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公開番号2024040789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145372
出願日2022-09-13
発明の名称タルト生地及び該タルト生地を使用したタルト
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類A21D 13/14 20170101AFI20240318BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】原料混合後の寝かせを行わなくても成形性が良く、タルト生地と生地に充填したフィリング材とを同時焼成できる大量生産に適したタルト生地、タルト及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】タルト生地全体中、クッキー生地を37~80重量%、クッキーの粉砕物を15~55重量%、油脂組成物Bを2~8重量%含有し、クッキー生地は、クッキー生地中の穀粉100重量部に対して、油脂組成物A25~75重量部、卵(乾燥重量)1.2~8.5重量部、砂糖20~75重量部を含み、クッキー生地全体中の水分含量が12~20重量%であり、タルト生地は、タルト生地中の穀粉100重量部に対して、卵(乾燥重量)1.1~8重量部、砂糖18.5~73.5重量部、油脂組成物A及びBを27~77重量部含み、タルト生地全体中の水分含量が7~17.5重量%、クッキーの粉砕物は、クッキー生地が焼成されたクッキーの粉砕物である、タルト生地。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
クッキー生地、クッキーの粉砕物、油脂組成物Bを含む混合物からなるタルト生地であって、
前記クッキー生地は、クッキー生地中の穀粉100重量部に対して、油脂組成物A25~75重量部、卵(乾燥重量)1.2~8.5重量部、砂糖20~75重量部を含み、且つ前記クッキー生地全体中の水分含量が12~20重量%であり、
前記タルト生地は、タルト生地中の穀粉100重量部に対して、卵(乾燥重量)1.1~8重量部、砂糖18.5~73.5重量部、油脂組成物A及びBの合計量として27~77重量部を含み、且つ前記タルト生地全体中の水分含量が7~17.5重量%であり、
前記クッキーの粉砕物は、前記クッキー生地が焼成されたクッキーの粉砕物であって、前記クッキーの粉砕物の粒度は、目開き40mmの篩を通過し、且つ、目開き0.7mmの篩を通過しないものの含有量が、前記クッキーの粉砕物全体中60重量%以上であり、
タルト生地全体中、クッキー生地を37~80重量%、クッキーの粉砕物を15~55重量%、油脂組成物Bを2~8重量%含有する、タルト生地。
油脂組成物A:クッキー生地及びクッキーの粉砕物に含まれ、油脂含量が油脂組成物A全体中70重量%以上である。
油脂組成物B:クッキー生地及びクッキーの粉砕物とは別にタルト生地に含まれ、油脂含量が油脂組成物B全体中70重量%以上である。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
フィリング材が充填された請求項1に記載のタルト生地が焼成されたタルト。
【請求項3】
タルト生地全体中、クッキー生地が37~80重量%、クッキーの粉砕物が15~55重量%、油脂組成物Bが2~8重量%となるようにそれぞれを混合することを特徴とし、
前記クッキー生地は、クッキー生地中の穀粉100重量部に対して、油脂組成物A25~75重量部、卵(乾燥重量)1.2~8.5重量部、砂糖20~75重量部を含み、且つ前記クッキー生地全体中の水分含量が12~20重量%であり、
前記クッキーの粉砕物は、前記クッキー生地が焼成されたクッキーの粉砕物であって、前記クッキーの粉砕物の粒度は、目開き40mmの篩を通過し、且つ、目開き0.7mmの篩を通過しないものの含有量が、前記クッキーの粉砕物全体中60重量%以上であり、
タルト生地中の穀粉100重量部に対して、卵(乾燥重量)1.1~8重量部、砂糖18.5~73.5重量部、油脂組成物A及びBの合計量として27~77重量部を含み、且つ前記タルト生地全体中の水分含量が7~17.5重量%である、タルト生地の製造方法。
油脂組成物A:クッキー生地及びクッキーの粉砕物に含まれ、油脂含量が油脂組成物A全体中70重量%以上である。
油脂組成物B:クッキー生地及びクッキーの粉砕物とは別にタルト生地に含まれ、油脂含量が油脂組成物B全体中70重量%以上である。
【請求項4】
請求項3に記載の製造方法で得られたタルト生地を成形し、該タルト生地にフィリング材を充填してから、上火/150~220℃、下火/140~200℃で15~50分間焼成することを特徴とする、タルトの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タルト生地及びこのタルト生地を使用したタルトに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
タルトは、タルト生地(タルト台)と、フィリング材の組み合わせからなる菓子で、一般的な製法として洋菓子専門店等の少量生産の現場では、原料を混合した後に冷蔵庫で寝かせてから成形したタルト生地のみを一旦焼成(空焼き、白焼き)してタルト台を調製し、ここにフィリング材を充填して再度焼成を行うことで製造される。
【0003】
工場での大量生産においては、少量生産の現場と同様の製法で製造される場合や、生産効率の観点から、型に敷いたタルト生地中に直接フィリング材を充填して同時に焼成される場合がある。後者の場合、タルト生地とフィリング材がともに十分に加熱される条件で焼成すると、フィリング材が加熱され過ぎて、焦げや表面に割れが生じる。また、フィリング材に適した条件で加熱すると、タルト生地が生焼け状態になり、十分な焼き色や、満足のいくサクサクした食感が得られにくい。そのため、焦げや表面の割れをやや犠牲にするか、焼き色やサクサクした食感をやや犠牲にするか、或いは低めの温度で長めの時間焼成して生産効率を犠牲にする。更に、大量生産においても、成形性の観点からタルト生地の原料を混合した後の寝かせが必須であるため、生産効率は十分ではない。
