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公開番号2024056291
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163072
出願日2022-10-11
発明の名称磁性粒子を用いた試料前処理方法
出願人株式会社トクヤマ
代理人
主分類G01N 33/48 20060101AFI20240416BHJP(測定;試験)
要約【課題】 液体試料中の成分の分析に際して、同じ液体中に存在している分析の妨害物質、例えば血液を各種分析に供する際に妨害となる赤血球を効率的かつ迅速に除去し、液中成分の分析の効率を向上させる。
【解決手段】 分析対象物質および分析妨害物質が含まれる液体中に、当該分析妨害物質と作用する官能基を有する磁性粒子を分散させ、磁性粒子と分析妨害物質との複合体を形成させた後、生じた複合体を磁石に磁着させ、生じた上清を分離することで、妨害物質が除かれた分析用の液体が得られる。採用する官能基としては、例えば血液中の赤血球を除くのであれば、アミノ基、アンモニウム基等の正帯電性の基を採用すれば、効率的に赤血球の凝集を引き起こし、磁性粒子と共に磁着する。かつ分析対象物質の多くは影響を受けないため、分析結果に悪影響を与えることはほぼない。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
液体中に存在する成分の分析に先立って、分析の妨害となる物質を当該液中から分離するための試料前処理方法であって、
当該液体中に、前記分析の妨害となる物質と作用する官能基を有する磁性粒子を分散させ、当該磁性粒子と分析の妨害となる物質との複合体を形成させた後、当該複合体を磁石に磁着させる工程を有する、前記前処理方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記複合体を磁石に磁着させることにより生じた残液から、分析に供するためにその一部を採取する工程を有する請求項1記載の前処理方法。
【請求項3】
前記複合体を磁石に磁着させ、ついでその状態で固液分離を行う工程を有する請求項1記載の前処理方法。
【請求項4】
前記液体が血液である請求項1乃至3いずれか記載の前処理方法。
【請求項5】
前記分析の妨害となる物質が赤血球である請求項4記載の前処理方法。
【請求項6】
前記分析の妨害となる物質と作用する官能基が正帯電性のものである請求項5記載の前処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体状の分析試料の前処理方法に係る。詳しくは、分析対象成分と妨害物質が混在することが多い血液等の生体試料から、妨害物質を迅速かつ効率的に除去する方法に係る。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
血液をはじめとする生体試料は、健康状態の確認などのため様々な分析に供されている。分析の対象とする成分は状況によって様々であるが、複雑な組成(成分)をもつ生体試料においては、ある成分を分析するための測定方法に対して、含まれる他の成分が妨害物質となり、正確な分析値が得られない場合も少なくない。そのため、このような妨害物質を試料から除去する前処理が種々行われている。
【0003】
このような分析の妨害となる物質を試料中から分離する試料前処理方法として、遠心分離やカラムクロマトグラフィー、透析、ろ過等の様々な分離の方法が知られている。しかしながら、遠心分離やカラムクロマトグラフィーでは、処理に複数の工程を必要とし、操作性が低い。また、透析の場合は、分離に長い時間を要するといった課題がある。さらに、ろ過の場合は除去できる物質のサイズに限りがあり、特に生体物質等の微小な成分を扱う場合には適用が困難となる。
【0004】
他方、特許文献1には、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性シリカ粒子を用い、この磁性シリカ粒子と測定対象物質の複合体を形成させ、これを分析に供する方法が開示されている。しかしながらこの方法では、分離される測定対象物質は磁性シリカ粒子と複合体を形成しているため、これをそのままクロマトグラフィー(HPLC、GC等)や質量分析などに供することができず、分析方法が限定されてしまったり、磁性粒子から再度分離するための操作が必要になってしまったりする。
【0005】
また磁性粒子を用いた物質分離方法としては、特許文献2に、対象物質と結合する物質を固定化した磁性シリカ粒子を用い、その磁性シリカと対象物質との複合体を形成させた後、固液分離する方法が開示されているが、この発明は、対象物質の分析を目的としたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2012/173002号パンフレット
特開2016-090570号公報
【非特許文献】
【0007】
Journal of Nanomaterials, 2019, Article ID 2182471.
Nanoscale, 2011, 3, 701-705.
Journal of American chemistry society, 2019, 7(18), 15578-15584.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、血液などの液体中に含まれる分析対象の分析に先立って、実施する分析の妨害となる物質を迅速に除去することができ、かつ、様々な分析方法に適用可能な試料前処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、磁性粒子を用いて分離する方法において、分析対象とする側を磁性粒子と複合体にするのではなく、分析の妨害となる側を複合体とすれば、分析対象物質が簡単に溶液状態で得られ、それにより様々な分析に供することが容易である点に気づき本発明に到達した。
【0010】
即ち本発明は、液体中に存在する成分の分析に先立って、分析の妨害となる物質を当該液中から分離する試料前処理方法であって、
当該液体中に、前記分析の妨害となる物質と作用する官能基を有する磁性粒子を分散させ、当該磁性粒子と分析の妨害となる物質との複合体を形成させた後、当該複合体を磁石に磁着させる工程を有する、前記前処理方法である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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