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公開番号2024053561
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2023172036
出願日2023-10-03
発明の名称アルカリ可溶性樹脂の製造方法、及び、感光性樹脂組成物
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08F 8/14 20060101AFI20240408BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ゲル化が抑制され、分子量の小さい、側鎖のエチレン性不飽和二重結合が多いアルカリ可溶性樹脂を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の製造方法であって、該アルカリ可溶性樹脂は、二重結合当量が350g/mol以下であり、該製造方法は、反応性基Aを有する単量体を含む単量体成分を重合してベースポリマーを得る工程(1)、及び、該ベースポリマーに反応性基B及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体Xを添加して、該ベースポリマーの反応性基Aと該単量体Xの反応性基Bとをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該単量体Xを付加させる工程(2)を有し、該反応性基Aと反応性基Bのいずれか一方は酸基であり、他方はエポキシ基であり、該単量体Xの添加は、該単量体Xの少なくとも一部を、30分間以上かけて、分割又は連続添加して行うことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の製造方法であって、
該アルカリ可溶性樹脂は、二重結合当量が350g/mol以下であり、
該製造方法は、反応性基Aを有する単量体を含む単量体成分を重合してベースポリマーを得る工程(1)、及び、
該ベースポリマーに反応性基B及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体Xを添加して、該ベースポリマーの反応性基Aと該単量体Xの反応性基Bとをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該単量体Xを付加させる工程(2)を有し、
該反応性基Aと反応性基Bのいずれか一方は酸基であり、他方はエポキシ基であり、
該単量体Xの添加は、該単量体Xの少なくとも一部を、30分間以上かけて、分割又は連続添加して行う
ことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記工程(1)は、酸基含有単量体を含む単量体成分を重合して酸基を有するベースポリマーを得る工程であり、
前記工程(2)は、該ベースポリマーにエポキシ基含有単量体を添加して、該ベースポリマーの酸基と該エポキシ基含有単量体のエポキシ基とをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該エポキシ基含有単量体を付加させる工程であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記工程(1)は、エポキシ基含有単量体を含む単量体成分を重合してエポキシ基を有するベースポリマーを得る工程であり、
前記工程(2)は、該ベースポリマーに酸基含有単量体を添加して、該ベースポリマーのエポキシ基と該酸基含有単量体の酸基とをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該酸基含有単量体を付加させる工程であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記工程(2)のエステル化反応の温度は、100℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記単量体Xの全量の15質量%以上を初期仕込みし、残りの量を分割又は連続添加することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記アルカリ可溶性樹脂の分散度は、3.8以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記工程(2)のエステル化反応の時間は、10時間以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記工程(2)のエステル化反応は、3級アミン化合物又及び/又はホスフィン化合物の存在下で行うことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記工程(1)において使用する重合溶媒は、アルコール系溶媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
【請求項10】
アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含み、
該アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有し、二重結合当量が350g/mol以下であり、分散度が3.8以下である
ことを特徴とする感光性樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ可溶性樹脂の製造方法に関する。詳しくは、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を安定的に製造することができるアルカリ可溶性樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルカリ可溶性樹脂を含む組成物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルター、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト、有機絶縁膜、有機保護膜等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の各種用途への適用が種々検討され、各用途で要求される特性に優れた樹脂や樹脂組成物の開発がなされている。近年では、光学部材や電機・電子機器等の小型化・薄型化・省エネルギー化が進みつつあり、それに伴って、使用される各種部材等にはより高品位な性能が要望されている。そのような要望に応えるため、各種部材等の材料となるアルカリ可溶性樹脂について研究が行われている。
【0003】
アルカリ可溶性樹脂の硬化性を改善するために、樹脂の架橋性や架橋密度を向上させる手法として、アルカリ可溶性樹脂(重合体)の側鎖にエチレン性不飽和二重結合を導入することが知られている(例えば、特許文献1~6)。このような側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体は、例えば、酸基を有する単量体を含む単量体成分を重合してベースとなる重合体を得て、その重合体に、エポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を付加反応させることにより、重合体にエチレン性不飽和二重結合を導入する方法や、エポキシ基を有する単量体を含む単量体成分を重合してベースとなる重合体を得て、その重合体に、酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を反応させて、重合体にエチレン性不飽和二重結合を導入する方法等によって得ることができる。上記エポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物として、例えば、アクリル酸グリシジルやメタクリル酸グリシジルが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-208184号公報
