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公開番号2024067000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-16
出願番号2023183292
出願日2023-10-25
発明の名称排水集合管
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類E03C 1/12 20060101AFI20240509BHJP(上水;下水)
要約【課題】最適な延焼防止効果を発現し得る樹脂製の排水集合管を提供する。
【解決手段】標準排水集合管1000は、標準上部管1100と標準下部管1500とを含み、標準上部管1100は上立管を接続する上立管接続部1110と横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部1120とを含み、標準下部管1500は下立管を接続する下立管接続部1510を含み、外層部材1700により覆われている。外層部材1700の最内層には熱膨張性耐火材1712が設けられ、その高さ位置は、標準下部管1500の上端(下部管受口の上端)より上で、かつ、外層部材1700の上端(遮音カバー1730の上端)よりも下であって、この熱膨張性耐火材1712の内周には、上部管のみまたは延長管のみが存在する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接続される下部管とを含み、前記下部管は旋回羽根を備え、
前記上部管と前記下部管との間には、横枝管接続部の有無が限定されない1以上の延長管が接続される場合があり、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、下階へ排水を流出させる下立管を接続する下立管接続部を含み、
前記下部管の上端よりも上で、前記下部管を含んで前記排水集合管を覆う外層部材の上端よりも下に、熱膨張性耐火材を含み、
前記熱膨張性耐火材の内周には、前記上部管のみまたは前記延長管のみ存在することを特徴とする、排水集合管。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記熱膨張性耐火材の内周には、内部突起を備えない直管部分のみが存在することを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
【請求項3】
前記外層部材の上端には、前記外層部材を前記上部管の外周に密着させるとともに止水性を備える止水部材が設けられて、前記外層部材が前記排水集合管を覆うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項4】
前記熱膨張性耐火材の上端は、前記床スラブ上面よりも下方に位置することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項5】
前記熱膨張性耐火材の下端が前記床スラブ下面よりも上方に位置する、
または、
前記熱膨張性耐火材の下端が前記床スラブ下面よりも上方に位置しない場合には前記外層部材が耐火性能を備える、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項6】
前記下部管の上端と前記横枝管の下面との距離は、30mm以上500mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項7】
前記下部管の上端と前記床スラブの上面との距離は、5mm以上400mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項8】
前記熱膨張性耐火材の下端と前記下部管が備える旋回羽根の上端との距離は、5mm以上200mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項9】
前記熱膨張性耐火材の高さ方向の寸法は、8mm以上50mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項10】
前記熱膨張性耐火材の体積は、30mm
3
以上200mm
3
以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブを貫通して設けられる樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出するとともに上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部および床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部を備えた上部管とその上部管の下方に接続される下部管とを含み熱膨張性耐火材(単に熱膨張材または耐火材と記載する場合がある)により所望の耐火構造を実現し得る排水集合管において、特に、(1)転がし配管で床スラブが薄肉スラブであっても、(2)旋回羽根等の内周面への突起物の上下位置により耐火材の上下位置が決定されることなく、(3)旋回羽根等の内周面への突起物の存在による閉塞性能の低下を抑制して、(4)上部管と下部管との重なり位置(たとえば下部管が受口構造を備え上部管の下端が下部管の上端に接続される)を備えていても、最適な延焼防止効果を発現し得る排水集合管に関する。また、本発明は、上階から流下してきた排水を立管の内壁面に沿う旋回流を形成させるとともにこの旋回流の発生に伴う騒音または振動を低減することができ、また、組み立て工数を削減することができる排水集合管に関する場合もある。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(立て管、上立て管、下立て管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水配管継手(排水集合管、排水管継手、排水集合継手、集合継手とも称される)とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
【0003】
そして、このような排水配管継手は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体(本体部、上部管)を備え、本体部は、上流側の上立て管に接続可能な上方立て管接続部を上端に、横枝管に接続可能な横枝管接続部を側面に、下流側の配管部材に接続可能な下方配管接続部を下端に、それぞれ有する。このような排水配管継手においては、排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分(たとえば旋回羽根、整流羽根、羽根部材、偏流板等であって管壁内周面への突起物)を備えるものが多い。また、このような排水配管継手として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
【0004】
このような排水配管継手を用いた排水配管構造が備え付けられた建築物において、階下にて火災等が発生した場合に火炎や煤煙、有毒ガスが排水配管構造の焼損部位または溶損部位を通じて上層階へ流出することを防止するために、排水配管継手に熱膨張性耐火材を、配管材の外周に別途設けたり、三層構造の配管材の中間層に埋設したりして、火災時には床スラブの貫通孔をこの熱膨張性耐火材によって閉塞された状態を維持する(防火区画構造を構成する)ことが行われている。
【0005】
たとえば、特許第7048812号公報(特許文献1)は、防火区画構造を構成するために、下方で発生した煙や炎を良好に遮断可能な継手を開示する。
【0006】
この特許文献1に開示された継手は、床スラブに挿通可能に構成された樹脂製の継手であって、複数の分岐管を備え、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において前記床スラブの上方に突出する樹脂製の上部材と、前記上部材の下端に外嵌して接続され、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において上部が前記床スラブの内部に埋設されると共に下部が前記床スラブの下方に突出する樹脂製の下部材と、前記下部材の前記上部内に位置し、前記下部材の軸芯に対して傾斜する羽根部材と、前記下部材の周壁に設けられた熱膨張材と、を備え、前記継手が前記床スラブに挿通された状態において、前記熱膨張材の上端は、前記床スラブの上端面より低い位置で、かつ、前記羽根部材の上端よりも高い位置に配され、前記熱膨張材の下端は、前記羽根部材の上端より低い位置で、かつ、前記羽根部材の下端よりも高い位置に配置されている。
【0007】
特許文献1に開示された継手によると、整流羽根(下部材の軸芯に対して傾斜する羽根部材)が熱のかかり易い高さ且つ継手の管内に配置されるので、熱がかかった際に迅速に
溶けてなくなり、床スラブにおいて継手を挿通させるために形成された貫通孔が熱膨張材によって円滑に閉塞される。これにより、下方(即ち、下層)で発生した煙や炎が良好に遮断される。
【0008】
また、特開2017-014762号公報(特許文献2)は、建物の床スラブを貫通して配管される排水管継手に対して、重量の増加を抑制しながら床スラブを伝う排水の音を低減することと、火災時に排水管継手を通じて上下の階へ延焼したり煙が拡がったりするのを防止することとを両立させることを、より容易に可能とする排水管継手を開示する。
【0009】
この特許文献2に開示された排水管継手は、建物の床スラブを貫通して配管される排水管継手であって、排水管が接続される継手本体と、前記継手本体の前記床スラブに貫通する部分の外面を被覆する第1の被覆材と、を備え、前記継手本体は、熱可塑性樹脂からなり、前記第1の被覆材は、内側からこの順で配置された、スポンジ材からなる第1の吸音層、無機繊維の集合体からなる第2の吸音層及び防水性と遮音性の表皮層と、軸方向の少なくとも一箇所において周に沿って設けられた熱膨張材と、を一体で備える。
【0010】
特許文献2に開示された排水管継手によると、火災時には、床スラブ内で外方への膨張が規制された熱膨張材が、熱により軟化した熱可塑性樹脂からなる継手本体を締め付けるように管内方へ膨張して管を閉塞し、火災時に排水管継手を通じて上下の階へ延焼したり煙が拡がったりするのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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