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公開番号2024056917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024021995,2022093001
出願日2024-02-16,2019-02-21
発明の名称高耐久防曇塗膜およびコーティング組成物
出願人旭化成株式会社
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C09D 201/00 20060101AFI20240416BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、防曇性、防曇持続性、外観持続性、耐溶出性に優れる防曇塗膜を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る塗膜は、金属酸化物(A)と親水性化合物(B)を含み、塗膜表面溶出試験による溶出物の高さが1.0μm以下であり、この試験は、塗膜に脱イオン水10μlを乗せ、23℃50%RHの環境下で24時間放置し、塗膜表面10cm2の範囲内で無作為に選択した20点の溶出物の高さを測定し、最も大きい高さを決定することにより行われ、塗膜を85℃85%RHの環境下に24時間曝露後、23℃50%RHの環境下に1時間静置させる耐湿性試験に供した後に測定した水接触角が40°未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属酸化物(A)と親水性化合物(B)を含み、
塗膜表面溶出試験による溶出物の高さが1.0μm以下であり、ここで、塗膜表面溶出試験は、塗膜に脱イオン水10μlを乗せ、23℃50%RHの環境下で24時間放置し、塗膜表面10cm

の範囲内で20点の溶出物の高さを測定し、最も大きい高さを決定することにより行われ、
塗膜を85℃85%RHの環境下に24時間曝露後、23℃50%RHの環境下に1時間静置させる耐湿性試験に供した後に測定した水接触角が40°未満である塗膜。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
塗膜全溶出試験による塗膜単位体積あたりの溶出量が40mg/cm

以下であり、ここで、塗膜全溶出試験は、23℃の脱イオン水に24時間浸漬させた後、脱イオン水から回収される塗膜溶出物の重量を測定することにより行われる、請求項1に記載の塗膜。
【請求項3】
塗膜全溶出試験による塗膜単位体積あたりの溶出量が40mg/cm

以下であり、ここで、塗膜全溶出試験は、80℃の脱イオン水に24時間浸漬させた後、脱イオン水から回収される塗膜溶出物の重量を測定することにより行われる、請求項1に記載の塗膜。
【請求項4】
水接触角の値が40°未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項5】
上記金属酸化物(A)が、水酸基を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項6】
上記金属酸化物(A)が、シリカである、請求項1~5のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項7】
上記親水性化合物(B)が、非共有結合及び/又は共有結合を介して上記金属酸化物表面に結合している、請求項1~6のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項8】
イソシアネート化合物(C)をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項9】
上記親水性化合物(B)が、ノニオン系化合物、アニオン系化合物及び両性イオン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~8のいずれか1項に記載の塗膜。
【請求項10】
上記親水性化合物(B)が、分子内に炭素-酸素結合を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の塗膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、防曇塗膜およびコーティング組成物に係る。本発明は、特に防曇性、防曇持続性、外観持続性、耐溶出性、水滴痕発生の抑制効果に優れる防曇塗膜を形成するためのコーティング組成物および防曇塗膜に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス板の代替として軽量化や成形性の観点から樹脂成形体が広く用いられている。用途として、自動車部品、家電部品、ハウジング、容器、フィルム、シート等の広い分野で使用されている。特に透明プラスチックは、各種窓、光学用レンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、遮音壁、信号機灯のレンズ、前照灯レンズ、カーブミラー、風防、銘板等に使用されている。しかし、プラスチック等の樹脂基材は、外気との温湿度差により、基材の一方の面が露点温度以下になった場合や、急激な温湿度変化が生じた場合に基材表面が結露し、表面に微細な水滴が付着し透過光を散乱することがある。そのような場合、樹脂成形体は、透明性が損なわれ、いわゆる曇りが発生する。
この曇りを防ぐ方法として下記のような提案がなされてきた。
(1)基材表面に吸水性化合物の塗膜を作製する方法。
(2)基材表面に界面活性剤等の親水化合物の塗膜を作製することで基材表面を親水性にする方法。
【0003】
具体的には、(1)の方法として、特許文献1では、硬化エポキシド樹脂、あるいはウレタン樹脂からなる吸水性の架橋樹脂層を有し、前記吸水層が金属酸化物微粒子を含有する防曇性物品等が提案されている。また、特許文献2では、硬化エポキシ樹脂とポリオキシエチレンアルキルエーテル系の界面活性剤を含有する吸水層を具備した防曇性物品が提案されている。
しかしながら、これらの方法においては、一定のレベルまでは防曇性を維持できるが、吸水能以上の水分が該物品に凝集、付着すると曇りが生じる。そのため、高い防曇持続性を発現させるためには膜厚を厚くする必要があるといった不都合があった。
【0004】
(2)の方法として、特許文献3、特許文献4では、塗膜表面がコロイダルシリカであることを特徴とする親水性、防汚性塗膜が開示されている。具体的には、特許文献3では、コロイダルシリカとノニオン系界面活性剤とを含有する防汚塗膜、特許文献4では重合体粒子とコロイダルシリカとを含有する防汚塗膜が開示されている。しかしながら、これらの文献の塗膜は、いずれもコロイダルシリカが塗膜最表面に偏在していることを特徴としている。そのため、初期の親水性、防曇性には優れるものの、高温多湿環境下などの過酷な環境下においては塗膜表面への異物の吸着等により、防曇性の低下が起こりうる。
【0005】
さらに特許文献5では、金属酸化物と親水性化合物を含み、金属酸化物表面が親水性化合物によって被覆されていることを特徴とする防曇塗膜が開示されている。この文献には、金属酸化物表面が親水性化合物によって被覆されることにより防曇性、防曇持続性が改善された防曇塗膜が開示されている。この文献の防曇塗膜によれば、高い防曇性を得ようとすれば金属酸化物に対する親水性化合物の量を十分大きくする必要がある。他方で、金属酸化物の被覆に供されない余剰の親水性化合物が存在することにより、高温多湿環境下などの過酷な環境下に晒された場合に、親水性化合物の塗膜表面での溶出及び更には塗膜全体からの溶出による白化(水滴痕の発生)などの外観不良が起こりうるというジレンマがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2012/161330
国際公開第2015/008672
特許第4812902号
国際公開第2010/104146号
国際公開第2017/159564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術にない新規な塗膜を提供することを課題とする。また、上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明は、好ましくは防曇性に優れ、高温多湿下などの過酷な環境に晒された場合においても良好な防曇性、外観、密着性が保たれ、耐溶出性に優れる(水滴痕の発生が抑制された)防曇性塗膜を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に完成させた。
すなわち、本発明の諸態様は、以下のとおりである。
[1].
金属酸化物(A)と親水性化合物(B)を含み、
塗膜表面溶出試験による溶出物の高さが1.0μm以下であり、ここで、塗膜表面溶出試験は、塗膜に脱イオン水10μlを乗せ、23℃50%RHの環境下で24時間放置し、塗膜表面10cm

