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公開番号2024048830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154952
出願日2022-09-28
発明の名称(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C08J 11/12 20060101AFI20240402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】流通経路の閉塞、さらには発火爆発を防止する。
【解決手段】スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置10と、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置30とを備え、熱分解装置は、投入部12と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部14と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部16とを有しており、残渣貯蔵装置が、貯蔵タンク32と、未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部32Aと、貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部34と、気体排出部36とを有しているか、または、冷却水供給部38を有している、再生システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップから(メタ)アクリル酸メチルを再生する再生システムであって、
前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置と、
前記熱分解装置に接続されており、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置とを備え、
前記熱分解装置は、前記スクラップを投入するための投入部と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部とを有しており、
前記残渣貯蔵装置が、前記残渣排出部と連結管により接続されている貯蔵タンクと、該貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク外に気体を排出するための気体排出部とを有しているか、または、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部を有している、再生システム。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記残渣貯蔵装置が、前記冷却部と前記不活性ガス供給部と前記気体排出部とを有している、請求項1に記載の再生システム。
【請求項3】
前記熱分解装置が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、請求項1または2に記載の再生システム。
【請求項4】
前記熱分解装置が押出機である、請求項3に記載の再生システム。
【請求項5】
前記冷却部が、内部に冷媒体を流通させることができるジャケットを含む、請求項1または2に記載の再生システム。
【請求項6】
前記冷媒体が水である、請求項5に記載の再生システム。
【請求項7】
前記不活性ガス供給部が、前記貯蔵タンクの頂部から不活性ガスを供給することができる機能部であり、
前記気体排出部が、前記貯蔵タンクの頂部から気体を排出させることができる機能部である、請求項1または2に記載の再生システム。
【請求項8】
前記不活性ガスが窒素ガスである、請求項1または2に記載の再生システム。
【請求項9】
前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含む、請求項1または2に記載の再生システム。
【請求項10】
前記温度調節部が、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に前記連結管の温度を調節することができる機能部である、請求項9に記載の再生システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸メチル(MMA)を重合した重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)は、透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
【0003】
そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
【0004】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチル(再生MMAという場合がある。)を用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0005】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、300℃程度の比較的低い温度で加熱することによって、(メタ)アクリル酸メチルを高収率で回収することができ、不純物の低減が可能であるため、ケミカルリサイクルによりリサイクルされることが好ましい。
【0006】
ケミカルリサイクルにおいて、例えば、密閉されたシリンダを有する2軸押出機にアクリル樹脂のスクラップを供給し、400~600℃に加熱して熱分解し、2軸押出機の先端部から吐出される分解ガスを残渣タンクを介してクーラーの負圧効果と真空ポンプによって吸引し、クーラーで分解ガスを凝縮して液状モノマーとする態様が知られており(特許文献1参照。)、さらには合成高分子材料をシリンダに供給して、シリンダ内で連続的に加熱することにより得られた低分子量の気体状熱分解物をシリンダ外に導出して濃縮する態様が知られている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-106427号公報
米国特許第3959357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2にかかる技術によっては、加熱処理後にシリンダ外に導出された未分解成分を含む残渣がシリンダ外の流通経路または機器において固化してしまい流通経路が閉塞してしまう場合があり、さらには分解ガスおよび気体状熱分解物は、通常、可燃性であるため、場合によっては流通経路、さらには連結されているより下流の機器において発火爆発してしまうおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、熱分解装置外の機器、特に未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置において所定の構成を設けることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔17〕を提供する。
〔1〕(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップから(メタ)アクリル酸メチルを再生する再生システムであって、
前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置と、
前記熱分解装置に接続されており、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置とを備え、
前記熱分解装置は、前記スクラップを投入するための投入部と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部とを有しており、
前記残渣貯蔵装置が、前記残渣排出部と連結管により接続されている貯蔵タンクと、該貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク外に気体を排出するための気体排出部とを有しているか、または、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部を有している、再生システム。
〔2〕前記残渣貯蔵装置が、前記冷却部と前記不活性ガス供給部と前記気体排出部とを有している、〔1〕に記載の再生システム。
〔3〕前記熱分解装置が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、〔1〕または〔2〕に記載の再生システム。
〔4〕前記熱分解装置が押出機である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔5〕前記冷却部が、内部に冷媒体を流通させることができるジャケットを含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔6〕前記冷媒体が水である、〔5〕に記載の再生システム。
〔7〕前記不活性ガス供給部が、前記貯蔵タンクの頂部から不活性ガスを供給することができる機能部であり、
前記気体排出部が、前記貯蔵タンクの頂部から気体を排出させることができる機能部である、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔8〕前記不活性ガスが窒素ガスである、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔9〕前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含む、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔10〕前記温度調節部が、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に前記連結管の温度を調節することができる機能部である、〔9〕に記載の再生システム。
〔11〕前記温度調節部が、内部に媒体を流通させることができるジャケット、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔9〕または〔10〕に記載の再生システム。
〔12〕前記ジャケットが、水蒸気を熱媒体として用いるジャケットである、〔11〕に記載の再生システム。
〔13〕前記ジャケットが、水を冷媒体として用いるジャケットである、〔11〕に記載の再生システム。
〔14〕前記保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔11〕~〔13〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔15〕〔1〕~〔14〕のいずれか1つに記載の再生システムを用いる、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法において、
前記熱分解装置により前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解工程と、
前記熱分解装置の前記ガス抜き出し部から前記ガスを抜き出して回収する回収工程と、
前記熱分解装置の前記残渣排出部から前記熱分解工程により生成した未分解成分を含む残渣を排出して前記残渣貯蔵装置に導入して、残渣貯蔵装置に導入された未分解成分を含む残渣を前記冷却部により冷却しつつ貯蔵する貯蔵工程と
を含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法。
〔16〕前記貯蔵工程が、前記貯蔵タンクに不活性ガス供給部により不活性ガスを供給し、前記貯蔵タンク外に前記気体排出部により気体を排出しつつ行われるか、または、前記残渣貯蔵タンク内に前記冷却水供給部により冷却水を供給して行う工程である、〔15〕に記載の再生方法。
〔17〕前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含み、
前記貯蔵工程が、前記温度調節部により前記連結管を流通する未分解成分を含む残渣の温度を、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に調節しつつ行われる工程である、〔15〕または〔16〕に記載の再生方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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