TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024041941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2024004927,2021513963
出願日2024-01-17,2019-09-13
発明の名称光学フィルム
出願人スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/28 20060101AFI20240319BHJP(光学)
要約【課題】近赤外のバンドエッジまで反射性であり、より長い波長で透過性である、光学フィルム又はミラーフィルムを提供する。
【解決手段】スキン層は、約2マイクロメートルを超える平均厚さを有する。実質的に垂直に入射する光に対するフィルムの透過率が、第1の波長範囲122と第2の波長範囲126とを分離するバンドエッジ120を含み、各範囲が少なくとも250nmの幅である。フィルムの反射率が、第1の波長範囲122における各波長に対して約95%超であり、フィルムの平均透過率が、第2の波長範囲126において約80%超であり、第2の波長範囲126におけるフィルムの光透過率の最大値と最小値との間の差が、約30%未満である。バンドエッジ120は、約2%/nmを超える傾きを有し得る。透過率は、波長の増加に伴って少なくとも約10%から約70%まで単調に増加し得る。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
スキン層上に配置された複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルムであって、前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層がそれぞれ、250nm未満の平均厚さを有し、前記スキン層が、2マイクロメートルを超える平均厚さを有し、垂直に入射する光に対する前記光学フィルムの光透過率が、第1の波長範囲と第2の波長範囲とを分離するバンドエッジを含み、前記第1の波長範囲が、少なくとも400nm~700nmにわたり、前記第2の波長範囲が、少なくとも950nm~1300nmにわたり、空気中で垂直に入射する光に対して、
前記光学フィルムの光反射率が、前記第1の波長範囲における各波長に対して95%超であり、
前記光学フィルムの平均光透過率が、前記第2の波長範囲において80%超であり、
前記第2の波長範囲における前記光学フィルムの前記光透過率の最大値と最小値との間の差が、25%未満であり、
前記光透過率が10%から70%まで増加する波長範囲に少なくともわたって前記光透過率を波長に相関させる、前記バンドエッジに対する最良の線形近似が、2%/nmを超える傾きを有しており、前記第1のポリマー層、前記第2のポリマー層、及び前記スキン層が、互いに一体的に形成されている、光学フィルム。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
垂直に入射する光に対する前記光学フィルムの前記光透過率が、波長の増加に伴って少なくとも10%から70%まで単調に増加する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記最良の線形近似の前記傾きが、3%/nmを超える、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうち隣接する第1のポリマー層及び第2のポリマー層の一対が、最大光学的厚さを有し、前記複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層が、前記最大光学的厚さから20nm以内の光学的厚さを有する少なくとも20個の別個の層対を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層の平面において、前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層が、それぞれの屈折率、すなわち、第1の偏光状態に沿ったn1x及びn2x、前記第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態に沿ったn1y及びn2y、並びに前記第1の偏光状態及び前記第2の偏光状態と直交するz軸に沿ったn1z及びn2zを有し、前記第1の波長範囲及び前記第2の波長範囲の少なくとも一方に入る少なくとも1つの波長に対して、
n1x及びn1yの各々が、n1zより少なくとも0.2大きく、
n1xとn1yとの間の差が、0.04未満であり、
