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公開番号2024032078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135518
出願日2022-08-29
発明の名称異種金属部材の重ね溶接方法
出願人国立大学法人 東京大学,トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類B23K 26/323 20140101AFI20240305BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】溶接部におけるCu-Al系の金属間化合物の形成を抑制し、溶接部のせん断強度の低下を抑制可能な異種金属部材の重ね溶接方法を提供すること。
【解決手段】表面にニッケルめっき膜11が形成された銅を主成分とする第1の金属部材10のニッケルめっき膜11上に、アルミニウムを主成分とする第2の金属部材20を重ね合わせ、第2の金属部材20の上方からレーザビームLBを照射する異種金属部材の重ね溶接方法である。レーザビームLBの照射によって第2の金属部材20が溶融した溶融池30aが、ニッケルめっき膜11には到達するが、第1の金属部材10には到達しないように、レーザビームLBの照射エネルギ密度を設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面にニッケルめっき膜が形成された銅を主成分とする第1の金属部材の前記ニッケルめっき膜上に、アルミニウムを主成分とする第2の金属部材を重ね合わせ、前記第2の金属部材の上方からレーザビームを照射する異種金属部材の重ね溶接方法であって、
前記レーザビームの照射によって前記第2の金属部材が溶融した溶融池が、前記ニッケルめっき膜には到達するが、前記第1の金属部材には到達しないように、前記レーザビームの照射エネルギ密度を設定する、
異種金属部材の重ね溶接方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記ニッケルめっき膜が、無電解ニッケルめっき膜である、
請求項1に記載の異種金属部材の重ね溶接方法。
【請求項3】
前記レーザビームが、熱伝導型溶接用レーザビームである、
請求項1又は2に記載の異種金属部材の重ね溶接方法。
【請求項4】
前記照射エネルギ密度を設定する前に、
前記第1の金属部材に形成された前記ニッケルめっき膜上に、前記第2の金属部材を重ね合わせ、前記第2の金属部材の上方からレーザビームを照射した際の熱伝導解析シミュレーションを実施し、
前記熱伝導解析シミュレーションの結果に基づいて、前記第2の金属部材と前記ニッケルめっき膜との界面における温度は前記ニッケルめっき膜の融点よりも高く、前記第1の金属部材と前記ニッケルめっき膜との界面における温度は前記ニッケルめっき膜の融点よりも低くなるように、設定する前記照射エネルギ密度を決定する、
請求項1又は2に記載の異種金属部材の重ね溶接方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は異種金属部材の重ね溶接方法に関し、特にレーザビームを照射して異種金属部材を溶接する異種金属部材の重ね溶接方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、二次電池、キャパシタ(コンデンサ)等では、アルミニウムやその合金からなる端子や電極等と、銅やその合金からなる端子や電極等を電気的に接続するために溶接する場合がある。このような異種金属部材の溶接では、溶接部に硬くて脆いCu-Al系の金属間化合物(IMC:Intermetallic Compound)が形成され、溶接部のせん断強度が低下する問題が発生し得る。
【0003】
特許文献1には、表面にニッケルめっき膜が形成された銅板上にアルミニウム板を載置して、アルミニウム板上からレーザビームを照射する異種金属部材の重ね溶接方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-211981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、異種金属部材の重ね溶接方法に関し、以下の問題点を見出した。
表面にニッケルめっき膜が形成された銅板上にアルミニウム板を載置して、アルミニウム板上からレーザビームを照射した場合でも、溶接部にCu-Al系の金属間化合物が形成され、溶接部のせん断強度が低下する問題は発生し得る。なお、Cu-Al系の金属間化合物IMCとしては、主にCu

Al

、CuAl、CuAl

が知られており、いずれも硬くて脆い。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、溶接部におけるCu-Al系の金属間化合物の形成を抑制し、溶接部のせん断強度の低下を抑制可能な異種金属部材の重ね溶接方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る異種金属部材の重ね溶接方法は、
表面にニッケルめっき膜が形成された銅を主成分とする第1の金属部材の前記ニッケルめっき膜上に、アルミニウムを主成分とする第2の金属部材を重ね合わせ、前記第2の金属部材の上方からレーザビームを照射する異種金属部材の重ね溶接方法であって、
前記レーザビームの照射によって前記第2の金属部材が溶融した溶融池が、前記ニッケルめっき膜には到達するが、前記第1の金属部材には到達しないように、前記レーザビームの照射エネルギ密度を設定するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る異種金属部材の重ね溶接方法では、レーザビームの照射によってアルミニウムを主成分とする第2の金属部材が溶融した溶融池が、ニッケルめっき膜には到達するが、銅を主成分とする第1の金属部材には到達しないように、レーザビームの照射エネルギ密度を設定する。
このような構成により、溶接部におけるCu-Al系の金属間化合物の形成を抑制し、溶接部のせん断強度の低下を抑制できる。
【0009】
前記ニッケルめっき膜が、無電解ニッケルめっき膜でもよい。ニッケルめっき膜の融点が銅の融点よりも低いため、溶接部におけるCu-Al系の金属間化合物の形成をより抑制できる。
【0010】
前記レーザビームが、熱伝導型溶接用レーザビームでもよい。溶融池が広く浅く形成されるため、溶接部におけるCu-Al系の金属間化合物の形成を抑制し易い。
(【0011】以降は省略されています)

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