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公開番号2024081104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2023084852
出願日2023-05-23
発明の名称生体電極組成物、生体電極及び生体電極の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61B 5/268 20210101AFI20240610BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】薄膜で高透明であり、生体信号の感度が高く、生体適合性に優れ、軽量であり、かつ低コストで製造することができ、長時間水に濡れても、長期間肌に貼り付けても生体信号の感度が大幅に低下することがなく、肌の痒み、赤斑、かぶれなどがなく快適な生体電極組成物、生体電極及び生体電極の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)π共役系ポリマー、及び(B)ヒドロキシ基及び/又はカルボキシル基を有する繰り返し単位a1と、スルホン酸、フルオロスルホンイミド、及びN-カルボニルフルオロスルホンアミドを有する繰り返し単位a2を含み、重量平均分子量が1,000~500,000の範囲であるドーパントポリマーを含む導電性ポリマー複合体と、(C)架橋剤を含有するものであることを特徴とする生体電極組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)π共役系ポリマー、及び
(B)ヒドロキシ基及び/又はカルボキシル基を有する繰り返し単位a1と、スルホン酸、フルオロスルホンイミド、及びN-カルボニルフルオロスルホンアミドを有する繰り返し単位a2を含み、重量平均分子量が1,000~500,000の範囲であるドーパントポリマーを含む導電性ポリマー複合体と、
(C)架橋剤を含有するものであることを特徴とする生体電極組成物。
続きを表示(約 3,600 文字)【請求項2】
前記架橋剤が、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、カルボジイミド基、アジリジン基から選ばれる反応性基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体電極組成物。
【請求項3】
前記(A)π共役系ポリマーが、単環式芳香族類、多環式芳香族類、アセチレン類及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上の前駆体モノマーが重合したものであることを特徴とする請求項1に記載の生体電極組成物。
【請求項4】
前記単環式芳香族類が、ピロール類、チオフェン類、チオフェンビニレン類、セレノフェン類、テルロフェン類、フェニレン類、フェニレンビニレン類、アニリン類のいずれかであり、前記多環式芳香族類がアセン類であることを特徴とする請求項3に記載の生体電極組成物。
【請求項5】
前記(B)ドーパントポリマーのヒドロキシ基及び/又はカルボキシル基を有する繰り返し単位a1が、下記一般式(1)で示されるA1-1及び/又はA1-2を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体電極材料組成物。
TIFF
2024081104000157.tif
48
158
(式中、R

、R

は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。X

、X

は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基、及びアミド基のいずれかであり、R

、R

は、それぞれ独立に、単結合、又は炭素数1~20の直鎖状、分岐状若しくは環状の炭化水素基であり、エーテル基、エステル基を有していても良い。m、nはそれぞれ1~5の整数である。a1-1、及びa1-2は、0≦(a1-1)<1.0、0≦(a1-2)<1.0であり、0<(a1-1)+(a1-2)<1.0である。)
【請求項6】
前記(B)ドーパントポリマーが、繰り返し単位a2として、下記一般式(2)-1から(2)-4で示される部分構造を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体電極組成物。
TIFF
2024081104000158.tif
134
158
(式中、Rf

~Rf

は水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf

、Rf

が合わさってカルボニル基を形成してもよい。Rf

は水素原子、フッ素原子、炭素数1~4の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、フッ素原子で置換されていても良い。Rf

、Rf

は、フッ素原子、炭素数1~4の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する。mは0~4の整数である。M

は水素イオン、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選択されるイオンである。)
【請求項7】
前記(B)ドーパントポリマーが、繰り返し単位a2として、下記一般式(2)で表される繰り返し単位A2-1~A2-7から選ばれる1種以上を有するものであることを特徴とする請求項6に記載の生体電極組成物。
TIFF
2024081104000159.tif
104
158
(一般式(2)中、R

、R

、R

、R
12
、R
14
、R
15
、及びR
17
は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、R

、R

、R
10
、R
13
、R
16
、R
19
、及びR
20
は、それぞれ独立に、単結合、又は炭素数1~13の直鎖状、分岐状若しくは環状の炭化水素基である。前記炭化水素基は、エステル基、エーテル基、アミド基、カーバメート基、チオカルバメート基、及びウレア基から選ばれる1種以上を有していてもよい。R
11
は、炭素数1~4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R
11
中の水素原子のうち、1個又は2個がフッ素原子で置換されていてもよい。Y

、Y

、Y

、Y

、Y

、及びY

は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基、及びアミド基のいずれかであり、Y

は、単結合、エーテル基、及びエステル基のいずれかである。Zは、酸素原子、及び-NR
18
-基のいずれかである。R
18
は水素原子、炭素数2~12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、及びフェニル基のいずれかであり、エーテル基、カルボニル基、エステル基、及びアミド基から選ばれる1種以上を有していてもよい。ZはR

とともに環を形成してもよい。Rf
1’
及びRf
5’
は、それぞれフッ素原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する。mは0~4の整数である。a2-1、a2-2、a2-3、a2-4、a2-5、a2-6、及びa2-7は、0≦(a2-1)<1.0、0≦(a2-2)<1.0、0≦(a2-3)<1.0、0≦(a2-4)<1.0、0≦(a2-5)<1.0、0≦(a2-6)<1.0、0≦(a2-7)<1.0であり、0<(a2-1)+(a2-2)+(a2-3)+(a2-4)+(a2-5)+(a2-6)+(a2-7)<1.0である。M

