TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024069871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180129
出願日2022-11-10
発明の名称半導体エピタキシャル基板の製造方法、半導体エピタキシャル基板、及び半導体装置
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01L 29/872 20060101AFI20240515BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】
転位の拡長による順方向劣化を容易に抑制できる半導体エピタキシャル基板の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
4H-SiC基板の表面にH+を注入するイオン注入工程と、前記イオン注入工程を行った前記4H-SiC基板の表面に4H-SiCをエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と、を含むことを特徴とする半導体エピタキシャル基板の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
4H-SiC基板の表面にH

を注入するイオン注入工程と、
前記イオン注入工程を行った前記4H-SiC基板の表面に4H-SiCをエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と、
を含むことを特徴とする半導体エピタキシャル基板の製造方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記イオン注入工程において、イオン源として水素ガス、又は水素を含む化合物を用いることを特徴とする、請求項1に記載の半導体エピタキシャル基板の製造方法。
【請求項3】
前記イオン注入工程において、前記4H-SiC基板の表面へのH

注入量を1×10
13
atoms/cm

以上、5×10
15
atoms/cm

以下とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体エピタキシャル基板の製造方法。
【請求項4】


が注入された注入層を有する4H-SiC基板と、
前記4H-SiC基板上に設けられた4H-SiCのエピタキシャル層と、
を備えることを特徴とする半導体エピタキシャル基板。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体エピタキシャル基板を備えることを特徴とする半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体エピタキシャル基板の製造方法、半導体エピタキシャル基板、及び半導体装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
SiCは、2.2~3.3eVという広いバンドギャップを有することから高い絶縁破壊強度を有し、また熱伝導率も大きいためパワーデバイスや高周波用デバイスなどの各種半導体デバイス用の半導体材料として期待されている材料である。
【0003】
しかしながら、SiCを用いてダイオードなど実際の素子を作製した場合に順方向に通電した場合、多数のキャリアが基板に注入されて転位が拡張することで、順方向特性が変動してしまい(Vf変動)、動作が不安定になり信頼性が損なわれる、順方向劣化と呼ばれる現象が生じることが知られており、大きな問題である(非特許文献1)。
【0004】
この転位の拡張を止める方法として、Cuイオンを注入する方法(非特許文献2)が2010年に提案されたのち、最近になってH

でも同様の効果があることが報告されている(非特許文献3及び4)。
具体的には非特許文献3、4ではH

を1×10
15
atoms/cm

程度注入する方法が提案されている。この方法は高ドーズのH

を深い位置(SiCエピタキシャルであれば5μm以上)に注入することが必要であるが、装置構成上、H

の高いドーズ量と深い位置(高加速)を同時に満たすことが難しく実際の応用には課題がある(高加速を優先すると、1枚のSiCウェーハにH

を注入するのに10時間以上を要する)。
【0005】
このH

のSiCへの注入に関しては他にもいくつかの先行技術が報告されている。特許文献1には、2枚のSiC単結晶ウェーハを準備し、それぞれに酸化膜を形成したのち、片方の基板に水素イオンを注入し、その後、酸化膜を介して室温で接合一体化してから、500℃以上に加熱処理することにより水素イオン注入された箇所でSiC単結晶ウェーハを2分割し半導体電子素子用基板を作製する方法が開示されている。この方法では、接合部に酸化膜が存在しており、縦方向デバイスとする際に、この酸化膜が絶縁層として機能しパワーデバイス基板としての機能が大きく制限されてしまう。また、特許文献2には、H

注入した単結晶と多結晶のSiC基板を貼り合わせたのちに、単結晶及び多結晶それぞれを剥離する方法が開示されているが、2回剥離をおこなうことによるコストの増加とそれぞれ所定の工程で剥離をおこなう難しさがあり、また順方向劣化については言及がされていない。さらに、特許文献3では、不純物濃度と欠陥密度に注目しており欠陥密度の少ない高抵抗基板をH

注入を用いて転写する方法が開示されている。この方法は、もともとの基板に存在する欠陥を低減する方法ではあるが、その後の信頼性に関わる順方向劣化については言及がない。さらに、特許文献4には、H

