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公開番号2024076076
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-05
出願番号2022187451
出願日2022-11-24
発明の名称バルーンカテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61B 18/14 20060101AFI20240529BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】拡径後のバルーンを従来よりもコンパクトに縮径させやすくすることができるバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】長手方向xに延在している筒状部材と、筒状部材の遠位部に固定されており、拡径と縮径が可能なバルーン20と、バルーン20の外面28に配置されている第1絶縁基材30と、第1絶縁基材30上に配置されている第1電極41と、を有しており、第1絶縁基材30は、第1電極41の遠位端から第1電極41の近位端まで延在している電極配置部31と、電極配置部31よりも遠位側および電極配置部31よりも近位側の少なくともいずれか一方に位置しており、筒状部材の長手方向に垂直な方向から観察したときにバルーン20の周方向に蛇行し、バルーン20の周方向に突出している頂部32pを複数有している蛇行部32と、を有しているバルーンカテーテル1。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
長手方向に延在している筒状部材と、
前記筒状部材の遠位部に固定されており、拡径と縮径が可能なバルーンと、
前記バルーンの外面に配置されている第1絶縁基材と、
前記第1絶縁基材上に配置されている第1電極と、を有しており、
前記第1絶縁基材は、前記長手方向において前記第1電極の遠位端から前記第1電極の近位端まで延在している電極配置部と、前記電極配置部よりも遠位側および前記電極配置部よりも近位側の少なくともいずれか一方に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している蛇行部と、を有しているバルーンカテーテル。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第1絶縁基材は、前記電極配置部よりも遠位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している遠位側蛇行部と、前記電極配置部よりも近位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している近位側蛇行部と、を有している請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
拡径しているときの前記バルーンは、直管状の形をしている直管部と、前記直管部よりも遠位側に位置しており、遠位側に向かって外径が小さくなっている遠位側テーパー部と、前記直管部よりも近位側に位置しており、近位側に向かって外径が小さくなっている近位側テーパー部と、を有している、請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部は前記遠位側テーパー部に配置されており、前記第1絶縁基材の近位側蛇行部は前記近位側テーパー部に配置されている請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記第1絶縁基材の電極配置部は前記直管部に配置されている請求項4に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記長手方向に垂直な方向から観察したときに、前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部の形は、前記長手方向における前記バルーンの遠位端と近位端を両端とする線分の中点を通り、前記長手方向に垂直な直線を軸として前記第1絶縁基材の近位側蛇行部の形を反転させた形と重なり合うように構成されている請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記バルーンカテーテルは、前記バルーンが拡径しているときの前記長手方向に垂直な断面において、前記バルーンの外面に配置されており、前記バルーンの周方向において前記第1絶縁基材の隣に位置している第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材上に配置されている第2電極と、を有しており、
前記第2絶縁基材は、前記長手方向において前記第2電極の遠位端から前記第2電極の近位端まで延在している電極配置部と、前記電極配置部よりも遠位側および前記電極配置部よりも近位側の少なくともいずれか一方に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している蛇行部と、を有している請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
前記第2絶縁基材は、前記電極配置部よりも遠位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している遠位側蛇行部と、前記電極配置部よりも近位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している近位側蛇行部と、を有している請求項7に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部の近位端は、前記第2絶縁基材の遠位側蛇行部の遠位端よりも遠位側に位置している請求項8に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
