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公開番号2024085296
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199756
出願日2022-12-14
発明の名称複層塗膜の製造方法
出願人日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B05D 1/36 20060101AFI20240619BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】
本発明では、プラスチック基材に記載に塗装する際に、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを塗装して、その後に加熱硬化する方法(3コート1ベーク塗装)において、第1塗膜と第2塗膜のフロー性を制御する方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、3コート1ベーク塗装方法において、前記第2塗料組成物のフローを制御するために、
前記第1塗料組成物を前記成型品上に塗装して60℃で5分間乾燥させた第1塗膜の上に第2塗料組成物を塗装し、その1分後に金属箔に第2塗膜を転写して不揮発分を測定して不揮発分Aを得、
別に第2塗料組成物を別の金属箔上に塗装した後、1分後にその不揮発分を測定して不揮発分Bを得、
両方の不揮発分AおよびBの不揮発分差を、100×(A-B)/B(%)で表した時に、その値が15%以内であるように調整することを特徴とする複層塗膜の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プラスチック素材からなる自動車部品用成型品上への複層塗膜の製造方法であって、
前記成型品の上に、第1塗料組成物を塗装し、未硬化の第1塗膜を形成する工程(1)、
前記未硬化の第1塗膜上に、第2塗料組成物を塗装して、未硬化の第2塗膜を形成する工程(2)、
前記未硬化の第2塗膜上に、クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、
前記未硬化の第1塗膜と、前記未硬化の第2塗膜と、前記未硬化のクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化させ、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを形成する工程(4)において、
前記第2塗料組成物のフローを制御するために、
前記第1塗料組成物を前記成型品上に塗装して60℃で5分間乾燥させた第1塗膜の上に第2塗料組成物を塗装し、その1分後に金属箔に第2塗膜を転写して不揮発分を測定して不揮発分Aを得、
別に第2塗料組成物を別の金属箔上に塗装した後、1分後にその不揮発分を測定して不揮発分Bを得、
両方の不揮発分AおよびBの不揮発分差を、100×(A-B)/B(%)で表した時に、その値が15%以内であるように調整し、
前記第2塗料組成物は、着色水性ベース塗料組成物である、
ことを特徴とする複層塗膜の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第1塗料組成物が、ポリエステル樹脂(A)及び無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン(B)を含み、
前記ポリエステル樹脂(A)が、
ガラス転移温度Tgが、40℃以上120℃以下であり、
数平均分子量Mnが、6000以上20000以下であり、
水酸基価が、12mgKOH/g以下であり、
酸価が、20mgKOH/g以下であり、
水酸基、ケトン基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホン酸基からなる群から選択される少なくとも1種を有し、
前記第2塗料組成物が、マイカを含む着色水性ベース塗料組成物である、請求項1記載の複層塗膜の製造方法。
【請求項3】
前記第1塗料組成物が、ポリエステル樹脂(A)を塗料全樹脂固形分中に15質量%以上25質量%以下の量で含有し、無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂(B)を塗料全樹脂固形分中に20質量%以上35質量%以下の量で含有する、請求項2に記載の複層塗膜の製造方法。
【請求項4】
前記工程(4)の焼き付け硬化温度が、100℃以上130℃以下である請求項1または3に記載の複層塗膜の製造方法。
【請求項5】
プラスチック素材からなる自動車部品用成型品上への複層塗膜の形成方法であって、
前記成型品の上に、第1塗料組成物を塗装し、未硬化の第1塗膜を形成する工程(1)、
前記未硬化の第1塗膜上に、第2塗料組成物を塗装して、未硬化の第2塗膜を形成する工程(2)、
前記未硬化の第2塗膜上に、クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、
前記未硬化の第1塗膜と、前記未硬化の第2塗膜と、前記未硬化のクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化させ、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを形成する工程(4)において、
前記第1塗料組成物を前記成型品上に塗装して60℃で5分間乾燥させた第1塗膜の上に第2塗料組成物を塗装し、その1分後に金属箔に第2塗膜を転写して不揮発分を測定して不揮発分Aを得、
別に第2塗料組成物を別の金属箔上に塗装した後、1分後にその不揮発分を測定して不揮発分Bを得、
両方の不揮発分AおよびBの不揮発分差を、100×(A-B)/B(%)で表した時に、その値が15%以内であるように調整することにより、複層塗膜の形成方法における第2塗料組成物の塗装時のフローを制御する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複層塗膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車車体の塗装において、作業効率を上げ、省エネルギーを実現するために、複数の塗料組成物を未硬化の状態で塗り重ね、その後、それらを同時に硬化させる複層塗膜形成方法、例えば、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化させる工程を包含する3コート1ベーク法などが次第に採用されてきている。
【0003】
