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公開番号2024044941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022162789
出願日2022-09-20
発明の名称消臭機能と除電機能を併せ持つウール系生地と製品
出願人株式会社ミューファン
代理人
主分類D03D 15/258 20210101AFI20240326BHJP(織成)
要約【課題】
ウール100%、或はウール/ポリエステル混生地(以後、ウール系生地という)は、銀陽イオンを担持した抗菌剤を練り込んだ糸を一部織込む、編込んでも当該生地は抗菌防臭機能も、静電気除電も発揮出来なかった。金属銀を少なくとも一部露した糸を一部に持つウール系生地、及び該生地から成る繊維製品に洗濯耐性のある前記両機能を有する生地、繊維製品の提供を可能にすることを課題としている。
【解決方法】 2枚のポリエステルフィルムで真空蒸着法による銀層(金属銀層)をサンドイッチ状に積層し、スリットした糸を撚糸してウール系生地に織込む、編込むと課題にある静電気除電機能と悪臭消臭機能を実現でき当該生地による繊維製品も製造出来て、両機能は洗濯耐性がある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
銀陽イオンや亜鉛陽イオン等抗菌性金属陽イオンを担持させた抗菌剤を練り込んだ糸を使用するのではなく、純度の高い金属銀を一部の構成原料とする金属銀糸を生地の一部として織込むなり編込んで、洗濯耐性のある悪臭消臭機能を有し、且つ静電気除電機能を併せ持つ、ウール100%から成る生地、或はポリエステルの混率が10%から90%程度のポリエステルとウール混紡の生地。
続きを表示(約 53 文字)【請求項2】
請求項1に記載の生地が、構成原料の少なくとも一部に使用されている繊維製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【】
銀陽イオンを微細なゼオライトやガラス系多孔質担物質に担持させて、それらを練り込んだ抗菌糸を一部に有するウール100%、或はポリエステルとウール混の生地は(以後、ウール系生地という。)、ウールに含まれるアミノ酸であるシステインが持つチオール基と該抗菌糸から溶出する銀陽イオンが素早く反応して硫化銀を形成し再イオン化出来ず抗菌防臭機能を発揮出来ないが、少なくとも一部に露出した金属銀を有する糸を一部に織込む、編込む事によりウール系生地がアンモニア、インドール、酢酸、トリメチルアミンなどの悪臭消臭機能を実現でき、露出した金属銀による静電気放電力を活かした静電気除電機能を併せ持つ、ウール系生地や該生地と該生地からなる繊維製品に関する。
【背景技術】
【0001】
銀陽イオンをゼオライトやガラス系多孔物質に担持させた銀系抗菌剤を練り込んだ抗菌糸を一部に有する生地から徐放されるのは、当然銀陽イオンである。又、ポリエステルフィルム2枚に金属銀層をサンドッチ状に有しスリットされた偏平糸や、水分含有量の少ない合繊糸に少し被膜を厚くして銀をメッキした糸から溶出する糸を一部に有する生地から溶出する銀イオンも銀陽イオンである。
続きを表示(約 2,100 文字)【0002】
ウール系の糸(ウール100%、或はポリエステルが混紡された糸)にはウールなど動物性繊維に含まれるシステインというアミノ酸が(ウール単独で10%程度)含まれていて、システインは水素と硫黄が結合しているチオール基を持っているので、銀陽イオンとは素早くチオール基と反応し硫化銀を形成するので、銀が再イオン化出来ずウール系生地は抗菌防臭性を発揮出来ない。
【0003】
ウール系生地を対象に銀陽イオンによる抗菌防臭機能は上記のように実現しないし、銀陽イオンはカチオン染色するアクリル系、及びポリエステル系生地にも実現できない事が多い。悪臭ガス類であるアンモニア、トリメチルアミンといった窒素を持つ化合物なので、窒素は時に分子や原子と反応しない非共有電子対を持つので当該ガスに配位結合して分子構造を変えてしまうメカニズムがあり、金属銀の金属結合が弱い、或は原子単位のナノ銀とは弱酸であるガス状酢酸やイソ吉草酸とは化学反応による塩の形成というメカニズムにより分子構造を変える事が出来て消臭機能がある。尚、消臭試験は金属銀が銀陽イオン化出来るという環境下では実施されないので、銀陽イオン溶出による消臭機能とは消臭メカニズムが違うものである。
