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公開番号2024057539
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022164355
出願日2022-10-12
発明の名称コンクリート構造物の塩分除去方法
出願人川田建設株式会社
代理人個人
主分類C04B 41/72 20060101AFI20240417BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】省労力、省エネルギー、低コストで実施できるほか、環境への負担を低減でき、かつ、十分な塩分除去効果を期待することができるコンクリート構造物の塩分除去方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンクリート構造物の塩分除去方法は、アルカリ金属塩の水溶液をコンクリートの表面に接触させて静置し、コンクリート内部に浸透させて、コンクリート内部の塩化物イオンをコンクリートの外部へ移動させることを特徴とする。この方法は、コンクリート内部の湿度が95%以下の状態で実施することができ、また、アルカリ金属塩の濃度が0.3~3.0mol/Lであるアルカリ金属塩の水溶液を使用することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ金属塩の水溶液をコンクリートの表面に接触させて静置し、コンクリート内部に浸透させて、コンクリート内部の塩化物イオンをコンクリートの外部へ移動させることを特徴とする、コンクリート構造物の塩分除去方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
コンクリート内部の湿度が95%以下の状態で、アルカリ金属塩の水溶液をコンクリートの表面に接触させることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩分除去方法。
【請求項3】
アルカリ金属塩の濃度が0.3~3.0mol/Lであるアルカリ金属塩の水溶液を使用することを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート構造物の塩分除去方法。
【請求項4】
溶質として、亜硝酸リチウムと亜硝酸カリウムを、モル比1:1~1:3の範囲で溶解させたアルカリ金属塩の水溶液を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の塩分除去方法。
【請求項5】
アルカリ金属塩の水溶液中の陽イオン及び陰イオンのうち、移動度がリチウムイオンよりも大きいイオンを、コンクリートの内部に、5000mg/kg以上浸透させることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩分除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩害を受けたコンクリート構造物において、塩害による損傷(鋼材の腐食等)が顕在化する前に、躯体内の塩化物イオン濃度を低減させる方法(塩分除去方法)に関し、特に、省労力、省エネルギー、低コストで実施でき、かつ、環境への負担を軽減できるコンクリート構造物の塩分除去方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
塩害等によってコンクリート構造物の躯体内に塩化物イオン(Cl

)が一定量以上侵入してしまった場合、鋼材(内部に埋没されている鉄筋、PC鋼材等)の表面に形成されている緻密な不動態被膜が破壊されて、鋼材が腐食してしまう危険性が高くなる。躯体内において鋼材が腐食すると、鋼材の体積が腐食部で数倍に膨張し、鋼材に沿ったコンクリートのひび割れを引き起こすおそれがある。ひび割れが生じると、酸素と水の供給が容易となり、腐食が加速度的に進行し、その結果、コンクリートが?落したり、鋼材断面積の減少による部材耐力の低下に至る場合がある。
【0003】
塩害等によってコンクリート構造物の躯体内に塩化物イオンが侵入してしまった場合の対応策の一つとして、躯体内の塩化物イオン濃度を低減させる方法(コンクリート構造物の塩分除去方法)が実施されている。コンクリート構造物の塩分除去方法としては、種々の方法が提案されており、例えば、コンクリート構造物の外側表面に電極(陽極)を設置し、躯体内の鋼材を陰極として直線電流を通電し、電気泳動の原理によってコンクリート中に侵入した塩化物イオンを、コンクリートの外部へ移動させるという方法(電気泳動を利用した電気化学的脱塩方法)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-199596号公報
特開2018-124286号公報
特開2009-126728号公報
特開2000-303700号公報
特開平7-89773号公報
特開2021-059927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気泳動を利用した電気化学的脱塩方法は、設備が大掛かりとなるため、準備作業及び撤収作業において相当の労力と時間を要するほか、大量の電気エネルギーを消費することになり、施工コストも高額となってしまうという問題がある。また、陰極として使用する内部の鋼材へアクセスするための削孔作業等が必要となり、コンクリート構造物に負担を与えてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術における課題を解決しようとするものであって、省労力、省エネルギー、低コストで実施できるほか、環境への負担を低減でき、かつ、十分な塩分除去効果を期待することができるコンクリート構造物の塩分除去方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンクリート構造物の塩分除去方法は、アルカリ金属塩の水溶液をコンクリートの表面に接触させて静置し、コンクリート内部に浸透させて、コンクリート内部の塩化物イオンをコンクリートの外部へ移動させることを特徴とする。尚、この方法は、コンクリート内部の湿度が95%以下の状態で実施することができる。また、アルカリ金属塩の濃度が0.3~3.0mol/Lであるアルカリ金属塩の水溶液を使用することができる。
【0008】
また、溶質として、亜硝酸リチウムと亜硝酸カリウムを、モル比1:1~1:3の範囲で溶解させたアルカリ金属塩の水溶液を使用することができ、アルカリ金属塩の水溶液中の陽イオン及び陰イオンのうち、移動度がリチウムイオンよりも大きいイオンを、コンクリートの内部に、5000mg/kg以上浸透させることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコンクリート構造物の塩分除去方法は、極めて簡易に施工でき、省労力、省エネルギー、低コストで実施できるほか、環境への負担を低減でき、かつ、十分な塩分除去効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例1の実験で使用した容器1、試験体2等の説明図である。
図2は、実施例1の実験で得られた、複数種類のアルカリ金属塩の水溶液における塩分除去効果割合の計算結果を示すグラフである。
図3は、実施例2の実験で得られた、複数種類のアルカリ金属塩の水溶液における濃度別の塩分除去効果割合の計算結果を示すグラフである。
図4は、実施例3の実験で使用した容器1、試験体2等の説明図である。
図5は、実施例3の実験で使用した試験体2から試料を採取する方法の説明図である。
図6は、実施例3の実験で得られた、亜硝酸リチウム水溶液における濃度別の塩分除去効果割合の計算結果を示すグラフである。
図7は、実施例3の実験で得られた、亜硝酸リチウム水溶液における濃度別の塩分除去効果割合の計算結果を示すグラフである。
図8は、実施例4の実験で得られた、炭酸カリウム水溶液における塩分除去効果割合の計算結果を示すグラフである。
図9は、実施例4の実験で得た試験体D2-1等に浸透したイオン濃度の分析結果を示すグラフである。
図10は、本発明の一実施形態の説明図であって、貯水槽12を使用して、水溶液3をコンクリート構造物11の表面に接触させる方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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