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公開番号2024064563
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173242
出願日2022-10-28
発明の名称非カルシウム型スメクタイトの製造方法
出願人クニミネ工業株式会社
代理人弁理士法人イイダアンドパートナーズ,個人,個人
主分類C01B 33/40 20060101AFI20240507BHJP(無機化学)
要約【課題】カルシウム型スメクタイトのイオン交換反応を促進し、効率的に非カルシウム型スメクタイトを得ることができる、非カルシウム型スメクタイトの製造方法を提供する。
【解決手段】カルシウム型スメクタイトと、アンモニア水又は過酸化水素水と、カルシウムイオン以外の陽イオンとを媒体中で混合し、陽イオン交換反応により非カルシウム型スメクタイトを得ることを含む、非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
カルシウム型スメクタイトと、アンモニア水又は過酸化水素水と、カルシウムイオン以外の陽イオンとを媒体中で混合し、陽イオン交換反応により非カルシウム型スメクタイトを得ることを含む、非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記のカルシウムイオン以外の陽イオンが、1価の金属イオン又は多価の金属イオンである、請求項1に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【請求項3】
前記非カルシウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるカルシウムイオンの割合が40%以下である、請求項1に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【請求項4】
前記スメクタイトが、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【請求項5】
前記混合後において、混合液中のアンモニア量が、カルシウム型スメクタイトの混合量100質量部に対して1~100質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【請求項6】
前記混合後において、混合液中の過酸化水素量が、カルシウム型スメクタイトの混合量100質量部に対して1質量部以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非カルシウム型スメクタイトの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
スメクタイトは、アニオン性の結晶層を中和するように結晶層間に陽イオン(交換性陽イオン)が保持されている粘土鉱物である。天然のスメクタイトとしては、前記陽イオンがナトリウムイオンであるナトリウム型スメクタイトや、前記陽イオンがカルシウムイオンであるカルシウム型スメクタイトが一般的である。
【0003】
スメクタイトの特性は、前記結晶層間の陽イオンの種類に大きく依存する。例えば、ナトリウム型スメクタイトは、結晶層を構成するアルミノシリケート層に対するナトリウムイオンの相互作用性が弱く、ナトリウムイオンに水分子が多層に水和して層間が拡大し、無限体積膨張(「無限膨潤」とも称す。)を示す。また、ナトリウム型スメクタイトを、ナトリウムイオン以外の陽イオンを用いた陽イオン交換処理に付すことにより、非ナトリウム型スメクタイトへと簡単に変換することができる。一方、カルシウム型スメクタイトでは、カルシウムイオンがアルミノシリケート層と強く相互作用し、層間への水分子の侵入が制限され、僅かな体積膨張しか示さないことが知られている(非特許文献1)。したがって、カルシウム型スメクタイトを陽イオン交換処理に付して、非カルシウム型スメクタイトへと変換するのは容易ではない。カルシウム型スメクタイトを非カルシウム型スメクタイトへと変換する方法として、例えば、カルシウム型ベントナイトと炭酸ナトリウムとを特定の条件下で混合することにより、その層間陽イオンをナトリウムイオンにイオン交換する方法(活性化ベントナイト製造技術)などが知られているが(非特許文献2)、操作性に劣り、また陽イオン交換の効率にも劣るものである。
【0004】
ナトリウム型スメクタイトは、無限体積膨潤により均一分散性(スラリー状態におけるハンドリング性)に優れ、また、増粘性、液だれ防止性、沈降防止性、止水性、遮水性などを発現することができ、産業上の応用範囲が広い。これに対し、上記の通り、天然スメクタイトとして多く産出されるカルシウム型スメクタイトは、ナトリウム型スメクタイトと比較して使い勝手が悪い。それゆえ、カルシウム型スメクタイトの利用価値を高め、スメクタイト資源を有効利用することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
「粘土科学」、一般社団法人日本粘土学会、2007年、第46巻、第2号、p.132~133
「粘土ハンドブック(第三版)」、技報堂、日本粘土学会編、2009年4月21日、p.893
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カルシウム型スメクタイトのイオン交換反応を促進し、効率的に非カルシウム型スメクタイトを得ることができる、非カルシウム型スメクタイトの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
カルシウムイオンは、スメクタイトの結晶層間における安定性が、陽イオンのなかでも高い(結晶層間への侵入能が高い)。そのため、カルシウムイオンよりも結晶層間への侵入能の低い多くの陽イオン(例えば、マグネシウムイオン、鉄イオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、水素イオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン等)との間では、イオン交換反応を生じにくい。発明者は、カルシウム型スメクタイトのイオン交換反応の際に、アンモニア水又は過酸化水素水を共存させることにより、結晶層間のカルシウムイオンを、カルシウムイオンよりもスメクタイトの結晶層間への侵入能の低い陽イオンへと、簡単に、かつ効率的にイオン交換できることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
カルシウム型スメクタイトと、アンモニア水又は過酸化水素水と、カルシウムイオン以外の陽イオンとを媒体中で混合し、陽イオン交換反応により非カルシウム型スメクタイトを得ることを含む、非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
〔2〕
前記のカルシウムイオン以外の陽イオンが、1価の金属イオン又は多価の金属イオンである、前記〔1〕に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
〔3〕
前記非カルシウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるカルシウムイオンの割合が40%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
〔4〕
前記スメクタイトが、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
〔5〕
前記混合後において、混合液(混合後の分散液)中のアンモニア量が、カルシウム型スメクタイトの混合量100質量部に対して1~100質量部である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
〔6〕
前記混合後において、混合液中の過酸化水素量が、カルシウム型スメクタイトの混合量100質量部に対して1質量部以上である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の非カルシウム型スメクタイトの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の非カルシウム型スメクタイトの製造方法によれば、カルシウム型スメクタイトを原料としながら、各種陽イオンとのイオン交換反応を、簡単に、効率的に行うことができ、その結果物として非カルシウム型スメクタイトを、簡単に、高効率に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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