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公開番号2024056264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163022
出願日2022-10-11
発明の名称発光織物及びその製造方法並びに乗物用内装材
出願人トヨタ紡織株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D03D 15/547 20210101AFI20240416BHJP(織成)
要約【課題】所望領域の輝度が拡大された発光織物、所望領域の輝度を拡大することができる発光織物の製造方法、並びに、このような発光織物を用いた乗物用内装材を提供する。
【解決手段】発光織物1は、導光糸2が織り込まれた発光織物1であって、導光糸2は、コア・クラッド構造を有する側面発光型導光糸であり、発光織物1の意匠面1a側に露出された少なくとも一部の導光糸2のクラッドがブラスト研削されている。乗物用内装材は、発光織物1を備える。発光織物の製造方法は、発光織物となる織物の意匠面側に露出された少なくとも一部の導光糸のクラッドをブラスト研削するブラスト工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導光糸が織り込まれた発光織物であって、
前記導光糸は、コア・クラッド構造を有する側面発光型導光糸であり、
本発光織物の意匠面側に露出された少なくとも一部の前記導光糸のクラッドがブラスト研削されていることを特徴とする発光織物。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記導光糸は、非導光糸と共に製織されており、
前記非導光糸の間から露出された露出部が前記ブラスト研削されている請求項1に記載の発光織物。
【請求項3】
前記導光糸の導光方向に直交された略円形断面における中心をPとした場合に、
前記Pから広がる前記ブラスト研削された領域の角度をθ

とし、前記Pから広がる前記ブラスト研削されていない領域の角度をθ

とした場合に、θ

≧θ

である請求項1に記載の発光織物。
【請求項4】
前記非導光糸が、マルチフィラメントである請求項2に記載の発光織物。
【請求項5】
請求項1に記載の発光織物を備えることを特徴とする乗物用内装材。
【請求項6】
導光糸が織り込まれた発光織物の製造方法であって、
前記導光糸は、コア・クラッド構造を有する側面発光型導光糸であり、
本発光織物となる織物の意匠面側に露出された少なくとも一部の前記導光糸のクラッドをブラスト研削するブラスト工程を備えることを特徴とする発光織物の製造方法。
【請求項7】
前記ブラスト工程で用いる投射材が、水溶性無機化合物からなる請求項6に記載の発光織物の製造方法。
【請求項8】
前記投射材は、平均粒径が0.01~0.6mmである請求項7に記載の発光織物の製造方法。
【請求項9】
前記ブラスト工程後に、本発光織物となる織物を水洗する水洗工程を備える請求項6又は7に記載の発光織物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発光織物及びその製造方法並びに乗物用内装材に関する。さらに詳しくは、構成糸として導光糸を含んだ発光織物及びその製造方法並びに乗物用内装材に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、構成糸として導光糸(光ファイバ)を用いた発光織物が知られている。発光織物は、一端から光を入射すると、その入射光が他端に至るまでの間に、構成糸である導光糸の側面から漏洩されることにより、発光織物の表面が発光して見えるよう構成される。このような発光織物に関する技術が下記特許文献1に開示されている。また、このような導光糸側面からの発光を実現する加工方法としてレーザー光を用いた方法が下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-267573号公報
国際公開第2018-008781号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光織物に利用される導光糸は、本来は一端から入射した光を他端まで到達させることが目的の糸であるため、例えば、入射光を短距離で全て漏洩させ切り、他端まで光を到達させることができない仕様としては供給されていない。このため、ユーザは、規格化された導光糸を用いて発光織物を形成し又は購入し、その側面発光性能(漏光性能)をそのまま利用している実情がある。
しかしながら、発光意匠としては、導光糸への光の入射位置からどの程度の距離においてどの程度に発光(漏光)させるかを制御することができれば、発光意匠の自由度を飛躍的に向上させることが可能と考えられる。この点、例えば、入射光量の調節によって発光意匠の自由度を向上させることも可能であるが、大きな光量を扱うには、使用エネルギーの増大に対応する必要があり、付随するパーツも大型化することになる。更に、導光糸の出射端部からの余剰光量も多くなるため、この余剰光の処理にも工夫を要することになる。このように、現状の発光織物では、その利用箇所や目的に応じて側面発光性能(漏光性能)を拡大することができないという課題がある。
【0005】
上記特許文献1には、光ファイバ織物の発光ムラを低減することを目的とした光ファイバ照明装置が開示されているが、側面発光性能(漏光性能)の制御に関しては、その必要性及び手段・構成について何らの記載及び示唆はない。
上記特許文献2には、光ファイバのクラッドを均一且つ精密にエッチングをすることができ、更に、そのエッチング深さを精密に調節することができ、尚且つ、他の構成糸を損傷させないレーザーエッチング法を用いた高輝度発光織物の製造方法の開示がある。この技術は、側面発光性能の拡大に利用できる可能性があるものの、レーザーエッチング法は、レーザー光の焦点を絞って行う加工であるため、加工範囲はスポット状の非常に狭い範囲に限られる。このため、レーザーエッチング法を用いて、発光織物の側面発光性能(漏光性能)を制御するには膨大な加工時間を要することになり、加工時間及びコストの観点から現実的ではない。また、レーザーエッチング法を用いた場合、前述の通り、スポット状に加工されて、クラッドが点状又は線状に除去され、加工部と非加工部との境界が明瞭になるという特性がある。このため、各導光糸が各々点状や線状に発光する意匠となり、連続的な広がりを有する発光意匠を形成できないことも問題となる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、所望領域の輝度が拡大された発光織物、所望領域の輝度を拡大することができる発光織物の製造方法、並びに、このような発光織物を用いた乗物用内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明には、以下が含まれる。
[1]導光糸が織り込まれた発光織物であって、
前記導光糸は、コア・クラッド構造を有する側面発光型導光糸であり、
本発光織物の意匠面側に露出された少なくとも一部の前記導光糸のクラッドがブラスト研削されていることを特徴とする発光織物。
[2]前記導光糸は、非導光糸と共に製織されており、
前記非導光糸の間から露出された露出部が前記ブラスト研削されている上記[1]に記載の発光織物。
[3]前記導光糸の導光方向に直交された略円形断面における中心をPとした場合に、
前記Pから広がる前記ブラスト研削された領域の角度をθ

