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公開番号2024072699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-28
出願番号2022183698
出願日2022-11-16
発明の名称バルーンカテーテル用バルーンおよびバルーンカテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/10 20130101AFI20240521BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】血管等の体腔内壁の内部へ薬剤を効率的に届けることができるバルーンカテーテル用バルーンを提供する。
【解決手段】バルーンカテーテル用バルーン10であって、バルーン10は、直管部13と、直管部13よりも近位側に位置する近位側テーパー部と、直管部13よりも遠位側に位置する遠位側テーパー部とを有し、直管部13は、筒形状のバルーン本体部16と、バルーン本体部16の外面に径方向の外方に突出した凸条17とを有し、凸条17の側面18を含む直管部13の外面に薬剤層31が設けられており、直管部13の長手方向の垂直断面において、凸条17の側面18は、凸条17の頂部17Aを通り径方向に延びる仮想直線17Lに対して一方側にある第1側面18Aと他方側にある第2側面18Bとを含み、第1側面18Aにおける薬剤層31の平均厚みは、第2側面18Bにおける薬剤層31の平均厚みよりも厚い。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
近位側から遠位側に延びる長手方向と前記長手方向に垂直な径方向とを有するバルーンカテーテル用バルーンであって、
前記バルーンは、直管部と、前記直管部よりも近位側に位置する近位側テーパー部と、前記直管部よりも遠位側に位置する遠位側テーパー部とを有し、
前記直管部は、筒形状のバルーン本体部と、前記バルーン本体部の外面に径方向の外方に突出した凸条とを有し、
前記凸条の側面を含む前記直管部の外面に薬剤層が設けられており、
前記直管部の長手方向の垂直断面において、前記凸条の側面は、前記凸条の頂部を通り径方向に延びる仮想直線に対して一方側にある第1側面と他方側にある第2側面とを含み、
前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みは、前記第2側面における前記薬剤層の平均厚みよりも厚いバルーンカテーテル用バルーン。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記凸条の80%の高さの地点において、前記凸条の前記第1側面に前記薬剤層が存在する請求項1に記載のバルーン。
【請求項3】
前記凸条の50%~80%の高さにおいて、前記凸条の前記第1側面に前記薬剤層が存在し、前記凸条の前記第2側面に前記薬剤層が存在しない請求項1に記載のバルーン。
【請求項4】
前記凸条の75%~100%の高さにおいて、前記凸条の前記第1側面と前記第2側面に前記薬剤層が存在しない請求項1に記載のバルーン。
【請求項5】
前記直管部の長手方向の垂直断面において、前記凸条は、頂部に向かって段状に幅が狭まる部分を有する請求項1に記載のバルーン。
【請求項6】
前記凸条は、前記頂部に向かって段状に幅が狭まる部分として、前記バルーン本体部の外面に隣接した第1段部分と、それよりも頂部側の第2段部分を有し、
前記第1段部分の前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みは、前記第2段部分の前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みよりも厚い請求項5に記載のバルーン。
【請求項7】
前記凸条は、樹脂製、金属製、またはその組み合わせである請求項1に記載のバルーン。
【請求項8】
前記直管部の外面は、前記凸条が存在する凸条存在領域と、前記凸条が存在しない凸条非存在領域を有し、
前記バルーンの収縮状態で、前記直管部は、前記バルーン本体部の内面を内側にして前記凸条非存在領域に形成された折り曲げ線で折り返されて、前記凸条非存在領域が重ね合わされた折り畳み羽根部が形成され、
前記折り畳み羽根部は、前記直管部の外面に重ねられて配置され、前記第2側面側から前記凸条の少なくとも一部を覆っている請求項1に記載のバルーン。
【請求項9】
前記折り畳み羽根部は、前記折り曲げ線を挟んだ一方側の第1部分と他方側の第2部分を有し、前記折り畳み羽根部が前記直管部の外面に重ねられた状態で、前記第1部分が前記第2部分よりも径方向の外方に配置され、
前記折り畳み羽根部の前記第1部分に前記薬剤層が設けられている請求項8に記載のバルーン。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のバルーンを備えるバルーンカテーテル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に薬剤が保持されたバルーンカテーテル用バルーンと当該バルーンを備えたバルーンカテーテルに関するものである。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。このような血管の狭窄部を治療する方法の一つとして、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)がある。
【0003】
バルーンカテーテルには、バルーンの表面に凸条が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1~5)。このようなバルーンカテーテルを用いれば、バルーンを拡張させた際に、バルーンの凸条を狭窄部に食い込ませて、狭窄部を効果的に拡張させることができる。一方、血管形成術の場合、拡張した狭窄部に再狭窄が生じることがあるが、そのような再狭窄が発生する頻度(再狭窄率)を低減するために、バルーン表面に薬剤を保持させたバルーンカテーテルも知られている(例えば、特許文献4~7)。このように薬剤が保持されたバルーンカテーテルを用いれば、血管等の体腔の狭窄部や病変部でバルーンを拡張することにより薬剤を血管壁等の体腔内壁へ移行させることができ、再狭窄等の発生抑制が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-112361号公報
特開2017-12678号公報
国際公開第2020/250611号
特表2008-539959号公報
特開2013-176507号公報
特表2008-529740号公報
