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公開番号2024079341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022192229
出願日2022-11-30
発明の名称織編物
出願人クラレトレーディング株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D03D 25/00 20060101AFI20240604BHJP(織成)
要約【課題】光を照射した際にのみ図柄を表現できる、起毛表面を有する光透過性の織編物を提供すること。
【解決手段】透光部と遮光部とを有する組織を含んで構成され、前記組織表面に起毛された繊維を含む織編物であって、
前記透光部と前記遮光部の明度指数L*値の差が10.0以下であり、
前記透光部の光透過率が5.0%以上であり、かつ、前記透光部の光透過率と前記遮光部の光透過率との差が3.0%以上である、織編物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
透光部と遮光部とを有する組織を含んで構成され、前記組織表面に起毛された繊維を含む織編物であって、
前記透光部と前記遮光部の明度指数L*値の差が10.0以下であり、
前記透光部の光透過率が5.0%以上であり、かつ、前記透光部の光透過率と前記遮光部の光透過率との差が3.0%以上である、織編物。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記起毛された繊維の単糸繊度が0.90dtex以下である、請求項1に記載の織編物。
【請求項3】
前記透光部の見かけ密度が0.1~0.8g/cm

である、請求項1または2に記載の織編物。
【請求項4】
前記遮光部の厚みが前記透光部の厚みの1.5倍以上である、請求項1または2に記載の織編物。
【請求項5】
前記透光部の厚みが0.40mm以下である、請求項1または2に記載の織編物。
【請求項6】
織編物全体に対する高分子弾性体の混率が3質量%以下である、請求項1または2に記載の織編物。
【請求項7】
前記組織がダブルラッセル組織またはダンボールニット組織である、請求項1または2に記載の織編物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、織編物、特に、起毛表面を有する光透過性の織編物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ヒトと機械との間の情報伝達を行うための手段やそのためのデバイス(ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI))に関する技術開発が盛んに行われている。それに伴いHMIに用いられる素材の開発も進んでいる。特に、HMIの代表例ともいえる車両や航空機などの座席の周囲に配置されるインストゥルメンタルパネル(インパネ)などには、HMIとしての機能を阻害することなく、使用者が触れた際の感触や視覚的により高い心地よさを与えられるような素材が求められている。従来、いわゆるスエード調の起毛素材は心地よい触感や高級感などの高い視覚的効果を与え得る素材として知られており、インパネなどの加飾用の起毛素材として、不織布にポリウレタンを含浸して起毛することにより得られる人工の起毛素材が利用されている(特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-81817号公報
特開2014-185404号公報
特開2001-295156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、インパネのような情報表示用のデバイスは、パネルの背面からバックライトを照射して該パネルを透過する光によって情報を画面上に表示する。したがって、これを加飾する素材には、情報を表示するのに必要な光を遮断しないことが求められる。不織布は一般に目が細かく、光透過性を有しない。このため、上記特許文献1および2に開示されるような不織布系の起毛素材においては、不織布の一部を切削したり、不織布の一部分を熱融着させたりすることによって透光部と遮光部とを設け、これにより光透過性を出している。しかしながら、切削や熱融着により透光部を設ける方法では、多種多様の複雑な表現をすることが難しく、その加工時に生地の風合いも損なわれやい。また、ポリウレタンを含浸して製造される不織布では、ポリウレタン部分において光の吸収や散乱が生じ、高い光透過性を確保することが難しい場合がある。さらに、一般に、不織布は伸縮性が低く、例えば、複雑な形状の車内装備品などの表面を加飾する際にはシワが生じやすく、作業性においても課題がある。
【0005】
一般に、織編物には、織目や網目によって光透過性を付与しやすい。また、不織布に比べて高い伸縮性を有しているため、光透過性や作業性において有利であり得る。従来、例えば、カーテンなどに用いる生地として、光透過性を有する起毛の織編物も提案されている(特許文献3)。しかしながら、前記特許文献3に開示されるような光透過性の織編物は、生地表面を濃色部分と淡色部分とに色分けすることにより図柄を表現している。このような織編物では、染色の差によって生地表面の起毛感に差が生じて風合いが損なわれやすいだけでなく、光を照射していない状態でも図柄が生地表面に表現されてしまうため、光を透過することにより情報を表示するHMI用途には適さない。
【0006】
本発明は、光を照射した際にのみ図柄を表現できる、起毛表面を有する光透過性の織編物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するために詳細に検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]透光部と遮光部とを有する組織を含んで構成され、前記組織表面に起毛された繊維を含む織編物であって、
前記透光部と前記遮光部の明度指数L*値の差が10.0以下であり、
前記透光部の光透過率が5.0%以上であり、かつ、前記透光部の光透過率と前記遮光部の光透過率との差が3.0%以上である、織編物。
[2]前記起毛された繊維の単糸繊度が0.90dtex以下である、[1]に記載の織編物。
[3]前記透光部の見かけ密度が0.1~0.8g/cm

である、[1]または[2]に記載の織編物。
[4]前記遮光部の厚みが前記透光部の厚みの1.5倍以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の織編物。
[5]前記透光部の厚みが0.40mm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の織編物。
[6]織編物全体に対する高分子弾性体の混率が3質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の織編物。
[7]前記組織がダブルラッセル組織またはダンボールニット組織である、[1]~[6]のいずれかに記載の織編物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光を照射した際にのみ図柄を表現できる、起毛表面を有する光透過性の織編物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の織編物の一実施態様において、織編物の裏面から光を照射したときの表面の見え方を示す概略図である。
図2aは、三層構造の立体編物の構造を表面繊維層側から説明する斜視図である。
図2bは、三層構造の立体編物の構造を裏面繊維層側から説明する斜視図である。
図3aは、本発明の一実施態様であるトリコット組織により構成される編物の表面繊維層側の平面写真(光未照射)である。
図3bは、図3aの編物の裏面繊維層側の平面写真である。
図3cは、図3aの編物に、裏面繊維層側から光を照射した場合の表面繊維層側の平面写真である。
図4aは、本発明の一実施態様であるダブルラッセル組織により構成される編物の表面繊維層側の平面写真(光未照射)である。
図4bは、図4aの編物の裏面繊維層側の平面写真である。
図4cは、図4aの編物に、裏面繊維層側から光を照射した場合の表面繊維層側の平面写真である。
図5は、図4a~cに示すダブルラッセル組織により構成される編物の厚み方向の断面を拡大した写真である
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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