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公開番号
2024065212
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-15
出願番号
2022173956
出願日
2022-10-31
発明の名称
セメント組成物
出願人
太平洋セメント株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20240508BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】廃ガラスの有効利用を図ることができ、流動性に優れ、セメント混和剤の配合量をより少なくすることができるセメント組成物を提供する。
【解決手段】セメントと、以下の(1)~(2)の条件を満たすガラス粉末と、セメント混和剤を含み、セメントとガラス粉末の合計100質量%中のガラス粉末の割合が1.5~42質量%であるセメント組成物。
(1) 平均粒径が40μm以下であること
(2) 最大内接円中心法(MIC)を用いて算出した円の中心に対する、最大外接円の半径(Di)と最大内接円の半径(Dc)の比の平方根(√(Di)/(Dc))」の平均値が0.90以上であること
ガラス粉末は、好ましくは1~4μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が25~70体積%で、かつ、10~40μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が15~55体積%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セメントと、以下の(1)~(2)の条件を満たすガラス粉末と、セメント混和剤を含み、
上記セメントと上記ガラス粉末の合計100質量%中の上記ガラス粉末の割合が1.5~42質量%であることを特徴とするセメント組成物。
(1) 平均粒径が40μm以下であること
(2) 最大内接円中心法(MIC)を用いて算出した円の中心に対する、最大外接円の半径(Di)と最大内接円の半径(Dc)の比の平方根(√(Di)/(Dc))」の平均値が0.90以上であること
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
上記ガラス粉末は、1~4μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が25~70体積%で、かつ、10~40μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が15~55体積%であるものである請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
上記ガラス粉末がホウケイ酸ガラス粉末である請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項4】
上記ガラス粉末中、SiO
2
の含有率が40質量%以上、Al
2
O
3
の含有率が10~18質量%、CaOの含有率が16~30質量%である請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項5】
上記ガラス粉末の強熱減量が2.0質量%以下である請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項6】
上記ガラス粉末のブレーン比表面積が3,000~7,000cm
2
/gである請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項7】
上記セメントと上記ガラス粉末の合計100質量部に対する、上記セメント混和剤の量が0.01~2.00質量部である請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項8】
さらに、水を含む請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項9】
さらに、細骨材を含む請求項1又は2に記載のセメント組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物である廃ガラスの有効利用について様々な技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、ガラス粉末とセメント系固化材の混合物にアクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含む水溶液を添加し混練、固化させて形成した透水性ブロック、及び、上記ガラス粉末として、廃ガラスの破砕粉を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、アルカリ含有ガラス粉末からアルカリ成分の一部またはすべてを除去したものであって、アルカリ含有量が3重量%以下であり、かつ平均粒子径が1~20μmであることを特徴とするセメント用混和材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-29809号公報
特開2004-123458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、廃ガラスの有効利用を図ることができ、流動性に優れ、セメント混和剤の配合量をより少なくすることができるセメント組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントと、平均粒径が40μm以下でかつ最大外接円の半径(Di)と最大内接円の半径(Dc)の比の平方根(√(Di)/(Dc))」の平均値が0.90以上であるガラス粉末と、セメント混和剤を含み、セメントとガラス粉末の合計100質量%中のガラス粉末の割合が1.5~42質量%であるセメント組成物によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[9]を提供するものである。