による基板剥離のもととなる技術が開示されており、拡散バリア(酸素拡散バリア)機能については言及があるが、こちらも順方向劣化については言及がない。最後の特許文献5はH

による分離への記述はあるが、同じく順方向劣化に対する解決策は示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平11-003842号公報
特開2016-018890号公報
特開2014-022711号公報
特開2007-329470号公報
特開2007-227415号公報
【非特許文献】
【0007】
M. Skowronski and S. Ha, “Degradation of hexagonal silicon-carbide-based bipolar devices”, J. Appl., Phys., 99, 01101(2006).
B. Chen, H. Matsuhara, T. Sekiguchi, T. Ohyanagi, A. Kinoshita and H. Okumura, “Pinning of recombination-enhanced dislocation mition in 4H-SiC : Role of Cu and EH1 complex”, Appl. Phys. Lett., 96, 212110(2010).
M. Kato, O. Watanabe, T. Mii, H. Sakane, S. Harada, “Suppression of stacking fault expansion in SiC PiN diodes by H+ implantation”, Abstract of 19th International Conference on Silicon Carbide and Related Materials, 453(2022).
S. Harada, T. Mii, H. Sakane, M. Kato, “Suppression of recombination enhanced dislocation glide motion in 4HSiC by hydrogen ion implantation”, Abstract of 19th International Conference on Silicon Carbide and Related Materials, 459(2022).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、SiC基板にH

を注入する方法は多数知られているが、順方向劣化を現実的に解決するには課題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記のSiC素子の順方向劣化の問題を基板レベルで解決するためになされたものである。より詳しくは高耐圧デバイス基板として期待されている4H-SiCが、通電によりキャリアが注入されることで転位が拡張して電気特性が変化する順方向劣化(通電劣化)の問題を解決するものであり、従来よりも順方向劣化を容易に抑制することが可能となる半導体エピタキシャル基板の製造方法、半導体エピタキシャル基板、及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、4H-SiC基板の表面にH

を注入するイオン注入工程と、前記イオン注入工程を行った前記4H-SiC基板の表面に4H-SiCをエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と、を含むことを特徴とする半導体エピタキシャル基板の製造方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社コロナ
操作装置
13日前
HOYA株式会社
光源装置
12日前
トヨタ自動車株式会社
電池
1か月前
大日本印刷株式会社
流路部材
20日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
27日前
太陽誘電株式会社
全固体電池
26日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
5日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
5日前
電気興業株式会社
反射板装置
1か月前
三菱電機株式会社
静止誘導器
1か月前
太陽誘電株式会社
全固体電池
1か月前
富士電機株式会社
半導体装置
18日前
太陽誘電株式会社
全固体電池
11日前
トヨタ自動車株式会社
コイル
23日前
トヨタ自動車株式会社
コイル線
23日前
トヨタ自動車株式会社
コイル線
23日前
トヨタ自動車株式会社
コイル線
23日前
株式会社村田製作所
コイル部品
1か月前
東レ株式会社
固体電解質用補強シート
27日前
中国電力株式会社
直線スリーブ
25日前
東レ株式会社
ポリマー電解質および電池
6日前
個人
組み合わせアース端子
18日前
ローム株式会社
半導体装置
1か月前
住友電気工業株式会社
半導体装置
24日前
ローム株式会社
半導体装置
27日前
日本無線株式会社
レーダアンテナ
20日前
ローム株式会社
半導体装置
23日前
ヒロセ電機株式会社
電気コネクタ
26日前
ヒロセ電機株式会社
電気コネクタ
26日前
トヨタ自動車株式会社
収容ケース
24日前
富士電機株式会社
半導体装置
18日前
三菱電機株式会社
半導体装置
3日前
三菱電機株式会社
半導体装置
26日前
株式会社村田製作所
インダクタ部品
1か月前
株式会社ノーリツ
燃料電池ユニット
17日前
三菱電機株式会社
半導体装置
3日前
続きを見る