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公開番号2024044210
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149610
出願日2022-09-20
発明の名称半導体装置および半導体装置の製造方法
出願人富士電機株式会社
代理人個人
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240326BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】パワーサイクル耐量を向上させることができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】おもて面電極2のパッシベーション膜4の開口部4aに露出された部分の表面上に、パッシベーション膜4の開口部4aの側壁から離れて、はんだ濡れ性の高いNi成膜3が設けられている。このおもて面電極2上のNi成膜3に金属配線がはんだ接合される。Ni成膜3上にのみはんだ層が形成され、はんだ層とパッシベーション膜4とは接触しない。また、Alを材料としたおもて面電極2の表面は、Ni成膜3を形成した部分を除く全面を、おもて面電極2の表面を意図的に酸化して形成された酸化アルミニウム膜である表面酸化膜5で覆われている。おもて面電極2とパッシベーション膜4および封止材との間に、おもて面電極2の表面酸化膜5が介在することで、パッシベーション膜4および封止材の密着力が高くなっている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
半導体基板のおもて面側に設けられた所定の素子構造と、
前記半導体基板のおもて面に設けられ、前記素子構造に電気的に接続された、アルミニウムを含む電極層と、
前記半導体基板のおもて面の最表面に設けられて前記電極層を覆う保護膜と、
前記電極層の前記保護膜の開口部に露出する部分の表面に、前記保護膜の開口部の側壁から離れて設けられた、金属配線がはんだ接合される金属膜と、
前記保護膜の開口部の側壁と前記金属膜との間において前記電極層の表面の全面に設けられた酸化アルミニウム膜と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記電極層の表面は、前記金属膜が設けられ部分を除く全面を前記酸化アルミニウム膜で覆われており、
前記保護膜は、前記酸化アルミニウム膜を介して前記電極層を覆うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記酸化アルミニウム膜の厚さは、10nmより厚く100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属膜は、ニッケル膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属膜は、ニッケルめっき膜および金めっき膜の積層膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板は、炭化珪素からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板のおもて面側に所定の素子構造を形成する第1工程と、
前記半導体基板のおもて面に、前記素子構造に電気的に接続して、アルミニウムを含む電極層を形成する第2工程と、
前記半導体基板のおもて面の最表面に保護膜を形成して当該保護膜で前記電極層を覆う第3工程と、
前記保護膜に、前記電極層を露出する開口部を形成する第4工程と、
前記電極層の前記保護膜の開口部に露出する部分の表面に、前記保護膜の開口部の側壁から離して、金属配線がはんだ接合される金属膜を形成する第5工程と、
前記電極層の表面のうち、前記金属膜が形成された部分を除く表面を酸化して、少なくとも前記保護膜の開口部の側壁と前記金属膜との間における前記電極層の表面の全面に酸化アルミニウム膜を形成する第6工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2工程の後、前記第3工程の前に、前記第5工程および前記第6工程を行い、
前記第5工程は、
スパッタリングによって前記電極層の表面の全面にニッケル膜を形成する工程と、
前記ニッケル膜の表面に、前記金属膜の形成領域を覆うレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をマスクとして前記ニッケル膜をエッチングして前記金属膜となる部分と残すとともに、前記金属膜の周囲を囲むように前記電極層の表面を露出させる工程と、を含み、
前記第6工程は、
前記レジスト膜をマスクとして前記電極層の露出面を酸化して、前記電極層の表面のうち、前記金属膜が設けられ部分を除く全面に前記酸化アルミニウム膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を除去する工程と、を含み、
前記第3工程では、前記保護膜は前記酸化アルミニウム膜を介して前記電極層を覆うことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第4工程の後に、前記第5工程および前記第6工程を行い、
前記第5工程は、
前記電極層の表面に、前記金属膜の形成領域を開口したレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をマスクとしてめっき処理を行い、前記金属膜としてニッケルめっき膜および金めっき膜を順に積層する工程と、
前記レジスト膜を除去する工程と、を含み、
