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公開番号2024052324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158972
出願日2022-09-30
発明の名称自動分液装置及び自動分液方法
出願人旭化成ファインケム株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 17/12 20060101AFI20240404BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】種々の液体に対して耐食性に優れ、液体同士の界面検出の精度も高い、自動分液装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するべく、本発明は、液体同士の界面を検出する界面検出手段10と、前記界面検出手段10によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定手段と、前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液手段30と、を備え、前記界面検出手段10が、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサであることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体同士の界面を検出する界面検出手段と、
前記界面検出手段によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定手段と、
前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液手段と、を備え、
前記界面検出手段が、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサであることを特徴とする、自動分液装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記自動分液装置は、前記液体が流れる流路を備え、
前記流路が、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素ゴム及びシリコーンゴムからなる群より選択される少なくとも一種から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動分液装置。
【請求項3】
前記分液手段は、(A)前記液体が流れる流路に形成されたバルブの開閉による分液、
(B)分離する液体ごとに設けられた受け取り容器の交換による分液、又は、
(C)チャンバ内にある液体をポンプによって抜き取る分液、を実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動分液装置。
【請求項4】
前記分液条件が、前記液体の流れる時期又は位置に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動分液装置。
【請求項5】
前記分液条件決定手段は、下記式(1)によって、分液する時期t

を決定することを特徴とする、請求項4に記載の自動分液装置。


= V/Q+t

・・・(1)
V:センサ部から分岐部までの流路の体積(cm
3
)、
Q:液体の流量(mL/sec)、


:センサ部を界面が通過してから、バルブを切り替えるまでの時間(sec)、


:装置や分液の形態によって異なるパラメーター
【請求項6】
前記界面検出手段は、フランジ接続によって取り付けられていないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動分液装置。
【請求項7】
実験用の小型分液装置であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動分液装置。
【請求項8】
液体同士の界面を検出する界面検出工程と、
前記界面検出手段によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定工程と、
前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液工程と、を含み、
前記界面検出工程において、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサによって、前記液体同士の界面を検出することを特徴とする、自動分液方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非相溶性の二種以上の液体を自動的に分液する、自動分液装置及び自動分液方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、層分離された相溶しない2種類の溶液からなる溶液相より各溶液を分離するための分液処理は、例えば、有機合成反応等により得られる反応液中から特定化合物を分離するための抽出処理においてよく用いられ、かかる分液処理には分液ロートがよく使用されてきた。
分液ロートを用いて分液処理を行う場合、操作者は層分離した溶液相を目視してその液面および2つの溶液層の界面を確認した後、確認した液面および界面に基づいて、溶液相中の一方の溶液を分液ロートから取り出し、必要に応じて分液ロートに残った他方の溶液をさらに別の容器に取り出すことによって、両溶液を分離している。
【0003】
近年、このような溶液の分液作業は、作業時間の短縮等の観点から、装置を用いて自動で行われることが望まれている。ここで、溶液の分液を自動で行う際には、重液と軽液の界面を検出する界面検出手段が必要となる。
溶液同士の界面を検出する技術としては、例えば、特許文献1には、界面検出手段として、超音波センサ、光電センサ又は静電容量センサを用いた自動分液装置が開示されている。また、特許文献2には、界面検出手段として、超音波センサを用いた自動分液装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭60-161705号公報
特開平1-25609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2の中で挙げられている超音波センサや、特許文献1の中で挙げられている静電容量センサは、センサ本体を配管中に挿入し、分液操作の際には、対象の溶液に接液させる必要があり、使用する溶液の種類によっては耐食性が問題となっていた。なお、挿入式のセンサは、フッ素樹脂によるコーティングを施すことにより耐食性を向上させる手法も知られているが、分液する溶液として塩酸等の揮発性の酸を用いた場合には、フッ素樹脂コーティング中を酸が透過し、センサ部が腐食するおそれもあった。
【0006】
また、溶液との接液を防ぐべく、界面検出センサとして、光電センサやCCDカメラを使用する場合、センサ部は非接液であるものの、光線を十分に透過させつつ、耐食性の高いフローサイトを選定しなければならない、という課題がある。加えて、フローサイトを理化学ガラス等から製作した場合には、苛性ソーダ等のアルカリ性溶液やフッ酸を用いた場合に腐食するおそれもあった。さらに、フローサイトをフッ素樹脂とした場合は、フッ素樹脂が半透明性であるために、分液の感度が低下し、十分な測定ができないことや、光電センサやCCDカメラでは、非相溶の2種類以上の液体の判別に、色、透過率、屈折率の違いを用いているが、非相溶の2種類の液体の種類によってこれらの組み合わせは様々であるため、分液対象毎にセンサを校正する必要がある、という問題があった。
【0007】
そのため、従来の方法では、使用する薬液に応じて流路及びセンサを交換する必要があり、交換の度に装置の組立て、調整、センサの校正といった作業を伴い、煩雑であるだけでなくコストもかかることから、様々な薬液を取り扱う可能性のあるファインケミカルプロセスでは、単一の装置で且つ一度の校正で、様々な薬液に対して使用できる自動分液装置の提供が望まれていた。
【0008】
以上のようなことから、本発明は、種々の液体に対して耐食性に優れ、液体同士の界面検出の精度が高い、自動分液装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するべく検討を行った結果、自動分液装置に、液体同士の界面を検出する界面検出手段と、前記界面検出手段によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定手段と、前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液手段と、を設けることで、コンパクトな構成な自動分液装置とすることが可能となり、さらに、前記界面検出手段について、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサを用いることで、界面検出の際に液体とセンサとが接触することがないため、耐食性についても改善でき、界面検出の精度についても低下しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
1.液体同士の界面を検出する界面検出手段と、
前記界面検出手段によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定手段と、
前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液手段と、を備え、
前記界面検出手段が、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサであることを特徴とする、自動分液装置。
2.前記自動分液装置は、前記液体が流れる流路を備え、
前記流路が、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素ゴム及びシリコーンゴムからなる群より選択される少なくとも一種から構成されることを特徴とする、前記1に記載の自動分液装置。
3.前記分液手段は、(A)前記液体が流れる流路に形成されたバルブの開閉による分液、
(B)分離する液体ごとに設けられた受け取り容器の交換による分液、又は、
(C)チャンバ内にある液体をポンプによって抜き取る分液、を実施することを特徴とする、前記1又は2に記載の自動分液装置。
4.前記分液条件が、前記液体の流れる時期又は位置に基づいて決定されることを特徴とする、前記1~3のいずれかに記載の自動分液装置。
5.前記分液条件決定手段は、下記式(1)によって、分液する時期t

を決定することを特徴とする、前記4に記載の自動分液装置。


=V/Q+t

・・・(1)
V:センサ部から分岐部までの流路の体積(cm
3
)、
Q:液体の流量(mL/sec)、


:センサ部を界面が通過してから、バルブを切り替えるまでの時間(sec)、


:装置や分液の形態によって異なるパラメーター
6.前記界面検出手段は、フランジ接続によって取り付けられていないことを特徴とする、前記1~5のいずれかに記載の自動分液装置。
7.実験用の小型分液装置であることを特徴とする、前記1~6のいずれかに記載の自動分液装置。
8.液体同士の界面を検出する界面検出工程と、
前記界面検出手段によって得られた界面の情報に基づいて、分液条件を決定する分液条件決定工程と、
前記分液条件決定手段によって決定された分液条件に従って前記液体の分液を実施する分液工程と、を含み、
前記界面検出工程において、非接液式の、静電容量界面センサ又は導電度界面センサによって、前記液体同士の界面を検出することを特徴とする、自動分液方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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