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公開番号2024035726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022140370
出願日2022-09-02
発明の名称緯二重織物
出願人ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類D03D 11/00 20060101AFI20240307BHJP(織成)
要約【課題】ユニフォーム用途に好適な適度なストレッチ性に加え、形態安定性、温感効果、表面平滑性を有するユニフォーム用途に好適な緯二重織物を提供する。
【解決手段】緯二重組織の織物であって、表組織を構成する緯糸が種類の異なるポリエステル系ポリマーを繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わせた複合繊維であり、裏組織を構成する緯糸が吸光熱変換性粒子を1~20質量%含有する吸光熱変換性繊維を少なくとも一部に含有する繊維であり、以下の(1)~(4)の条件を同時に満足することを特徴とする、緯二重織物。
(1)緯方向の伸び率が13%以上
(2)緯方向と経方向の伸び率との和が15%以上
(3)1洗後の寸法変化率が+3%~-3%
(4)未伸長状態での表組織における、織物表面粗さの平均偏差(SMD)が6.5μm以下
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
緯二重組織の織物であって、表組織を構成する緯糸が種類の異なるポリエステル系ポリマーを繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わせた複合繊維であり、裏組織を構成する緯糸が吸光熱変換性粒子を1~20質量%含有する吸光熱変換性繊維を少なくとも一部に含有する繊維であり、以下の(1)~(4)の条件を同時に満足することを特徴とする、緯二重織物。
(1)JIS L1096 伸び率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸び率が13%以上
(2)JIS L1096 伸び率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸び率と経方向の伸び率との和が15%以上
(3)JIS L1096 F-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で1洗後にタンブル乾燥を行った際の経方向の寸法変化率および緯方向の寸法変化率がいずれも+3%~-3%
(4)未伸長状態での表組織における、KES-Fシステムによる織物表面粗さの平均偏差(SMD)が6.5μm以下
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
表組織を構成する緯糸が種類の異なるポリエステル系ポリマーを繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維であって、複合繊維の単糸繊度が1.0~5.0dtexである、請求項1に記載の緯二重織物。
【請求項3】
種類の異なるポリエステル系ポリマーのうち少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルである請求項1または2に記載の緯二重織物。
【請求項4】
以下の人工太陽光照射試験で求められる10分経過後の上昇温度が8℃以上である、請求項1に記載の緯二重織物。
<人工太陽光照射試験>
緯二重織物(100mm×100mm)の表面の中心部分に温度センサーを取り付け、緯二重織物の裏面が上になるように置いて、温度20℃、相対湿度65%RHの環境で静置する。緯二重織物の前記表面の温度が20℃で安定した後に、500Wの人工太陽照射灯(編地から高さ20cmに設置)を緯二重織物の前記裏面に対して、照度100,000luxで照射する。照射開始から10分後の緯二重織物の前記表面の温度を測定し、下記算出式に従って10分経過後の上昇温度を算出する。
10分経過後の上昇温度(℃)=照射開始から10分後の温度(℃)-20℃
【請求項5】
経糸または緯糸の少なくとも一方に導電糸を含む、請求項1に記載の緯二重織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチ性、表面平滑性および温感効果に優れる緯二重織物に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、二重組織の織物がスポーツ衣料用途などに用いられている。例えば、特許文献1には、裏面に凹凸を有する経緯二重組織あるいは緯二重組織の織物で、裏組織の緯糸を構成する糸条が吸放湿性合成繊維であって、着用時にべとつき感が少なく快適である織物が提案されている。また、特許文献2には、二重組織の織物であって、表組織のカバーファクターや表組織と裏組織の緯糸密度の比率を特定範囲とし、さらに撥水加工や吸水加工を施すことで柔軟性および防水性や吸水性に優れた高密度織物が提案されている。
【0003】
