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公開番号2024049035
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155261
出願日2022-09-28
発明の名称水害危険度評価方法、及び、水害危険度評価システム
出願人株式会社大林組
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類G06Q 50/26 20240101AFI20240402BHJP(計算;計数)
要約【課題】地盤の凹凸の指標であるラプラシアンを用いて、水害の危険度を定量的に評価可能な水害危険度評価方法、及び、水害危険度評価システムを提供すること。
【解決手段】コンピューターを用いて、水害発生の有無を判別する判別式を導く、水害危険度評価方法であって、過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域の地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLから(式3)を用いて、ラプラシアンの変換値L’を算出し、前記サンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、前記ラプラシアンの変換値L’を含む前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、分析を行うことにより、前記判別式を導く。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
コンピューターを用いて、水害発生の有無を判別する判別式を導く、水害危険度評価方法であって、
過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域の地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLから、下記の式を用いて、ラプラシアンの変換値L’を算出し、
TIFF
2024049035000009.tif
26
170
前記サンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、
前記ラプラシアンの変換値L’を含む前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、
分析を行うことにより、前記判別式を導くことを特徴とする水害危険度評価方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水害危険度評価方法であって、
前記サンプル領域をN種のメッシュサイズで各々区分した前記N種の区分毎の、前記ラプラシアンの変換値L’を算出し、
前記N種全ての前記メッシュサイズについて、前記ラプラシアンの変換値L’を前記説明変数とすることを特徴とする水害危険度評価方法。
【請求項3】
コンピューターを用いて、水害発生の有無を判別する判別式を導く、水害危険度評価方法であって、
過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、
地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLを含む、前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、
分析を行うことにより、前記ラプラシアンLの係数と、その有意確率を求める第1工程と、
前記有意確率が所定の閾値未満である場合には、前記ラプラシアンLを説明変数とし、
前記有意確率が前記所定の閾値以上である場合には、下記の式を用いて算出したラプラシアンの変換値L’を説明変数とし、
TIFF
2024049035000010.tif
26
170
前記サンプル領域の前記水害発生の有無を目的変数とし、
前記ラプラシアンLに関する指標を含む、前記サンプル領域の前記所定の指標を説明変数として、
分析を行うことにより、前記判別式を導く第2工程と、
を有することを特徴とする水害危険度評価方法。
【請求項4】
請求項3に記載の水害危険度評価方法であって、
前記第1工程において、前記サンプル領域を区分するN種のメッシュサイズ毎に、前記ラプラシアンLの係数と、その有意確率を求め、
前記第2工程において、
前記有意確率が前記所定の閾値未満である前記メッシュサイズについては、前記ラプラシアンLを説明変数とし、
前記有意確率が前記所定の閾値以上である前記メッシュサイズについては、前記ラプラシアンの変換値L’を説明変数とすることを特徴とする水害危険度評価方法。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の水害危険度評価方法であって、
評価対象領域における前記所定の指標と、前記判別式とに基づいて、前記評価対象領域の水害発生の有無を判別することを特徴とする水害危険度評価方法。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載の水害危険度評価方法であって、
前記所定の指標は、前記ラプラシアンLに関する指標、標高、及び、平均S波速度であることを特徴とする水害危険度評価方法。
【請求項7】
過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域に関するデータを記憶する記憶部と、
前記サンプル領域の地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLから、下記の式を用いて、ラプラシアンの変換値L’を算出し、
TIFF
2024049035000011.tif
26
170
前記サンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、
前記ラプラシアンの変換値L’を含む前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、
分析を行うことにより、水害発生の有無を判別する判別式を導く演算処理部と、