【0004】
また、上記[0001]に記載の金属銀を有する糸を一部に持つウール系生地は該糸が静電気放電に優れているので、静電気除電機能も併せ持つことが出来て、当該生地からなる繊維製品も上記消臭機能と併せ持つことができる。静電気除電は公定水分量の多いウール100%生地よりウール系生地のポリエステル混率が高いほど除電能力が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4196175号
特許第5288531号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウール100%糸から成る生地、及びポリエステルが混紡されたウール系生地やそれらからなる繊維製品には銀がイオン化してもシステインの持つチオール基との反応で硫化銀を形成していまい抗菌防臭機能は発揮できない。また、銀イオンの抗菌防臭機能により防臭できる悪臭は主に細菌由来の臭気であり、ウール系以外の生地でもすでに発生しているアンモニアや酢酸といった悪臭を消臭できるとは限らない。勿論銀が陽イオン化すれば既に発生している悪臭も消臭できる臭気もあるが、着用衣服や肌着に銀陽イオンを溶出する糸が使用されていても、銀のイオン化には汗などの水分が必要であり、汗などで濡れた衣料を着用は避けたいのが常である。勿論汗が乾いた後に汗に含まれる尿素が化学変化してアンモニアになっても、消臭試験は銀陽イオンが溶出できない乾燥状態で実施されるので、既に生成された悪臭を消臭できるウール系生地と該生地を必要部分に使用した繊維製品を提供できる事を一つの課題としている。
【0007】
また、金属銀を有する糸から銀陽イオンが溶出できなくても悪臭の消臭機能を発揮出来て、金属銀が露出する糸を一部に持つ生地の静電気放電力を利用し、静電気除電機能を活かしたウール系生地と当該生地を少なくとも一部に使用した繊維製品をも提供することをもう一つの課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題の一つは、銀という抗菌性を持つ金属イオンによるウール系生地や繊維製品への抗菌防臭機能付与ではなく、該生地に金属銀を有する糸を一部に織込み、或は編込んで、アンモニア・トリメチルアミンといった悪臭を消臭できる事にある。前記悪臭ガスは分子構造の一つの元素である窒素が他の分子・原子と結合していない2つの電子(非共有電子対)により当該金属銀を有する糸の銀に配位結合する事により分子構造を変えて臭気を無くすというメカニズムにより消臭ができる。
【0009】
汗には水分、塩分、マグネシウム、亜鉛、カリウム、重炭酸イオン、鉄などのミネラルや電解水、乳酸、尿素、有機物(タンパク質など)・その他ミネラル・油分や尿素などが含まれている。汗は水分蒸発により他温調節を行っているし、有効な成分は再吸収されているが、皮膚上に残った成分は抗菌性金属である銀からなる糸を持つ生地は水分により該金属がイオン化して細菌の増殖を抑制し、細菌による有機物や油分の分解による臭気を防げるので、これを抗菌防臭機能というが、ウール系生地には機能できない。よって体温や微生物、或は化学変化によりアンモニア、酢酸やイソ吉草酸が生成されることがある。
【0010】
化学式に窒素を有する悪臭に付いては、全てではなくても段落[0008]に記述したメカニズムが働きアミン系の臭気は消臭が可能であるが、2枚のポリエステルフィルムに銀をサンドイッチ状に有しスリットした糸は酢酸やイソ吉草酸は有機酸であり弱酸であっても、後述する金属銀の銀原子同士の結合が弱く、金属結合が弱い、或はナノ銀粒子の集団と上記有機が反応して銀塩を形成して消臭できる。
(【0011】以降は省略されています)

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