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公開番号2024085163
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199545
出願日2022-12-14
発明の名称排水集合管における外層部材の止水性の検査方法
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類E03C 1/12 20060101AFI20240619BHJP(上水;下水)
要約【課題】排水集合管に取り付けられた3層構造の外層部材の止水性を確認する。
【解決手段】排水集合管100は、上部管140および下部管110を含み、枝下から下部管110までの外周に外層部材700が取り付けられている。第1の時間が経過するまで第1水圧を外層部材700の遮音カバー730の上側止水部WP(U)に付与する第1の状態を継続させて、次に第2の時間が経過するまで第1の水圧よりも低い第2水圧を外層部材700の遮音カバー730の下側止水部WP(D)に付与する第2の状態を継続させて、それらの後に外層部材700の遮音カバー730における上側止水部WP(U)および下側止水部WP(D)からの水の侵入がないことが確認されたことにより、外層部材700の止水性が良好であると判断する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の床スラブの貫通孔に施工される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管と、前記排水集合管における枝下から前記下部管までの外周に設けられた少なくとも2層からなる外層部材とを含み、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記外層部材は、内周側部材と、前記内周側部材の外周を覆うように前記排水集合管に取り付けられる外周側部材とを含み、
前記外周側部材の少なくとも上端および下端には前記内周側部材が存在せず、前記内周側部材を水に接触させないように止水性を備えて前記外周側部材が前記排水集合管に直接または他部材を用いて取り付けられ、
第1の時間が経過するまで、第1水圧を前記上端の部分に付与する第1の状態を継続させて、
第2の時間が経過するまで、前記第1の水圧よりも低い第2水圧を前記下端の部分に付与する第2の状態を継続させて、または、第3の時間が経過するまで前記下端の部分に散水する第3の状態を継続させて、
前記第1の状態および前記第2の状態の完了後に、前記第1の状態および前記第3の状態の完了後に、または、前記第1の状態、前記第2の状態および前記第3の状態の完了後に、前記上端および前記下端からの水の侵入がないことを確認したことにより、前記止水性が良好であると判断されたことを特徴とする、排水集合管。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第1の状態は、水を貯めた水槽を準備して、前記排水集合管の上部管を下方にした状態であって前記床スラブに施工された後と上下逆の状態で、前記上端から水面までの距離が前記第1水圧に対応する深さまで、前記上端の部分を含めて前記排水集合管を前記水槽に貯めた水に浸すことを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
【請求項3】
前記第1の時間は12時間であって、前記第1水圧は200mm水頭であることを特徴とする、請求項2に記載の排水集合管。
【請求項4】
前記第2の状態は、水を貯めた水槽を準備して、前記排水集合管の上部管を上方にした状態であって前記床スラブに施工された後と上下同じ状態で、前記下端から水面までの距離が前記第2水圧に対応する深さまで、前記下端の部分を含めて前記排水集合管を前記水槽に貯めた水に浸すことを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
【請求項5】
前記第2の時間は12時間であって、前記第2水圧は35mm水頭であることを特徴とする、請求項4に記載の排水集合管。
【請求項6】
前記第3の状態は、水を入れた散水器を準備して、前記排水集合管の上部管を下方にした状態であって前記床スラブに施工された後と上下逆の状態で、前記下端の部分に散水器で散水することを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
【請求項7】
前記第3の時間は100秒間であって、1秒あたりの散水量は100cm
3
であることを特徴とする、請求項6に記載の排水集合管。
【請求項8】
水の侵入がないことは、前記状態の完了前後の前記排水集合管の重量の変化を確認すること、筒状の前記外層部材を前記排水集合管の軸芯に沿って切断して切り開いて前記内周側部材を確認すること、または、筒状の前記外層部材を筒状のままで前記排水集合管の軸芯に沿って抜いて前記内周側部材を確認することを特徴とする、請求項1に記載の排水集
合管。
【請求項9】
前記外周側部材と前記内周側部材との間に水分または湿気により変性する水分検出素材を設けて、水の侵入がないことは、前記水分検出素材が変性していないことを確認することを特徴とする、請求項8に記載の排水集合管。
【請求項10】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管が備える外層部材の止水性の検査方法であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管と、前記排水集合管における枝下から前記下部管までの外周に設けられた少なくとも2層からなる外層部材とを含み、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記外層部材は、内周側部材と、前記内周側部材の外周を覆うように前記排水集合管に取り付けられる外周側部材とを含み、
前記外周側部材の少なくとも上端および下端には前記内周側部材が存在せず、前記内周側部材を水に接触させないように止水性を備えて前記外周側部材が前記排水集合管に直接または他部材を用いて取り付けられ、
第1の時間が経過するまで、第1水圧を前記上端の部分に付与する第1の状態を継続させる第1検査ステップと、
第2の時間が経過するまで、前記第1の水圧よりも低い第2水圧を前記下端の部分に付与する第2の状態を継続させる第2検査ステップと、
第3の時間が経過するまで前記下端の部分に散水する第3の状態を継続させる第3検査ステップと、