前記第1絶縁基材の近位側蛇行部の遠位端は、前記第2絶縁基材の近位側蛇行部の近位端よりも近位側に位置している請求項9に記載のバルーンカテーテル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテルに関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
外面に電極が設けられたバルーンを有するバルーンカテーテルは、組織の焼灼に用いられる。例えば、心房細動の治療のための肺静脈隔離術では、バルーンを拡張して電極を肺静脈開口部に接触させた状態で電極に高周波電流を流すことによって、肺静脈開口部の組織を焼灼する。他の組織を焼灼するものとしては、例えば特許文献1に記載されている、カテーテル筒状部材と、拡張式バルーンと、バルーンがガイドカテーテル内に引き込まれるときにバルーンが所定の様式にて折り畳まれることを可能にする支持構造と、支持構造に連結されている複数のフレキシブル電極アセンブリと、を備えている腎組織アブレーション用医療器具などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2016-524515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような、外面に電極が設けられたバルーンを有するバルーンカテーテルは、搬送用のシースの内腔に入れられた状態で処置対象となる部分である処置部まで搬送され、シースから突出させられる。その後、バルーンカテーテルに設けられているバルーンに流体が注入されることでバルーンが拡径される。処置終了後には、バルーンカテーテルに備えられたバルーンは縮径され、再び搬送用のシースの内腔に入れられる。バルーンカテーテルは、搬送用のシースの内腔に入れられた状態で体腔を通過し、該体腔から抜去される。
【0005】
特許文献1に記載されている医療用具においては、バルーンを拡径させた後に縮径させたときのバルーンの外径が、拡径前のバルーンの外径、即ち、未使用のバルーンの外径よりもかなり大きくなる傾向にあった。このため、拡径後に縮径されたバルーンを挿入することができるよう、搬送用のシースの内径は拡径前のバルーンの外径よりもかなり大き目に設定される必要があり、シースの細径化が困難であった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、拡径後のバルーンを従来よりもコンパクトに縮径させやすくすることができるバルーンカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係るバルーンカテーテルは、以下の通りである。
[1]長手方向に延在している筒状部材と、
前記筒状部材の遠位部に固定されており、拡径と縮径が可能なバルーンと、
前記バルーンの外面に配置されている第1絶縁基材と、
前記第1絶縁基材上に配置されている第1電極と、を有しており、
前記第1絶縁基材は、前記長手方向において前記第1電極の遠位端から前記第1電極の近位端まで延在している電極配置部と、前記電極配置部よりも遠位側および前記電極配置部よりも近位側の少なくともいずれか一方に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している蛇行部と、を有しているバルーンカテーテル。
【0008】
縮径されたバルーンを有しているバルーンカテーテルは、搬送用のシースに挿入された状態で処置部まで搬送される。処置部まで搬送されたバルーンは、シースの遠位端部から突出させられて、処置部で拡径される。その後、該バルーンが抜去される前には、該バルーンは縮径され、シース内に挿入される必要がある。バルーンを縮径させるためにバルーンから流体を除去したときには、第1絶縁基材に対して筒状部材の長手方向に縮む力が付与される。このとき、蛇行部が筒状部材の長手方向に縮む力を吸収することで、電極配置部がバルーンの周方向に移動しやすくなる。バルーンの周方向における電極配置部の移動が起こることによって、バルーンが折り畳まれやすくなる。これにより、拡径後のバルーンをコンパクトに縮径させやすくすることができるため、バルーンカテーテルを処置部まで搬送する際に使用される搬送用のシースの内径を、従来よりも小さく設計しやすくすることができ、シースを細径化しやすくすることができる。
【0009】
本発明のバルーンカテーテルは、以下の[2]~[16]であることが好ましい。
[2]前記第1絶縁基材は、前記電極配置部よりも遠位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している遠位側蛇行部と、前記電極配置部よりも近位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している近位側蛇行部と、を有している[1]に記載のバルーンカテーテル。
[3]拡径しているときの前記バルーンは、直管状の形をしている直管部と、前記直管部よりも遠位側に位置しており、遠位側に向かって外径が小さくなっている遠位側テーパー部と、前記直管部よりも近位側に位置しており、近位側に向かって外径が小さくなっている近位側テーパー部と、を有している、[2]に記載のバルーンカテーテル。
