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公開番号2024077166
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189053
出願日2022-11-28
発明の名称ストレッチ性高密度織物および繊維製品
出願人帝人フロンティア株式会社
代理人個人
主分類D03D 15/56 20210101AFI20240531BHJP(織成)
要約【課題】ストレッチ性だけでなく耐水性にも優れたストレッチ性高密度織物および繊維製品を提供する。
【解決手段】織物の経方向および緯方向のうち一方に単繊維繊度0.1~5.0dtexの伸縮性マルチフィラメントAが配され、他方に単繊維繊度が0.00002~5.0dtexのマルチフィラメントBが配され、伸縮性マルチフィラメントAが配された方向の織物伸度が10%以上であり、かつ織物のカバーファクターCFが2550~4550の範囲内であることを特徴とするストレッチ性高密度織物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
織物の経方向および緯方向のうち一方に単繊維繊度0.1~5.0dtexの伸縮性マルチフィラメントAが配され、他方に単繊維繊度が0.00002~5.0dtexのマルチフィラメントBが配され、伸縮性マルチフィラメントAが配された方向の織物伸度が10%以上であり、かつ織物のカバーファクターCFが2550~4550の範囲内であることを特徴とするストレッチ性高密度織物。
ただし、カバーファクターは下記式により定義される。
CF=(DWp/1.1)
1/2
×MWp+(DWf/1.1)
1/2
×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記伸縮性マルチフィラメントAが、ポリウレタン繊維、2成分がサイドバイサイド型もしくは偏心芯鞘型に接合された複合繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、または仮撚捲縮加工糸からなる、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項3】
織物がツイル組織またはサテン組織を有する、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項4】
織物にフッ素系撥水剤が付着しており、カレンダー加工が施されており、耐水圧が1000mmH

O以上である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項5】
織物にフッ素系撥水剤が付着しており、カレンダー加工が施されておらず、耐水圧が800mmH

O以上である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項6】
織物に炭化水素系化合物またはシリコーン系化合物が付着しており、カレンダー加工が施されており、耐水圧が700mmH

O以上である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項7】
織物に炭化水素系化合物またはシリコーン系化合物が付着しており、カレンダー加工を施されておらず、耐水圧が500mmH

O以上である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項8】
織物において、防水用コーティング加工またはラミネート加工が施されていない、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
【請求項9】
織物において、経方向または緯方向の引裂強度が7N以上である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
ただし、引裂き強度はJIS L 1096-2010 8.17 D法により測定するものとする。
【請求項10】
織物において、滑脱抵抗力が3mm以下である、請求項1に記載のストレッチ性高密度織物。
ただし、滑脱抵抗力はJIS L 1096-2010 8.23 B法(荷重117.7N)により測定するものとする。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチ性だけでなく耐水性にも優れたストレッチ性高密度織物および繊維製品に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、耐水性の織物は、高密度織物に撥水加工を施すことによって作られており、スポーツ用途を中心に幅広い衣料分野で使用されている。織物に耐水性を付与するには一般に、織物の経糸および緯糸の使用本数を多くし、織物組織を高密度化することで達成される。しかし、織物組織を高密度化することで糸交点の周囲に余裕が無い組織構造となり、従来の耐水性織物は、組織が硬直化していて伸縮性に乏しく、風合いが硬くなっており、かかる織物で衣料を構成すると、ドレープ性に欠ける、着心地が悪くなる、さらに仕立て映えが良くない、といった問題を有していた。
【0003】
一方、伸縮性を高めるため織密度を小さくすると、耐水性が低下してしまい、十分に満足出来る効果を上げることは出来なかった。
これらの問題点を解決するために、例えば、特許文献1、2などでは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いて、カバーファクターCFを所定の範囲とした織物が提案されている。しかしながら、かかる織物では、ストレッチ性は有するものの、耐水性とストレッチ性とは相反する性質であり、耐水性の点でまだ満足とはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-336547号公報
国際公開第2002/008504号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ストレッチ性だけでなく耐水性にも優れたストレッチ性高密度織物および繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、織物を構成する糸条などを巧みに工夫することによりストレッチ性だけでなく耐水性にも優れた織物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。かくして、以下の発明が提供される。
【0007】
1.織物の経方向および緯方向のうち一方に単繊維繊度0.1~5.0dtexの伸縮性マルチフィラメントAが配され、他方に単繊維繊度が0.00002~5.0dtexのマルチフィラメントBが配され、伸縮性マルチフィラメントAが配された方向の織物伸度が10%以上であり、かつ織物のカバーファクターCFが2550~4550の範囲内であることを特徴とするストレッチ性高密度織物。
ただし、カバーファクターは下記式により定義される。
CF=(DWp/1.1)
1/2
×MWp+(DWf/1.1)
1/2
×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
2.前記伸縮性マルチフィラメントAが、ポリウレタン繊維、2成分がサイドバイサイド型もしくは偏心芯鞘型に接合された複合繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、または仮撚捲縮加工糸からなる、上記1に記載のストレッチ性高密度織物。
3.織物がツイル組織またはサテン組織を有する、上記1または2に記載のストレッチ性高密度織物。
4.織物にフッ素系撥水剤が付着しており、カレンダー加工が施されており、耐水圧が1000mmH

O以上である、上記1~3のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
5.織物にフッ素系撥水剤が付着しており、カレンダー加工が施されておらず、耐水圧が800mmH

O以上である、上記1~3のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
6.織物に炭化水素系化合物またはシリコーン系化合物が付着しており、カレンダー加工が施されており、耐水圧が700mmH

O以上である、上記1~3のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
7.織物に炭化水素系化合物またはシリコーン系化合物が付着しており、カレンダー加工を施されておらず、耐水圧が500mmH

O以上である、上記1~3のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
8.織物において、防水用コーティング加工またはラミネート加工が施されていない、上記1~3のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
9.織物において、経方向または緯方向の引裂強度が7N以上である、上記1~8のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
ただし、引裂き強度はJIS L 1096-2010 8.17 D法により測定するものとする。
10.織物において、滑脱抵抗力が3mm以下である、上記1~8のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物。
ただし、滑脱抵抗力はJIS L 1096-2010 8.23 B法(荷重117.7N)により測定するものとする。
11.上記1~10のいずれかに記載のストレッチ性高密度織物を用いてなる、衣料、裏地、芯地、靴下、腹巻、帽子、手袋、寝衣、布団側地、布団カバー、カーシート表皮材の群より選ばれるいずれかの繊維製品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストレッチ性だけでなく耐水性にも優れたストレッチ性高密度織物および繊維製品が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本発明のストレッチ性高密度織物(以下、「織物」ということもある。)は、織物の経方向および緯方向のうち一方に単繊維繊度0.1~5.0dtexの範囲内の伸縮性マルチフィラメントAが配され、他方に単繊維繊度が0.00002~5.0dtexの範囲内のマルチフィラメントBが配され、伸縮性マルチフィラメントAが配された方向の織物伸度が10%以上(より好ましくは12~30%)であり、かつ織物のカバーファクターCFが2550~4550の範囲内である。なお、該伸度は、JIS L1096-2010 8.16 B法により測定される。
【0010】
前記伸縮性マルチフィラメントAとしては、ポリトリメチレンテレフタレートからなる1成分で構成される繊維、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維(コンジュゲートフィラメント糸)、弾性繊維(ポリウレタン系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、吸水性エラストマー繊維など)、未延伸ポリエステル繊維、仮撚捲縮加工糸などが例示される。
(【0011】以降は省略されています)

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