とし、前記Pから広がる前記ブラスト研削されていない領域の角度をθ

とした場合に、θ

≧θ

である上記[1]又は上記[2]に記載の発光織物。
[4]前記非導光糸が、マルチフィラメントである上記[2]に記載の発光織物。
[5]上記[1]乃至上記[4]のうちのいずれかに記載の発光織物を備えることを特徴とする乗物用内装材。
[6]導光糸が織り込まれた発光織物の製造方法であって、
前記導光糸は、コア・クラッド構造を有する側面発光型導光糸であり、
本発光織物となる織物の意匠面側に露出された少なくとも一部の前記導光糸のクラッドをブラスト研削するブラスト工程を備えることを特徴とする発光織物の製造方法。
[7]前記ブラスト工程で用いる投射材が、水溶性無機化合物からなる上記[6]に記載の発光織物の製造方法。
[8]前記投射材は、平均粒径が0.01~0.6mmである上記[7]に記載の発光織物の製造方法。
[9]前記ブラスト工程後に、本発光織物となる織物を水洗する水洗工程を備える上記[6]乃至上記[8]のうちのいずれかに記載の発光織物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発光織物によれば、所望領域の輝度が拡大された発光織物とすることができる。より詳しくは、意匠面側に露出された導光糸のクラッドがブラスト研削により除去又は薄化された発光織物であるため、ブラスト研削された領域では、導光糸のうちの意匠面側に露出された領域の全体を広く効率的に発光させることができる。このため、ブラスト研削前に比べて当該領域の発光が均一に拡大した発光織物とすることができる。また、これにより、広がり性及び連続性に優れた発光意匠を得ることができる。
本発明の乗物用内装材によれば、上記発光織物を備えるため、広がり性及び連続性に優れた発光意匠を得ることができる。
本発光織物の製造方法によれば、発光織物の所望領域の輝度を拡大することができる。より詳しくは、意匠面側に露出された導光糸のクラッドをブラスト研削により除去又は薄化することができるため、ブラスト研削した領域では、導光糸のうちの意匠面側に露出された領域の全体を広く効率的に発光させることができる。このため、ブラスト研削前に比べて当該領域の発光を均一に拡大した発光織物を得ることができる。また、これにより、広がり性及び連続性に優れた発光意匠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
発光織物の一例を示す説明図である。
ブラスト研削された導光糸を説明する説明図である。
レーザーエッチングされた導光糸を説明する説明図である。
ブラスト工程を説明する説明図である。
水洗工程を説明する説明図である。
乾燥工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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