TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024081639
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2024028791,2021197066
出願日2024-02-28,2017-02-24
発明の名称架橋クラフトパルプの組成物及び方法
出願人インターナショナル・ペーパー・カンパニー
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類D21H 11/20 20060101AFI20240611BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】架橋セルロース繊維を含み、且つ高い輝度、反応性、及び固有粘度を有するパルプの提供。
【解決手段】本技術による方法は、セルロース供給原料からパルプを形成することと、パルプを漂白することと、パルプが高いコンシステンシーを有する間に、パルプ内のセルロース繊維を架橋することと、及びパルプを乾燥することを含む。セルロース繊維を架橋することは、2個以上のグリシジル基及びエポキシド当たり140~175の範囲内の分子量を有するグリシジルエーテル架橋剤に繊維を曝露することを含み得る。本技術による別の方法は、既に漂白され且つ乾燥された化学木材パルプ繊維を含むパルプの水性懸濁液を用意することと、そのようなグリシダールエーテル架橋剤を用いて繊維を架橋することと、パルプを乾燥することとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース供給原料からパルプを形成することと;
前記パルプを漂白することと;
前記パルプが12%以上のコンシステンシーを有する間に、前記パルプ内のセルロース繊維を架橋することと;
前記パルプを漂白した後、且つ前記セルロース繊維を架橋した後に、前記パルプを乾燥することと
を含み、
乾燥させた前記パルプが、60センチポアズ以上の得られたカルボキシメチルセルロース粘度を有する、方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記セルロース繊維を架橋することが、前記パルプが15%以上のコンシステンシーを有する間に、前記セルロース繊維を架橋することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パルプを漂白することが、前記パルプをクラフト漂白プロセスにより漂白することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パルプを漂白することが、前記パルプを酸素漂白することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パルプを漂白することが、前記パルプを酸素漂白した後、前記パルプを二酸化塩素漂白することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パルプを漂白することが、前記パルプの輝度を75%以上の輝度まで増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パルプを漂白することは、前記パルプのリグニン含有量を、前記架橋セルロース繊維の炉乾燥重量で0.09%以下まで減少させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記セルロース繊維を架橋することが、前記セルロース繊維を架橋することにより前記パルプの保水値を増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記セルロース繊維を架橋することが、前記セルロース繊維を、2個以上のグリシジル基を有するグリシジルエーテル架橋剤に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記セルロース繊維を架橋することが、前記セルロース繊維を、水に少なくとも部分的に不溶性である架橋剤に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年2月25日に出願された米国特許仮出願第62/299,894号の利益を主張し、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれた前述の出願及び/又は任意の他の資料が本開示と矛盾する限りは、本開示を考慮に入れる。
続きを表示(約 3,400 文字)【0002】
技術分野
本技術は、セルロース生成物(例えば、パルプ)及びセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)に関する。
【0003】
背景技術
セルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、など)は、水溶液を形成し、主に、これらの溶液の粘度に応じた様々なグレードで入手可能である。より粘性の水溶液を形成する高グレードのセルロースエーテルは、粘性がより低い水溶液を形成するより低グレードのセルロースエーテルより利用価値が高い傾向がある。所与のセルロースエーテルがより粘性の水溶液を形成する能力は、重合度、及び/又はそれから所与のセルロースエーテルが生成されるセルロース前駆体の他の特性に密接に関連する。高グレードのセルロースエーテルは、溶解グレードパルプ(例えば、コットンリンターパルプ)から従来法で生成され、一方、中グレード及び低グレードのセルロースエーテルは、より低価格の木材パルプから従来法で生成される。本開示で参照されるパルプグレードは、Herbert Sixta、Handbook of Pulp、Wiley-Vch(2006)で更に論じられており、これはその全容が参照により本明細書に組み込まれる。大部分の木材パルプの重合度は、約1,500を超えない。対照的に、溶解グレードパルプは、2,400以上の重合度を有することが多い。残念ながら、溶解グレードパルプは、高価になる傾向がある。高グレードのセルロース誘導体の生成用に低価格のパルプを改変する先行技術の試みは、ほんの限られた成功を収めたのみである。したがって、この分野における更なる革新に対する必要性がある。
【0004】
本技術の多くの態様は、図1及び図2を参照してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本技術の一実施形態によるパルプを作製する方法を例示するフローチャートである。
本技術の別の実施形態によるパルプを作製する方法を例示するフローチャートである。
【0006】
詳細な説明
本技術の実施形態によるパルプを作製する方法及び関連するシステム並びに組成物は、従来技術に伴う1つ又は複数の問題に、そのような問題が本明細書に明記されていても又はされていなくても、少なくとも部分的に取り組むことができる。例えば、本技術の少なくともいくつかの実施形態による方法により、低価格のパルプが、高グレードのセルロースエーテル及び/又は他のセルロース誘導体(例えば、セルロースエステル)の生成における前駆体として役立つことが可能になる。例えば、クラフトパルプは、溶解グレードパルプよりかなり安価であり且つより広く入手可能である。しかしながら、標準的クラフトパルプがセルロースエーテルの生成用に前駆体として使用されると、得られたセルロースエーテルは低グレードになる傾向がある。
【0007】
セルロース誘導体の生成に使用されるパルプにおける望ましい特性として、高輝度及び高粘度が挙げられる。パルプにおける高輝度により、パルプから生成されるセルロース誘導体はほぼ無色又は全く無色となり得る。セルロース誘導体から作製される多くの製品(例えば、医療用布、食品、乾式壁、など)において、セルロース誘導体が製品に色を付与することは望ましくない。同様に、これらの及び他の用途において、セルロース誘導体が、依然として水に可溶性でありながら高粘度を有することは有用である傾向がある。したがって、ほぼ無色又は全く無色であり且つ高粘度を有するセルロース誘導体は、際立つ色及び低粘度を有するセルロース誘導体より高価になる傾向がある。パルプにおける高反応性により、パルプをセルロース誘導体に変換するために使用される官能基化反応(例えば、エーテル化)の効率が増加する。パルプの反応性は、パルプ中のセルロース繊維の表面が、その表面に官能基化剤が分布している水分子と接触する程度に密接に関連する。セルロース繊維の表面と水分子との接触が大きくなるにつれて、パルプが水を保持する程度もまた増加する。したがって、より高い保水値を有するパルプは、より高い反応性を有するパルプでもある傾向がある。
【0008】
いくつかの従来プロセスは、高粘度の水溶液を形成するセルロースエーテルを生成するクラフトパルプの能力を増加させることに、ある程度成功を収めてきた。残念ながら、これらの従来プロセスは、常に、セルロースエーテルにおける他の望ましい特性を犠牲にして且つ/又はプロセス収率を犠牲にして、その成功を収めてきた。例えば、いくつかの従来プロセスは、クラフトプロセス中の漂白を減少させるか又は省くことを含む。これらのプロセスから得られたパルプは、高リグニン含有量、及び対応して低輝度を有する傾向がある。このため、これらのパルプから生成されるセルロースエーテルにおける望ましくない色に至る。別の例として、いくつかの従来プロセスは、クラフトパルプからのヘミセルロース除去を増加することを含む。しかしながら、これらのプロセスは、ヘミセルロースが与える嵩が除去されることに起因して、低収率を有する。その上、これらのプロセスから得られるパルプは、セルロース-Iからセルロース-IIへの構成要素セルロースの変換に起因して、低い反応性を有する傾向がある。従来の架橋反応もまた、典型的には、パルプの保水値(及び反応性)を減少させる。低輝度、低収率、及び/又は低反応性を許してさえも、低価格のパルプを改変する従来プロセスは、高粘度の溶解グレードエーテルパルプから生成されるセルロース誘導体の粘度と同じくらいの高粘度を有する水溶液を形成するセルロースエーテルを生成するのに好適なパルプを生成することは、依然としてできていない。
