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公開番号2024071273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022182128
出願日2022-11-14
発明の名称合成樹脂フィルムの製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類B29C 41/24 20060101AFI20240517BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】幅方向の物性バラツキが少なく制御された合成樹脂フィルムの製造方法を実現する。
【解決手段】合成樹脂フィルムの製造方法は、ゲルフィルムを、軸方向の端部にフィルム張力の低減機構を備えた駆動ロール(43)により、搬送方向(MD方向)に弛緩させる工程を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
連続的に生産される合成樹脂フィルムの製造方法であって、
(A)高分子と有機溶剤とを含む組成物を支持体上に連続的に流延・塗布し、ゲルフィルムを形成する工程、
(B)前記ゲルフィルムを前記支持体から引き剥がす工程、
(C)前記(B)工程にて得られたゲルフィルムを、軸方向の端部にフィルム張力の低減機構を備えた駆動ロールにより、搬送方向に弛緩させる工程、
(D)前記(C)工程にて弛緩させたゲルフィルムを、搬送方向での弛緩状態を保持しながら、前記ゲルフィルムの幅方向の両端を固定する工程、および
(E)前記(D)工程にて前記両端が固定されたゲルフィルムを、加熱炉内に搬送させる工程、を含む、合成樹脂フィルムの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記駆動ロールは、前記低減機構として軸方向の端部に複数のピンを備えている、請求項1に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記ピンの高さは、0.5mm~5mmである、請求項2に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記駆動ロールの径は、50mm~300mmである、請求項1~3の何れか1項に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記駆動ロールを通過前のゲルフィルムの搬送速度をVa(m/分)、前記(E)工程にて加熱炉内に搬送する速度をVb(m/分)としたとき、x(%)=(Va/Vb)×100-100で表されるオーバーフィード率が1%以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記オーバーフィード率が3%~15%である、請求項5に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記(D)工程は、
(D-1)前記ゲルフィルムの幅方向の両端を固定する手段として、基板上に複数のピンが固定されたピンシートを用い、前記ゲルフィルムの前記両端に対して一定周期で上方から押さえる押え機構により、前記ゲルフィルムを前記ピンシートに固定する工程を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記押え機構は、
回転カムローラーと、当該回転カムローラーに連結する弛緩用ピンニングロールと、を備え、
前記回転カムローラーの回転に連動して前記弛緩用ピンニングロールが上下動する機構である、請求項7に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項9】
前記弛緩用ピンニングロールの径が20mm~100mmである、請求項8に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
【請求項10】
前記(D)工程は、
(D-2)前記ゲルフィルムの幅方向の両端を固定する手段として、基板上に複数のピンが固定されたピンシートを用い、前記ゲルフィルムに対して下方に押圧しながら搬送する押圧用ピンニングロールにより前記ゲルフィルムを前記ピンシートに固定する工程を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の合成樹脂フィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、連続的に生産される合成樹脂フィルムの配向を制御し、等法的な合成樹脂フィルムを製造する試みは、種々行われてきた。一般に、このような合成樹脂フィルムの製造方法は、(i)高分子と有機溶剤を含む組成物を支持体上に連続的に流延・塗布し、ゲルフィルムを形成する工程、(ii)ゲルフィルムを支持体から引き剥がす工程、および(iii)加熱炉内にゲルフィルムを搬送させて焼成する工程を含む。(iii)の工程では、ゲルフィルムの搬送方向(以下、MD方向と称する場合がある)と直交する方向、すなわち幅方向(以下、TD方向と称する場合がある)の両端部を把持して固定した状態で、加熱炉内にゲルフィルムを搬送させる。
【0003】
合成樹脂フィルムは、上記製造方法に由来して、ボーイング現象が生じる。ボーイング現象とは、ゲルフィルムにおいて、加熱炉内での焼成前に、TD方向に沿って引いておいた直線が、熱処理後において弓なりに曲がっている現象のことをいう。当該ボーイング現象を完全に抑制することは難しい。それゆえ、ゲルフィルムに対して、むしろ積極的に分子を配向させることによってボーイング現象を最小限にして、フィルムの全幅において物性を均一化させる試みが行われるようになった。
【0004】
ポリイミドフィルムに対して上記試みを行った技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、MD方向に沿ってゲルフィルムを弛緩させた状態でTD方向の両端部を固定して、ゲルフィルムを焼成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-181986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、幅方向における分子配向度のバラツキが少なく、幅方向における中央部と端部との物性差が少ない合成樹脂フィルムを実現できる。しかし、近年、より高度に幅方向の物性バラツキが少なく制御された合成樹脂フィルムの製造方法の開発が待たれる。
【0007】
本発明の一態様は、幅方向の物性バラツキが少なく制御された合成樹脂フィルムの製造方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、以下の構成を有する。
【0009】
(1)連続的に生産される合成樹脂フィルムの製造方法であって、(A)高分子と有機溶剤とを含む組成物を支持体上に連続的に流延・塗布し、ゲルフィルムを形成する工程、(B)前記ゲルフィルムを前記支持体から引き剥がす工程、(C)前記(B)工程にて得られたゲルフィルムを、軸方向の端部にフィルム張力の低減機構を備えた駆動ロールにより、搬送方向に弛緩させる工程、(D)前記(C)工程にて弛緩させたゲルフィルムを、搬送方向での弛緩状態を保持しながら、前記ゲルフィルムの幅方向の両端を固定する工程、および(E)前記(D)工程にて前記両端が固定されたゲルフィルムを、加熱炉内に搬送させる工程、を含む、合成樹脂フィルムの製造方法。
【0010】
(2)前記駆動ロールは、前記低減機構として軸方向の端部に複数のピンを備えている、(1)の合成樹脂フィルムの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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