n2xとn2yとn2zとの間の最大の差が、0.01未満であり、
n1xとn2xとの間の差が、0.2より大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学フィルム。

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
光学フィルムは、様々なディスプレイ用途において使用される。例えば、液晶ディスプレイパネルのバックライトユニットにおいて光リサイクルのためにミラーフィルムを使用することができる。
続きを表示(約 4,800 文字)【発明の概要】
【0002】
本説明のいくつかの態様では、スキン層上に配置された複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルムが提供される。第1の層及び第2の層はそれぞれ、約250nm未満の平均厚さを有する。スキン層は、約2マイクロメートルを超える平均厚さを有する。第1の層、第2の層、及びスキン層は、互いに一体的に形成される。実質的に垂直に入射する光に対する光学フィルムの光透過率が、第1の波長範囲と第2の波長範囲とを分離するバンドエッジを有し、第1の波長範囲は、少なくとも約400nm~約700nmにわたり、第2の波長範囲は、少なくとも約950nm~約1300nmにわたる。空気中で実質的に垂直に入射する光に対して、光学フィルムの光反射率が、第1の波長範囲における各波長に対して約95%超であり、光学フィルムの平均光透過率が、第2の波長範囲において約80%超であり、第2の波長範囲における光学フィルムの光透過率の最大値と最小値との間の差が、約25%未満である。光透過率が約10%から約70%まで増加する波長範囲に少なくともわたって光透過率を波長に相関させる、バンドエッジに対する最良の線形近似が、約2%/nmを超える傾きを有する。
【0003】
本説明のいくつかの態様では、50~800の数の複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルムが提供される。各第1の層及び第2の層が、約500nm未満の平均厚さを有する。実質的に垂直に入射する光に対する光学フィルムの光透過率が、第1の波長範囲と第2の波長範囲とを分離するバンドエッジ領域を有し、各範囲は、少なくとも250nmの幅である。各波長範囲における光学フィルムの光透過率の最大値と最小値との間の差が、約30%未満である。第1の層及び第2の層の平面において、第1の層及び第2の層は、それぞれの屈折率、すなわち、第1の偏光状態に沿ったn1x及びn2x、第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態に沿ったn1y及びn2y、並びに第1の偏光状及び第2の偏光状態と直交するz軸に沿ったn1z及びn2zを有する。第1の波長範囲及び第2の波長範囲の少なくとも一方に入る少なくとも1つの波長に対して、n1x及びn1yの各々が、n1zより少なくとも0.2大きく、n1xとn1yとの間の差が、約0.04未満であり、n2xとn2yとn2zとの間の最大の差が、約0.01未満であり、n1xとn2xとの間の差が、約0.2より大きい。バンドエッジ領域内の実質的に垂直に入射する光に対する光学フィルムの光透過率は、波長の増加に伴って少なくとも約10%から約70%まで単調に増加する。
【0004】
本説明のいくつかの態様では、ディスプレイであって、少なくとも約400nm~約700nmにわたる第1の波長範囲における可視画像を観察者に対して表示するためのディスプレイパネルと、第1の波長範囲を超える赤外波長の光をディスプレイパネルを通して観察者に向けて放射するための赤外光源と、ディスプレイパネルと赤外光源との間に配置されたミラーフィルムとを含むディスプレイが提供される。実質的に垂直に入射する光、並びに直交する第1の偏光状態及び第2の偏光状態のそれぞれについて、第1の波長範囲における各波長に対して、ミラーフィルムは、少なくとも90%の光を反射し、赤外波長において、ミラーフィルムは、少なくとも70%の光を透過し、第1の波長範囲と赤外波長との間にある第1の波長において、ミラーフィルムは、40%~60%の光を透過する。第1の波長は、赤外波長から約50nm以内である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
光学フィルムの概略断面図である。
波長に対する光学フィルムの光透過率の概略プロットである。
光学フィルムの光学的厚さプロファイルの概略図である。
光学フィルムを含むディスプレイの概略断面図である。
赤外光源の発光スペクトルの概略図である。