を有することを特徴とする水害危険度評価システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水害危険度評価方法、及び、水害危険度評価システムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、都市部における集中的な豪雨により人的・物的被害が数多く発生しており、水害に対する危険度評価のニーズが高まっている。これに対して、自治体等では、独自に水害のハザードマップを作成して公開している。一方、全国に点在する拠点(工場や支社等)を有する企業では、水害対策を行う際に、優先順位を決めるために危険度の比較を行う場合があるが、自治体毎に被害想定などの条件が異なるため、危険度を個別に調査する必要が生じ手間がかかっていた。
そこで、異なる地域において危険度を同じ指標で評価する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、全国統一の標高データを用いて算出可能な、地盤の凹凸の指標であるラプラシアンを用いて、地盤の凹凸具合を評価している。具体的には、地盤の局所的な凹地や広範囲に亘った凹地の影響が反映されるように、或る領域を複数種類のメッシュサイズで区分し、区分されたメッシュ毎にラプラシアンを算出している。そして、複数種のメッシュのラプラシアンにおいて重複して凹地と示された部分は、周囲よりも標高が低いと評価し、水害が生じる危険度が高いと評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-97981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のようにラプラシアンを用いた地盤の凹凸具合の評価結果は、水害が生じる危険度の目安とはなるものの、その評価結果から定量的に水害の危険度を評価することは難しい。
定量的に水害の危険度を評価するためには、水害発生の有無を判別する判別式(例えば水害の発生確率を算出する関係式)を導くとよい。ただし、判別式を導く際に選択したサンプル領域のラプラシアンのばらつきが大きい場合がある。その場合、ラプラシアンは水害発生への影響が大きい指標であるにもかかわらず、ラプラシアンの指標を判別式に組む込むことが難しくなってしまう。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、地盤の凹凸の指標であるラプラシアンを用いて、水害の危険度を定量的に評価可能な水害危険度評価方法、及び、水害危険度評価システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための主たる発明は、コンピューターを用いて、水害発生の有無を判別する判別式を導く、水害危険度評価方法であって、過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域の地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLから、下記の式を用いて、ラプラシアンの変換値L’を算出し、
TIFF
2024049035000002.tif
26
170
前記サンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、前記ラプラシアンの変換値L’を含む前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、分析を行うことにより、前記判別式を導くことを特徴とする水害危険度評価方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地盤の凹凸の指標であるラプラシアンを用いて、水害の危険度を定量的に評価可能な水害危険度評価方法、及び、水害危険度評価システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
水害危険度評価システムを示すブロック図である。
第1実施形態の水害危険度評価方法を説明するフロー図である。
サンプル領域SAが所定のメッシュサイズで区分されたサンプル区分S1a~S12yとサンプル中間区分S1~S12を示す図である。
関係式を求めるためのデータベースを示す図である。
ラプラシアンLの計算方法を説明する図である。
第1実施形態の評価方法による回帰係数βとその有意確率P値の説明図である。
図7Aは評価対象領域RAの一例を示す図であり、図7Bは評価対象領域RAの水害の発生確率pを算出するためのデータベースを示す図である。
比較例の評価方法による回帰係数βとその有意確率P値の説明図である。
図9Aはサンプル領域SAのラプラシアンLの内訳を示すグラフであり、図9Bはサンプル領域SAのラプラシアンの変換値L’の内訳を示すグラフである。
2種類のメッシュサイズにより求められるラプラシアンLを説明する図である。
第2実施形態の水害危険度評価方法を説明するフロー図である。
第2実施形態の評価方法による回帰係数βとその有意確率P値の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(態様1)
コンピューターを用いて、水害発生の有無を判別する判別式を導く、水害危険度評価方法であって、過去に水害が発生した箇所を含むサンプル領域の地盤の凹凸の指標であるラプラシアンLから、下記の式を用いて、ラプラシアンの変換値L’を算出し、
TIFF
2024049035000003.tif
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前記サンプル領域の過去の水害データに基づく水害発生の有無を目的変数とし、前記ラプラシアンの変換値L’を含む前記サンプル領域の所定の指標を説明変数として、分析を行うことにより、前記判別式を導くことを特徴とする水害危険度評価方法。
【0010】
態様1によれば、ラプラシアンLのばらつきが大きい場合にも、ラプラシアンの変換値L’では、ばらつきを抑えることができ、判別式におけるラプラシアンの変換値L’の係数を有意な係数にすることができる。また、ラプラシアンの変換値L’は、ラプラシアンLが表する地盤の凹凸が大よそ再現される。よって、水害発生に大きく影響するラプラシアンLが加味される判別式を導くことができ、より精度良く、定量的に、水害の危険度を評価できる。また、コンピューターを用いることで、短時間且つ容易に判別式を導くことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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