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公開番号2024040865
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145495
出願日2022-09-13
発明の名称防食用粘着テープ
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C09J 7/29 20180101AFI20240318BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供する。
【解決手段】本発明は、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、
5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、
5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、
前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である防食用粘着テープ。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
JIS K5600-7-9におけるサイクルDに準拠したサイクル腐食試験において錆が発生せず、かつ、前記サイクル腐食試験後の粘着力が20N/25mm以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項3】
JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項4】
前記基材の厚みが20~1000μmである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項5】
前記基材が表面に塗料膜を有する樹脂フィルムである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項6】
前記樹脂フィルムが、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹フィルム、軟質アクリル系樹脂フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種のフィルムである請求項5に記載の防食用粘着テープ。
【請求項7】
常温の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、
常温の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項8】
前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する請求項1に記載の防食用粘着テープ。
【請求項9】
鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である請求項8に記載の防食用粘着テープ。
【請求項10】
前記粘着剤層が前記鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する請求項8に記載の防食用粘着テープ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は防食用粘着テープに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材などの鉄又は鉄を含む合金を防食するために、亜鉛を多量に含有した防食塗料が広く用いられている。亜鉛は、鉄よりも電位が卑な金属であり、犠牲防食作用があるため、高い防食性を有することが知られている。しかし、塗料による防食は、塗布後に乾燥工程などが必要であり、作業に時間がかかり、例えば、橋梁などの土木、建築用途で局所的な補修を行う際には、作業効率が低下する。また、塗料による防食は、作業ムラも生じやすい。
【0003】
上記状況を鑑みて、テープに犠牲防食性を付与させ、作業性を向上させる取り組みがなされてきた。例えば、特許文献1では、粘着層に亜鉛粒子と導電性フィラーを含有させ、基材の亜鉛板と酸素・水との間に電子の回路を形成することで、犠牲防食性を発現させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-127606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、凸凹部等の複雑な表面形状を有する被着体に、特許文献1の防食部材を、冬等の寒い時期に貼り付けようとすると、防食部材は被着体に充分に密着できず、防食部材の防食性を十分に発揮できない場合があった。また、特許文献1の防食部材を被着体に貼り付けた後、被着体を塗装すると、防食部材にシワが発生し、塗装した被着体の外観が悪くなる場合があった。
そこで、本発明は、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、低温環境下で測定した所定の引張荷重との差が所定値以下であり、低温環境下で測定した引張破断点伸度が所定値以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が所定値以下である基材を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[16]を提供するものである。
【0007】
[1]基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である防食用粘着テープ。
[2]JIS K5600-7-9におけるサイクルDに準拠したサイクル腐食試験において錆が発生せず、かつ、前記サイクル腐食試験後の粘着力が20N/25mm以上である上記[1]に記載の防食用粘着テープ。
[3]JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である上記[1]又は[2]に記載の防食用粘着テープ。
[4]前記基材の厚みが20~1000μmである上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[5]前記基材が表面に塗料膜を有する樹脂フィルムである上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[6]前記樹脂フィルムが、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹脂フィルム、軟質アクリル系樹脂フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種のフィルムである上記[5]に記載の防食用粘着テープ。
[7]常温の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、常温の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上である上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[8]前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[9]鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である上記[8]に記載の防食用粘着テープ。
[10]前記粘着剤層が前記鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する上記[8]又は[9]に記載の防食用粘着テープ。
[11]前記導電性材料がカーボンナノチューブである上記[10]に記載の防食用粘着テープ。
[12]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成される上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[13]前記基材と前記粘着剤層との間に金属層を備え、前記金属層が鉄よりも電位が卑な金属の層である上記[1]~[12]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[14]前記金属層が亜鉛の層である上記[13]に記載の防食用粘着テープ。
[15]前記粘着剤層の厚みが50~3000μmである上記[1]~[14]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[16]前記粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率が5万~100万Paである上記[1]~[15]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態の防食用粘着テープの変形例の使用例を示す模式図である。
本発明の防食用粘着テープの他の実施形態を示す模式的な断面図である。
本発明の防食用粘着テープの凸部追従性の評価方法を示す模式図である。
上塗塗装の評価を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[防食用粘着テープ]
本発明は、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープである。そして、5℃の温度の環境下において、基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下である。さらに、5℃の温度の環境下で測定した基材の引張破断点伸度が100%以上であり、基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率が3%以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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