原子間力顕微鏡法によって求めた厚さプロファイルのプロットである。
光学フィルムの透過スペクトルである。
光学フィルムの透過スペクトルである。
光学フィルムの透過スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明では、本明細書の一部を形成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
【0007】
いくつかのディスプレイでは、Enhanced Specular Reflector(ESR)フィルム(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)などのミラーフィルムが、リサイクル型バックライトユニットにおいて液晶ディスプレイ(LCD)パネルの(光出力側とは反対側の)下方に配置される。いくつかの用途では、ディスプレイが、1つ以上のセンサを含む。例えば、スマートフォンが、近接センサ、周辺光センサ、又は指紋センサのうちの1つ以上を含み得る。そのようなセンサは従来、ディスプレイのアクティブエリアの外側に配置されている。ディスプレイの周囲のベゼルを低減するために、ディスプレイのアクティブエリアに配置された1つ以上のセンサを含むことが望ましい場合がある。そのときセンサは、好ましくはミラーフィルムの下方に配置される。場合によっては、ミラーフィルムの下方に赤外(IR)光源を含むことが望ましい。例えば、指紋センサが、ディスプレイパネルを通して赤外光を放射する赤外光源を含み得、例えば、指から反射されてディスプレイパネルを通って戻った後の赤外光を受光するセンサを含み得る。光源及び/又はセンサを所望に動作させるために、ミラーフィルムは好ましくは、光源及び/又はセンサが機能するように適合された波長の光に対して相当な透過率(例えば、少なくとも70%)を有する。典型的に、IR光源及びセンサの場合、この波長は、850nm又は940nmである。現在、スマートフォン及び他の民生用電子機器のディスプレイに使用するミラーフィルムは、これらの波長の光を透過しない。
【0008】
本説明のいくつかの実施形態では、近赤外のバンドエッジまで反射性であり、より長い波長で透過性である、光学フィルム又はミラーフィルムが提供される。バンドエッジは、大きな(例えば、約2%/nmを超える)傾きを有し得る。このことは、光学フィルムが、(少なくとも、所望の入射角までの)斜めに入射する光についても可視範囲にわたってリサイクルをもたらし、光源/センサが動作するバンドエッジに近い赤外波長において透過性であるので、望ましい場合がある。この赤外波長は、例えば、バンドエッジから約50nm以内であり得る。本説明の光学フィルムは、例えば、自動車の車内にIR照明を提供するために、IR光源がディスプレイのミラーフィルムの背後でディスプレイに含まれる、自動車ディスプレイの用途においても有用である。
【0009】
鋭いバンドエッジを伴う反射帯域を有する多層光学フィルムについては、例えば、米国特許第6,157,490号(Wheatleyら)に記載されている。場合によっては、この参照文献に記載されている帯域先鋭化技術は、10%の透過率と50%の透過率との間で測定されるバンドエッジの鋭い傾きをもたらすが、近赤外のバンドエッジの場合に70%未満の透過率に存在し得る透過スペクトルのリンギングであって、10%~70%の透過率の非単調な増加をもたらし、その結果、バンドエッジの傾きを抑制し得る、透過スペクトルのリンギングにより、10%の透過率と70%の透過率との間で測定されるバンドエッジの傾きが、実質的により小さくなる可能性がある。そのようなリンギングは、スキン層の最も外側の主面でフレネル反射により反射された光との干渉により、少なくとも部分的に引き起こされる可能性がある。赤外線透過領域における透過率のリンギングを抑制することが望ましい場合もある。いくつかの実施形態によれば、スキン層の厚さを好適に選択する(例えば、いくつかの実施形態によれば、約2マイクロメートルを超える厚さを有するスキン層を使用する)ことにより、透過率のリンギングを、赤外線透過領域において抑制でき、少なくとも透過率が約10%から約70%以上まで変化する範囲内のバンドエッジ領域において抑制又は排除できることが見出されている。本明細書で説明する、10%~70%以上の透過率でバンドエッジの傾きを増加させるための、及び/又は望ましくないリンギングを抑制するための他の技術としては、バンドエッジ付近の波長における反射をもたらす厚さを有する、光学フィルム内の層の数を増加させることが挙げられる。