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公開番号2024094356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2024063940,2023562626
出願日2024-04-11,2023-05-15
発明の名称希土類酸化物粉末
出願人日本イットリウム株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C01F 17/218 20200101AFI20240702BHJP(無機化学)
要約【課題】強度の解砕処理がなくても容易に分散でき、薄膜の塗膜が形成可能、或いは、分散剤を用いずに高分散スラリーが得られ透明度を安定維持できる、希土類酸化物微粉末を提供する。
【解決手段】(a)又は(b)を満たす、Ce以外の希土類元素の酸化物の粉末。
(a)一次粒子径が10~60nmで、(I)又は(II)を満たす。
(I)超音波分散して測定したD100が1~10μm。
(II)真密度をρとしたとき、初期嵩密度ADから算出される空隙率PAD(%)と、タップ嵩密度TDから算出される空隙率PTD(%)の差が2.0~5.0%。
PAD=(1-AD/ρ)×100
PTD=(1-TD/ρ)×100
(b)一次粒子径が10nm以上100nm未満で、(III)及び(IV)を満たす。
(III)細孔直径0.005~100μmの細孔容積に真密度を掛けた値が3~14。
(IV)細孔直径5~50nmの細孔容積に真密度を掛けた値が0~2.0。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Ce以外の少なくとも1種の希土類元素の酸化物の粉末であって、
(a)一次粒子径が10nm以上60nm以下であり、以下の(I)又は(II)を満たすか、又は
(b)一次粒子径が10nm以上100nm未満であり、以下の(III)及び(IV)を満たす、希土類酸化物粉末。
(I)40W、5分間の超音波分散処理して測定した、レーザー回折・散乱式粒度分布測定法による累積体積100容量%における体積累積粒径D
100
が1μm以上10μm以下である。
(II)前記希土類元素の酸化物の真密度をρ(g/cm
3
)としたとき、初期嵩密度ADより下記式1にて算出される空隙率P
AD
(%)と、タップ嵩密度TDから下記式2で算出される空隙率P
TD
(%)の差(P
AD
-P
TD
)が2.0%以上5.0%以下である。
式1:P
AD
=(1-AD/ρ) ×100 (%)
式2:P
TD
=(1-TD/ρ) ×100 (%)
(III)細孔直径0.005μm以上100μm以下の細孔容積(cm
3
/g)に真密度(g/cm
3
)を掛けて得られる数値が3以上14以下である。
(IV)細孔直径5nm以上50nm以下の細孔容積(cm
3
/g)に真密度(g/cm
3
)を掛けて得られる数値が0以上2.0以下である。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
(a)一次粒子径が10nm以上60nm以下であり、上記の(I)又は(II)を満たす、請求項1に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項3】
上記(I)を満たす、請求項2に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項4】
前記希土類酸化物の真密度をρ(g/cm
3
)としたとき、初期嵩密度ADより下記式1にて算出される空隙率P
AD
(%)が90.0%以上99.0%以下である、請求項3に記載の希土類酸化物粉末。
式1:P
AD
=(1-AD/ρ) ×100 (%)
【請求項5】
一次粒子径が35nm以下である、請求項3又は4に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項6】
Zr含有量が100質量ppm以下である、請求項3又は4に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項7】
炭素含有量が2質量%以下である、請求項3又は4に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項8】
上記(II)を満たす、請求項2に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項9】
上記空隙率P
AD
(%)が90.0%以上99.0%以下である、請求項8に記載の希土類酸化物粉末。
【請求項10】
40W、5分間の超音波分散処理して測定した、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積100容量%における体積累積粒径D
100
が1μm以上10μm以下であって、該D
100
と超音波分散処理して測定し、上記測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D
50
との比であるD
100
/D
50
が、3.0以上11.0以下である請求項8又は9に記載の希土類酸化物粉末。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類酸化物粉末に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
希土類酸化物はコンデンサー用誘電体あるいは内部電極、蛍光体、光学ガラス用屈折率調整剤、酸素センサー、セラミックスの焼結助剤、触媒、耐火物等で用いられている。その使用形態は様々であり、コーティング(塗膜)、微量添加、成型体(焼結体を含む)等がある。
【0003】
希土類酸化物粉末を含むスラリーを塗膜する場合であって、塗膜後に焼成工程がある場合、希土類酸化物粉末の比表面積を高くしたり、一次粒子を小さくしたりすることで、熱拡散性を高めることができる。また希土類酸化物を添加材として使って、焼成するような場合、一次粒子が小さいと熱拡散し易くなることがある。これらの観点から、種々の希土類酸化物の微粉末が知られている。特許文献1においては、一次粒子が平均80Åの超微粒子イットリウム酸化物が得られたと記載されている(特許文献1の実施例1)。特許文献2では、「走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、(中略)粒径がおよそ100nmの凝集のない粒径の揃った球状の粒子群」の酸化イットリウム微粉末が得られたと記載されている(特許文献2の実施例1)。非特許文献1にも、TEMの電子ビームへの長時間曝露の結果として結晶化したDy
2

3
微粉末のTEM画像が示されている(非特許文献1のFig.1a b)
【0004】
一方、一次粒子径が小さな、例えば数十nmレベルの粉末の場合、容易に凝集体を形成し、その凝集粒子は、平均粒径が小さな細かいナノ粉末の場合、固い凝集体となる(例えば特許第6119528号公報の段落〔0014〕参照)。そのため、一次粒子が小さな粒子を塗膜するためには、メディア等を使用して高いエネルギーで解砕する必要がある。
【0005】
特許文献3には酸化イットリウム粉末を、分散剤を用いてスラリー中に分散させて測定した中央粒径D50が5.3nmであったことが記載されている(特許文献3の実施例1)。
【0006】
微粒の希土類酸化物粉末のスラリーは、適切な分散剤を使用して分散させると高分散化できる(例えば特開2007-126349号公報の段落〔0020〕〔0029〕等を参照)。しかし、配合成分によっては分散剤が作用しない場合もありうるし、また、用途によっては分散剤が不純物となることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平4-310516号公報
特開2014-218384号公報
US2020/0071180A
【非特許文献】
【0008】
J Nanopart Res (2013) 15:1438
【発明の概要】
【0009】
出願人は、特許文献1~2、非特許文献1に記載の方法で製造した希土類酸化物粉末は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した場合には、一見凝集していないように見えるが、巨視的な測定方法(レーザー散乱法)で凝集径を測定すると大きな粗大粒子が測定されることを知見した。凝集径が大きいと、コーティング液の場合は薄膜の塗工が難しくなる。また凝集径を小さくしようと解砕しても、一次粒子が小さいことに起因して凝集力が強くなるため、強度の分散が必要となり粉砕メディアに由来した汚染が増えるほか、湿式解砕した後に乾燥させた場合には、乾燥時に凝集して粒径が大きくなる。特に、CeO
2
以外の希土類酸化物の微粉末は凝集抑制が難しかった。
【0010】
従って第1発明の課題は、強度の解砕処理がなくても容易に分散でき、薄膜の塗膜の形成が可能な希土類酸化物微粉末を提供することにある。
(【0011】以降は省略されています)

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