前記第6工程では、前記レジスト膜を除去することで前記金属膜の周囲を囲むように露出した前記電極層の露出面を酸化して、前記保護膜の開口部の側壁と前記金属膜との間における前記電極層の表面の全面に前記酸化アルミニウム膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第6工程では、前記酸化アルミニウム膜の厚さを10nmより厚く100nm以下にすることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板(半導体チップ)のおもて面の表(ひょう)面電極(以下、おもて面電極とする)に半導体モジュールへの実装時に金属配線がはんだ接合される半導体装置では、アルミニウム(Al)を材料としたおもて面電極上に、はんだ濡れ性の高いニッケル(Ni)等によるめっき膜が形成されることが知られている。おもて面電極の電極パットとなる部分がパッシベーション膜の開口部に露出され、パッシベーション膜の開口部内においておもて面電極の表面の全面にめっき膜が形成される。
【0003】
図19は、従来の半導体装置の構造を示す断面図である。図19には、パッシベーション膜104の開口部104aの側壁近傍を拡大して示す。図19に示す従来の半導体装置110は、半導体基板(半導体チップ)101のおもて面を保護する最表面のパッシベーション膜104の開口部104a内においておもて面電極102上にめっき膜103を備え、半導体モジュールに実装されたときに当該めっき膜103にはんだ層106を介して金属配線(不図示)を接合した配線構造が形成される。
【0004】
おもて面電極102は、シリコンを含むアルミニウム(AlSi)等を材料としたアルミニウム(Al)合金層である。めっき膜103は、ニッケル(Ni)めっき膜および金(Au)めっき膜をこの順に積層してなる積層膜(図19には「Ni/Auめっき」と図示、図20においても同様)である。パッシベーション膜104は、半導体基板101のおもて面の最表面に設けられたポリイミド(PolyImide)からなる表面保護膜であり、半導体基板101のおもて面および半導体基板101のおもて面上のおもて面電極102や絶縁層(不図示)を覆って保護する。
【0005】
パッシベーション膜104の開口部104aにのみ、おもて面電極102が露出される。パッシベーション膜104の開口部104aの側壁は、半導体基板101側へ向かうにしたがってめっき膜103側へ突出するように傾斜している。パッシベーション膜104の開口部104a内においておもて面電極102の表面の全面にめっき膜103が形成される。金属配線のはんだ接合時に、パッシベーション膜104の開口部104aの側壁までめっき膜103上をはんだが濡れ広がるため、パッシベーション膜104の開口部104aの側壁とめっき膜103との間の隙間には、はんだ層106が埋め込まれる。
【0006】
したがって、パッシベーション膜104、めっき膜103およびはんだ層106すべてがおもて面電極102の表面上の1つの点(以下、3重点とする)111で接する。この3重点111に半導体装置110のパワーサイクル(断続通電)によって応力がかかり、当該3重点111を起点としておもて面電極102にクラック112が生じることで、半導体装置110が破壊に至る。このクラック112の発生を防止した従来の半導体装置として、上記3重点111をなくすことでパワーサイクル耐量を高めた装置が知られている。
【0007】
図20は、従来の半導体装置の構造の別例を示す断面図である。図20には、パッシベーション膜104,105の開口部104a,105aの側壁近傍を拡大して示す。図21は、図20の半導体基板全体をおもて面側から見た状態を示す平面図である。図21には、おもて面電極102の外周を破線で示す。図20,21に示す従来の半導体装置120が図19に示す従来の半導体装置110と異なる点は、パッシベーション膜104の開口部104aの側壁とめっき膜103との間の隙間を埋め込むようにパッシベーション膜105(図21にはハッチングで示す)を備える点である。
【0008】
図20,21に示す従来の半導体装置120を作製(製造)するには、まず、半導体基板101のおもて面側に、おもて面素子構造およびおもて面電極102を形成する。次に、半導体基板101のおもて面の全面にパッシベーション膜104を形成した後、パッシベーション膜104を開口して下層のおもて面電極102を露出させる。次に、めっき処理により、おもて面電極102の表面上にめっき膜103を形成する。パッシベーション膜104は、めっき膜103の濡れ広がりを防止するためのマスクとなる。
【0009】
次に、例えばインクジェット方式により、パッシベーション膜104の開口部104aの側壁とめっき膜103との間の隙間を埋め込むようにパッシベーション膜105を形成する。パッシベーション膜105の開口部105aには、めっき膜103が露出される。次に、パッシベーション膜105を硬化(キュア)するための熱処理を行う。次に、めっき膜103の表面上に、はんだ層106を介して金属配線(不図示)を接合する。パッシベーション膜105は、はんだ層106の濡れ広がりを防止するためのマスクとなる。
【0010】
おもて面電極のパッシベーション膜の開口部に露出する部分上にめっき膜を介して金属配線をはんだ接合した従来の半導体装置として、パッシベーション膜の開口部の側壁をおもて面電極の表面に対して傾斜させて、パッシベーション膜の開口部の側壁にめっき膜を密着させた装置が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照。)。
(【0011】以降は省略されています)

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