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公開番号2024051213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157255
出願日2022-09-30
発明の名称黒鉛電極及び電極、並びに、石英ガラスるつぼの製造方法
出願人信越石英株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 20/00 20060101AFI20240404BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】黒鉛電極と接続するための凹結合部が大きい電極装置で使用して消耗した後、凹結合部が小さい電極装置で再利用することが可能な黒鉛電極を提供する。
【解決手段】石英ガラスるつぼを製造するためのアーク放電に用いられる黒鉛電極であって、前記黒鉛電極は接続部を具備し、該接続部を介して該黒鉛電極に通電するための電極装置に接続されるものであり、前記接続部は、第一の接続部と、該第一の接続部とは異なる第二の接続部とを有し、前記第二の接続部は、前記第一の接続部よりも小型であり、前記第一の接続部は、第一の電極装置に接続可能な形状を有し、前記第二の接続部は、前記第一の電極装置より小型の第二の電極装置と接続可能な形状を有するものである黒鉛電極。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
石英ガラスるつぼを製造するためのアーク放電に用いられる黒鉛電極であって、
前記黒鉛電極は接続部を具備し、該接続部を介して該黒鉛電極に通電するための電極装置に接続されるものであり、
前記接続部は、第一の接続部と、該第一の接続部とは異なる第二の接続部とを有し、
前記第二の接続部は、前記第一の接続部よりも小型であり、
前記第一の接続部は、第一の電極装置に接続可能な形状を有し、
前記第二の接続部は、前記第一の電極装置より小型の第二の電極装置と接続可能な形状を有するものであることを特徴とする黒鉛電極。
続きを表示（約 570 文字）【請求項２】
前記第一の接続部及び前記第二の接続部は、ネジ山を有する形状、又は、円柱形状であることを特徴とする請求項１に記載の黒鉛電極。
【請求項３】
請求項１又は請求項２に記載の黒鉛電極と前記第一の電極装置が接続された電極であって、
前記第一の電極装置は、前記黒鉛電極の前記第一の接続部を介して接続されており、前記第二の接続部を収納可能なスペースを有するものであることを特徴とする電極。
【請求項４】
請求項１又は請求項２に記載の黒鉛電極を用いた石英ガラスるつぼの製造方法であって、
前記黒鉛電極を、前記第一の接続部を介して前記第一の電極装置と接続して第一の電極を構成するステップと、
前記第一の電極を用いたアーク放電により、石英ガラスるつぼを製造するステップと、
前記第一の電極を用いたアーク放電により消耗した前記黒鉛電極を前記第一の電極装置から取り外すステップと、
前記第一の電極装置から取り外した黒鉛電極を、前記第二の接続部を介して前記第二の電極装置と接続して第二の電極を構成するステップと、
前記第二の電極を用いたアーク放電により、１つ又は複数の石英ガラスるつぼを製造するステップと
を有することを特徴とする石英ガラスるつぼの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、黒鉛電極及び電極、並びに、石英ガラスるつぼの製造方法に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
単結晶半導体材料の基板として用いられるシリコン単結晶の多くは、シリコン多結晶を石英ガラスるつぼ中で溶融し、それを種結晶に接触させた後に結晶成長させて製造するといういわゆるチョクラルスキー法によって製造されている。このシリコン単結晶の製造方法に用いられる石英ガラスるつぼは、その製造方法によって幾通りかの種類がある。実用的には、回転可能な中空の型の内周面に沿って二酸化ケイ素粉末（原料石英粉）を充填し、該型を回転させながら二酸化ケイ素粉末を、黒鉛電極を用いたアーク放電により加熱溶融して製造した石英ガラスるつぼが用いられている。石英ガラスるつぼを製造するためのアーク放電に用いられる黒鉛電極については、多くの態様が開示されている（例えば、特許文献１～特許文献３）。
【０００３】
この黒鉛電極は、通電するための電極装置（例えば銅製のもの）と接続されて用いられており、その接続方法は複数ある。例えば、黒鉛電極にニップル等と呼ばれる突起である接続部を設けて電極装置に打ち込んだり、黒鉛電極に雄ネジ、電極装置に雌ネジを設けて螺合させたりして、黒鉛電極は電極装置に接続して支持される。
【０００４】
図６に、黒鉛電極を電極装置に打ち込んで接続する場合の模式図を示した。図６（ａ）に示したように、黒鉛電極１１１には、黒鉛電極本体１１２に、ニップル等と呼ばれる突起である接続部１１４が設けられている。黒鉛電極本体１１２の外形は円柱型等、種々の形状がある。また、接続部１１４の形状は円柱型や円錐型や多角柱型等、種々の形状がある。また、図６（ｂ）に示したように、電極装置１５１には、黒鉛電極１１１の接続部１１４の大きさ、形状に合わせた凹形状の凹結合部１５６が形成されている。電極装置１５１の外形は円柱型等、種々の形状がある。黒鉛電極１１１と電極装置１５１は、図６（ｃ）に示したように、接続部１１４と凹結合部１５６の形状を合わせて、外力によって打ち込まれて接続される。
【０００５】
図７に、黒鉛電極を電極装置に螺合する場合の模式図を示した。図７（ａ）に示したように、黒鉛電極１２１には、黒鉛電極本体１２２に、雄ネジ形状が形成された接続部１２４が設けられている。黒鉛電極本体１２２の外形は、図６（ｂ）の場合と同様に、円柱型等、種々の形状がある。また、図７（ｂ）に示したように、電極装置１６１には、黒鉛電極１２１の接続部１２４のネジに螺合可能な雌ネジ形状が形成された凹形状の凹結合部１６６が形成されている。電極装置１６１の外形は図６（ｂ）の場合と同様に円柱型等、種々の形状がある。黒鉛電極１２１と電極装置１６１は、図７（ｃ）に示したように、接続部１２４と凹結合部１６６で螺合し、接続される。
【０００６】
図６のような打ち込み方式、図７のような螺合方式での黒鉛電極と電極装置の接続のいずれにおいても、石英ガラスるつぼを製造するためのアーク放電に用いられた黒鉛電極は、酸化によって消耗し、大きさが小さくなるので、原則として使用後廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特開２０１６－０１１２３８号公報
特開２０１７－０６５９６２号公報
特開２００９－１６１３６２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
図６のような打ち込み方式による黒鉛電極と電極装置の接続は比較的小さい黒鉛電極に用いられ、図７のような螺合方式での黒鉛電極と電極装置の接続は、比較的大きい黒鉛電極に用いられる。
【０００９】
アーク放電による黒鉛電極の酸化消耗の程度は、使用条件、特に使用時間に応じて様々である。一つの石英ガラスるつぼを製造した後、黒鉛電極の形状次第では、別の石英ガラスるつぼの製造への再利用が可能である。
【００１０】
しかしながら、黒鉛電極と電極装置の接続状態が異なる電極装置には再利用できないという問題があった。例えば、図７（ａ）の螺合方式用の黒鉛電極１２１は、図７（ｂ）の電極装置１６１に適用することができるが、図６（ｂ）の打ち込み方式用の電極装置１５１には適用することができない。また、黒鉛電極に形成された接続部のサイズによっても適用可能な電極装置が限られる。このため、黒鉛電極の再利用の自由度が低いという問題があった。
（【００１１】以降は省略されています）

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