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公開番号2024058641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2023177027
出願日2023-10-12
発明の名称包餡食品の空隙抑制用組成物、加熱用フィリング材の突沸抑制用組成物、包餡食品の空隙を抑制する方法および加熱用フィリング材の突沸を抑制する方法
出願人物産フードサイエンス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A21D 13/38 20170101AFI20240418BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】 加熱用フィリング材の突沸や包餡食品における空隙を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】 下記(ア)~(エ)から選択されるいずれか1以上の還元水飴を有効成分とし、前記有効成分が加熱用フィリング材および/またはドウに配合して用いられることを特徴とする、包餡食品の空隙抑制用組成物;(ア)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、(イ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満である、還元水飴、(ウ)デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴、(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記(ア)~(エ)から選択されるいずれか1以上の還元水飴を有効成分とし、前記有効成分が加熱用フィリング材に配合して用いられることを特徴とする、包餡食品の空隙抑制用組成物;
(ア)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(イ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満である、還元水飴、
(ウ)デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴、
(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
下記(ア)~(エ)から選択されるいずれか1以上の還元水飴を有効成分とし、前記有効成分がドウに配合して用いられることを特徴とする、包餡食品の空隙抑制用組成物;
(ア)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(イ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満である、還元水飴、
(ウ)デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴、
(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
【請求項3】
下記(ア)~(エ)から選択されるいずれか1以上の還元水飴を有効成分とする、加熱用フィリング材の突沸抑制用組成物;
(ア)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(イ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満である、還元水飴、
(ウ)デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴、
(エ)デキストロース当量が35超55以下の水飴を還元してなる、還元水飴。
【請求項4】
加熱用フィリング材を組成する材料に、請求項1または請求項3に記載の組成物を配合する工程を有する、加熱用フィリング材の製造方法。
【請求項5】
ドウを組成する材料に、請求項2に記載の組成物を配合する工程を有する、ドウの製造方法。
【請求項6】
請求項1または請求項3に記載の組成物を配合した加熱用フィリング材を含有させたドウを、加熱する工程を有する、フィリング含有ドウ加熱食品の製造方法。
【請求項7】
請求項2に記載の組成物を配合したドウで加熱用フィリング材を包んで加熱する工程を有する、包餡食品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、包餡食品の空洞抑制用組成物、加熱用フィリング材の突沸抑制用組成物、ならびに加熱用フィリング材、ドウ、フィリング含有ドウ加熱食品および包餡食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ドウ(dough)とは、穀物や豆などから得られる澱粉を主体とする食材に、水および必要に応じて他の材料(副材料)を配合してなる食品生地のうち、水分含有量が比較的少なく、流動性に乏しい固いものを指す。ドウは、焼く、蒸す、揚げる、茹でるなどの加熱調理を経て、ドウ加熱食品として食用に供される。その具体例としては、例えば、パンやドーナツ、饅頭、パイ、麺、餃子などの点心、クッキーなどの菓子類が例示される。
【0003】
ドウ加熱食品のなかには、小豆あんやクリーム、各種の具材などのフィリング材を包んだり載せたりして含有させたもの(本発明においては「フィリング含有ドウ加熱食品」という。)があり、手軽で満足感が得られる食品として人気がある。フィリング含有ドウ加熱食品は、焼く、蒸す、揚げるといった加熱工程を経たドウにフィリング材を載せたり注入したりして製造するものと、フィリング材をドウに載せたりドウで包んだ後、加熱するものとに分けることができる。
【0004】
このうち、後者においては、当該加熱工程で、フィリング材中の急激な水分蒸発、即ち突沸が生じる場合がある。突沸が生じると、ドウの上やドウの中からフィリングが吹きこぼれて商品価値を損なうほか、焼成時のオーブンや鉄板、油ちょうに用いる油などを汚して生産性ないし作業性を損なう。また、吹きこぼれなくとも、フィリング材をドウで包んだもの(本発明においては「包餡食品」という。)においては食品内部でドウとフィリングとの間に隙間(空隙)が発生することがある。また、フィリング材をドウに載せたものにおいては、フィリング表面に気泡跡が多数発生することがある。これら空隙や気泡が生じると見た目が著しく損なわれるため、やはり商品価値を損なうこととなり、問題となっている。
【0005】
そこで、加熱して用いられるフィリング材(本発明においては「加熱用フィリング材」という。)の突沸や包餡食品の空隙を抑制する技術が求められている。係る技術としては、従来、糖分含量を増やし水分を減らすことが行われているほか、特許文献1には、餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部を含有させることにより加熱処理後にフィリング材と生地との間に空洞を生じ難くする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-196347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来行われている糖分含量を増やす手法では、甘味が強くなり利用できる食品の種類が限られるため、汎用性に欠ける。また、特許文献1に記載の技術も、通常は油脂を配合しないフィリング材においては食味への悪影響が懸念されるほか、油脂分の劣化も懸念される。すなわち、これらの先行技術を鑑みても、加熱用フィリング材の突沸や包餡食品の空隙を抑制する技術は十分に供給されている状況とはいえない。本発明は、係る課題を解決するためになされたものであって、加熱用フィリング材の突沸や包餡食品における空隙を抑制することができ、汎用性が高く、食味への悪影響や品質劣化に係る懸念も小さい技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、所定の糖組成を有する還元水飴(高糖化還元水飴および/または中糖化還元水飴)を加熱用フィリング材に配合することで、その突沸を抑制でき、包餡食品における空隙を抑制できることを見出した。
【0009】
ここで、高糖化還元水飴のような糖化度の大きい(分子サイズが小さい)糖が、保湿性が高い性質を有することは従来、公知である(例えば、物産フードサイエンス株式会社、取扱製品、第一世代、[online]、[令和4年10月4日検索]、インターネット<URL:https://www.bfsci.co.jp/products/generation1/>)。また、水飴も一般的に保湿性が高いことが知られ、食品をしっとりさせるために配合されている。しかしながら、後述する実施例で示すように、水飴や、分子サイズの小さい二糖類であるトレハロースの突沸ないし空隙抑制効果は高いものではなく、これらよりも平均分子サイズの大きい中糖化還元水飴の方が突沸ないし空隙抑制効果は高い。このことから「保湿性」と「突沸ないし空隙を抑制する効果」とは相関せず、保湿性が高いからといって必ずしも突沸や空隙を効果的に抑制できないことが分かる。
【0010】
すなわち、これまで、突沸や包餡食品の空隙を抑制できる糖は知られておらず、また、既知の糖の作用からも、どのような糖が当該効果を有するかは、容易に予測できるものではなかった。本発明者らは、鋭意研究の結果、意外なことに、上述のとおり、高~中糖化還元水飴をフィリング材に配合することで突沸や空隙を抑制できるとの知見を得た。また、意外なことに、高~中糖化還元水飴は、ドウに配合することでも、空隙を抑制できるとの知見を得た。そこで、これらの新規な知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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