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公開番号2024082088
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-19
出願番号2022195805
出願日2022-12-07
発明の名称浄化材の製造方法、吸着層の構築方法、及び、浄化材
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B01J 20/30 20060101AFI20240612BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】現場で製造することが可能であって、そのまま使用することができる浄化材の製造方法、吸着層の構築方法、及び、浄化材を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る浄化材の製造方法は、ハイドロタルサイトを含む浄化材の製造方法であって、母材に二価金属酸化物粉末を混合する混合工程と、前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材1に対して、アルミニウム化合物溶液3を散布する散布工程と、を含む。また、本発明に係る浄化材の製造方法は、前記母材の透水係数が、管理対象である管理対象地盤の透水係数よりも大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ハイドロタルサイトを含む浄化材の製造方法であって、
母材に二価金属酸化物粉末を混合する混合工程と、
前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材に対して、アルミニウム化合物溶液を散布する散布工程と、
を含むことを特徴とする浄化材の製造方法。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記母材の透水係数は、管理対象である管理対象地盤の透水係数よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の浄化材の製造方法。
【請求項3】
前記散布工程で散布したアルミニウム化合物溶液を回収する回収工程と、
前記回収工程で回収した回収液のpHを測定し、前記回収液のpHが所定値以下の場合に前記回収液を前記散布工程でアルミニウム化合物溶液として再利用する再利用工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浄化材の製造方法。
【請求項4】
前記浄化材は、吸着層工法用、又は、透過性地下水浄化壁用であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浄化材の製造方法。
【請求項5】
前記混合工程の後であって前記散布工程の前に、前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材の上に透水層を敷設する透水層形成工程を含み、
前記散布工程では、前記透水層を介して前記アルミニウム化合物溶液を散布することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浄化材の製造方法。
【請求項6】
母材に二価金属酸化物粉末を混合する混合工程と、
前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材に対して、アルミニウム化合物溶液を散布する散布工程と、
前記二価金属酸化物粉末と前記アルミニウム化合物溶液とが反応してハイドロタルサイトが形成された浄化材を、吸着対象である成分を含む液体の経路に吸着層として形成する吸着層形成工程と、
を含むことを特徴とする吸着層の構築方法。
【請求項7】
母材の表面にハイドロタルサイトが形成されていることを特徴とする浄化材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化材の製造方法、吸着層の構築方法、及び、浄化材に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
層状複水酸化物は、一般式[M
2+
(1-x)

3+

(OH)


