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公開番号2024041588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146485
出願日2022-09-14
発明の名称パン類の製造方法
出願人日清製粉株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類A21D 8/00 20060101AFI20240319BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】栄養豊富な小麦ふすまを含有しつつ、小麦ふすまに起因する品質の低下が抑制された高品質のパン類を製造し得る技術を提供すること。
【解決手段】本発明のパン類の製造方法は、穀粉類を用いて生地を調製する工程と、該生地を加熱調理してパン類を得る工程とを有する。前記パン類の製造に用いる穀粉類の20~60質量%が小麦ふすまであり、前記生地は、該小麦ふすまの発酵物を含有する。前記小麦ふすまの発酵物は、前記小麦ふすまと、該小麦ふすまの70~150質量%の水と、イーストとを含む混合物を、雰囲気温度4~20℃の環境に8~24時間置くことによって得られたたものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
穀粉類を用いて生地を調製する工程と、該生地を加熱調理してパン類を得る工程とを有する、パン類の製造方法であって、
前記パン類の製造に用いる穀粉類の20~60質量%が小麦ふすまであり、前記生地は、該小麦ふすまの発酵物を含有し、
前記小麦ふすまの発酵物は、前記小麦ふすまと、該小麦ふすまの70~150質量%の水と、イーストとを含む混合物を、雰囲気温度4~20℃の環境に8~24時間置くことによって得られたたものである、パン類の製造方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記小麦ふすまは、加熱処理された小麦ふすまである、請求項1に記載のパン類の製造方法。
【請求項3】
前記小麦ふすまの平均粒径が10~200μmである、請求項1又は2に記載のパン類の製造方法。
【請求項4】
前記生地を調製する工程では、前記穀粉類の一部である小麦粉を用いて中種を調製し、該中種と、別途調製した前記小麦ふすまの発酵物とを混合して前記生地を調製する、請求項1~3の何れか1項に記載のパン類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦ふすまの発酵物を含有するパン類に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、健康意識の高まりから、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素に富む小麦ふすまの需要が増してきている。しかし小麦ふすまは、組織が硬く粉砕され難いため、粒子が比較的大きなものとなりやすく、また特有の穀物臭を有するため、これを含む食品は、ざらついた食感を呈する、エグミがある、不快臭が強い等の問題がある。特に小麦ふすまを比較的多く含有するパン類は、このような問題に加えて更に、生地の伸展性に乏しく二次加工性に劣る、経時変化耐性に乏しく品質が経時的に変化しやすい等の、小麦ふすまに起因する問題がある。
【0003】
特許文献1には、小麦ふすま等の穀物の糠を含有しながらも、ベーカリー食品に用いた場合に品質低下を生じ難いベーカリー食品用原料として、粒度が特定範囲に調整され且つ焙煎処理された穀物の糠を乳酸発酵させたものが記載されている。
特許文献2には、パン類の製造に用いるサワー種の製造方法として、小麦粉及びそれ以外の穀粉からなる混合粉と、パン用酵母と、水との混合物を自然発酵させて自然発酵物を得る第1の工程と、該自然発酵物に対し、小麦粉及び水を更に加えて混合し、発酵させる第2の工程とを有するものが記載されており、該混合粉を構成する小麦粉以外の穀粉として、小麦ふすまが例示されている。前記の第1の工程及び第2の工程ともに、発酵は雰囲気温度が20℃以上の環境で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-54649号公報
特開2011-229497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、栄養豊富な小麦ふすまを含有しつつ、小麦ふすまに起因する品質の低下が抑制された高品質のパン類を製造し得る技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、穀粉類を用いて生地を調製する工程と、該生地を加熱調理してパン類を得る工程とを有する、パン類の製造方法であって、
前記パン類の製造に用いる穀粉類の20~60質量%が小麦ふすまであり、前記生地は、該小麦ふすまの発酵物を含有し、
前記小麦ふすまの発酵物は、前記小麦ふすまと、該小麦ふすまの70~150質量%の水と、イーストとを含む混合物を、雰囲気温度4~20℃の環境に8~24時間置くことによって得られたたものである、パン類の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、栄養豊富な小麦ふすまを含有しつつ、小麦ふすまに起因する品質の低下が抑制された高品質のパン類を製造することができる。本発明によって製造されるパン類は、小麦ふすまを比較的多く含有するため、近年の健康志向に十分に対応できるものであり、しかも、小麦ふすまの含有で懸念される外観、食味、食感等の品質の低下が抑えられた高品質なものであり、具体的には、二次加工性が良好で、エグミが少なく、ボリューム、経時耐性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のパン類の製造方法は、穀粉類を用いて生地を調製する工程(生地調製工程)と、調製した生地を加熱調理してパン類を得る工程(加熱調理工程)とを有する。
【0009】
前記生地調製工程では、穀粉類を含む生地原料を用いて生地を調製する。生地原料は、典型的には、穀粉類を主体とする。生地原料における穀粉類の含有量は、該生地原料の全質量に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは50~80質量%であり、100質量%すなわち生地原料の全部が穀粉類でもよい。
【0010】
前記生地調製工程で用いる穀粉類は、穀物由来の粉体であり、典型的には、穀粉及び澱粉である。ここでいう「澱粉」は特に断らない限り、小麦等の植物から単離された「純粋な澱粉」を指し、穀粉中に本来的に内在する澱粉とは区別される。穀粉類としては、パン類の製造に使用可能なものを特に制限なく用いることができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
穀粉としては、例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワー、オーツ麦粉等の、胚乳部を主体とする穀粉が挙げられる。小麦粉には、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉(デュラムセモリナ、デュラム小麦粉を含む)が含まれる。穀粉の他の具体例として、少なくとも外皮部及び/又は胚部を含む穀粉、例えば、外皮部を主体とする「ふすま」(穀物の糠)、胚乳部、外皮部及び胚部の主要3成分を含む「全粒粉」が挙げられる。ふすま、全粒粉の具体例として、小麦由来である小麦ふすま、小麦全粒粉が挙げられる。
澱粉としては、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の未加工澱粉;該未加工澱粉にα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の加工処理の1種以上を施した加工澱粉が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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