前記第1検査ステップおよび前記第2検査ステップの完了後、前記第1検査ステップおよび前記第3検査ステップの完了後、または、前記第1検査ステップ、前記第2検査ステップおよび前記第3検査ステップの完了後に、前記上端および前記下端からの水の侵入がないことを確認することにより、前記止水性が良好であると判断する判断ステップと、を含むことを特徴とする、検査方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブの貫通孔に施工される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管と排水集合管における枝下から下部管までの外周に設けられた少なくとも2層からなる外層部材とを含む排水集合管に関し、特に、特定の条件を満足する止水性を備えて外層部材が設けられた排水集合管に関する。なお、本発明は、このような排水集合管(自体)に加えて、迅速に、容易に、かつ、確実に外層部材の止水性を検査する検査方法も含むものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(立て管、上立て管、下立て管、上管、下管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水集合管(排水配管継手、排水管継手、排水集合継手とも称される)とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
【0003】
そして、このような排水集合管は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される上部管(本体部、管本体)とその上部管の下方に接着される下部管とを備え、上部管は、上流側(上層側)の上管(上立て管)に接続可能な上管接続部を上端に、横枝管に接続可能な横枝管接続部を側面に備えるとともに、下部管は(最下階用ではない場合には)旋回羽根を備えるとともに下階へ排水を流出させる下管(下立て管)を接続する下管接続部を備えたり、(最下階用である場合には)縮径部を備えるとともに横主管へ排水を流出させる脚部ベント管を(直接または別体の配管を介して)接続する下管接続部を備えたり、されている。また、このような排水集合管として、ひとつまたは複数の樹脂製(典型的には硬質塩化ビニル(塩ビ)製)の射出成型品で形成されたものが広く知られている。
【0004】
このような樹脂製の排水集合管の一例として、特開2020-094481号公報(特許文献1)に開示される排水配管継手がある。この特許文献1に開示された排水配管継手は、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備え、前記管本体における前記横枝管接続部と前記下立管接続部との間には、前記管本体の内面に突出する突出部が形成され、前記管本体の外面には前記突出部に対応するくぼみが形成され、前記くぼみの部分に熱膨張性耐火材が充填されたことを特徴とする。また、前記熱膨張性耐火材の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた3層構造の部材(外層部材)であって、前記管本体の外面から最内層710の制振材、耐火性無機繊維によって形成された中間層の振動絶縁体、最外層の遮音カバーの順に前記管本体の外面に外層部材が設けられていることを特徴とする(特許文献1の請求項1、6、7)。
【0005】
この特許文献1に開示された外層部材を備えた排水配管継手においては、外層部材と樹脂製の排水配管継手との接合部(接着部)には止水性が必要である。この止水性が低いと雨水などが上階に溜まった際に外層部材内の遮音材が濡れてしまい遮音性能が十分に発揮されなくなったり、上階の水が下階へ漏れ伝わる可能性があったりするために、止水性を(製品の抜き取り検査または試作品の性能評価検査等を含めて)検査して出荷する必要がある。
【0006】
ところで、このような止水性検査に関して、(排水集合管とその外層部材との止水性を対象とするものではないが)特開平10-307072号公報(特許文献2)に開示された、管を連結するためのフランジ継手をタンクのような容器に取り付ける場合にその取付け部の良否即ち漏洩の有無を短時間に且つ容易に検査する方法がある。この特許文献2に開示された漏洩検査方法は、少なくとも2つの部品の取付け部における漏洩を検査する漏
洩検査方法であって、一方の部品の取付け面に他方の部品を取り付けた取付け部に、空気の通過により気泡を発生する粘性材料を塗布すること、次いでこの取付け部を包囲するように囲って前記一方の部品の取付け面に透明なカバーを当接させて配置すること、その後このカバーの内部を負圧にすること、前記カバー内の負圧状態を所定時間に亘って維持し、前記粘性材料を塗布した前記取付け部での気泡の発生を前記カバーの外から目視して前記取付け部の漏洩を検査することから構成される。
【0007】
この特許文献2に開示された、ポリエチレン製のタンクに熱融着させたポリエチレン製のフランジ継手からの水の漏洩を熱融着部に石鹸水を塗布してその熱融着部を含んで透明カバーで密閉状態にして真空引きして融着部の石鹸水が泡立つと漏れを検出する技術を、排水集合管における外層部材の止水性検査に適用することも、図10に示すように可能ではある。図10(A)に示すように、排水集合管1000における管本体(より詳しくは排水集合管1000を構成する上部管140とその上部管の下方に接着された下部管110)と(図5(B)と同じ符号を付した)図10(B)に示す外層部材700との取付部(本発明においては接合部、接着部と同義)を含んで透明カバー1010で密閉状態にして真空ポンプ1020を用いて排水集合管1000を内包する透明カバー1010を真空引きして取付部の石鹸水が泡立つと止水性が良好でないことを検出することができる。なお、排水集合管1000における管本体と外層部材700との取付部には、上側止水部WP(U)と下側止水部WP(D)とがある。また、外層部材700の詳細な構成については実施の形態で図5を参照して説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-094481号公報
特開平10-307072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この特許文献1に開示された排水配管継手に設けられた外層部材の止水性を特許文献2に開示された漏洩検査方法を用いて検査する場合において、たとえ可能であるとしても、透明カバーを製作する必要があったり、真空引きする必要があったりするために、止水性検査に多大な費用と時間とを必要とする。このため、外層部材を備えた排水集合管における排水集合管(本体)と外層部材との接合部(接着部)における止水性を、迅速に、容易に、かつ、確実に、確認(検査)することのできる、外層部材を備えた排水集合管および排水集合管における外層部材の止水性の検査方法が求められているが、実現できていないという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、建築物の床スラブの貫通孔に施工される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管と排水集合管における枝下から下部管までの外周に設けられた少なくとも2層からなる外層部材とを含む排水集合管であり、特定の条件を満足する止水性を備えて外層部材が設けられた排水集合管(自体)、および、迅速に、容易に、かつ、確実に外層部材の止水性を検査することができる排水集合管における外層部材の止水性の検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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