TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024046121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151315
出願日2022-09-22
発明の名称コンバインドサイクルプラント、及びその燃料供給方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F01K 23/10 20060101AFI20240327BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】アンモニアを熱分解して得られる水素を含む燃料で駆動するコンバインドサイクルプラントで、排熱回収ボイラで発生した蒸気の熱を有効利用する。
【解決手段】コンバインドサイクルプラントは、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、最も高温高圧の蒸気で駆動可能な第一蒸気タービンを含む少なくとも一の蒸気タービンと、アンモニアを熱分解させる熱分解装置と、前記熱分解装置で得られた水素を含む燃料を前記ガスタービンに供給可能な燃料供給装置と、を備える。熱分解装置は、反応容器と、熱分解用蒸気供給ラインと、を有する。前記反応容器内では、触媒が存在し且つ前記触媒を含む反応系に電場がかけられている環境下で、前記アンモニアを熱分解させる。前記熱分解用蒸気供給ラインは、前記第一蒸気タービンから抽気された蒸気を前記反応容器内に導入可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素を含む燃料を燃焼させて、駆動可能なガスタービンと、
前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、
前記排熱回収ボイラからの蒸気で駆動可能な少なくとも一の蒸気タービンと、
前記少なくとも一の蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻すことができる復水器と、
アンモニア供給源からのアンモニアを熱分解させて、水素を生成可能な熱分解装置と、
前記熱分解装置で得られた水素を含む燃料を前記ガスタービンに供給可能な燃料供給装置と、
を備え、
前記少なくとも一の蒸気タービンは、前記少なくとも一の蒸気タービンのうちで最も高温で且つ最も高圧の蒸気で駆動可能な第一蒸気タービンを有し、
前記熱分解装置は、
アンモニアが流入可能なアンモニア空間と蒸気が流入可能な蒸気空間とが形成され、前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気とを熱交換させ、アンモニアを熱分解させることができる反応容器と、
前記アンモニア空間内に配置され、前記アンモニア空間内のアンモニアの分解を促進する触媒と、
前記触媒に電流を流して、前記触媒を含む反応系に電場をかけることが可能な電源回路と、
前記第一蒸気タービンから抽気された蒸気、又は前記第一蒸気タービンから排気され前記復水器に至るまでの蒸気の一部を熱分解用蒸気として前記反応容器の前記蒸気空間内に導入可能に構成されている熱分解用蒸気供給ラインと、
前記反応容器の前記蒸気空間内から蒸気又は液体の水を排出可能に構成されている熱分解用蒸気排出ラインと、
を有する、
コンバインドサイクルプラント。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載のコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記少なくとも一の蒸気タービンは、前記第一蒸気タービンの他に、前記第一蒸気タービンから排気された蒸気を含む蒸気で駆動可能な第二蒸気タービンを有し、
前記熱分解用蒸気供給ラインは、前記第一蒸気タービンから排気され前記第二蒸気タービンに至る前までの蒸気の一部、又は、前記第二蒸気タービンから抽気された蒸気を前記反応容器の前記蒸気空間内に導入可能に構成されている、
コンバインドサイクルプラント。
【請求項3】
請求項1に記載のコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記アンモニア供給源から前記熱分解装置に至るまでのアンモニアを加熱するアンモニア予熱器を備え、
前記アンモニア予熱器は、前記熱分解用蒸気排出ラインを流れる蒸気又は液体の水と前記アンモニア供給源からのアンモニアと熱交換可能に構成されている、
コンバインドサイクルプラント。
【請求項4】
請求項1に記載のコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記熱分解用蒸気よりも高温高圧の蒸気である駆動用蒸気を駆動源として、前記反応容器の前記蒸気空間から排出された蒸気である排出蒸気の一部を自身の内部に吸い込み、前記駆動用蒸気と前記排出蒸気とが混ざった蒸気を前記熱分解用蒸気供給ライン中に供給可能なサーモコンプレッサを備え、
前記熱分解用蒸気排出ラインは、前記反応容器の前記蒸気空間に連通している主ラインと、前記主ラインから分岐し前記熱分解用蒸気供給ラインに接続されている分岐ラインと、を有し、
前記サーモコンプレッサは、前記分岐ライン中に設けられている、
コンバインドサイクルプラント。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記反応容器は、前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気との熱交換で、前記蒸気空間内の蒸気が液体の水になるよう、構成されている、
コンバインドサイクルプラント。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記燃料供給装置は、前記熱分解装置でのアンモニアの熱分解で得られた水素と窒素とのうち、窒素を除去する窒素除去装置を有する、