特開2009-63985号公報
特開2012-32772号公報
特開2013-245221号公報
特開2016-150973号公報
国際公開第2020/54261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、側鎖のエチレン不飽和二重結合量が多い(例えば、二重結合当量350g/mol以下)アルカリ可溶性樹脂を製造する場合、エポキシ基と酸基との反応において、エポキシ基の開裂に伴い多くの水酸基が生成する。そして、生成した水酸基が、酸基と脱水エステル化反応したりエステル基とエステル交換反応することにより、樹脂が分子間架橋してゲル化してしまったり、樹脂の分子量分布が広くなったりしてしまう場合があった。このようなアルカリ可溶性樹脂を感光性樹脂組成物のバインダーとして使用した際、均一な現象を妨げ剥離現像となったり、塗膜中に異物が発生したりする等の問題があった。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ゲル化が抑制され、分子量分布の小さい、側鎖のエチレン性不飽和二重結合が多いアルカリ可溶性樹脂を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。また、露光感度が高く、低温硬化条件でも優れた耐溶剤性を示す硬化物を与えることができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、アルカリ可溶性樹脂の製造方法について種々検討したところ、アルカリ可溶性樹脂の製造工程において、ベースポリマーに、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を導入するための単量体Xを反応させる際、上記単量体Xの添加を一定時間以上かけて分割又は連続添加して行うことにより、ゲル化が抑制され、分子量分布が小さいアルカリ可溶性樹脂を効率的に製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の態様の発明を提供する。
[1]側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の製造方法であって、該アルカリ可溶性樹脂は、二重結合当量が350g/mol以下であり、
該製造方法は、反応性基Aを有する単量体を含む単量体成分を重合してベースポリマーを得る工程(1)、及び、
該ベースポリマーに反応性基B及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体Xを添加して、該ベースポリマーの反応性基Aと該単量体Xの反応性基Bとをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該単量体Xを付加させる工程(2)を有し、
該反応性基Aと反応性基Bのいずれか一方は酸基であり、他方はエポキシ基であり、
該単量体Xの添加は、該単量体Xの少なくとも一部を、30分間以上かけて、分割又は連続添加して行うことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[2]上記工程(1)は、酸基含有単量体を含む単量体成分を重合して酸基を有するベースポリマーを得る工程であり、
上記工程(2)は、該ベースポリマーにエポキシ基含有単量体を添加して、該ベースポリマーの酸基と該エポキシ基含有単量体のエポキシ基とをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該エポキシ基含有単量体を付加させる工程であることを特徴とする上記[1]に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[3]上記工程(1)は、エポキシ基含有単量体を含む単量体成分を重合してエポキシ基を有するベースポリマーを得る工程であり、
上記工程(2)は、該ベースポリマーに酸基含有単量体を添加して、該ベースポリマーのエポキシ基と該酸基含有単量体の酸基とをエステル化反応させて、該ベースポリマーに該酸基含有単量体を付加させる工程であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[4]上記工程(2)のエステル化反応の温度は、100℃以上であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[5]上記単量体Xの全量の15質量%以上を初期仕込みし、残りの量を分割又は連続添加することを特徴とする上記[1]~[4]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[6]上記アルカリ可溶性樹脂の分散度は、3.8以下であることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[7]上記工程(2)のエステル化反応の時間は、10時間以上であることを特徴とする上記[1]~[6]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[8]上記工程(2)のエステル化反応は、3級アミン化合物又及び/又はホスフィン化合物の存在下で行うことを特徴とする上記[1]~[7]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[9]上記工程(1)において使用する重合溶媒は、アルコール系溶媒を含むことを特徴とする上記[1]~[8]のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の製造方法。
[10]アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含み、
該アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有し、二重結合当量が350g/mol以下であり、分散度が3.8以下であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアルカリ可溶性樹脂の製造方法は、ゲル化が抑制され、分子量分布が小さい、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を安定的に製造することができる。また、本発明によれば、側鎖二重結合量が多く、露光感度が高く、低温硬化条件でも優れた耐溶剤性を示す硬化物を与えることができる感光性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
(【0011】以降は省略されています)

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