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公開番号2024081495
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022195165
出願日2022-12-06
発明の名称廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法
出願人レアメタル技研株式会社
代理人弁理士法人清原国際特許事務所
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240611BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法を提供する。
【解決手段】使用済みのリチウムイオン電池の正極材及び負極材に含有される、リチウム、マンガン、コバルト及びニッケルの群からなる希少金属を分離回収する方法であって、当該正極材及び当該負極材を無酸素雰囲気下で焙焼させ、焙焼物を溶解及び蒸発乾固させて、炭酸塩としてリチウムを回収する工程、当該リチウム回収後の残渣を酸溶液に溶解した後、酸化剤を接触させて、酸化物として当該マンガンを沈殿させて分離回収する工程、当該マンガン回収後の濾液と、次亜塩素酸ナトリウム溶液を接触させて、酸化物として当該コバルトを沈殿させて分離回収する工程、当該コバルト回収後の濾液に苛性ソーダ溶液を接触させて、水酸化物として当該ニッケルを沈殿させ分離回収する工程、からなることを特徴とする、廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
使用済みのリチウムイオン電池の正極材及び負極材に含有される、少なくともリチウム、マンガン、コバルト及びニッケルの群からなる希少金属を分離回収する方法であって、当該方法は、
当該正極材及び当該負極材を無酸素雰囲気下で焙焼させ、焙焼物を溶解及び蒸発乾固させて、炭酸塩としてリチウムを回収する、リチウム回収工程と、
当該リチウム回収後の残渣を酸溶液に溶解した後、酸化剤を接触させて、酸化物として当該マンガンを沈殿させて分離回収する、マンガン回収工程と、
当該マンガン回収後の濾液と、次亜塩素酸ナトリウム溶液を接触させて、酸化物として当該コバルトを沈殿させて分離回収する、コバルト回収工程と、
当該コバルト回収後の濾液に苛性ソーダ溶液を接触させて、水酸化物として当該ニッケルを沈殿させ分離回収する、ニッケル回収工程と、
からなることを特徴とする、廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記負極材が、黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)及び易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)からなる炭素材料の群から、1つ以上選択されてなることを特徴とする、請求項1に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項3】
前記リチウム回収工程にて、前記正極材及び前記負極材を混合比で0.5~1.0として混合し焙焼させることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項4】
前記リチウム回収工程にて、前記正極材及び前記負極材を、800℃以上且つ1時間以上で焙焼させることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項5】
前記マンガン回収工程にて、前記酸化剤が過硫酸ソーダ溶液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項6】
前記マンガン回収工程にて、前記酸化剤をモル比で3以上且つ95℃以上で接触させることを特徴とする、請求項5に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項7】
前記マンガン回収工程にて、キレート樹脂を用いた吸着法を適用して、前記マンガンを分離回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項8】
前記コバルト回収工程にて、前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を50℃以上で前記マンガン回収後の濾液と接触させることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。
【請求項9】
前記ニッケル回収工程にて、前記苛性ソーダ溶液と前記コバルト回収後の濾液をpH10以上で接触させることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物でも有価廃棄物からのレアメタル(以下、希少金属と称す)回収方法に関し、特に廃リチウムイオン電池からの希少金属回収方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム(Li)イオン電池は、ノートパソコン、スマートフォン等の電子機器に幅広く使用されており、近年において急速に普及している。
上記電池は、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等の従来の二次電池と比較し、小型及び軽量化可能であり且つ高エネルギー密度、高充放電エネルギー、小自己放電及び長寿命等の点で優れている。
【0003】
そのリチウムイオン電池は、正極材、負極材、電解液、セパレータで構成され、正極材にはコバルト系、ニッケル系、マンガン系などがあり、アルミニウム箔などに固着して電極板を構成している。
特に自動車の正極材としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を性能目標に応じて混合した複合正極材も開発されている。
【0004】
今後もリチウムイオン電池は、電気自動車等の普及に伴い増加も見込まれており、使用済みの電池や製造中に生じた不良品等の廃リチウムイオン電池の増加も予測されており、同電池にはリチウム、コバルト、ニッケル、マンガン等のレアメタル(希少金属)が含まれ、同金属およびその化合物は、様々な工業製品に多く利用されている。
【0005】
その希少金属は、新興国の発展に伴う同金属の消費量の世界的な増加、工業製品のさらなる高機能化、環境規制の強化などを背景に需要が増大している。
しかしながら、希少金属は価格変動が激しく、資源の偏在が問題となっていることからも、希少金属を含む廃リチウムイオン電池等の電子機器等は、二次資源または都市鉱山とも呼ばれ、これらのリサイクルにより経済的な利益が見込まれている。
【0006】
上記の背景にて、廃リチウムイオン電池のリサイクルプロセスの開発がなされており、粉砕・選別を行った後に焼却炉中で高温焙焼処理の後、各種金属を浸出させて、多段式の溶媒抽出法を適用して分離回収するプロセスが、産業上で経済性及び操作性の観点から広く採用されている。
【0007】
しかしながら、溶媒抽出法は多量の有機溶剤を使用することが必須であり、安全性及び環境負荷の面で課題を有しており、特に同法を採用した多段式の抽出プロセスにおいては、操作条件を精緻に設定する必要があり、廃棄物リサイクルでは原料組成が刻々と変化するため、操作条件の変更が頻繁となり環境負荷がより大きくなるため、簡便かつ環境負荷が小さい分離回収プロセスの開発が求められている。
【0008】
そこで、非特許文献1には、正極材であるコバルト酸リチウム(LiCoO

