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公開番号2024035664
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022140264
出願日2022-09-02
発明の名称監視方法、監視システム、及びそれに基づく施工管理方法
出願人飛島建設株式会社,岐阜工業株式会社
代理人弁理士法人共生国際特許事務所
主分類G01C 15/00 20060101AFI20240307BHJP(測定;試験)
要約【課題】3次元点群計測機器と、監視装置とを用いて、建設現場の計測対象の状態変化を短時間周期で監視する監視方法を提供する。
【解決手段】本発明による監視方法は、LiDARを含む3次元点群計測機器により建設現場の計測対象の監視エリアに対する距離計測を行う段階と、計測対象の状態変化を監視する監視装置により距離計測で得られた点群から計測対象の状態を面データとして生成する段階と、生成した面データを基準面データとして保存する段階と、新たに継続的に計測対象の監視エリアに対する距離計測を行い、距離計測ごとに得られた点群から計測対象の状態を新たな面データとして生成する段階と、新たな面データを基準面データと比較して、面データの差分を求める段階とを有し、得られた面データの差分又は面データの差分の時間変化により、計測対象の状態変化を監視することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建設現場の計測対象に対して距離計測を行うLiDAR(Light Detection and Ranging)を含む3次元点群計測機器と、3次元点群計測機器により得られた情報を処理し、処理後の結果に基づき計測対象の状態変化を監視する監視装置と、を用いた監視方法であって、
所定の基準点に基づき前記3次元点群計測機器により計測対象の監視エリアに対する距離計測を行う段階と、
前記監視装置により、前記距離計測で得られた点群から計測対象の状態を面データとして生成する段階と、
生成した面データを基準面データとして保存する段階と、
新たに継続的に前記3次元点群計測機器により計測対象の監視エリアに対する距離計測を行い、前記距離計測ごとに得られた点群から計測対象の状態を新たな面データとして生成する段階と、
前記距離計測ごとに前記新たな面データを前記基準面データと比較して、面データの差分を求める段階とを有し、
得られた面データの差分又は面データの差分の時間変化により、計測対象の状態変化を監視することを特徴とする監視方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
トンネル切羽の距離計測を行うLiDARを含む3次元点群計測機器と、3次元点群計測機器により得られた情報を処理し、処理後の結果に基づき切羽の状態変化を監視する監視装置と、を用いた施工管理方法であって、
トンネル切羽の掘削直後に所定の基準点に基づき前記3次元点群計測機器により切羽全体の距離計測を行う段階と、
前記監視装置により、前記距離計測で得られた点群から切羽の形状を面データとして生成する段階と、
生成した面データを基準面データとして保存する段階と、
新たに継続的に前記3次元点群計測機器により切羽全体の距離計測を行い、前記距離計測ごとに得られた点群から切羽の形状を新たな面データとして生成する段階と、
前記距離計測ごとに前記新たな面データを前記基準面データと比較して、面データの差分を求める段階とを有し、
得られた面データの差分又は面データの差分の時間変化により、トンネル切羽の状態変化を監視することを特徴とする施工管理方法。
【請求項3】
前記3次元点群計測機器は、切羽で使用される施工機械に取り付けられ、施工機械の振動や移動に伴う影響を抑制するため、前記3次元点群計測機器は防振手段を介して施工機械に取り付けられるか、切羽以外の基準点に基づくSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術による自己位置の補正手段を前記3次元点群計測機器又は前記監視装置に備えるかの少なくともいずれか一つの計測誤差低減手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の施工管理方法。
【請求項4】
建設現場の計測対象に対して距離計測を行うLiDARを含む3次元点群計測機器と、
前記3次元点群計測機器による距離計測により得られた点群から計測対象の状態を面データとして生成し、計測対象の当初の基準面データと比較して面データの差分又は面データの差分の時間変化により、計測対象の状態変化を監視する監視装置と、
前記監視装置から面データの差分又は面データの差分の変化に基づく各種通知情報を受信して表示する端末と、を備えることを特徴とする監視システム。
【請求項5】
前記3次元点群計測機器は、振動や移動に伴う影響を防止するため、前記3次元点群計測機器が防振手段を介して施工機械に取り付けられるか、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術による自己位置の補正手段を前記3次元点群計測機器又は前記監視装置に備えるかの少なくともいずれか一つの計測誤差低減手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の監視システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、監視方法、監視システム、及びそれに基づく施工管理方法に関し、特に3次元点群計測機器と、3次元点群計測機器により得られた情報を処理し、処理後の結果に基づき建設現場の計測対象の状態変化を監視する監視装置とを用いて、計測対象の状態変化を短時間周期で監視することを可能とする監視方法、監視システム、及びそれに基づく施工管理方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
