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公開番号2024033960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137903
出願日2022-08-31
発明の名称噴射弁
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人服部国際特許事務所
主分類F02M 51/06 20060101AFI20240306BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】噴射システムを高圧化させることなく、噴霧の微粒化が可能な噴射弁を提供する。
【解決手段】旋回室30は、第1特定形状部31および第2特定形状部32を有している。第1特定形状部31は、噴孔プレート40の軸方向から見て、一端側が噴孔プレート40の中央部において開口部24に接続し、他端側が湾曲しながら径外方向に延びるよう形成されている。第2特定形状部32は、第1特定形状部31の他端に接続するよう形成されている。噴孔35は、噴孔プレート40の軸方向から見て、中心Hcの位置が、第2特定形状部32の中心Tc2に対し、第1特定形状部31が湾曲する方向Dr1とは反対側Dr2へずれた位置になるよう形成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
開口部（２４０）、および、前記開口部を取り囲むよう形成された弁座（２４）を有するボデー（２０）と、
前記ボデーの内側で移動し前記弁座に当接または前記弁座から離間可能に設けられたニードル（５０）と、
前記ボデーの前記開口部側の端面を覆うよう設けられた噴孔プレート（４０）と、を備え、
前記噴孔プレートは、前記ボデーの前記開口部側の端面に対向する面から前記ボデーとは反対側へ凹むよう形成された旋回室（３０）、および、前記旋回室と前記噴孔プレートの前記ボデーとは反対側の空間とを連通し流体を噴射可能な噴孔（３５）を有し、
前記旋回室は、前記噴孔プレートの軸方向から見て、
一端側が前記噴孔プレートの中央部において前記開口部に接続し、他端側が湾曲しながら径外方向に延びるよう形成された第１特定形状部（３１）、および、
前記第１特定形状部の他端に接続するよう形成された第２特定形状部（３２）を有し、
前記噴孔は、前記噴孔プレートの軸（Ａｘｐ１）方向から見て、中心（Ｈｃ）の位置が、前記第２特定形状部の中心（Ｔｃ２）に対し、前記第１特定形状部が湾曲する方向（Ｄｒ１）とは反対側（Ｄｒ２）へずれた位置になるよう形成されている噴射弁。
続きを表示（約 980 文字）【請求項２】
前記旋回室は、前記噴孔に対し流体流れの上流側において前記噴孔プレートの面方向に突出し前記噴孔プレートの面方向で対向する壁面間の距離（Ｗ１）を縮小する突出し部（３０１、３０２）を有する請求項１に記載の噴射弁。
【請求項３】
前記噴孔は、前記噴孔プレートの軸方向から見て、中心（Ｈｃ）が、前記第２特定形状部の中心（Ｔｃ２）および前記突出し部の先端を通る直線である基準直線（ＳＬ１）に対し前記第２特定形状部の周方向に９０°の範囲（Ｒ１）内に位置するよう形成されている請求項２に記載の噴射弁。
【請求項４】
前記噴孔は、前記噴孔プレートの軸方向から見て、中心（Ｈｃ）が、前記基準直線に対し前記第２特定形状部の周方向に４０～５０°の範囲（Ｒ２）内に位置するよう形成されている請求項３に記載の噴射弁。
【請求項５】
前記突出し部の突出し量をＷとし、前記噴孔の直径をＤとすると、
前記突出し部は、Ｗ＞Ｄ／２の関係を満たすよう形成されている請求項２～４のいずれか一項に記載の噴射弁。
【請求項６】
前記噴孔プレートの軸方向から見て、前記開口部と前記第１特定形状部とが重なる部分（Ｐ１）の面積をＳ１、前記噴孔の面積をＳ２とすると、
前記開口部、前記第１特定形状部、前記噴孔は、Ｓ１≧５×Ｓ２の関係を満たすよう形成されている請求項１～４のいずれか一項に記載の噴射弁。
【請求項７】
前記突出し部の突出し量をＷとし、前記噴孔の直径をＤとすると、
前記突出し部は、Ｗ＞Ｄ／２の関係を満たすよう形成され、
前記噴孔プレートの軸方向から見て、前記開口部と前記第１特定形状部とが重なる部分（Ｐ１）の面積をＳ１、前記噴孔の面積をＳ２とすると、
前記開口部、前記第１特定形状部、前記噴孔は、Ｓ１≧５×Ｓ２の関係を満たすよう形成されている請求項２～４のいずれか一項に記載の噴射弁。
【請求項８】
前記第１特定形状部は、一端から前記第２特定形状部に近づくに従い流路面積が小さくなるよう形成されている請求項１～４のいずれか一項に記載の噴射弁。
【請求項９】
前記流体は、還元剤である請求項１～４のいずれか一項に記載の噴射弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、噴射弁に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、液体等の流体を噴霧状に噴射する噴射弁が知られている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、燃料を噴霧状に噴射し内燃機関に供給する噴射弁が開示されている。この噴射弁では、円弧状の旋回室に噴孔を形成することにより噴霧の微粒化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第５８９３１１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、例えば、尿素ＳＣＲシステムにおいて、還元剤としての尿素水を排気中に噴射する噴射弁では、規制強化に伴い排気温度が低い場合でも液滴を蒸発させることが必要となっている。そのため、少ない熱量で液滴を蒸発させることができるよう、微粒化した噴霧の噴射が求められる。
【０００６】
尿素ＳＣＲシステムの噴射弁として特許文献１の噴射弁を用いた場合、還元剤は、旋回室において噴孔の上流で流れが集約せず、かつ、噴孔の全方向から噴孔に流れ込むため、スワールが弱くなり、噴霧の微粒化が不十分になるおそれがある。ここで、噴霧の微粒化を図るには、噴射システムを高圧化させる必要があり、低圧噴射システムからのコストアップが懸念される。
【０００７】
本発明の目的は、噴射システムを高圧化させることなく、噴霧の微粒化が可能な噴射弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明に係る噴射弁は、ボデー（２０）とニードル（５０）と噴孔プレート（４０）とを備える。ボデーは、開口部（２４０）、および、開口部を取り囲むよう形成された弁座（２４）を有する。ニードルは、ボデーの内側で移動し弁座に当接または弁座から離間可能に設けられている。噴孔プレートは、ボデーの開口部側の端面を覆うよう設けられている。噴孔プレートは、ボデーの開口部側の端面に対向する面からボデーとは反対側へ凹むよう形成された旋回室（３０）、および、旋回室と噴孔プレートのボデーとは反対側の空間とを連通し流体を噴射可能な噴孔（３５）を有している。
【０００９】
旋回室は、第１特定形状部（３１）および第２特定形状部（３２）を有している。第１特定形状部は、噴孔プレートの軸方向から見て、一端側が噴孔プレートの中央部において開口部に接続し、他端側が湾曲しながら径外方向に延びるよう形成されている。第２特定形状部は、第１特定形状部の他端に接続するよう形成されている。噴孔は、噴孔プレートの軸方向から見て、中心（Ｈｃ）の位置が、第２特定形状部の中心（Ｔｃ２）に対し、第１特定形状部が湾曲する方向（Ｄｒ１）とは反対側（Ｄｒ２）へずれた位置になるよう形成されている。
【００１０】
本発明では、旋回室の第１特定形状部は、他端側が湾曲しながら径外方向に延びるよう形成されている。そのため、噴孔までの流路長を長くし、噴孔における軸方向流速を遅くし、周方向流速を速くすることができる。これにより、噴孔から噴射される噴霧の微粒化を図ることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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