例えば、光学フィルムの交互する第1の層及び第2の層における層対(光学的繰り返し単位)が、最大光学的厚さを有し得、交互する第1の層及び第2の層は、最大光学的厚さから約30nm以内、又は約25nm以内、又は約20nm以内、又は約15nm以内、又は約12nm以内、又は約10nm以内、又は約8nm以内、又は約7nm以内、又は約6nm以内の光学的厚さを有する、少なくとも20個、又は少なくとも25個、又は少なくとも30個の別個の層対を含み得る。好適なスキン厚さ及び好適な層厚さプロファイルを使用することで、少なくとも約10%から約70%まで(例えば、約5%から約80%以上まで)の透過率の単調増加をもたらすことができ、光透過率が約10%から約70%まで増加する波長範囲に少なくともわたって光透過率を波長に相関させる、バンドエッジに対する最良の線形近似が、例えば約2%/nmを超える傾きを有する結果をもたらすことができる。
【0010】
図1は、複数の交互する第1のポリマー層101及び第2のポリマー層102を含む光学フィルム100の概略図である。図示する実施形態では、複数の交互する第1の層101及び第2の層102は、スキン層110上に配置されている。第2のスキン層が、複数の交互する第1の層101及び第2の層102の反対側に配置されてもよい。複数の交互する第1の層101及び第2の層102は、主に光干渉によって光を反射及び透過し、光学層又は干渉層と呼ばれ得る。干渉層は、干渉層の反射率及び透過率が光干渉によって合理的に説明できるか、又は光干渉の結果として合理的に正確にモデル化できる場合、光を主に光干渉によって反射及び透過すると説明されてもよい。異なる屈折率を有する干渉層の隣接する対は、対が光の波長の1/2の組み合わされた光学的厚さ(屈折率を掛けた物理的厚さ)を有するときに、光干渉によって光を反射する。光学的厚さを求める際に使用する屈折率は、一定の基準波長(例えば、532nm又は633nm)とすることができる。干渉層は典型的に、約500ナノメートル未満又は約250nm未満の物理的厚さを有する。スキン層は典型的に、主に光干渉によって光を反射及び透過するには大きすぎる光学的厚さを有し、非干渉層、非光学層、又は光学的に厚い層と呼ばれ得る。しかし、スキン層の主面(例えば、最も外側の主面)からのフレネル反射が、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学フィルムの透過スペクトルに影響を及ぼす可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
試験片固定具
12日前
個人
メガネフレーム
12日前
個人
両眼光軸測定器
20日前
東レ株式会社
積層フィルム
11日前
東レ株式会社
積層フィルム
11日前
東レ株式会社
多層積層フィルム
24日前
個人
メガネ貼付用マスクフック
26日前
古河電子株式会社
光学部品
4日前
個人
ヒンジレス一体フレームメガネ
6日前
日東電工株式会社
光学積層体
4日前
三菱ケミカル株式会社
反射フィルム
11日前
日東電工株式会社
光学積層体
4日前
東レ株式会社
シート、及び樹脂組成物
4日前
日精テクノロジー株式会社
投射光学系
12日前
日東電工株式会社
情報コード付シート
4日前
日本製紙株式会社
ハードコートフィルム
21日前
日東電工株式会社
光学積層体の製造方法
4日前
株式会社トプコン
変倍光学系及び眼科装置
19日前
キヤノン株式会社
カメラ装置
4日前
日本精機株式会社
ヘッドアップディスプレイ装置
20日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
4日前
大阪瓦斯株式会社
放射冷却装置
11日前
株式会社トプコン
光源装置及び眼科撮影装置
20日前
住友電気工業株式会社
スポットサイズ変換器
14日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
4日前
日亜化学工業株式会社
発光モジュール
19日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
4日前
株式会社デンソー
虚像表示装置
4日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
4日前
株式会社エニックス
着脱式跳ね上げ眼鏡
21日前
富士通株式会社
波長変換装置及び光伝送システム
26日前
富士通株式会社
波長変換器および光伝送システム
26日前
日東電工株式会社
高分子分散型液晶フィルム
20日前
日東電工株式会社
積層体および画像表示装置
13日前
株式会社小糸製作所
画像投影装置
24日前
住友ベークライト株式会社
光学シート
18日前
続きを見る