特開2015-217260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バルーン表面に薬剤が保持されたバルーンカテーテルは、血管等の体腔の狭窄部や病変部でバルーンを拡張することにより薬剤を効率的に血管壁等の体腔内壁へ移行できることが望まれ、この際、体腔内壁の内部へ薬剤を届けることができることが望ましい。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、血管等の体腔内壁の内部へ薬剤を効率的に届けることができるバルーンカテーテル用バルーンと当該バルーンを備えたバルーンカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明のバルーンカテーテル用バルーンおよび当該バルーンを備えたバルーンカテーテルは、下記の通りである。
[1] 近位側から遠位側に延びる長手方向と前記長手方向に垂直な径方向とを有するバルーンカテーテル用バルーンであって、
前記バルーンは、直管部と、前記直管部よりも近位側に位置する近位側テーパー部と、前記直管部よりも遠位側に位置する遠位側テーパー部とを有し、
前記直管部は、筒形状のバルーン本体部と、前記バルーン本体部の外面に径方向の外方に突出した凸条とを有し、
前記凸条の側面を含む前記直管部の外面に薬剤層が設けられており、
前記直管部の長手方向の垂直断面において、前記凸条の側面は、前記凸条の頂部を通り径方向に延びる仮想直線に対して一方側にある第1側面と他方側にある第2側面とを含み、
前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みは、前記第2側面における前記薬剤層の平均厚みよりも厚いバルーンカテーテル用バルーン。
[2] 前記凸条の80%の高さの地点において、前記凸条の前記第1側面に前記薬剤層が存在する[1]に記載のバルーン。
[3] 前記凸条の50%~80%の高さにおいて、前記凸条の前記第1側面に前記薬剤層が存在し、前記凸条の前記第2側面に前記薬剤層が存在しない[1]または[2]に記載のバルーン。
[4] 前記凸条の75%~100%の高さにおいて、前記凸条の前記第1側面と前記第2側面に前記薬剤層が存在しない[1]に記載のバルーン。
[5] 前記直管部の長手方向の垂直断面において、前記凸条は、頂部に向かって段状に幅が狭まる部分を有する[1]~[4]のいずれかに記載のバルーン。
[6] 前記凸条は、前記頂部に向かって段状に幅が狭まる部分として、前記バルーン本体部の外面に隣接した第1段部分と、それよりも頂部側の第2段部分を有し、前記第1段部分の前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みは、前記第2段部分の前記第1側面における前記薬剤層の平均厚みよりも厚い[5]に記載のバルーン。
[7] 前記凸条は、樹脂製、金属製、またはその組み合わせである[1]~[6]のいずれかに記載のバルーン。
[8] 前記直管部の外面は、前記凸条が存在する凸条存在領域と、前記凸条が存在しない凸条非存在領域を有し、前記バルーンの収縮状態で、前記直管部は、前記バルーン本体部の内面を内側にして前記凸条非存在領域に形成された折り曲げ線で折り返されて、前記凸条非存在領域が重ね合わされた折り畳み羽根部が形成され、前記折り畳み羽根部は、前記直管部の外面に重ねられて配置され、前記第2側面側から前記凸条の少なくとも一部を覆っている[1]~[7]のいずれかに記載のバルーン。
[9] 前記折り畳み羽根部は、前記折り曲げ線を挟んだ一方側の第1部分と他方側の第2部分を有し、前記折り畳み羽根部が前記直管部の外面に重ねられた状態で、前記第1部分が前記第2部分よりも径方向の外方に配置され、前記折り畳み羽根部の前記第1部分に前記薬剤層が設けられている[8]に記載のバルーン。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載のバルーンを備えるバルーンカテーテル。
【発明の効果】
【0007】
本発明のバルーンカテーテル用バルーンは、バルーンの直管部の外面に凸条が設けられ、凸条の一方側の側面の第1側面に他方側の側面の第2側面よりも薬剤層が厚く設けられている。そのため、本発明のバルーンを備えたバルーンカテーテルを用いれば、血管等の体腔の狭窄部や病変部においてバルーンを拡張させた際に、凸条の第2側面において狭窄部への食い込み性能が確保され、凸条の第1側面においてより多くの薬剤が保持される。そのため、効果的に狭窄部を拡張させることができるとともに、拡張させた狭窄部において血管等の体腔内壁の内部に薬剤を効率的に届けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの構成例を表し、バルーン表面の薬剤層を除いたバルーンカテーテルの側面図を表す。
図1に示したバルーンカテーテルに備えられたバルーンの斜視図を表す。
図1に示したバルーンカテーテルのIII-III断面図を表す。
図1に示したバルーンカテーテルのIV-IV断面図を表す。
薬剤層を備えたバルーンの直管部の長手方向の垂直断面図の一例を表す。
図5に示したバルーンの凸条周りの拡大断面図を表す。
薬剤層を備えたバルーンの凸条周りの拡大断面図の他の一例を表す。
薬剤層を備えたバルーンの凸条周りの拡大断面図の他の一例を表す。
薬剤層を備えたバルーンの凸条周りの拡大断面図の他の一例を表す。
図5に示したバルーンを収縮させて折り畳んだ状態の長手方向の垂直断面図の一例を表す。
図5に示したバルーンを収縮させて折り畳んだ状態の長手方向の垂直断面図の他の一例を表す。
図10に示した折り畳んだ状態のバルーンの垂直断面図の他の一例を表す。
バルーン表面に薬剤層を形成する方法の模式図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、下記実施の形態に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0010】
本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテル用バルーンと、当該バルーンを備えたバルーンカテーテルの構成例について、図面を参照して説明する。図1~図4には、バルーンの薬剤層を除いたバルーンカテーテルの構成例を示した。図1は、バルーンカテーテルの側面図を表し、図2は、図1に示したバルーンカテーテルに備えられたバルーンの斜視図を表し、図3は、図1に示したバルーンカテーテルのIII-III断面図を表し、図4は、図1に示したバルーンカテーテルのIV-IV断面図を表す。図1にはラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルの構成例が示されている。
(【0011】以降は省略されています)

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