x+
[A
n-
x/n
・yH

O]
x-
(式中、M
2+
は2価の金属イオンを、M
3+
は3価の金属イオンを表し、A
n-
x/n
は層間陰イオンを表す。また、0<x<1であり、nはAの価数であり、0≦y<1である)で表される化合物である。層状複水酸化物は、2価の金属イオンにOHが6配位した8面体が平面配列した水酸化物層の一部に3価の金属イオンが置換した構造を持つ。そして、置換した3価の金属イオン量に応じた正電荷を相殺(中和)するように、水酸化物層と水酸化物層との層間に陰イオンが存在している。
この層状複水酸化物は、陰イオン交換性を有することから、陰イオン系の有害成分を除去(吸着)する資材として注目を集めている。
【0003】
産業向けの層状複水酸化物は、合成ハイドロタルサイトとして、樹脂安定剤やゴム添加剤など、比較的安全な添加剤として利用されている。また、2003年には地下水環境基準(地下水の水質汚濁に係る環境基準)において、ふっ素、ほう素、硝酸性窒素などが新規規制されることにより、環境浄化の分野でも層状複水酸化物の適用可能性が検討されるようになった。
例えば、特許文献1では、酸化マグネシウムと可溶性アルミニウム塩とをアルカリ性下の水溶液中で反応させることにより、酸化マグネシウムの表面にハイドロタルサイトが形成した浄化材の製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、酸化マグネシウムと塩化アルミニウムの両粉体に少量の水を添加して混合した後に養生し、さらに乾燥、粉砕して吸着剤(浄化材)を得る製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5915834号公報
特開2019-136703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法は、水溶液中で長時間撹拌を行って浄化材の製造を行うため、合成されるハイドロタルサイトの結晶子が大きくなってしまい、微細なハイドロタルサイトを含む吸着材を得ることはできない。
また、特許文献1、2に記載の方法はいずれも、浄化材を製造する際、固液分離、乾燥、粉砕、水処理などの様々な処理を施す必要があり、多大なエネルギーを要するだけでなく処理工程が煩雑となるとともに、これらの処理を施すプラント(生産設備)などを準備しなければならない。
土木建築分野において、例えば、自然由来汚染対応で重金属を含んだ掘削ずりなどを管理対象とする場合、特許文献1、2に記載の方法によると、プラントで製造した浄化材を現場(施工場所)に運搬し、現場で適した形態(吸着層など)に加工することになるが、処理工程の煩雑さやコストなどの観点から、現実的ではない。
つまり、特許文献1、2に記載の方法などの従来技術は、土木建築分野において、ふさわしい技術(実際の現場に適応できるような技術)であるとは言えなかった。
【0006】
このような観点から、本発明は、現場で製造することが可能であって、そのまま使用することができる浄化材の製造方法、吸着層の構築方法、及び、浄化材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明に係る浄化材の製造方法は、ハイドロタルサイトを含む浄化材の製造方法であって、母材に二価金属酸化物粉末を混合する混合工程と、前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材に対して、アルミニウム化合物溶液を散布する散布工程と、を含む。
本発明によれば、母材を反応場として、二価金属酸化物粉末とアルミニウム化合物溶液とが反応し、母材の表面などにハイドロタルサイトを形成することができる。そして、本発明は、混合工程と散布工程を経ることによって浄化材を製造することができ、従来技術において実施されていた様々な処理(固液分離、乾燥、粉砕、水処理など)が必須とはならず製造工程が煩雑にはならないことから、土木建築分野の現場において浄化材を製造することができる。加えて、本発明によれば、ハイドロタルサイトが形成されているだけでなく母材を含んだ状態の浄化材を製造できることから、吸着層工法用の吸着層や透過性地下水浄化壁用の浄化壁として浄化材をそのまま使用(別途、大幅な加工を施すことなく使用)することができる。
【0008】
本発明において、前記母材の透水係数は、管理対象である地盤(原地盤、盛土層、埋戻し土層、覆土層など)の透水係数よりも大きくすることが好ましい。
本発明によれば、母材を含む浄化材で吸着層や浄化壁を構築した際に、これらが管理対象地盤からの水を透水し難くなるといった問題(透水阻害)の発生を回避することができる。
本発明において、前記散布工程で散布したアルミニウム化合物溶液を回収する回収工程と、前記回収工程で回収した回収液のpHを測定し、前記回収液のpHが所定値以下の場合に前記回収液を前記散布工程でアルミニウム化合物溶液として再利用する再利用工程と、を含むのが好ましい。
本発明によれば、回収工程で得た回収液を再利用工程でアルミニウム化合物溶液として再利用できることから、省コスト化を図ることができる。
本発明において、前記浄化材は、吸着層工法用、又は、透過性地下水浄化壁用であることが好ましい。
本発明によれば、製造した浄化材を適切な用途として使用することができる。
本発明において、前記混合工程の後であって前記散布工程の前に、前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材の上に透水層を敷設する透水層形成工程を含み、前記散布工程では、前記透水層を介して前記アルミニウム化合物溶液を散布するのが好ましい。
本発明によれば、二価金属酸化物粉末を混合した母材の上に透水層を敷設することで、散布工程においてアルミニウム化合物溶液を適切に分散して母材に散布することができる。
【0009】
本発明に係る吸着層の構築方法は、母材に二価金属酸化物粉末を混合する混合工程と、前記二価金属酸化物粉末を混合した前記母材に対して、アルミニウム化合物溶液を散布する散布工程と、前記二価金属酸化物粉末と前記アルミニウム化合物溶液とが反応してハイドロタルサイトが形成された浄化材を、吸着対象である成分を含む液体の経路に吸着層として形成する吸着層形成工程と、を含む。
本発明によれば、混合工程、散布工程という煩雑ではない各工程を経ることによって、土木建築分野の現場において浄化材を製造し、吸着層形成工程において、浄化材をそのまま吸着層の形成に使用することができる。
本発明に係る浄化材は、母材の表面にハイドロタルサイトが形成されている。
本発明によれば、浄化材を煩雑ではない混合工程や散布工程によって製造できることから、現場で製造することが可能であって、そのまま使用することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る浄化材の製造方法によれば、現場で製造することが可能であって、そのまま使用することができる浄化材を製造することができる。
本発明に係る吸着層の構築方法によれば、浄化材を現場で製造し、そのまま吸着層の形成に使用することができる。
本発明に係る浄化材によれば、現場で製造することが可能であって、そのまま使用することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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