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公開番号2024042214
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022146774
出願日2022-09-15
発明の名称積層不織布及びその製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人個人
主分類B32B 5/26 20060101AFI20240321BHJP(積層体)
要約【課題】 通気性及び透湿性を調整しやすい積層不織布を提供する。
【解決手段】 この積層不織布は、第一不織布、合成紙及び第二不織布の順に積層し、加熱した後、冷却することにより得られる。第一不織布及び第二不織布は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合長繊維を構成繊維とするものである。合成紙は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合されてなるものである。芯鞘型複合短繊維の繊維径が3~30μm及び繊維長が2~30mmである。ポリオレフィン系合成パルプの繊維長は0.1~5mmである。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面層、中間層及び裏面層の3層が積層してなる積層不織布であり、
前記表面層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第一芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、
前記中間層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合された集積体からなり、
前記裏面層は、鞘成分がポリエチレンよりなり、芯成分が該ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第二芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、
前記中間層を構成する前記芯鞘型複合短繊維の繊維径が3~30μm及び繊維長が2~30mmであり、前記ポリオレフィン系合成パルプの繊維長が0.1~5mmであり、
前記3層は、各々の層を構成している前記第一芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分、前記芯鞘型複合短繊維の前記鞘成分、前記第二芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分及び前記ポリオレフィン系合成パルプの軟化又は溶融及び固化によって各層が固着一体化していることを特徴とする積層不織布。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
第二芯鞘型複合長繊維の鞘成分が高密度ポリエチレンである請求項1記載の積層不織布。
【請求項3】
第二芯鞘型複合長繊維の鞘成分が線状低密度ポリエチレンである請求項1記載の積層不織布。
【請求項4】
平均孔径が1~9μmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層不織布。
【請求項5】
通気性の上限は通気度が3.0cc/cm
2
/secであり、通気性の下限は透気度が200秒/100ccである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層不織布。
【請求項6】
透湿度が4800~10000g/m
2
/24hrである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層不織布。
【請求項7】
請求項3記載の積層不織布の裏面層同士が重ね合った状態で、周縁が溶着されてなる袋状物。
【請求項8】
鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第一芯鞘型複合長繊維を構成繊維とする第一不織布、
鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合されてなる合成紙であって、該芯鞘型複合短繊維の繊維径が3~30μm及び繊維長が2~30mmであり、ポリオレフィン系合成パルプの繊維長が0.1~5mmである合成紙並びに
鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第二芯鞘型複合長繊維を構成繊維とする第二不織布
の順に積層した積層体を、加熱することにより、前記第一芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分、前記芯鞘型複合短繊維の前記鞘成分、前記第二芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分及び前記ポリオレフィン系合成パルプを軟化又は溶融させた後、冷却することにより、前記第一不織布、前記合成紙及び前記第二不織布を固着一体化する積層不織布の製造方法。
【請求項9】
鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第一芯鞘型複合長繊維を構成繊維とする第一不織布、
鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合されてなる合成紙であって、該芯鞘型複合短繊維の繊維径が3~30μm及び繊維長が2~30mmであり、ポリオレフィン系合成パルプの繊維長が0.1~5mmである合成紙並びに
鞘成分が線状低密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該線状低密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第二芯鞘型複合長繊維を構成繊維とする第二不織布