また、塗料組成物を未硬化のまま連続して塗装する3コート1ベーク法などの塗装方法においては、最初に塗装する中塗り塗料組成物の塗装時にタレが生じると、塗膜外観が著しく悪化するので、中塗り塗料組成物の塗装時のタレを防止する技術が求められていた。
【0004】
特開2009-262001号公報(特許文献1)には、3コート1ベーク法において、中塗り塗料組成物の粘度だけではなく、中塗り塗料組成物に使用する樹脂の親水性能及び疎水性能の割合を制御して、中塗り塗料組成物の塗装時のタレを有効に防止し、優れた塗膜外観を有する複層塗膜の形成方法が開示されている。
【0005】
自動車車体は、金属基材から一部プラスチック基材へ変わってきているが、プラスチック基材においても、3コート1ベーク塗装方法は採用されている。
【0006】
例えば、特開2005-905号公報(特許文献2)には、プラスチック基材に、水分含有量15~48重量%の水性白色プライマー塗料を塗装する工程と、プライマー塗料の上記塗装塗膜を、予備加熱して、塗膜中の水分含有量を1~10重量%の範囲内に且つ、塗膜の表面電気抵抗値を109Ω/□未満に調整する工程と、プライマー塗料の上記調整塗膜上に、熱硬化性透明着色塗料を静電塗装する工程と、
着色塗料の未硬化塗膜上に、熱硬化性クリヤー塗料を静電塗装する工程と、次いで
上記の塗料からなる三層塗膜を同時に焼き付けて、JIS Z 8721に規定されるマンセル表色系に基づく明度(N値)が8.5以上を有する複層塗膜を得る工程と、を含むプラスチック基材の塗膜製造方法が開示されている。
【0007】
しかし、優れた外観を付与するために、複層塗膜のたれを制御して塗膜の平滑性を保つことが求められていて、プラスチック基材を塗装する際の3コート1ベーク塗装方法においてもその要求は引き継がれている。また、自動車に装着されるパンパーは難付着性のポリプロピレンの成型体が主流で高い付着性能が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2009-262001号公報
特開2005-905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、プラスチック基材に塗装する際に、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを塗装して、その後に加熱硬化する方法(3コート1ベーク塗装)において、第1塗膜と第2塗膜のフロー性を制御する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
プラスチック素材からなる自動車部品用成型品上への複層塗膜の製造方法であって、
前記成型品の上に、第1塗料組成物を塗装し、未硬化の第1塗膜を形成する工程(1)、
前記未硬化の第1塗膜上に、第2塗料組成物を塗装して、未硬化の第2塗膜を形成する工程(2)、
前記未硬化の第2塗膜上に、クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、
前記未硬化の第1塗膜と、前記未硬化の第2塗膜と、前記未硬化のクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化させ、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを形成する工程(4)において、
前記第2塗料組成物のフローを制御するために、
前記第1塗料組成物を前記成型品上に塗装して60℃で5分間乾燥させた第1塗膜の上に第2塗料組成物を塗装し、その1分後に金属箔に第2塗膜を転写して不揮発分を測定して不揮発分Aを得、
別に第2塗料組成物を別の金属箔上に塗装した後、1分後にその不揮発分を測定して不揮発分Bを得、
両方の不揮発分AおよびBの不揮発分差を、100×(A-B)/B(%)で表した時に、その値が15%以内であるように調整し、
前記第2塗料組成物は、着色水性ベース塗料組成物である、
ことを特徴とする複層塗膜の製造方法。
[2]
前記第1塗料組成物が、ポリエステル樹脂(A)及び無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン(B)を含み、
前記ポリエステル樹脂(A)が、
ガラス転移温度Tgが、40℃以上120℃以下であり、
数平均分子量Mnが、6000以上20000以下であり、
水酸基価が、12mgKOH/g以下であり、
酸価が、20mgKOH/g以下であり、
水酸基、ケトン基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホン酸基からなる群から選択される少なくとも1種を有し、
前記第2塗料組成物が、マイカを含む着色水性ベース塗料組成物である、[1]記載の複層塗膜の製造方法。
[3]
前記第1塗料組成物が、ポリエステル樹脂(A)を塗料全樹脂固形分中に15質量%以上25質量%以下の量で含有し、無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂(B)を塗料全樹脂固形分中に20質量%以上35質量%以下の量で含有する、[2]に記載の複層塗膜の製造方法。
[4]
前記工程(4)の焼き付け硬化温度が、100℃以上130℃以下である[1]または[3]に記載の複層塗膜の製造方法。
[5]
プラスチック素材からなる自動車部品用成型品上への複層塗膜の形成方法であって、
前記成型品の上に、第1塗料組成物を塗装し、未硬化の第1塗膜を形成する工程(1)、
前記未硬化の第1塗膜上に、第2塗料組成物を塗装して、未硬化の第2塗膜を形成する工程(2)、
前記未硬化の第2塗膜上に、クリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、
前記未硬化の第1塗膜と、前記未硬化の第2塗膜と、前記未硬化のクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化させ、第1塗膜と第2塗膜とクリヤー塗膜とを形成する工程(4)において、
前記第1塗料組成物を前記成型品上に塗装して60℃で5分間乾燥させた第1塗膜の上に第2塗料組成物を塗装し、その1分後に金属箔に第2塗膜を転写して不揮発分を測定して不揮発分Aを得、
別に第2塗料組成物を別の金属箔上に塗装した後、1分後にその不揮発分を測定して不揮発分Bを得、
両方の不揮発分AおよびBの不揮発分差を、100×(A-B)/B(%)で表した時に、その値が15%以内であるように調整することにより、複層塗膜の形成方法における第2塗料組成物の塗装時のフローを制御する方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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