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公開番号2024064856
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173775
出願日2022-10-28
発明の名称安定化剤濃度のΔSP(m)の最大値が0.5未満であるジルコニア被切削体
出願人株式会社松風
代理人個人
主分類C04B 35/486 20060101AFI20240507BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】特殊な装置を必要とせず、天然歯に類似の透光性グラデーションと色調グラデーションをジルコニア完全焼結体に付与させることができる歯科切削加工用ジルコニア被切削体を提供する。
【解決手段】向かい合う2つの面と、その2つの面の間の側面とを有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体であって、側面は、長方形形状を有しており、向かい合う2つの面のうち一方の面から他方の面へ向かって歯科切削加工用ジルコニア被切削体の安定化剤濃度(mоl%)の最大値と最小値差が0.3以上であり、かつ、直線距離が0.5mm間隔となるように設定した点間の安定化剤濃度(mоl%)の差の最大値が0.5未満である部分を有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
向かい合う2つの面と、その2つの面の間の側面とを有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体であって、
側面は、前記歯科切削加工用ジルコニア被切削体の側面視において、長方形形状を有しており、向かい合う2つの面のうち一方の面を面A、他方の面を面Bとし、面Aから面Bへ向かって側面と平行な方向に1.0mmから1.5mmの位置にある面Aに平行な面を面Cとし、
面Cから面Bまでの領域において、面Cから面Bへ向かって側面と平行な方向における直線距離が0.5mm間隔となるように設定した点を、面Cから順番に点P(1)、点P(2)、・・・点P(n)とし、それぞれの点の安定化剤濃度(mоl%)をSP(1)、SP(2)、・・・SP(n)(n≧((面Cと面B間との最短距離(mm))-2)/0.5)としたとき、
歯科切削加工用ジルコニア被切削体が、安定化剤濃度(mоl%)の最大値SPmaxと最小値SPminの差SPmax-SPminが0.3以上であり、かつ、下記式で定義されるΔSP(m)の最大値ΔSPmaxが0.5未満である部分を有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
ΔSP(m)=|SP(m)-SP(m+1)|(ただし、m=1,2,・・・n-1)
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記ΔSPmaxが0.3未満である請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項3】
前記ΔSPmaxが0.10未満である請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項4】
下記式を満たす連続した3点が3か所未満である請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
ΔΔSP(m)=|ΔSP(m)-ΔSP(m+1)|>0.1(m=1,2,・・・n-1)
【請求項5】
前記安定化剤濃度の最大値SPmaxが6.0mоl%以上である請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項6】
面Cから面Bまでの領域において、厚さ2.0mmの試験体を切り出し、1550℃で1時間焼結した焼結体の厚さ1.0mmにおけるコントラスト比を測定したとき、前記領域の中で最も低いコントラスト比が0.70以下である請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項7】
着色されている請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項8】
積層構造を有さない請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項9】
細孔内に、安定化剤化合物及び/又は着色剤化合物が担持されている請求項1に記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
【請求項10】
面C上の点P(1)が、面Cと側面との交点に位置する請求項1~9のいずれかに記載の歯科切削加工用ジルコニア被切削体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科切削加工用ジルコニア被切削体に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工により補綴装置を作製する技術が急速に普及してきている。これにより、ジルコニア、アルミナ、二ケイ酸リチウム等のセラミックス材料や、アクリルレジン、ハイブリッドレジン等のレジン材料で製造された被切削体を加工することで、容易に補綴装置を作製することが可能となってきている。
【0003】
特に、ジルコニアは、高い強度を有していることから様々な症例で臨床応用されている。一方、完全焼結したジルコニア(以下、ジルコニア完全焼結体)は、硬度が非常に高いため、歯科用CAD/CAMシステムを用いて切削加工することができない。そのため、歯科切削加工用ジルコニア被切削体は、完全焼結させず低い焼成温度で仮焼し、切削加工可能な硬度に調整したものが用いられている。
【0004】
一般的な歯科切削加工用ジルコニア被切削体は、ジルコニア粉末をプレス成形等により成形した後、800~1200℃で仮焼して製造されている。
【0005】
ジルコニア完全焼結体の特性は、使用するジルコニア粉末の特性に影響を受ける。
【0006】
特許文献1には、安定化剤と着色剤の含有量が異なる複数の層を有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体が開示されている。当該ジルコニア被切削体から作製されたジルコニア完全焼結体は、透光性と色調のグラデーションを有する。しかしながら、当該焼結体は各層間の境界が視認できるなど、天然歯に類似の透光性グラデーションと色調グラデーションを有しておらず、前歯部など高い審美性が求められる症例への適用は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2021/023791号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特殊な装置を必要とせず、天然歯に類似の透光性グラデーションと色調グラデーションをジルコニア完全焼結体に付与させることができる歯科切削加工用ジルコニア被切削体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、特殊な装置を必要とせず、天然歯に類似の透光性グラデーション、色調グラデーション及び強度グラデーションをジルコニア完全焼結体に付与させることができる歯科切削加工用ジルコニア被切削体について検討した。その結果、歯科切削加工用ジルコニア被切削体中の各部位における安定化剤濃度が特定の関係を満たすことが、天然歯に類似の透光性グラデーションと色調グラデーションをジルコニア完全焼結体に付与させるために特に重要であることを見出した。以下に本発明の詳細を記載する。
【0010】
本発明の歯科切削加工用ジルコニア被切削体は、向かい合う2つの面と、その2つの面の間の側面とを有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体であって、
側面は、前記歯科切削加工用ジルコニア被切削体の側面視において、長方形形状を有しており、向かい合う2つの面のうち一方の面を面A、他方の面を面Bとし、面Aから面Bへ向かって側面と平行な方向に1.0mmから1.5mmの位置にある面Aに平行な面を面Cとし、
面Cから面Bまでの領域において、面Cから面Bへ向かって側面と平行な方向における直線距離が0.5mm間隔となるように設定した点を、面Cから順番に点P(1)、点P(2)、・・・点P(n)とし、それぞれの点の安定化剤濃度(mоl%)をSP(1)、SP(2)、・・・SP(n)(n≧((面Cと面B間との最短距離(mm))-2)/0.5)としたとき、
歯科切削加工用ジルコニア被切削体が、安定化剤濃度(mоl%)の最大値SPmaxと最小値SPminの差SPmax-SPminが0.3以上であり、かつ、下記式で定義されるΔSP(m)の最大値ΔSPmaxが0.5未満である部分を有する歯科切削加工用ジルコニア被切削体である。
ΔSP(m)=|SP(m)-SP(m+1)|(ただし、m=1,2,・・・n-1)
(【0011】以降は省略されています)

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