は水素イオン、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選択されるイオンである。)
【請求項8】
前記一般式(2)中において、Rf
1’
中に少なくとも1つ以上のフッ素原子を有し、Rf
5’
がフッ素原子又はトリフルオロメチル基のものであることを特徴とする請求項7に記載の生体電極組成物。
【請求項9】
前記(B)ドーパントポリマーが、前記アンモニウムイオンとして、下記一般式(3)で示されるアンモニウムイオンを含有するものであることを特徴とする請求項7に記載の生体電極組成物。
TIFF
2024081104000160.tif
36
158
(一般式(3)中、R
101d
、R
101e
、R
101f
及びR
101g
はそれぞれ、水素原子、炭素数1~15の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基、炭素数2~12の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルケニル基若しくはアルキニル基、又は炭素数4~20の芳香族基であり、エーテル基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン原子、及び硫黄原子から選ばれる1種以上を有していてもよい。R
101d
及びR
101e
、又はR
101d
、R
101e
及びR
101f
はこれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101d
及びR
101e
、又はR
101d
、R
101e
及びR
101f
は炭素数3~10のアルキレン基であるか、又は一般式(3)中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を形成する。)
【請求項10】
前記(A)、(B)、及び(C)成分に加えて、(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、ポリグリセリン、ポリグリセリン変性シリコーン、セルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上の樹脂からなる(D)成分を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体電極組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体電極組成物、生体電極及び生体電極の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)の普及と共にウェアラブルデバイスの開発が進んでいる。医療分野やスポーツ分野においても、体の状態を常時モニタリングできるウェアラブルデバイスが必要とされており、今後の成長分野である。特に、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延によって、深刻な医療負荷がかかっており、ウイルスに感染していない人の在宅医療の必要性とこれの加速が叫ばれている。
【0003】
医療分野では、例えば電気信号によって心臓の動きを感知する心電図測定のように、微弱電流のセンシングによって体の臓器の状態をモニタリングするウェアラブルデバイスが販売されている。心電図の測定では、水和ゲルを塗った電極を体に装着して測定を行うが、これは1回だけの短時間の測定である。これに対し、上記のような医療用のウェアラブルデバイスの開発が目指すのは、数週間連続して常時健康状態をモニターするデバイスの開発である。従って、医療用ウェアラブルデバイスに使用される生体電極には、シャワーや入浴や発汗等のある日常生活において長時間使用した場合にも生体信号を採取できること、痒みや肌アレルギーがないことや快適性が求められる。また、これらに加えて、装着感がないほどに軽量かつ薄膜であること、低コストかつ生産性高く製造できることも求められている。
【0004】
Apple Watchに代表される時計型デバイスや、Radarを使った非接触型のセンシングによって心電図の計測が可能になってきている。しかしながら、医療向けの高精度な心電図の測定には体の数カ所に生体電極を貼り付けるタイプの心電計が必要である。
【0005】
医療用ウェアラブルデバイスとしては、体に貼り付けるタイプと、衣服に組み込むタイプがあり、体に貼り付けるタイプとしては、上記の水和ゲル材料の、例えば特許文献1に記載の水と電解質を含む親水性ゲルを用いた生体電極が広く用いられている。親水性ゲルは、水を保持するための親水性ポリマー中に、電解質としてナトリウム、カリウム、カルシウムを含んでおり、肌からのイオン濃度の変化を親水性ゲルに接した塩化銀の還元反応によって電気信号に変換する。ゲルが乾燥すると導電性が無くなり生体電極としての機能を失うことや、入浴やシャワー中に膨潤して剥がれ落ちてしまう問題点がある。
【0006】
一方、衣服に組み込むタイプとしては、PEDOT-PSS(Poly-3,4-ethylenedioxythiophene-Polystyrenesulfonate)のような導電性ポリマーや銀ペーストを繊維に組み込んだ布を電極に使う方法が提案されている(特許文献2)。PEDOT-PSSはポリマーが水に分散する特性があるので、PEDOT-PSSが塗布されたフィルムや繊維においても、水に長時間浸されると剥がれてしまう問題がある。
【0007】
伸縮性を有し高導電な生体電極シートが開発されている(非特許文献1)。ここで、銀ナノワイヤーをポリウレタンフィルム上に塗布し、フラッシュアニールを施すことによって銀ナノワイヤー表面を瞬間的に500℃以上に加熱・溶融させ、銀ナノワイヤー同士を融着させている。
【0008】
金薄膜や銀ナノワイヤー等の金属系の生体電極は、金属色をしており透明ではない。透明で肌が透けて見える生体電極を開発できれば肌に張り付けた時の視覚的な違和感がないメリットがある。
【0009】
ここで、ITOに代わる有機EL用途の透明導電膜として、PEDOT-PSSが検討されている。銀ナノワイヤーとPEDOT-PSSの組み合わせも行われている(非特許文献2)。しかしながら、PEDOT-PSSは青色を呈しており、透明ではない。透明性を向上させるために、フッ素を導入したドーパントと組み合わせたポリチオフェンの透明導電膜への応用が示されている(特許文献3~10)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2013/039151号
特開2015-100673号公報
特許第6661212号公報
特許第6450661号公報
特許第6335138号公報
特許第6271378号公報
特許第6407107号公報
特許第6496258号公報
特許第6483518号公報
特許第6438348号公報
特開2020-023668号公報
特開2018-044147号公報
特開2018-059050号公報
特開2018-059052号公報
特開2018-130534号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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