の範囲内で20点の溶出物の高さを測定し、最も大きい高さを決定することにより行われ、
塗膜を85℃85%RHの環境下に24時間曝露後、23℃50%RHの環境下に1時間静置させる耐湿性試験に供した後に測定した水接触角が40°未満である塗膜。
[2].
塗膜全溶出試験による塗膜単位体積あたりの溶出量が40mg/cm

以下であり、ここで、塗膜全溶出試験は、23℃の脱イオン水に24時間浸漬させた後、脱イオン水から回収される塗膜溶出物の重量を測定することにより行われる、上記[1]項に記載の塗膜。
[3].
塗膜全溶出試験による塗膜単位体積あたりの溶出量が40mg/cm

以下であり、ここで、塗膜全溶出試験は、80℃の脱イオン水に24時間浸漬させた後、脱イオン水から回収される塗膜溶出物の重量を測定することにより行われる、上記[1]項に記載の塗膜。
[4].
水接触角の値が40°未満である、上記[1]~[3]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[5].
上記金属酸化物(A)が、水酸基を有する、上記[1]~[4]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[6].
上記金属酸化物(A)が、シリカである、上記[1]~[5]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[7].
上記親水性化合物(B)が、非共有結合及び/又は共有結合を介して上記金属酸化物表面に結合している、上記[1]~[6]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[8].
イソシアネート化合物(C)をさらに含む、上記[1]~[7]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[9].
上記親水性化合物(B)が、ノニオン系化合物、アニオン系化合物及び両性イオン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[8]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[10].
上記親水性化合物(B)が、分子内に炭素-酸素結合を有する、上記[1]~[9]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[11].
上記親水性化合物(B)が、分子内にアルキレングリコール部位を有する、上記[1]~[10]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[12].
上記親水性化合物(B)が、ウレタン結合及び/又はシロキサン結合を介して互いに結合している、上記[1]~[10]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[13].
上記イソシアネート化合物(C)が、水分散性イソシアネート化合物である、上記[1]~[12]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[14].
上記イソシアネート化合物(C)が、分子内にアルコキシシラン部位及び/又はシロキサン部位を有する、上記[1]~[13]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[15].
上記イソシアネート化合物(C)が、ブロックイソシアネートである、上記[1]~[14]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[16].
重合体粒子(D)をさらに含む、上記[1]~[15]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[17].
塗膜を85℃85%RHの環境下に24時間曝露後、23℃50%RHの環境下に1時間静置させる耐湿性試験に供した後に測定したHAZEと、その試験前の当該塗膜のHAZEとの差であるΔHAZEが1.0未満である、上記[1]~[16]項のいずれか1項に記載の塗膜。
[18].
金属酸化物(A)が、アルコキシシラン、及び/又はアルコキシシランの加水分解・縮合物から構成される、上記[1]~[17]項のいずれか1項に記載の塗膜を製造するためのコーティング組成物。
[19].
金属酸化物(A)が、シリコーン粒子、及び/又はアクリルシリコーン粒子である、上記[1]~[17]項のいずれか1項に記載の塗膜を製造するためのコーティング組成物。
[20].
親水性化合物(B)が、分子内にアルコキシシラン及び/又はシラノール基を含む、上記[1]~[17]項のいずれか1項に記載の塗膜を製造するためのコーティング組成物。
[21].
親水性化合物(B)が、分子内にポリアルキレンオキシド鎖を有し、ポリアルキレンオキシド鎖の一方の末端に一級脂肪族水酸基、もう一方の末端にアルコキシシラン及び/又はシラノール基を含む、上記[1]~[17]項のいずれか1項に記載の塗膜を製造するためのコーティング組成物。
[22].
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来技術にない新規な塗膜が提供される。また、本発明によれば、好ましくは防曇性に優れ、高温多湿下のような過酷な環境下に晒された場合においても良好な防曇性、外観、密着性が保たれ、耐溶出性に優れる(水滴痕の発生が抑制された)塗膜を提供可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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