0以下である。
(3)コバルト、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、マンガン及びモリブデンの総含有量が5000ppm以下である。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
下記(4)を満たす請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
(4)表面酸素量が、2.5atm%以下である。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブは、(i)コバルト及び鉄の総含有量が5000ppm以下をさらに満たす、請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項4】
前記カーボンナノチューブは、(ii)コバルト及び鉄の総含有量が1000ppm以下をさらに満たす、請求項3に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒とを含むカーボンナノチューブ分散液。
【請求項6】
カーボンナノチューブ分散液と、バインダーとを含み、
前記カーボンナノチューブ分散液は、請求項1から4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒とを含む、バインダー組成物。
【請求項7】
カーボンナノチューブ分散液と、電極活物質とを含み、
前記カーボンナノチューブ分散液は、請求項1から4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒とを含む、電極用組成物。
【請求項8】
電極膜を含み、前記電極膜は、
請求項1から4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒とを含むカーボンナノチューブ分散液、
前記カーボンナノチューブ分散液とバインダーとを含むバインダー組成物、又は
前記カーボンナノチューブ分散液と電極活物質とを含む電極用組成物を用いて得られる、二次電池。
【請求項9】
カーボンナノチューブを、不活性雰囲気下、1000℃以上2000℃以下で熱処理する第一の工程と、前記第一の工程で熱処理したカーボンナノチューブを、酸と接触させる第二の工程とを含み、
前記第一の工程及び前記第二の工程はそれぞれ一回又は二回以上行われる、
カーボンナノチューブの精製方法。
【請求項10】
前記第二の工程において、前記酸は、標準電極電位が0.8 V vs.SHE以下である、請求項9に記載のカーボンナノチューブの精製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、カーボンナノチューブ及びその精製方法、カーボンナノチューブ分散液、バインダー組成物、電極用組成物、並びに二次電池に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及、携帯機器の小型軽量化及び高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で、特に、リチウムイオン二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
【0003】
二次電池には、導電助剤として、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、微細炭素材料等が使用されている。特に微細炭素繊維の一種であるカーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも記す。)が多く使用されている。例えば、電極活物質にCNTを添加することにより、電極抵抗を低減したり、電池の負荷抵抗を改善したり、電極の材料強度を上げたり、電極の膨張収縮への耐性を上げたりすることで、二次電池のレート特性、およびサイクル寿命を向上させている。なかでも、外径5nm~数10nmの多層CNTは比較的安価であり、広く実用されつつある。
【0004】
CNTは、一般的にアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相蒸着法などによって製造することができる。これらの内、化学気相蒸着法が生産性、経済性の観点から最も大量生産に向いており、広く実用されている。化学気相蒸着法では、鉄、コバルト、ニッケル等の金属を含む触媒粒子を用いて、炭素源となるガスを反応させ、CNTを生成させる。そのため、化学気相蒸着法で得られたCNTは鉄、コバルト、ニッケル等の金属を含む触媒粒子、または触媒粒子に由来する炭化物、もしくは酸化物等の粒子を含有する。金属を含む触媒粒子等を含有するCNTを二次電池に用いると、金属が溶解し、析出して電池を短絡させる等の不具合が起こることがある。電池が短絡すると、発火、または爆発といった重大な事故に繋がることがある。そこで、より安全性を高めるためにCNTを精製して金属を含む触媒粒子等を除去する方法がいくつか提案されている。
【0005】
特許文献1には、少なくとも炭素と触媒金属とを含む原料を陽極として用い、アーク放電法によりCNTを含む炭素材料を作製する炭素材料作製工程と、上記炭素材料と、ハロゲン及び/又はハロゲン化合物を含むガスとを接触させるハロゲン処理工程と、を経てCNTを含む炭素材料を精製することにより、CNTに損傷又は切断が生じたり、CNTが塊状に固化したりすることを抑制しつつ、不純物である触媒金属を除去することが記載されている。
【0006】
特許文献2には、ラマン分光分析におけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が50以上のCNTに対して、硝酸で液相酸化を行うと、より高品質で、触媒残渣がなく、耐熱性が高く、炭素副生物が少ないCNTが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2008/126534号
国際公開第2018/043487号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ハロゲン処理工程をCNTに施すと、触媒金属が除去されるが、CNTを高温で長時間焼成するためCNTの結晶性が高くなる。結晶性が高いCNTは硬くなるため、折れやすくなる。このため、CNTを二次電池等の電極膜に導電助剤として用いる場合には、CNTが折れてしまうことにより、CNT間の接触抵抗が増大し、結果として電極膜の導電性が低下し、CNTを含む二次電池の性能が低下してしまう可能性がある。
【0009】
また、CNTに対して硝酸で液相酸化を行うことで、触媒残渣を低減できるが、硝酸の酸化力が強いため、CNTの表面が酸化してしまい、CNTを用いた電極膜の導電性が低下してしまう可能性がある。
【0010】
本発明の一実施形態は、上記のような事情に鑑みて成されたものであり、より安全性を高めつつ、良好な導電性を有する電極膜を形成可能なカーボンナノチューブ及びその精製方法、当該カーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ分散液、バインダー組成物、電極用組成物、並びに二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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