【0009】
本技術の少なくともいくつかの実施形態による方法は、比較的高いコンシステンシー(例えば、12%以上のコンシステンシー)のパルプを架橋することを含む。これらの方法は、パルプの保水値を増加させるために選択された架橋剤を用いて、パルプを架橋することを更に含み得る。この目的に十分に適した架橋剤として、例えば、2個以上のグリシジル基及びエポキシド当たり140~175の範囲内の分子量を有するグリシジルエーテル架橋剤が挙げられる。比較的高いコンシステンシーのパルプの架橋及びこの種の架橋剤の使用により、低価格のパルプ(例えば、クラフトパルプ)が、輝度、収率、反応性、及び/又は他の望ましいパルプ特性の関連性のある減少をほとんど伴わないか又は全く伴わず、高グレードのセルロース誘導体の生成に好適となることが、驚いたことに見出された。
【0010】
従来の非架橋クラフトパルプは、亜硫酸パルプ(すなわち、主に亜硫酸塩を使用して木材からリグニンを抽出することにより作製されるパルプ)などの他の化学パルプより低い反応性を有する傾向がある。しかしながら、本技術の少なくともいくつかの実施形態では、架橋クラフトパルプは比較的高い反応性を有する。単に理論として且つそのような理論に限定されることは望まないが、これはセルロース鎖間に均一に追加空間を加える架橋の存在に起因し得る。より長鎖の架橋剤(例えば、ポリグリシジルエーテル)は、同様の架
橋条件下で、より短鎖の架橋剤(例えば、1,3-ジクロロ-2-ヒドロキシプロパノール(DCP))より高い反応性を有する架橋パルプを生成し得る。より長鎖の架橋剤を用いて架橋されたパルプは、出発材パルプの結晶化指数より低く、且つ溶解グレードの亜硫酸木材パルプ及びコットンリンターパルプの結晶化指数より更に低い結晶化指数を有し得る。高粘度のエーテル用途のために、亜硫酸パルプの代わりにクラフトパルプを架橋することは、クラフトが亜硫酸パルプ化プロセスより有力なパルプ化プロセスであり、より高い収率(より高いヘミセルロース含有量)を有し、より低価格であり且つ環境をより配慮しているため、少なくともいくつかの場合に有利であり得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ハイモ株式会社
製紙用サイズ剤
2か月前
日本製紙株式会社
板紙
1か月前
相川鉄工株式会社
パルパー装置
1か月前
レンゴー株式会社
消泡剤の添加方法
2か月前
独立行政法人 国立印刷局
精選装置及び精選方法
2日前
ハイモ株式会社
油中水滴型エマルジョン紙力増強剤
1か月前
日本製紙株式会社
耐水紙
2か月前
日本製紙株式会社
紙の製造方法、及び紙
2か月前
大王製紙株式会社
板紙
2か月前
日本製紙株式会社
板紙
1日前
リンテック株式会社
剥離紙
2か月前
大王製紙株式会社
建具シート
2か月前
TOPPANホールディングス株式会社
パルプモールド成型品
1か月前
リンテック株式会社
剥離紙
2か月前
星光PMC株式会社
紙用撥水剤の製造方法及び紙の製造方法
1か月前
ミヨシ油脂株式会社
紙密度調整剤
1日前
ハイモ株式会社
歩留向上剤及びそれを用いた製紙原料の歩留向上方法
1か月前
北越コーポレーション株式会社
耐油紙及びその製造方法
1か月前
大王製紙株式会社
粘着テープ用原紙
1か月前
三菱製紙株式会社
ガラス繊維ボード及びガラス繊維ボードの製造方法
15日前
株式会社片山化学工業研究所
水処理方法
1か月前
大王製紙株式会社
クリーニング用不織布
3か月前
イビデン株式会社
無機繊維マットの製造方法
15日前
大王製紙株式会社
キッチンペーパーロール
2か月前
王子ホールディングス株式会社
半透明化紙及び半透明化紙の製造方法
1か月前
王子ホールディングス株式会社
半透明化紙及び半透明化紙の製造方法
1か月前
リンテック株式会社
耐水紙及びその製造方法
2か月前
リンテック株式会社
耐油紙及びその製造方法
2か月前
日本モウルド工業株式会社
パルプモールド成形品の製造方法、及び、成形品
1か月前
王子ホールディングス株式会社
断熱シート、組電池
1か月前
王子ホールディングス株式会社
断熱シート、組電池
1か月前
泰州安田生物科技有限公司
湿式乾式両用木材パルプ紙の加工方法
1か月前
日本製紙クレシア株式会社
キッチンタオルロール
24日前
株式会社片山化学工業研究所
ピッチコントロール剤
2か月前
バルメット テクノロジーズ インコーポレイテッド
プレスフェルト
1か月前
大王製紙株式会社
バリア紙、産業用材、包装材及び積層体
2か月前
続きを見る