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公開番号2024056736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024009617,2021195960
出願日2024-01-25,2016-11-22
発明の名称癌治療におけるFGFR2阻害剤単独または免疫刺激剤との組み合わせ
出願人ファイヴ プライム セラピューティクス インク
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類A61K 45/06 20060101AFI20240416BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】胃癌または膀胱癌を対象とした、治療方法を提供する。
【解決手段】線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)阻害剤、及び少なくとも1つの免疫刺激剤、例えば、少なくとも1つのプログラム細胞死1(PD-1)/プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)阻害剤を対象に投与することを含む、前記対象における癌の治療方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)阻害剤、及び少なくとも1つの免疫刺激剤、例えば、少なくとも1つのプログラム細胞死1(PD-1)/プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)阻害剤を対象に投与することを含む、前記対象における癌の治療方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つの免疫刺激剤が、PD-1/PD-L1阻害剤であり、前記PD-1/PD-L1阻害剤が、抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PD-1/PD-L1阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ピディリズマブ、及びペンブロリズマブから選択される抗体の重鎖及び軽鎖CDRを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ピディリズマブ、及びペンブロリズマブから選択される抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ピディリズマブ、及びペンブロリズマブから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記PD-1/PD-L1阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記抗PD-L1抗体が、BMS-936559、MPDL3280A、MEDI4736、及びMSB0010718Cから選択される抗体の重鎖及び軽鎖CDRを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記抗PD-L1抗体が、BMS-936559、MPDL3280A、MEDI4736、及びMSB0010718Cから選択される抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記抗PD-L1抗体が、BMS-936559、MPDL3280A、MEDI4736、及びMSB0010718Cから選択される、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、以下の3つの米国特許仮出願:2015年11月23日に出願された米国特許仮出願第62/258,731号、2016年3月28日に出願された同第62/314,174号、及び2016年8月24日に出願された同第62/379,094号の利益を主張するものであり、当該出願は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,200 文字)【0002】
配列表
本出願は、電子形式における配列表と一緒に出願されている。配列表は、2016年11月17日に作成され、103,517バイトのサイズである「2016-11-17_01134-0046-00PCT_SeqList_ST25.txt」と題されたファイルとして提供されている。電子形式の配列表の情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0003】
本出願は、癌の治療における線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)阻害剤の使用、場合によっては、PD-1またはPD-L1の阻害剤などの免疫刺激剤との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0004】
線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーメンバーは、様々な程度で異なるFGFRに結合する異なるFGFにより、4種の公知のチロシンキナーゼ受容体である線維芽細胞増殖因子受容体1~4(FGFR1~4)、及びそれらのアイソフォームに結合する(Zhang et al.,J.Biol.Chem.281:15694,2006)。ヒトFGFR2のタンパク質配列は、例えば、GenBankローカスAF487553に提供されている。各FGFRは、3種の免疫グロブリン(Ig)様ドメイン(D1、D2及びD3)を含む細胞外ドメイン(ECD)、一回膜貫通へリックス、及び細胞内触媒キナーゼドメインからなる(Mohammadi et al.,Cytokine Growth Factor Revs,16:107,2005)。FGFは、主に受容体のD2及びD3における領域を介して受容体に結合する。D1及びD2の間のリンカーには、「アシッド・ボックス(acid box)」(AB)と呼ばれる連続した酸性アミノ酸のストレッチがある。D1及びABを含む領域は、リガンドへの結合により緩和される、受容体の自己制御に関与すると考えられている。
【0005】