一方、近年、ユニフォーム衣料やアウトドア衣料分野に使用する織物において、動作のしやすさの観点からスポーツ衣料用途と同様に適度なストレッチ性を有することが強く求められている。ストレッチ性を織物へ付与する方法としては、一般的にはポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどを用いた弾性繊維や、潜在捲縮性(熱水処理により捲縮、つまりクリンプが発現するという性質)を有するサイドバイサイド型フィラメント糸、仮撚加工が施された仮撚捲縮加工糸などを使用する方法が知られている。
さらに、屋外で使用されるアウトドア衣料には着用時のストレッチ性に加えて、防寒のための保温性能が要求されている。保温性能を付与する方法としては、太陽光の特定波長を吸収し、熱エネルギーに変換する効率の高い物質を繊維の内部や表面に固着させる方法や、遠赤外線放射の高いセラミックス等を繊維に練り込む方法、または繊維素材の上にコーティングする方法が開発されている。例えば、特許文献3には芯部に酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫の微粒子を含有したナイロン6を配し、鞘部にナイロン6を配した芯鞘繊維で光エネルギーを吸収し、遠赤外線を放射する能力を有する繊維を用いた布帛とすることで防寒衣料に適した保温性に優れる布帛が得られることが提案されている。
しかしながら、特許文献3に用いられるような繊維内部に微粒子を含有する繊維は、繊維自体が硬く、伸長性や強度が大きくないため、ストレッチ性を付与するために弾性繊維などと混繊したり交織した場合には、弾性繊維の伸長に十分に追随できないという問題があった。
【0004】
さらに、ユニフォーム衣料には衣服の形態の保持のしやすさや、ハリコシ感、表面平滑性が求められ、また、洗濯の頻度が高いものであるため、洗濯耐久性(洗濯後の形態安定性や帯電防止性能の耐久性)に優れることも要求される。しかしながら、これらの性能を十分に満足する織物は未だ提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-147657号公報
特開2001―348754号公報
特開平1-314716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は前記課題を解決することを目的とするものであり、ユニフォーム用途や屋外で着用するようなアウトドア衣料用途に好適な適度なストレッチ性に加え、形態安定性、表面平滑性および温感効果を有する織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(イ)~(ホ)を要旨とするものである。
【0008】
(イ)緯二重組織の織物であって、表組織を構成する緯糸が種類の異なるポリエステル系ポリマーを繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わせた複合繊維であり、裏組織を構成する緯糸が吸光熱変換性粒子を1~20質量%含有する吸光熱変換性繊維を少なくとも一部に含有する繊維であり、以下の(1)~(4)の条件を同時に満足することを特徴とする、緯二重織物。
(1)JIS L1096 伸び率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸び率が13%以上
(2)JIS L1096 伸び率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸び率と経方向の伸び率との和が15%以上
(3)JIS L1096 F-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で1洗後にタンブル乾燥を行った際の経方向の寸法変化率および緯方向の寸法変化率がいずれも+3%~-3%
(4)未伸長状態での表組織における、KES-Fシステムによる織物表面粗さの平均偏差(S
MD)が6.5μm以下
(ロ)表組織を構成する緯糸が種類の異なるポリエステル系ポリマーを繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維であって、複合繊維の単糸繊度が1.0~5.0dtexである、(イ)の緯二重織物。
(ハ)種類の異なるポリエステル系ポリマーのうち少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルである(イ)または(ロ)の緯二重織物。
(ニ)人工太陽光照射試験で求められる10分経過後の上昇温度が8℃以上である、(イ)の緯二重織物。
(ホ)経糸または緯糸の少なくとも一方に導電糸を含む、(イ)の緯二重織物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の緯二重織物は、適度なストレッチ性を有し、かつ、形態安定性、表面平滑性、温感効果にも優れており、また紫外線の遮蔽性にも優れているため、各種衣料、中でも屋外で着用するアウトドア衣料に好適にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の緯二重織物の一実施態様を示す、緯二重組織の組織図である。なお、図中1行目及び5行目に位置する緯糸は裏糸であることを示している。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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