)を負極材である黒鉛と混合して加熱すると、熱還元反応が進行し炭酸リチウム(Li

CO

)および金属コバルトが生成され、得られた固体混合物を水で洗浄することで、炭酸リチウムのみを水へ溶解することができ、リチウムとコバルトの分離回収が達成されていることが開示され、非特許文献2及び3では、リチウム分離後の含有するコバルト、ニッケル及びマンガンに関して、酸化剤である亜硫酸ナトリウムを沈殿剤として 廃リチウムイオン電池の浸出液(リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン)に加え95℃で攪拌することで溶液中の99.9%のマンガンを選択的に沈殿可能であること、非特許文献3には、酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを沈殿剤として溶液(コバルト, ニッケル, 鉄)に加えることで、コバルトと鉄を選択的に沈殿可能であることがそれぞれ開示されている。
【0009】
更に、特許文献1では、非特許文献1と同様に、リチウムイオン電池から分離された活物質を、不活性雰囲気下、リチウムイオン電池の負極活物質に含まれる還元性物質としての炭素と共に600℃以上の温度で焙焼して、前記活物質に含まれるリチウム化合物を還元して粗炭酸リチウムを得る工程と、前記粗炭酸リチウムに、難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物溶液を添加し、水酸化リチウム溶液を得る工程と、前記水酸化リチウム溶液に炭酸ガスを供給し、析出した炭酸リチウムを回収すること及び、同文献2には、コバルト及び/又はニッケルと、鉄及びアルミニウムと、を含むリチウムイオン電池のスクラップから、鉄及びアルミニウムを除去する方法及び有価金属の回収方法に関し、沈殿法及び吸着法を適用して、上記鉄及びアルミニウムを除去及び有価金属を回収することがそれぞれ開示されている。
【0010】
本願発明者は、上記プロセス開発に於ける問題点を鑑み、現在のリチウムイオン電池の正極材として自動車用としても広く採用されている、コバルト、ニッケル、マンガンを含有する三元系の正極材でも、上記した方法を用いて環境負荷の小さい沈殿法及び吸着法を用いた分離回収プロセスに適用可能と考え、以下に後述する本プロセスを開発するに至った。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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