【0004】
そこでこのような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、タルト生地とフィリング生地の界面に、50℃で液状の可食性素材を介在させて焼成するタルト菓子の製造方法が開示されている。しかしながら、この製法では、成形性の観点からタルト生地の原料を混合した後の寝かせは必須であり、できたタルトも、焼成温度が低めのため、タルト台の焼き色は薄く、サクサクした食感も満足のいくものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-165234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、原料混合後の寝かせを行わなくても成形性が良く、タルト生地と該生地に充填したフィリング材とを同時焼成できる大量生産に適したタルト生地、該タルト生地を使用し、該タルト生地が焼成された部分の焼き色が良好で、且つサクサクした食感のタルト、及び、それらの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、原料として、クッキー生地、クッキーの粉砕物、及び、油脂組成物Bを含む混合物からなり、クッキー生地、クッキーの粉砕物、及び、油脂組成物Bをそれぞれ特定量含有するタルト生地は、原料混合後の寝かせを行わなくても成形性が良く、該タルト生地と該生地に充填したフィリング材とを同時焼成でき、該タルト生地が焼成された部分の焼き色は良好で、且つサクサクした食感であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の第一は、クッキー生地、クッキーの粉砕物、油脂組成物Bを含む混合物からなるタルト生地であって、前記クッキー生地は、クッキー生地中の穀粉100重量部に対して、油脂組成物A25~75重量部、卵(乾燥重量)1.2~8.5重量部、砂糖20~75重量部を含み、且つ前記クッキー生地全体中の水分含量が12~20重量%であり、前記タルト生地は、タルト生地中の穀粉100重量部に対して、卵(乾燥重量)1.1~8重量部、砂糖18.5~73.5重量部、油脂組成物A及びBの合計量として27~77重量部を含み、且つ前記タルト生地全体中の水分含量が7~17.5重量%であり、前記クッキーの粉砕物は、前記クッキー生地が焼成されたクッキーの粉砕物であって、前記クッキーの粉砕物の粒度は、目開き40mmの篩を通過し、且つ、目開き0.7mmの篩を通過しないものの含有量が、前記クッキーの粉砕物全体中60重量%以上であり、タルト生地全体中、クッキー生地を37~80重量%、クッキーの粉砕物を15~55重量%、油脂組成物Bを2~8重量%含有する、タルト生地に関する。油脂組成物A:クッキー生地及びクッキーの粉砕物に含まれ、油脂含量が油脂組成物A全体中70重量%以上である。油脂組成物B:クッキー生地及びクッキーの粉砕物とは別にタルト生地に含まれ、油脂含量が油脂組成物B全体中70重量%以上である。本発明の第二は、フィリング材が充填された前記のタルト生地が焼成されたタルトに関する。本発明の第三は、タルト生地全体中、クッキー生地が37~80重量%、クッキーの粉砕物が15~55重量%、油脂組成物Bが2~8重量%となるようにそれぞれを混合することを特徴とし、前記クッキー生地は、クッキー生地中の穀粉100重量部に対して、油脂組成物A25~75重量部、卵(乾燥重量)1.2~8.5重量部、砂糖20~75重量部を含み、且つ前記クッキー生地全体中の水分含量が12~20重量%であり、前記クッキーの粉砕物は、前記クッキー生地が焼成されたクッキーの粉砕物であって、前記クッキーの粉砕物の粒度は、目開き40mmの篩を通過し、且つ、目開き0.7mmの篩を通過しないものの含有量が、前記クッキーの粉砕物全体中60重量%以上であり、タルト生地中の穀粉100重量部に対して、卵(乾燥重量)1.1~8重量部、砂糖18.5~73.5重量部、油脂組成物A及びBの合計量として27~77重量部を含み、且つ前記タルト生地全体中の水分含量が7~17.5重量%である、タルト生地の製造方法に関する。本発明の第四は、前記の製造方法で得られたタルト生地を成形し、該タルト生地にフィリング材を充填してから、上火/150~220℃、下火/140~200℃で15~50分間焼成することを特徴とする、タルトの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従えば、原料混合後の寝かせを行わなくても成形性が良く、タルト生地と該生地に充填したフィリング材とを同時焼成できる大量生産に適したタルト生地、該タルト生地を使用し、該タルト生地が焼成された部分の焼き色が良好で、且つサクサクした食感のタルト、及び、それらの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。本発明のタルト生地は、原料として、クッキー生地、クッキーの粉砕物、及び、油脂組成物Bをそれぞれ特定量含有する混合物からなり、原料混合後の寝かせを行わなくても成形性が良く、型に敷いたタルト生地中に直接フィリング材を充填して焼成できる、つまり、タルト生地とフィリング材との同時焼成が可能なため、大量生産に適していることが特徴である。そして、該タルト生地にフィリング材が充填されてから焼成されたタルトにおいては、タルト生地が焼成された部分の焼き色が良好で、且つサクサクした食感である。
(【0011】以降は省略されています)

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