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公開番号2024053870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160338
出願日2022-10-04
発明の名称ベーカリー製品用の品質改良剤
出願人グリコ栄養食品株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A21D 8/04 20060101AFI20240409BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】本発明の目的は、製造時の生地のベタツキを抑制して優れた製造適性を付与すると共に、優れた食感(口どけ感及びしっとり感)を付与できるベーカリー製品用の品質改良剤を提供することである。
【解決手段】ブランチングエンザイム、及び4-α-グルカノトランスフェラーゼを含有する、ベーカリー製品用の品質改良剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ブランチングエンザイム、及び4-α-グルカノトランスフェラーゼを含有する、ベーカリー製品用の品質改良剤。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記4-α-グルカノトランスフェラーゼがアミロマルターゼである、請求項1に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
【請求項3】
ベーカリー製品に含まれる穀粉1g当たり、ブランチングエンザイムが0.1~100000U、4-α-グルカノトランスフェラーゼが0.001~1000Uとなるように添加して使用される、請求項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
【請求項4】
ベーカリー製品に含まれる穀粉が小麦粉である、請求項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
【請求項5】
前記ベーカリー製品がパン類である、請求項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
【請求項6】
前記ベーカリー製品が、添加物不使用のベーカリー製品である、請求項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤、及び穀粉を含む、ベーカリー製品用の生地。
【請求項8】
請求項7に記載のベーカリー製品用の生地を焼成することにより得られる、ベーカリー製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー製品に使用される品質改良剤であって、製造時の生地のベタツキを抑制して優れた製造適性を付与すると共に、優れた食感(口どけ感及びしっとり感)を付与できる品質改良剤に関する。また、本発明は、当該品質改良剤を含むベーカリー製品用の生地、及び当該生地から製造されたベーカリー製品に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ベーカリー製品は、食生活には欠かせない加工食品である。通常のベーカリー製品では、製造時の作業性を高めたり、食感を向上させたりする目的で、イーストフードや乳化剤等の食品添加物が配合されている。しかしながら、消費者の健康志向の高まりから、食品添加物を極力使用しない食品(所謂、クリーンラベルの食品)の需要が高まっており、近年、食品添加物不使用のベーカリー製品が注目されている。
【0003】
焼成工程を経て製造される製品に添加された酵素は、焼成工程において失活するため、食品添加物に該当しないと位置付けられており、酵素を添加して製造されたベーカリー製品は、添加物不使用の表示が可能になっている。そこで、食品添加物不使用のベーカリー製品の品質改善には酵素の利用が有効になる。従来、酵素を利用してベーカリー製品の品質を改良する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ヘミセルラーゼの1種であるペントサナーゼが添加されたパンは、柔らかさを備え得ることが記載されている。特許文献2には、α-アミラーゼが添加されたベーカリー製品等の焼製品は、固化を阻害できることが記載されている。特許文献3には、トランスグルタミナーゼが添加されたパン類は、弾力を備え、優れた食感及び形状を長時間にわたって維持できることが記載されている。特許文献4には、グルコースオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼ、α-アミラーゼ、ヘミセルラーゼ及び/又はセルラーゼ、並びにカタラーゼを添加した冷凍又は冷蔵パン生地は、パン生地の縮みを防止するとともに、解凍若しくは常温への戻しから焼成前までの生地の緩みを抑制し、得られるパン類の容積を増大させ、更にパン類の外観、食感、及び風味を改善できることが記載されている。特許文献5には、ブランチングエンザイムを添加したパン等の穀物粉膨化食品は、凝集性が低減されることが記載されている。特許文献6には、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼを添加したパン等のデンプン含有食品は、物性及び食味が改善されることが記載されている。
【0004】
また、発酵種を使用して製造されたベーカリー製品も、添加物不使用の表示が可能であり、発酵種によってベーカリー製品の品質を改良する技術についても種々検討されている。例えば、特許文献6には、乳酸菌及び酵母で発酵させた発酵大豆蛋白を添加して製造されたパン類は、発酵風味と食感を向上させ得ることが記載されている。特許文献7には、麦麹と、小麦もしくは米と小麦の混合物を混ぜ、これに清酒酵母を添加し、発酵せしめることを特徴とする酒種を添加して製造されたパン類は、香味を増強し、老化が抑制されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公昭46-29180号公報
特開平3-155742号公報
特開平4-360641号公報
特開2017-127270号公報
国際公開第2015/152099号
国際公開第2005/053410号
特開昭63-309133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の酵素や発酵種を添加して製造されたベーカリー製品では、添加物不使用の表示が可能であり、消費者の健康志向に対応できるが、食品添加物が添加されたベーカリー製品の場合に比べて、製造時の生地にベタツキがあるため、作業性に劣り、製造ロスが生じ易いという欠点がある。更に、従来の酵素や発酵種を添加して製造されたベーカリー製品では、口どけ感やしっとり感が不十分であり、食感の点でも満足できないという欠点もある。
【0007】
そこで、本発明は、製造時の生地のベタツキを抑制して優れた製造適性を付与すると共に、優れた食感(口どけ感及びしっとり感)を付与できるベーカリー製品用の品質改良剤を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ブランチングエンザイムと4-α-グルカノトランスフェラーゼを組み合わせて添加したベーカリー製品用の生地は、ベタツキが抑制されており、作業性が良好で、優れた製造適性を付与できることを見出した。更に、前記ベーカリー製品用の生地を焼成することにより得られるベーカリー製品は、優れた口どけ感及びしっとり感を備えており、食感も良好であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ブランチングエンザイム、及び4-α-グルカノトランスフェラーゼを含有する、ベーカリー製品用の品質改良剤。
項2. 前記4-α-グルカノトランスフェラーゼがアミロマルターゼである、項1に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
項3. ベーカリー製品に含まれる穀粉1g当たり、ブランチングエンザイムが0.1~100000U、4-α-グルカノトランスフェラーゼが0.001~1000Uとなるように添加して使用される、項1又は2に記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
項4. ベーカリー製品に含まれる穀粉が小麦粉である、項1~3のいずれかに記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
項5. 前記ベーカリー製品がパン類である、項1~4のいずれかに記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
項6. 前記ベーカリー製品が、添加物不使用のベーカリー製品である、項1~5のいずれかに記載のベーカリー製品用の品質改良剤。
項7. 項1~6のいずれかに記載のベーカリー製品用の品質改良剤、及び穀粉を含む、ベーカリー製品用の生地。
項8. 項7に記載のベーカリー製品用の生地を焼成することにより得られる、ベーカリー製品。
【発明の効果】
【0010】
本発明の品質改良剤によれば、ベーカリー製品用の生地のベタツキが抑制され、生地の分割や成形等の作業を行ない易くなるので、ベーカリー製品の製造において優れた製造適性を備えさせることができる。また、本発明の品質改良剤によれば、ベーカリー製品に優れた口どけ感及びしっとり感を付与することができる。従来の添加物不使用のベーカリー製品では、生地のベタツキによって製造時の作業性が低下し、口どけ感及びしっとり感が満足できるものではなかったが、本発明の品質改良剤は、添加物不使用のベーカリー製品に使用することにより、これらの欠点を克服することができる。なお、本発明において、「しっとり感」とは、ベーカリー製品を口に含んだ際に、水分を感じ、パサつきがない感覚を指す。また、本発明において、「口どけ感」とは、ベーカリー製品を喫食する際に、咀嚼を進めた際にダマ状の塊になり難く、速やかに崩壊する(溶け消える)感覚を指す。
(【0011】以降は省略されています)

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