[4]前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部は前記遠位側テーパー部に配置されており、前記第1絶縁基材の近位側蛇行部は前記近位側テーパー部に配置されている[3]に記載のバルーンカテーテル。
[5]前記第1絶縁基材の電極配置部は前記直管部に配置されている[3]または[4]に記載のバルーンカテーテル。
[6]前記長手方向に垂直な方向から観察したときに、前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部の形は、前記長手方向における前記バルーンの遠位端と近位端を両端とする線分の中点を通り、前記長手方向に垂直な直線を軸として前記第1絶縁基材の近位側蛇行部の形を反転させた形と重なり合うように構成されている[2]~[5]のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
[7]前記バルーンカテーテルは、前記バルーンが拡径しているときの前記長手方向に垂直な断面において、前記バルーンの外面に配置されており、前記バルーンの周方向において前記第1絶縁基材の隣に位置している第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材上に配置されている第2電極と、を有しており、
前記第2絶縁基材は、前記長手方向において前記第2電極の遠位端から前記第2電極の近位端まで延在している電極配置部と、前記電極配置部よりも遠位側および前記電極配置部よりも近位側の少なくともいずれか一方に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している蛇行部と、を有している[2]~[6]のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
[8]前記第2絶縁基材は、前記電極配置部よりも遠位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している遠位側蛇行部と、前記電極配置部よりも近位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している近位側蛇行部と、を有している[7]に記載のバルーンカテーテル。
[9]前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部の近位端は、前記第2絶縁基材の遠位側蛇行部の遠位端よりも遠位側に位置している[8]に記載のバルーンカテーテル。
[10]前記第1絶縁基材の近位側蛇行部の遠位端は、前記第2絶縁基材の近位側蛇行部の近位端よりも近位側に位置している[8]または[9]に記載のバルーンカテーテル。
[11]前記第1絶縁基材の近位側蛇行部の近位端は、前記第2絶縁基材の近位側蛇行部の遠位端よりも遠位側に位置している[8]または[9]に記載のバルーンカテーテル。
[12]前記筒状部材には、長手方向に延在している外筒と、前記長手方向に延在しており、前記外筒の内腔に配置されている内筒が含まれており、
前記内筒の遠位部と前記バルーンの遠位部が互いに固定されており、前記外筒の遠位部と前記バルーンの近位部が互いに固定されている[1]~[11]のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
[13]前記バルーンは、前記長手方向に延在している複数の折り目を有しており、
前記第1絶縁基材の電極配置部は前記複数の折り目同士の間に配置されている[1]~[12]のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
[14]前記複数の折り目は、前記長手方向に垂直な方向に並列している[13]に記載のバルーンカテーテル。
[15]前記第1絶縁基材は、前記電極配置部よりも遠位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している遠位側蛇行部と、前記電極配置部よりも近位側に位置しており、前記長手方向に垂直な方向から観察したときに前記バルーンの周方向に蛇行し、前記バルーンの周方向に突出している頂部を複数有している近位側蛇行部と、を有しており、
前記第1絶縁基材の遠位側蛇行部および近位側蛇行部は、前記複数の折り目同士の間に配置されている[13]または[14]に記載のバルーンカテーテル。
[16]前記第1絶縁基材は前記折り目上に配置されていない[13]~[15]のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
【発明の効果】
【0010】
縮径されたバルーンを有しているバルーンカテーテルは、搬送用のシースに挿入された状態で処置部まで搬送される。処置部まで搬送されたバルーンは、シースの遠位端部から突出させられて、処置部で拡径される。その後、該バルーンが抜去される前には、該バルーンは縮径され、シース内に挿入される必要がある。バルーンを縮径させるためにバルーンから流体を除去したときには、第1絶縁基材に対して筒状部材の長手方向に縮む力が付与される。このとき、蛇行部が筒状部材の長手方向に縮む力を吸収することで、電極配置部がバルーンの周方向に移動しやすくなる。バルーンの周方向における電極配置部の移動が起こることによって、バルーンが折り畳まれやすくなる。これにより、拡径後のバルーンをコンパクトに縮径させやすくすることができるため、バルーンカテーテルを処置部まで搬送する際に使用される搬送用のシースの内径を、従来よりも小さく設計しやすくすることができ、シースを細径化しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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