FGFRは、様々なアイソフォームをもたらす、そのmRNAの複数の選択的スプライシングにより特徴づけられる(Ornitz et al.,J.Biol.Chem.271:15292,1996;FGFR2及びそのアイソフォームについてSwiss-Prot P21802及びアイソフォームP21802-1からP21802-20も参照されたい)。とりわけ、3種全てのIgドメインを含むフォーム(αアイソフォーム)、またはD1を含まず、D2及びD3ドメインの2種のIgドメインのみを含むフォーム(βアイソフォーム)がある。FGFR1~FGFR3において、全てのフォームが、IIIaと示されるD3の前半部分を含むが、2つの代替的エクソンがD3の後半部分に使用されることができ、これにより、IIIb及びIIIcフォームが得られる。FGFR2について、これらは、それぞれ、FGFR2-IIIb及びFGFR2-IIIc(または、単にFGFR2b及びFGFR2c)と示され;対応するベータフォームは、FGFR2(ベータ)IIIb及びFGFR2(ベータ)IIIcと示される。FGFR2-IIIc(K-sam-Iとも示される)は、FGF1及びFGF2の両方によく結合するもののKGFファミリーメンバーには結合しないが、FGFR2(K-sam-IIとも示される)のFGFR2-IIIbフォームは、FGF1及びKGFファミリーメンバー(FGF7、FGF10、及びFGF22)の両方に対し高親和性受容体である(Miki et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:246,1992)。実に、FGFR2IIIbが、KGFファミリーメンバーに対する唯一の受容体であり(Ornitz et al.,1996,op.cit.)、そのため、KGFRと示されている。
【0006】
FGFR及びそのアイソフォームは、様々な組織において、異なる発現をする。FGFR2-IIIb(ならびに、FGFR1及びFGFR3のIIIbフォーム)は、上皮組織に発現するが、FGFR2-IIIcは、間葉組織に発現する(Duan et al.,J.Biol.Chem.267:16076,1992;Ornitz et al.,1996,op.cit.)。これらの受容体の特定のFGFリガンドは、反対の発現パターンを有する。従って、FGF7(KGF)、FGF10、及びFGF22を含むKGFサブファミリーメンバーはFGFR2-IIIbのみに結合し(Zhang et al.,op.cit.)、かつ、間葉組織に発現し、よって、上皮細胞のパラクラインエフェクターであってもよい(Ornitz et al.,1996,op.cit.)。一方、FGF4サブファミリーメンバーFGF4~6は、FGFR2-IIIcに結合し、かつ、上皮及び間葉系の両方において発現し、よって、オートクラインまたはパラクライン機能のいずれかを有していてもよい。FGFR2のアイソフォーム及びそのリガンドの発現パターンのために、FGFR2は、上皮-間葉相互作用における役割を果たし(Finch et al.,Dev.Dyn.203:223,1995)、そのため、マウスにおけるFGFR2-IIIbのノックアウトが、胚性の欠陥及び死亡を引き起こす(De Moerlooze et al.,Development 127:483,2000)。
【0007】
KGF(FGF7)及びKGFR(FGFR2-IIIb)は、多くの膵癌において、過剰発現しており(Ishiwata et al.,Am.J.Pathol.153:213,1998)、それらの共発現は、予後の悪さと相関している(Cho et al.,Am.J.Pathol.170:1964,2007)。FGFR2遺伝子の体細胞突然変異は、子宮内膜(子宮)癌の大規模パネルの12%に見出され、様々な試験ケースにおいて、腫瘍細胞生存のために必須あった(Dutt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:8713,2008)。2種の腫瘍において、FGFR2突然変異は、アペール症候群に関連する、同じS252W置換であることが見出された。FGFR2の増幅と過剰発現は、予後が著しく悪い、未分化型びまん性胃癌と関連し、小分子化合物によるFGFR2活性の阻害は、そのような癌細胞の増殖を強く阻害した(Kunii et al.,Cancer Res.68:2340,2008;Nakamura et al.,Gastroenterol.131:1530,2006)。
【0008】
FGFR2の阻害剤は、抗体及びFGFR2 ECDドメインまたはFGFR2 ECD融合分子を含んでもよい。例えば、米国特許第8,101,723B2号には、例えば、ヒトFGFR2-IIIbに結合するが、FGFR2-IIIcにあまりよく結合しないかまたは結合しない、及びその逆も同様である、モノクローナル抗体が記載されている。米国特許公開第2015-0050273A1号には、FGFR2-IIIbに結合する、ある特定の非フコシル化抗体が記載されている。米国特許公開第US2013-0324701A1号には、例えば、FGFR2-IIIcの細胞外ドメイン及び融合パートナーを含む、特定のFGFR2 ECD融合分子が記載されている。追加のFGFR ECD融合分子が、米国特許第8,338,569B2号に記載されている。
【0009】
癌の遺伝子変化は、抗腫瘍免疫を媒介することができる多様なセットの抗原を提供する。T細胞受容体(TCR)を介した抗原認識によってT細胞応答が開始され、これは、活性化シグナルと阻害シグナルの間のバランスによって調節される。阻害シグナル、すなわち、「免疫チェックポイント」とは、自己免疫を防止することにより正常組織に重要な役割を果たす。免疫チェックポイントタンパク質の上方調節により、癌は抗腫瘍免疫を回避することができ得る。2つの免疫チェックポイントタンパク質は、臨床癌免疫療法、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)及びプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)の焦点となっている。抗CTLA-4抗体及び抗PD-1抗体は、転移性黒色腫の治療のために承認されており、他の癌について現在臨床試験中である。PD-1のリガンドに向けた抗PD-L1抗体についても、現在臨床開発中である。
【0010】
FGFRシグナル伝達の阻害は、抗腫瘍免疫を改善し、乳癌の転移を損なうことが報告されている(例えば、T.Ye et al.,Breast Cancer Res.Treat.143:435-446(2014)を参照されたい)。抗FGFR2抗体は、例えば、胃癌のモデルでも試験されている。しかしながら、FGFR2阻害剤をPD-1またはPD-L1阻害剤などの免疫チェックポイント阻害剤と同時投与することが腫瘍モデルにおける治療をさらに改善させるかどうかは未知であった。本明細書の発明者らは、FGFR2阻害抗体とPD-1阻害抗体の組み合わせが、マウス乳房腫瘍モデルにおいて少なくとも相加効果を示すことを実証した。本発明者らは、FGFR2阻害抗体のみによる治療が、マウス乳房腫瘍モデルにおける腫瘍組織中のPD-L1発現細胞、NK細胞、ならびにCD3+、CD8+、及びCD4+T細胞の増加につながり、腫瘍組織中のリンパ系細胞対骨髄系細胞の比の増加をもたらすことをさらに示す。加えて、単独で与えられたFGFR2阻害剤は、ヒト膀胱癌対象にも恩恵を与えている。本明細書の結果は、総合すれば、FGFR2阻害剤が腫瘍微小環境を変化させることで、単独またはPD-1/PD-L1阻害剤と組み合わせて殺腫瘍免疫応答を増強し得ることを示している。
【発明の概要】
(【0011】以降は省略されています)

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