の順に積層した積層体を、加熱することにより、前記第一芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分、前記芯鞘型複合短繊維の前記鞘成分、前記第二芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分及び前記ポリオレフィン系合成パルプを軟化又は溶融させた後、冷却することにより、前記第一不織布、前記合成紙及び前記第二不織布を固着一体化することを特徴とする積層不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の通気性及び透湿性を持つ積層不織布及びその製造方法に関し、特に脱臭剤や乾燥剤等の粉末を収納して袋状物を得る際に好適な積層不織布及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、所定の通気性及び透湿性を持つ積層不織布が種々の用途に用いられている。たとえば、防護服の素材、微多孔膜フィルターの補強材又は脱臭剤や乾燥剤等の粉末を収納する際の袋状物の素材として用いられている。本件出願人は、かかる積層不織布として、以下の如き3層構造の不織布を提案している(特許文献1)。すなわち、表面層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が前記高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、中間層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が前記高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と前記高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる単相型短繊維との集積体からなり、裏面層は、鞘成分が高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンよりなり、芯成分が前記高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、中間層を構成する芯鞘型複合短繊維および単相型短繊維の繊維長が2~30mmであり、芯鞘型複合短繊維の繊維径よりも単相型短繊維の繊維径が小さく、単相型短繊維の繊維径が3~10μmであり、表面層、中間層及び裏面層は、それぞれの層を構成している芯鞘型複合長繊維及び芯鞘型複合短繊維の鞘成分の少なくとも一部が溶融固化状態となって層同士を固着一体化している積層不織布を提案している。
【0003】
特許第6560095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は特許文献1記載の発明を改良したものであり、通気性及び透湿性をより調整しやすくすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、中間層に多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプを均一に混合することにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、表面層、中間層及び裏面層の3層が積層してなる積層不織布であり、前記表面層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第一芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、前記中間層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合された集積体からなり、前記裏面層は、鞘成分がポリエチレンよりなり、芯成分が該ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第二芯鞘型複合長繊維の集積体からなり、前記中間層を構成する前記芯鞘型複合短繊維の繊維径が3~30μm及び繊維長が2~30mmであり、前記ポリオレフィン系パルプの繊維長が0.1~5mmであり、前記3層は、各々の層を構成している前記第一芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分、前記芯鞘型複合短繊維の前記鞘成分、前記第二芯鞘型複合長繊維の前記鞘成分及び前記ポリオレフィン系合成パルプの軟化又は溶融及び固化によって各層が固着一体化していることを特徴とする積層不織布及びその製造方法に関するものである。ここで、多分岐とは、幹部分から枝分かれした枝部分からも、さらに枝分かれが形成されているという意味であり、したがって、多分岐構造は細密なフィブリル化構造となっている。
【0006】
[表面層について]
表面層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる第一芯鞘型複合長繊維の集積体からなる。そして、鞘成分である高密度ポリエチレンの軟化又は溶融及び固化によって第一芯鞘型複合長繊維相互間が結合されてなる。高密度ポリエチレンの融点は120~140℃が好ましく、芯成分であるポリエステルの融点は250℃~260℃が好ましい。両者の融点をこの範囲とすることにより、高密度ポリエチレンとポリエステルとの融点差が大きく、高密度ポリエチレンが軟化又は溶融する際に、ポリエステルが軟化又は溶融することや劣化することなく、当初の繊維形態を維持する。これにより、表面層には多数の微細孔が維持される。
【0007】
第一芯鞘型複合長繊維の芯成分と鞘成分の質量比は任意であるが、芯成分:鞘成分=0.25~4:1であるのが好ましく、特に芯成分:鞘成分=0.4~2.5:1であるのがより好ましく、芯成分:鞘成分=1:1であるのが最も好ましい。鞘成分の質量比がこの範囲を超えて少なくなると、第一芯鞘型複合長繊維相互間の結合が不十分となったり、又は表面層と中間層との固着一体化が不十分となる傾向が生じる。また、鞘成分の重量比がこの範囲を超えて多くなると、表面層がフィルム化しやすくなり、微細孔が残存しにくくなる。
【0008】
第一芯鞘型複合長繊維の単繊維繊度は任意であるが、引張強度等の物性面から、1~7dtexであるのが好ましい。単繊維繊度が1dtex未満であると、表面層の引張強度が低下する傾向が生じる。また、繊度が7dtexを超えると、第一芯鞘型複合長繊維相互間の間隙が大きくなり、透湿性の調整がしにくくなる傾向が生じる。
【0009】
表面層の質量は任意であるが、一般的に10~50g/m
2
であるのが好ましい。表面層の質量が10g/m
2
未満になると、中間層が露出する傾向が生じ、中間層を保護しにくくなる。また、表面層の質量が50g/m
2
を超えると、過剰品質となる傾向が生じ、合理的ではない。
【0010】
[中間層について]
中間層は、鞘成分が高密度ポリエチレンよりなり、芯成分が該高密度ポリエチレンの融点よりも高い融点を持つポリエステルよりなる芯鞘型複合短繊維と、多分岐構造を有するポリオレフィン系合成パルプとが均一に混合された集積体で構成されている。高密度ポリエチレンやポリエステルとしては、第一芯鞘型複合長繊維で用いたものと同様のものが用いられる。芯鞘型複合短繊維の芯成分と鞘成分の質量比も、表面層で用いた第一芯鞘型複合長繊維の場合と同程度である。また、芯鞘型複合短繊維の繊維径は3~30μmで繊維長は2~30mmである。繊維径3μm未満又は繊維長2mm未満の芯鞘型複合短繊維は製造しにくく、実用的ではない。繊維径が30μmを超えたり、繊維長が30mmを超えると、ポリオレフィン系合成パルプと均一に混合しにくくなるので、好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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