コンバインドサイクルプラント。
【請求項7】
水素を含む燃料を燃焼させて、駆動可能なガスタービンと、
前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、
前記排熱回収ボイラからの蒸気で駆動可能な少なくとも一の蒸気タービンと、
前記少なくとも一の蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻すことができる復水器と、
を備え、
前記少なくとも一の蒸気タービンは、前記少なくとも一の蒸気タービンのうちで最も高温で且つ最も高圧の蒸気で駆動可能な第一蒸気タービンを有する、
コンバインドサイクルプラントの燃料供給方法において、
アンモニア供給源からのアンモニアを熱分解して、水素を生成する熱分解工程と、
前記熱分解工程の実行で得られた水素を含む燃料を前記ガスタービンに供給する燃料供給工程と、
を実行し、
アンモニアの熱分解は、アンモニアが流入可能なアンモニア空間と蒸気が流入可能な蒸気空間とが形成され、前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気とを熱交換させることができる反応容器内で実行され、
前記熱分解工程は、
前記第一蒸気タービンから抽気された蒸気、又は前記第一蒸気タービンから排気され前記復水器に至るまでの蒸気の一部を前記反応容器の前記蒸気空間内に導く熱分解用蒸気供給工程と、
前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気とを熱交換させて、アンモニアの分解を促進する触媒が存在し且つ前記触媒を含む反応系に電場がかけられている環境下で、前記アンモニアを熱分解させる分解反応工程と、
前記反応容器の前記蒸気空間内から蒸気又は液体の水を排出する熱分解用蒸気排出工程と、
を含む、
コンバインドサイクルプラントの燃料供給方法。
【請求項8】
請求項7に記載のコンバインドサイクルプラントの燃料供給方法において、
前記少なくとも一の蒸気タービンは、前記第一蒸気タービンの他に、前記第一蒸気タービンから排気された蒸気を含む蒸気で駆動可能な第二蒸気タービンを有し、
前記熱分解用蒸気供給工程では、前記第一蒸気タービンから排気され前記第二蒸気タービンに至る前までの蒸気の一部、又は、前記第二蒸気タービンから抽気された蒸気を前記反応容器の前記蒸気空間内に導く、
コンバインドサイクルプラントの燃料供給方法。
【請求項9】
請求項7に記載のコンバインドサイクルプラントの燃料供給方法において、
前記熱分解工程が実行される前に、前記アンモニア供給源からのアンモニアを加熱するアンモニア予熱工程を実行し、
前記アンモニア予熱工程では、前記熱分解用蒸気排出工程で、前記反応容器の前記蒸気空間内から排出された蒸気又は液体と前記アンモニア供給源からのアンモニアと熱交換させる、
コンバインドサイクルプラントの燃料供給方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラントの燃料供給方法において、
前記分解反応工程では、前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気とを熱交換させて、前記蒸気空間内の蒸気を液体の水にし、
前記熱分解用蒸気排出工程では、前記反応容器の前記蒸気空間内から液体の水を排出する、
コンバインドサイクルプラントの燃料供給方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン及び排熱回収ボイラを備えるコンバインドサイクルプラント、及びその燃料供給方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地球環境保全の観点からCO

排出量を削減するため、燃焼してもCO

を排出しない水素を燃料として利用することが有力な選択肢となっている。
【0003】
以下の特許文献1には、水素を燃料として利用するコンバインドサイクルプラントが開示されている。このコンバインドサイクルプラントは、水素を燃料とするガスタービンと、ガスタービンから排気されて排気ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラからの蒸気でアンモニアを熱分解させる熱分解装置と、を備える。排熱回収ボイラは、低圧蒸気発生系と、中圧蒸気発生系と、高圧蒸気発生系と、を有する。高圧蒸気発生系は、低圧蒸気発生系、中圧蒸気発生系及び高圧蒸気発生系のうちで、最も高温高圧の蒸気を発生する。熱分解装置は、この高圧蒸気発生系からの蒸気とアンモニアとを触媒環境下で熱分解させる。この熱分解装置でのアンモニアの熱分解で得られた水素は、燃料としてガスタービンに送られる。
【0004】
アンモニアを熱分解反応させるための熱分解反応温度は、触媒の種類や反応環境圧力等に応じて多少変化するものの、概ね、450℃から600℃程度である。このため、特許文献1に記載の技術では、排熱回収ボイラが発生する複数種類の蒸気のうちで、最も高温高圧の高圧蒸気を熱分解装置に導入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-147481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンバインドサイクルプラントでは、排熱回収ボイラで発生した蒸気の熱を有効利用することが望まれている。
【0007】
そこで、本開示は、アンモニアを熱分解して得られる水素を含む燃料で駆動するコンバインドサイクルプラントで、排熱回収ボイラで発生した蒸気の熱を有効利用できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのコンバインドサイクルプラントは、
水素を含む燃料を燃焼させて、駆動可能なガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気で駆動可能な少なくとも一の蒸気タービンと、前記少なくとも一の蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻すことができる復水器と、アンモニア供給源からのアンモニアを熱分解させて、水素を生成可能な熱分解装置と、前記熱分解装置で得られた水素を含む燃料を前記ガスタービンに供給可能な燃料供給装置と、を備える。前記少なくとも一の蒸気タービンは、前記少なくとも一の蒸気タービンのうちで最も高温で且つ最も高圧の蒸気で駆動可能な第一蒸気タービンを有する。前記熱分解装置は、アンモニアが流入可能なアンモニア空間と蒸気が流入可能な蒸気空間とが形成され、前記アンモニア空間内のアンモニアと前記蒸気空間内の蒸気とを熱交換させ、アンモニアを熱分解させることができる反応容器と、前記アンモニア空間内に配置され、前記アンモニア空間内のアンモニアの分解を促進する触媒と、前記触媒に電流を流して、前記触媒を含む反応系に電場をかけることが可能な電源回路と、前記第一蒸気タービンから抽気された蒸気、又は前記第一蒸気タービンから排気され前記復水器に至るまでの蒸気の一部を熱分解用蒸気として前記反応容器の前記蒸気空間内に導入可能に構成されている熱分解用蒸気供給ラインと、前記反応容器の前記蒸気空間内から蒸気又は液体の水を排出可能に構成されている熱分解用蒸気排出ラインと、を有する。
【0009】
触媒が存在するものの、反応系に電場がかけられていない環境下で、アンモニアを熱分解反応させるための熱分解反応温度は、概ね、450℃から600℃程度である。一方、本態様のように、触媒が存在し且つこの触媒を含む反応系に電場がかけられている環境下での熱分解反応温度は、反応系に電場がかけられていない環境下での熱分解反応温度より低くなる。本態様では、触媒が存在し且つこの触媒を含む反応系に電場がかけられている環境下での熱分解反応温度を、具体的に、概ね、150℃から200℃としている。なお、この環境下であれば、熱分解反応温度を150℃未満にすることも可能であり、熱分解反応温度を200℃以上にすることも可能である。但し、熱分解反応温度を150℃未満にした場合には、アンモニア分解反応で得られる水素のエネルギー量以上に電気エネルギーを消費してしまう。また、熱分解反応温度を200℃以上にすると、電力に変換可能な200℃以上の蒸気をあえてアンモニアの熱分解に使うことにより、発電量が減少してしまう。そこで、本態様では、触媒が存在し且つこの触媒を含む反応系に電場がかけられている環境下での熱分解反応温度を、前述したように、概ね、150℃から200℃にしている。
【0010】
以上のように、本態様では、アンモニアを熱分解反応させるための熱分解反応温度を下げることができる。そこで、本態様では、第一蒸気タービンに流入する蒸気よりも低温で且つ低圧の蒸気、つまり、第一蒸気タービンから抽気された蒸気、又は第一蒸気タービンから排気され復水器に至るまでの蒸気の一部を反応容器の蒸気空間内に導入して、この蒸気の熱を利用して、アンモニアを熱分解させる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
池見式タービン
25日前
株式会社クボタ
エンジン
23日前
株式会社MCラボ
発電機システム
26日前
本田技研工業株式会社
鞍乗型車両
23日前
トヨタ自動車株式会社
流量制御弁
9日前
トヨタ自動車株式会社
エンジンの制御装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
バルブ及び内燃機関
9日前
フタバ産業株式会社
排気装置
9日前
株式会社SUBARU
ブローバイガス処理装置
24日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の排気装置
26日前
豊田合成株式会社
タンク
4日前
株式会社アイシン
弁開閉時期制御装置
24日前
ヤマハ発動機株式会社
内燃機関および鞍乗型車両
3日前
株式会社SUBARU
診断装置
25日前
本田技研工業株式会社
オイル循環装置
24日前
いすゞ自動車株式会社
オイルジェット装置
25日前
株式会社豊田自動織機
インシュレータ
24日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関のバルブタイミング調整装置
4日前
フィルトラン・エルエルシー
フィルタアセンブリ
23日前
コベルコ建機株式会社
再生制御装置及びこれを備えた建設機械
24日前
三菱重工業株式会社
エンジンシステム、船舶
18日前
日立Astemo株式会社
内燃機関の制御装置
18日前
三菱重工業株式会社
下半内車室の変形調整方法
18日前
三菱重工業株式会社
冷熱発電装置、及び冷熱発電システム
9日前
コベルコ建機株式会社
建設機械の制御装置及びこれを備えた建設機械
24日前
いすゞ自動車株式会社
排ガス浄化装置の製造方法
29日前
三菱重工業株式会社
水回収システム、および、発電プラント
17日前
トヨタ自動車株式会社
カムシャフト
16日前
日立Astemo株式会社
内燃機関のバルブタイミング制御装置
17日前
株式会社豊田自動織機
エンジンシステム
9日前
株式会社豊田自動織機
エンジンシステム
9日前
日産自動車株式会社
排気浄化触媒の劣化診断方法及び排気浄化触媒の劣化診断装置
16日前
株式会社IJTT
エキゾーストマニホールドの固定構造及びエキゾーストマニホールド
19日前
トヨタ自動車株式会社
冷却水循環装置及び車両用電池の昇温方法
16日前
トヨタ自動車株式会社
冷却システム
2日前
ヤンマーホールディングス株式会社
排気浄化装置及びエンジン
3日前
続きを見る