トンネル、橋梁、ダムなどの建設現場においては、地山や地盤の状況などの影響により、施工面や施工後の構造物の表面などの面状態が変化する場合が起こり得る。面状態の変化は例えば地山からの圧力で押し出されてくるように変形したり、部分的にクラックや剥離が生じたりするなどして顕在化するが、このような面状態の変化を見落とすと大きな事故につながるおそれがある。
【0003】
一例として、山岳トンネル建設工事では、NATMと呼ばれる工法が多く採用されている。NATMではトンネル切羽が開放し自立している。トンネルの切羽付近では作業者が作業することがあるが、切羽近傍では落石や崩落の発生するおそれがあるため、作業における安全性の確保が重要である。そこで掘削作業により新たに形成された切羽に対しては、切羽の押出し、肌落ちに対する監視を行い、又掘削後にはできるだけ速やかに切羽面に鏡吹付けコンクリートを吹付けて切羽面を安定化させるなどの安全管理が行われる。
【0004】
切羽の押出し、肌落ちに対する監視においては、押出し、肌落ちの前兆をとらえ、作業者に通知することが重要であることから、切羽の挙動を早期に把握することが求められる。また、鏡吹付けコンクリートは、掘削直後の切羽面に3cm~10cm程度の吹付けコンクリートを施工するものであるが、施工管理においては吹付けコンクリートの厚さの管理が重要である。吹付け厚さが足りなければ、肌落ちの抑制効果が十分ではなくなるおそれがあり、一方で吹付けコンクリートは一時的に切羽を安定化するためのものであり、次の掘削時には除去されてしまうので、必要以上に厚く施工すると、材料と施工時間の無駄が発生してしまう。
【0005】
特許文献1は、こうした吹付けコンクリートの吹付け厚さをより正確に管理して施工の効率を向上させる方法に関するものであるが、特許文献1には、掘削面に吹付けられるコンクリート材料の目標吹付け厚さを設定する目標設定工程と、コンクリート材料が吹付けられていない掘削面までの基準距離を測定する基準距離測定工程と、コンクリート材料が吹付けられている掘削面の吹付け表面までの表面距離を測定する表面距離測定工程と、測定された基準距離と表面距離との差分を算出する差分算出工程と、算出された差分と目標吹付け厚さとを比較した結果に応じて吹付け表面に所定の情報を表示する情報表示工程と、を備えるコンクリート吹付け厚さ管理方法が記載されている。
【0006】
特許文献1に記載のコンクリート吹付け厚さ管理方法によれば、掘削面や吹付け面までの距離を測定する距離センサはレーザ光を用いたレーザ変位計であり、レーザ光が照射される特定地点に関しては正確な距離が測定されるものの、1つのレーザ変位計が測定できるのは1つの地点に限られるため、複数地点を測定しようとすると複数のレーザ変位計が必要となる。また複数のレーザ変位計を使用したとしても切羽全体の形状は把握することはできない。そこで切羽に凹凸があるような場合、レーザ変位計のレーザが照射された地点が凹部なのか凸部なのかによりコンクリート吹付け厚さが変わってしまうおそれがある。
【0007】
さらに上述したような切羽の押出し、肌落ちは切羽のどの部分で発生するかは予測不能であることから、押出し、肌落ちの監視には、特定地点の変位のデータだけでは不十分であり、切羽を面としてとらえた変位のデータが必要となる。
そこで、短時間で切羽を面として計測し、面としての変化の状況を監視することで切羽の押出し、肌落ちを監視したり、鏡吹付けコンクリートの吹付け厚さを面として正確に管理したりすることが可能な監視方法、施工管理方法の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-95716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の監視方法、施工管理方法における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、3次元点群計測機器と、3次元点群計測機器により得られた情報を処理し、処理後の結果に基づき建設現場の計測対象の状態変化を監視する監視装置とを用いて、計測対象の状態変化を短時間周期で監視することを可能とする監視方法、監視システム、及びそれに基づく施工管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による監視方法は、建設現場の計測対象に対して距離計測を行うLiDAR(Light Detection and Ranging)を含む3次元点群計測機器と、3次元点群計測機器により得られた情報を処理し、処理後の結果に基づき計測対象の状態変化を監視する監視装置と、を用いた監視方法であって、所定の基準点に基づき前記3次元点群計測機器により計測対象の監視エリアに対する距離計測を行う段階と、前記監視装置により、前記距離計測で得られた点群から計測対象の状態を面データとして生成する段階と、生成した面データを基準面データとして保存する段階と、新たに継続的に前記3次元点群計測機器により計測対象の監視エリアに対する距離計測を行い、前記距離計測ごとに得られた点群から計測対象の状態を新たな面データとして生成する段階と、前記距離計測ごとに前記新たな面データを前記基準面データと比較して、面データの差分を求める段階とを有し、得られた面データの差分又は面データの差分の時間変化により、計測対象の状態変化を監視することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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