[1] セメントと、以下の(1)~(2)の条件を満たすガラス粉末と、セメント混和剤を含み、上記セメントと上記ガラス粉末の合計100質量%中の上記ガラス粉末の割合が1.5~42質量%であることを特徴とするセメント組成物。
(1) 平均粒径が40μm以下であること
(2) 最大内接円中心法(MIC)を用いて算出した円の中心に対する、最大外接円の半径(Di)と最大内接円の半径(Dc)の比の平方根(√(Di)/(Dc))」の平均値が0.90以上であること
[2] 上記ガラス粉末は、1~4μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が25~70体積%で、かつ、10~40μmの粒径を有するガラス粉末の含有率が15~55体積%であるものである前記[1]に記載のセメント組成物。
【0006】
[3] 上記ガラス粉末がホウケイ酸ガラス粉末である前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記ガラス粉末中、SiO
2
の含有率が40質量%以上、Al
2
O
3
の含有率が10~18質量%、CaOの含有率が16~30質量%である前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント組成物。
[5] 上記ガラス粉末の強熱減量が2.0質量%以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載のセメント組成物。
[6] 上記ガラス粉末のブレーン比表面積が3,000~7,000cm
2
/gである前記[1]~[5]のいずれかに記載のセメント組成物。
[7] 上記セメントと上記ガラス粉末の合計100質量部に対する、上記セメント混和剤の量が0.01~2.00質量部である前記[1]~[6]のいずれかに記載のセメント組成物。
[8] さらに、水を含む前記[1]~[7]のいずれかに記載のセメント組成物。
[9] さらに、細骨材を含む前記[1]~[8]のいずれかに記載のセメント組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント組成物によれば、廃ガラスの有効利用を図ることができる。また、本発明のセメント組成物は流動性に優れるため、セメント混和剤の配合量をより少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のセメント組成物は、セメントと、以下の(1)~(2)の条件を満たすガラス粉末と、セメント混和剤を含み、セメントとガラス粉末の合計100質量%中のガラス粉末の割合が1.5~42質量%であるものである。
(1) 平均粒径が40μm以下であること
(2) 最大内接円中心法(MIC)を用いて算出した円の中心に対する、最大外接円の半径(Di)と最大内接円の半径(Dc)の比の平方根(√(Di)/(Dc))」の平均値が0.90以上であること
なお、本明細書中、「セメント組成物」とは、水を含まない粉粒状の組成物のほか、水を含む組成物(ペースト、モルタル、又はコンクリート)であって、硬化前の流動性を有する形態および硬化後の形態を包含するものである。
以下、詳しく説明する。
セメント組成物に含まれるセメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント(「JIS R 5212:2009(シリカセメント)」に規定されるもの)等の混合セメントや、シリカフューム含有セメント(例えば、太平洋セメント社製、商品名「シリカフュームプレミックスセメント」、本明細書中、「シリカフューム含有セメント」には、シリカセメントは含まれないものとする。)や、エコセメントや、白色セメントや、超速硬セメント等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、入手の容易性や強度発現性等の観点から、各種ポルトランドセメントが好ましく、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントがより好ましく、普通ポルトランドセメントが特に好ましい。
また、セメント組成物がいわゆる超高強度コンクリート(例えば、圧縮強度が100N/mm
2
以上であるもの)である場合には、低熱ポルトランドセメント、シリカセメント、シリカフューム含有セメントが特に好ましい。
【0009】
セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2,000~6,000cm
2
/g、より好ましくは2,500~5,000cm
2
/g、特に好ましくは3,000~4,000cm
2
/gである。上記ブレーン比表面積が2,000cm
2
/g以上であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。上記ブレーン比表面積が6,000cm
2
/g以下であれば、セメントの製造に要する労力を小さくし、より容易に入手することができる。
【0010】
ガラス粉末の平均粒径(平均粒度)は、40μm以下、好ましくは0.1~30μm、より好ましくは0.5~20μm、さらに好ましくは1.0~10μm、さらに好ましくは2.0~8.0μm、特に好ましくは3.0~5.0μmである。上記平均粒径が40μmを超える場合、セメント組成物の硬化前の流動性、及び、強度発現性が低下する。また、上記平均粒径が0.1μm以上であれば、ガラス粉末の製造に要する労力を小さくし、より容易に入手することができる。
なお、本明細書において、「平均粒径」とは、50%体積累積粒径(メディアン径;D50ともいう)である。該平均粒径は、市販のレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置等を用いて、または「JIS Z 8815-1994(ふるい分け試験方法通則)」に準拠したふるい分け法を用いて、体積累積分布を作成することで得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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